やっと暖かくなってきたなあ。最近印象に残った本をいくつか。
まず、『トレイシー』(中田整一)。
- 作者: 中田整一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: 単行本
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情報を提供した日本人捕虜は自分がしゃべることで、軍人と政治家が始めた間抜けな戦争を終わらせることになると信じていたそうだ。東条英機のアホが作った『戦陣訓』で捕虜になるくらいなら死ね、という教育を受けていた当時の日本人捕虜の気持ちは痛々しい。そもそもそういうことを他人に押し付けるキ○ガイ政治家こそ、死ねばいいと思う。あ、死んだか(笑)。
この本を読んで第二次大戦当時から今まで、日本の情報軽視が延々と続いていること、日本と言う国は国民のことをまったく守ろうと思っていないのは、改めて強〜く感じた。なんと厚生省は1980年代まで1945年にアメリカで死んだ日本人捕虜の情報を遺族に対して、故意にインチキ情報を伝えていたそうだ。
もうひとつ、神野直彦先生の『分かち合いの経済学』は考えさせるものがあった。
- 作者: 神野直彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: 新書
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金曜の夜はゴージャスな気分を味わおう?と銀座で『NINE』
きらびやかな雰囲気と出演者で、見る方だってソファに座ってシャンパングラスでも傾けながら見たい映画。豪華な出演者は枚挙に暇がないが、実質はペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ダニエル・デイ・ルイス、3人の映画。
舞台で大股を広げたペネロペ・クルスには度肝を抜かれたし、ちゃんと歌って見せるジュディ・デンチの芸達者ぶりもさすが。それにダニエル・デイ・ルイスのファッションはかっこよかったなあ。フレームが細いサングラスもスカーフの2重巻きも絶対真似しようと思ったね(笑)。ニコール・キッドマンは相変わらず圧倒的な美人なんだが、どうも印象に残らないなあ。出演時間はキッドマンの半分くらいのケイト・ハドソンの色気のほうが遥かに後味が残る。
ストーリーのほうはフェリーニの8 1/2がベースだそうだが、だいぶ違う。芸術に悩む男の話がいつの間にか女性関係に悩む話にすり替わる通俗的なものになってしまっていて、そこはがっかり。
お洒落な服と綺麗な女性、ローマやその郊外(アンツィオ)の美しい景色を味わうことができる映画。それ以上のものでも、それ以下のものでもないが、こういうのも映画の価値。見終わって、とっても良い気分。
たまには、ね〜(笑)。