特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

4対380:ナチより酷いイスラエル

1年の締めくくりに2008年の映画&音楽ベスト3でも書くつもりだったが、残念ながらもっと他に書くべきことが起きてしまった。
イスラエルのガザ爆撃のことだ。
 今年読んだ本で印象に残っているものの一つに『戦争特派員』がある。スペイン内戦で起きたゲルニカ爆撃を世界に伝えたイギリスの記者’’ジョージ・スティア’’という人のことを描いたノンフィクションだ。

戦争特派員―ゲルニカ爆撃を伝えた男 (INSIDE HISTORIES)

戦争特派員―ゲルニカ爆撃を伝えた男 (INSIDE HISTORIES)

 ナチス・ドイツ爆撃機がスペインのバスク地方の都市ゲルニカを無差別爆撃して多くの死者を出した事件は、ピカソが描いた名画も相まって、今ではナチスの蛮行として世界に知れ渡っている。しかしその蛮行はスティアがいち早く現場に入って記事にするまで、世界に事実は伝わっていなかったのだ。『戦争特派員』にはそのときのことについて、僕のような人間でも耐え難くなるような描写がある。『(爆撃後)前日に昼食に招いてくれた夫婦を捜しに行ったが主人はずたずたに潰されて絡まりあった肉の塊になっていた。奥さんの体はばらばらになって敷石に転がっていた。(中略)人間の肉の燃える臭いが吐き気を催させた。』
 ゲルニカと同じことが今、起きている。
TVで流れる映像を見ているだけでも、イスラエルは一般住民が住んでいる市街地を平気で爆撃していることがわかる。
爆撃1日目は『死傷者合わせて1000人以上』と報道されていたが、4日目の今はなぜか『死者380人以上』という報道がなされている。
今 原因とか善悪は論じる気はない。いつもどおり双方に言い分があるし、今の時点では僕には真実はわからない。爆撃前からハマスイスラエルにロケット弾を打ち込んでいたというし、実は(そんなこととは関係なく)イスラエルは数ヶ月前からガザへの攻撃を準備していたという話もある(昨日の朝刊に載っていたが、陸軍まで用意している準備万端さからするとおそらくそのとおりだろう)。一つだけ確かなのは今 現在もゲルニカ重慶爆撃や東京大空襲と同じこと、一般市民への大量虐殺が行われているということだ。

 第2次世界大戦末期 ナチスがイタリアを支配した際 ドイツ軍1人が殺されるごとにイタリア人を10人処刑する、というのがイタリア人の抵抗活動への懲罰基準だったそうだ(『イタリア パルティザン群像』、現代書館)。今朝の朝刊によると現在 イスラエルの犠牲者は4人、ガザは380人以上だそうだ。爆撃は「自衛」のためと言い張るイスラエルユダヤ人1人の生命はガザの人間、約100人に相当するとでも言うのだろうか。今 イスラエルがやっていることはナチスより酷い。ナチより野蛮だ。ホロコーストで亡くなった犠牲者も浮かばれないだろう。

●アムネスティのニュースリリース
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=562
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