特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『裏金問題の内幕』と『大寒は春の始まり』

 明日は立春。先週 映画に見に六本木へ行く途中 広尾の有栖川公園を歩いたら、もう春の陽気でした。

 家の近所の駒沢公園では梅が咲いています。

 朝はまだまだ寒いし、これから雪も降るのでしょう。それでも春が着実に近づいているのには、年度末の雑事で暗い気持ちが少しは慰められます(泣)(笑)。

 それにしても、これは笑いました↓。確かにその通り。昔の過激派の連中は救いようがない大バカだと思ってましたが、1周回ってみれば賢かったのかも(笑)。


 TBSラジオ荻上チキの番組で時折、能登半島地震の現地取材報告をやっています。
 被害が最も酷かった場所の一つである珠洲市はもともと過疎化が進んでおり、この10年間で人口が2万人ちょっとから1万ちょっとまで激減していた、そうです。
 高齢化率は50%以上で、高齢者世帯の半分が単身世帯。それでは家の建て替えが進む筈がありません。古い家が多かったことが被害の拡大につながったそうです。今回の地震での死者は圧死が最も多かった。

news.livedoor.com

 珠洲市のように高齢化率が50%以上のような自治体は地震がなくても10年後には消滅していたかもしれません。

 これから復興、ということになるにしても、そういうところを元通りに復興させるというのは難しい。福島や神戸の復興とは意味が違う。
 被災者の方が地元の暮らしに戻りたい、と思うのは当然だし、家族や近親者が亡くなった人の思いは想像すらできませんが、限られた税金をどこまで投入するのかは議論が必要でしょう。それなのにTVはお涙頂戴を煽るばかりで、冷静な視点は殆どない。世論は益々アホになる。

 
 これは日本全体に当てはまる問題だと思うんです。これからは全ての人が豊かになっていくことを前提にするのは物理的に難しい

 ボクはどんな人でも生活は保証しなくてはいけないし、再配分を強化して貧富の差が少ない社会を作っていく方が、結果として誰にとっても暮らしやすくなると思っています。でも、たとえ 政権交代などで政策を転換しても、困っている人の要望通りに全て出来るかというと、それは有り得ない。

 規制に守られてきた古い商店街ややる気や工夫のない商店、市場原理を無視してコメなどに補助金を出してもムダ金になるだけです。ゾンビ企業や明日がない業種で働く若い人が気の毒です。
 
 高度成長期ならいざ知らず、少子高齢化が進む日本では全員が豊かになる道はないし、限りある資源をいかに配分するかが問題になります。皆が少しずつ譲り合ったり我慢したりしなくてはいけない。それを説得するのが政治の役割です。

 ところが日本は与野党ともに高度成長期のまま、利益配分に特化した政党ばかりです。
 自民のように強制代執行や強行採決を仕掛けるのは論外だけど、野党は減税だのバラマキばかり。どちらにも理を尽くして国民に負担を説得するという民主主義の根本が欠けている
 バブル以降の日本の失われた30年や少子高齢化の根本的な原因は与野党含めて政治の機能不全のせい、資源配分がまともにできないから、でしょう。
 


 今週は政治のレア情報(笑)。首相官邸に出入りしているシンクタンクの人から裏金問題の内幕を聞きました。
 政治家やマスコミとは関係なく、実務を動かしている役人や研究者、企業のネットワークってあるんです。損得抜きで勉強会や情報交換をやりながら、時には若手・中堅の政治家も加わって、お互いが勉強している。むしろ、実務を動かしているのはそちらです。
 野党の政治家ももっと積極的に外部とのネットワークを作っていけば、質も上がっていくと思うんですけどね。

 このところ、ずっとニュースで報じられている派閥の裏金問題は岸田が仕掛けたそうです。赤旗が裏金を報じたあと、大蔵省から詳しい情報を入手した岸田派が検察に、そして検察が朝日やNHKなどにリークした。

 ボクは、自派で政治資金パーティーをやっていない、また金が山ほどある麻生が仕掛けたのかと思っていましたが、違うようです。
 マスコミへのリークまで使っている検察なんて所詮自分たちの出世と省益が目当てなのに、元々ネットで『検察頑張れ』とか言ってた連中はバカじゃねーのと思ってました。予想通り検察も朝日も岸田に利用される同じ穴のムジナ、岸田は赤い舌を出していたでしょう。

 岸田の目的は他の派閥潰しです。裏金があるのは新興の安倍派と二階派だけだと判断していたから、大派閥を潰して弱小派閥の自派の影響力を強めるためリークした。そしたら岸田派でも記載ミスがみつかって当てが外れた(笑)。

 それでも岸田は人事から安倍派を一掃したし、何よりも安倍派や二階派による岸田下ろしはできなくなった。派閥の均衡で成り立っていた自民党内の岸田の立場は派閥が潰れて却って強くなった。これはTBSラジオでジャーナリストの神保哲夫氏も同様のことを言っていました。

 それでも政局は4月の訪米の前後に大きなヤマがあるかも、だそうです。党内では選挙対策として上川を担ぐ話も出ているそうですが、岸田は自分の代わりは出てこない、と思っているそうです。
 
 この話を聞いて改めて、岸田の深慮遠謀、執念はすさまじいと思いました。権力への執念もそうですが、安倍内閣時代、岸田は結構コケにされていた、その怨念が今爆発しているんじゃないでしょうか。

 いずれにしても自民党の政治家は権力維持に汲々として、国民のことなんか考えていない。一方 野党は物の数にも入っていない(笑)。
 半分以上の国民が選挙に行かないから、与野党問わず政党は自分の支持者や支援団体の方しか見なくなる。与党は自分の利権と支援団体の利益を追求するし、野党は支持者の顔色ばかり見て現実離れしたバカなことを言い出す。大多数の国民が政治に興味を示さなければ、そうなるのは当たり前です(笑)。

 それで少子高齢化になったり、経済対策がうまくいかなくなっているのですから、まさに日本人は自滅の道を歩んでいる。100年後 他国の歴史の教科書では、日本は笑いものになっているんじゃないですか(笑)。


 さて大寒の日、丸の内へ和食を食べに行ってきました。
 NHKの『美の壺』などでも取り上げられる有名店ですが極端に地味な料理(笑)なので、若い時は物足りませんでした。
 でも、今はそれくらいがちょうどよくなってきた。と、言っても しょっちゅうは行けないので、たまに、です(笑)。

 梅酒のソーダ割で始まりです。

 最初は素焼きの器が出てきました。器の絵は店のご主人が書いたそうです。

 中身はカズノコと細魚。細魚は春を告げる魚だそうです。

 お刺身。お正月らしく鶴のレリーフです。こんなお皿があるんですね。上に載っているのはヒラメとイカとマグロ。もっと変わったものを出せよ、と言いたいところですが、質は超良いので文句ありません(笑)。

 次もお正月らしく重箱が出てきました。

 上の段はマナガツオの幽庵焼き

 仲居さんがお皿に盛りつけてくれました。上のお皿はなまこ。

 下の段は八寸

 左からからすみと大根、鴨、菜の花、黒豆、金柑、上はこのわた。

 今度はお椀が出てきました。

 中身はフグの白子。まるまると太っています。フグ屋で出てくるものより立派でした。

 次は何と!白魚と蕗の薹。まだ1月です。これは驚きです。春が来たんだなーという気になりました。淡い味付けの白魚や蕗の薹の中で千切った梅が良い仕事をしていました。

 奇麗なお茶碗です。

 炊き合わせです。飛竜頭とキクラゲ、小松菜

 飛竜頭の中には山ほど蟹が入ってます。

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 銅の釜で炊いた近江米の炊き立てご飯。家では銅のお釜なんて手入れが大変で使えません。

 地~味~ですが、これが美味しいんです。漬物も赤だしも異様に美味しい。

 この日はイクラがついてました。わーい。

 この時期の和菓子。題して『下萌え

 土の中から生えてくる芽を表したお菓子です。土を表す黒豆の餡の中に、抹茶で色付けした白エンドウマメの緑色の餡が入っています。
 甘くなくてサッパリとしています。この店でも『店売りのお菓子と違い、作り立てだと保存のことを考えなくていいから砂糖の量を抑えられる』って言ってました。

 ヘタをつまんでイチゴを取ろうとしたら、もう切ってありました(笑)。さすが。

 年初らしく窓際には辰が鎮座しています。12年に1回しか使わないこういうものは家賃が高い丸ビルの店ではなく、滋賀の本店にしまってあるそうです(笑)。

 一番寒い時期、大寒の中にも、春の兆しはあるんだーと実感しました。年初からのブルーな気持ちが多少は元気になりました(笑)。