今日の東京は大雨。ただでさえ、週初めでブルーになりそうですが(笑)、豪雨の中でも歩いて身体を使えば気持ちが良くなります。
雨さえ降らなければ、今の時期は快適な気候です。夕方になると、ベランダでぼんやりと空を眺めることが多くなりました。
国連総会でパレスチナの国連加盟支持の決議が圧倒的多数で可決されました。全193か国のうち143か国が賛成。反対はアメリカ、イスラエルなど僅か9か国に過ぎません。
内容は『現在は国連で投票権を持たない「オブザーバー国家」であるパレスチナの加盟を支持し、正式な加盟に向けて安全保障理事会に協議するよう求める』ものだそうです。
実質的な拘束力はないし、イスラエルの虐殺も止められないけれど、世界の大多数の国、いや世界の大多数の人がパレスチナを支持していることが示されました。
パレスチナの国連加盟支持の決議。反対・棄権・無投票だった国は?143カ国の圧倒的賛成多数で採択 | ハフポスト WORLD]
イスラエルの代表は怒り狂って国連憲章をシュレッダーで切り刻んで退席しました。まるで松岡洋右が現代に蘇ったみたいです。ファシストは国籍も時代も問わず、似たようなことをする。
この世界には『悪は存在する』。それが現実です。
こいつネオナチの人ですと言われても普通に信じそうなくらい違和感ねえな。
— 愛国心はなまけ者の最後の逃避場 (@UniButterPasta) 2024年5月11日
なんか極右って人種関係なく雰囲気が似るのな。 https://t.co/KYwSk0Pwym
今回の決議には日本も賛成しました。G7で賛成したのは日本とフランスのみ。アメリカは反対、他は棄権。今回の日本の行動は立派でした。
正直パレスチナの国連加盟は、どうせ米国がまた拒否権発動するだろうけど、それでも米国のトップクラス属国・・・もとい同盟国の日本がきちんと賛成票を投じる意味は決して小さくないからな。
— 愛国心はなまけ者の最後の逃避場 (@UniButterPasta) 2024年5月11日
自国の政府が立派なことした時はちゃんと褒めるべきだろ。
ネットをみてたら、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロがイスラエルに抗議する学生の所へ行って演奏していました。尊敬できる人がいざと言う時でも普段の言行と一致した行動をしているのを見ると勇気づけられます。及ばずながらボクも彼と同じ側に居たいと思います。
“I won’t do what you tell me”
— 日英メディア翻訳者✒️斎藤キリク (@kirikousaito) 2024年5月11日
「お前の言うことなんか聞かねーし」
レイジは何をしてるんだろうと思ったら、少なくともギタリストのトム・モレロは南カリフォルニア大学の学生たちのところににいた❤️
こういうアーティストほんとかっこいい😍 pic.twitter.com/mlOPQFrK0G
ま、彼はこんなこともやってますが(笑)。
と、いうことで 渋谷で映画『悪は存在しない』
豊かな自然に恵まれた長野県の町。次第に移住者が増えているこの町で便利屋を営む巧(大美賀均)と娘の花(西川玲)は、自然のサイクルに合わせたつつましい生活を送っている。ある日 巧の家の近くにグランピング施設を作る計画が持ち上がる。 経営難に陥った芸能事務所が政府からのコロナの補助金を得て計画したものだった。その説明会の席で彼らが町の水源に汚水を排水しようとしていることが判明するが。
自然に囲まれた長野県水挽町で代々暮らす巧とその娘・花。
— 映画『悪は存在しない』4.26fri全国順次公開 @Incline (@Incline_LLP) 2024年3月26日
穏やかに過ごす2人だったが、ある日町の近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。
森の環境や水源を汚しかねない計画の余波が、巧たちの生活にも及びー#濱口竜介 監督最新作
映画『#悪は存在しない』4月26日(金) 公開
昨年のベネチア映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞した話題の作品。
濱口竜介監督は前作『ドライブ・マイ・カー』でカンヌ映画祭の脚本賞、アカデミー賞国際長編映画賞を受賞しています。『ドライブ・マイ・カー』は大好きな映画でしたが、最も良かったのは石橋英子の、内省的だけど外を向いている独特な音楽でした。このサントラはずっとハイレゾで聞きまくってます。日常生活で嫌なことがあると、このメロディを思い出して、耐え忍んでいます(笑)。
今作も前作と同様 石橋英子とのタッグです。というか、もともと石橋英子のライブ用の映像として作った作品が発展して映画になったものだそうです。雑誌『ミュージックマガジン』の最新号で、濱口監督と石橋英子は共に『ゴダールの映画のような音楽を作りたかった』と言っていました。果たしてどんな映画でしょうか。
映画は森の中を映す映像から始まります。バックに流れるのは流麗なストリングス。しかし、どこか不穏な雰囲気も漂っている。まさにゴダールの世界です(笑)。
そして、自然豊かな村で暮らす巧の生活が描かれます。
森の中で黙々と薪割りをしたり、村に移住してきた蕎麦屋の若夫婦のために湧水を汲んだりする毎日です。巧は作業に夢中になって、一人娘を預けている保育園に迎えに行くことを忘れてしまうこともしばしばです。
そんな時は娘は森の中を歩いて一人で帰ってくる。森の中に亡くなった鹿の骨が転がっているのがまた、何かを象徴しているかのようです。
登場人物たちの口調は抑揚がなく平板です。特に巧は棒読みの台詞をぼそぼそ喋る。感情を殆ど露わにしない。作業服を着た村のあんちゃんだけが唯一、時折剝き出しの感情をあらわにする。
濱口監督の映画で、登場人物がこういう喋り方をするのは以前にもありましたが、何を象徴しているのかボクには理解ができません(笑)。煙草や自動車に対するこだわりも前作と同じですが、これもいまどき古臭い、と思います。
でも、それは些細なことです。映像も音楽も美しい。美しいだけでなく、音楽を唐突に挿入するなどゴダールのようなコラージュ的な手法も使われている。そうやって観客に予定調和のイメージを与えないようにしている。それでも中盤までは物語はどこか牧歌的、幻想的なイメージが感じられます。
やがて、コロナの補助金目当てに芸能プロがグランピング場を作る計画が持ち上がります。ここで急に話がリアルになる(笑)。悪く言うと下世話、人間臭くなる。今度は説明会でやり玉に挙げられる芸能プロの社員二人にスポットライトが当てられます。
この二人の描き方は本当にお見事でした。
クライマックスは突然です。美しい長野の自然の中で不条理な事件が展開される。『ここで話が終わったらカッコいいな』と思っていたら、本当に話が終わってしまった(笑)。少し笑いました。
映画が観客を急に突き放すのもゴダール流かもしれません。想像以上に死は、我々の近くにある。
お話自体にはそれほど意味がないと思いました。濱口監督の人物描写は本当に上手だと思うけれど、それより見る人のイメージを膨らませる作品です。ヨーロッパでウケるのも良く判ります。邦画にありがちな、特定の価値観を押し付けてくるような作品より、この方が遥かに良い。余白がある分だけ、心に残ります。
あと俳優陣、特に芸能プロの男女の社員役の俳優さんはとても良かったです。
美しい映像と音楽がこの映画の主役です。『ドライブ・マイ・カー』とはまた違うけれどサントラを聞きたいと思って、帰宅後ネットで探したら6月発売でした。4月末公開の映画を見てからそんなに間隔が空いてしまうのは無粋ってなものです(笑)。それだけは残念でした(笑)。