特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

彼女は四曲おきに水を飲んだ:相対性理論@赤坂BLITZ

地下鉄の出口を出るや否や、直結しているBLITZのドアに特別ゲスト『鈴木慶一』と書いた紙が貼ってあったので、まず笑う。チケットにはゲスト:あり、とだけ書いてあってシークレット状態だったのだ。この人選はいかにも、だよなあ。
舞台を覆うスクリーンに照明があたり、幾つもの曲をコラージュしたテープが流れたあと、バンドの登場。
<セットリスト>(自信ない)
1.シンデレラ
2.地獄先生
3.(恋は)百年戦争
4.ぺペロンチーノ・キャンディ
5.人工衛星
6.チャイナアドバイス
7.三千万年
8.気になるあの子
9.LOVEずっきゅん
10.知らない曲(ほうき星?)
11.品川ナンバー
12.小学館
13.テレ東
14.ミス・パラレルワールド
15.SMILES and TEARS (やくしまるひろこwith 鈴木慶一
16.おはようオーパーツ(相対性理論with 鈴木慶一
17.ムーンライト銀河(〃)

う、うまい。うますぎ。
相対性理論の演奏が達者なのはCDから十分想像できることではあったが、想像以上だった。特にベースとドラムの人はものすごい。必要最低限の音しか出してないが、リズムのジャスト感とグルーブ感とのバランスがばっちり取れている。バンドの演奏全体も無駄な音は一つもなく、かといって躍動感がある。完成度が高すぎる演奏だ。
きっと演奏はCDどおりだろう、と思っていたのだが、後半に行くに連れてアドリブも増えていく。最後にギターソロ(意外)が見られた『品川ナンバー』やジョニー・マーみたいなギターカッティングで盛り上がった『テレ東』などは聴きものだった。まるでロックみたいだ(笑)。
終盤になって鈴木慶一氏が演奏に参加。『ムーンライト銀河』ではディストーションがギンギンのギターソロまで弾いたが、悪いけど、あんまり関係ないかな(笑)。でも『SMILES and TEARS』は名曲だった。
歌詞も演奏も息がつまりそうになるくらいの、もの凄い情報量。きっと歌詞が置いてあるのであろう譜面台が、やくしまるえつこの目の前にあるのは、このバンドの性格を象徴している。流麗なメロディとソフトなやくしまるえつこのVoは聞き流そうと思えば聞き流せるシンプルな音楽だが、実は凝りまくった目茶苦茶 複雑な演奏。
そんな相対性理論の音楽は良い意味で、いかにも日本的といえば日本的な、粋みたいなものすら、ボクには感じられた。死ぬほどうまいが、そういうところは微塵も見せず、音楽に対する初期衝動を再現しようとすら、する。音楽の種類こそ違うが、ムーンライダーズと共通している。こういうものが目の前で見られるというのは、日本の文化的な成熟度も捨てたものではない。まあ、決して多くの皆様のご支持は受けないだろうけど(笑)。
『安心して。えつこがいきます』には負けた。
生ずっきゅん、
だよ。