特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『欲望の資本主義2024』と『年忘れ和食大会』

 明日は大寒。寒さもいよいよ本格的になってきました。
 今の家はリフォームして二重窓をつけたので暖房器具は不要になるか、と思ったのですが、今週はさすがにストーブを出しました。

 早朝に徒歩出勤していると自分でも季節に敏感になった、と感じるのですが、二十四節気、旧暦の方が自然にマッチしているように思えます。
 中国やベトナムなど旧暦で動いている国(沖縄もそうですよね)はこれから新年を迎えます。お正月が終わったら温かくなる、動物の生理としてはその方が自然に感じるのはボクだけでしょうか。

スマホでもヤバいんだから、電気自動車なんか極寒ではアウトです。将来どうするんだろ。


 昨日 共産党の委員長が交代しましたが、相変わらずの独裁体制。民主主義がない政党が民主主義を守れ、というのもおかしな話です。

www.sankei.com

 昨年11月 田村は書記長の小池のパワハラを受け、小池が謝罪会見をしましたが、今度は田村が同じことをやっている。

 公衆の面前で異論を唱えた発言者の人間性そのものを否定しちゃうんだから、こんなの企業でも一発アウトパワハラもいい所です(笑)。

●『日本共産党』などの著書がある政治学者の中北氏のコメントも貼っておきます。

Yahoo!ニュース エキスパート コメンテーター中北浩爾さんのコメント - Yahoo!ニュース

 岸田の派閥の話も酷いと思いますが(資金の透明化が問題なのであって、派閥の解散なんてどうでもいい)、共産党の変われない体質も自民党と好一対です。23年ぶりの委員長交代が『若返り』ではなく『先祖返り』ですから(笑)。変われないという点では自民党より酷いかも。


 先週11日に 毎年楽しみにしているNHKの『欲望の資本主義』の2024年版が放送されました。


www.nhk.jp

 番組内容自体はいまいちで、『欧米型のジョブ型雇用を取り入れ、女性活用などダイバーシティを進めれば生産性も上がって何とかなるかも』みたいな話で興味は持てませんでした。ダイバーシティの必要性は同感ですが、ジョブ型雇用で世の中が良くなるとはとても思えない。

 ジョブ型雇用というのは仕事内容を労働者と企業が契約して定める雇用で、転勤や異動もないかわりに、定期昇給や昇進はそもそも概念自体がない(笑)、その仕事がなくなれば雇用もなくなる、という制度です。

 マニュアル通りのことしかやらない定型労働だったら、ジョブ型の方が生産性も上がるし、労働者の働き方も自由になる、というのは判ります。しかし定型労働はどんどん機械やAIに置き換わっていく。
 今の日本の硬直化した雇用制度も問題あるし企業や役所には無駄は山ほどあると思うけど、ジョブ型雇用が社会の生産性向上になるとは全く思えません。

 それより、これからの世界は本当に格差が広がっていくな~と改めて感じました。デジタル化や産業のサービス産業化が進むにつれ、デジタル化や高付加価値化を進めることができない業種や企業はどんどん落ち目になる。どう転んでも、それは避けられそうもない。

 デジタル化や小難しい理屈(高付加価値化)に対応できる人とできない人の差はどうしても出てくる。
 イーロン・マスクのように一国の生殺与奪を左右する程の財力や権力を持つ個人が出てくる反面、デジタルや高付加価値化に対応できない人たちはその子供も含めてずっと這い上がれません。社会の流動性がなくなる。デジタルは新たな生産手段であり、中身を理解して使いこなせない人はそれに使われ、疎外される
 これを番組では『デジタル封建制』という言葉で表現していました。

 番組では『ホワイトカラーが目覚めて専門的・高付加価値な仕事を進める「シン中間層」になれば、日本は変わるのではないか』と結んでいました。確かに中間層の復活は経済面でも民主主義の面でも必須条件です。
 番組の『シン中間層』とはデジタルが判る起業家や経営マインドを持ったホワイトカラーを指すようですが、そういう人をそんなに沢山育てられるでしょうか。

 取り残される人を減らすために教育やリスキリングを進めることは大事です。北欧やドイツなどは工場の現場で働いていた人が教育を受けてプログラミングを勉強していたりする。しかし、仕事を変えたくない人や新たな技術を覚えたくない人も沢山いるでしょう。

 将来の明るい方向はなかなか思い浮かびません。個別の労働者や企業単位なら生き残る道はありますが、日本という国全体では甚だ疑問です。せいぜい、中国やベトナム、台湾、インドネシアなど、これから成長する国の下請けか。観光だけでは食えないだろうし。

 若い人はこの国の将来をどう感じているのでしょうか。政界で左右を問わず『変われない連中』がのさばっているのを見ると、少子化が進むのは尤もな話に思えてしまいます。


 先週に引き続き、年末のお食事特集です。クリスマスが終わり、仕事納めのあと、いつも行っている近所の和食へ行ってきました。京都の料亭、菊乃井の東京支店の料理長が独立して開いた店です。
 人通りが少ない通りにあるのですが、菊乃井の半額以下で済むので(笑)連日満員です。

 全然興味ないですが、入り口にはミシュランの星獲得のお祝いが飾ってありました。

 最初はシャンパンです。
 太るし、お腹いっぱいになってしまうので、ボクは10年に1回くらいしか(笑)、ビールは口にしません。そうなると最初はシャンパンか梅酒のソーダ割、ということになります。本家の菊乃井にはグラスシャンパンがないので、助かります(笑)。

 自家製胡麻豆腐の蟹あんかけ。温かい胡麻豆腐は寒い日のスターターにはぴったりでした。あんかけも良いお味。

 八寸。『なまこの酢の物』や『押寿司』、『柿や金柑の射込み』に『栗の渋皮煮』に『お浸し』。小さい店で色々作るのは大変だと思います。

 八寸の中央に鎮座している、からすみは自家製です。『安い時に纏めて仕入れたボラの卵を室内で干しているんです』って、ご主人が言ってました。

 お刺身の盛り合わせ。どれも丁寧な仕事がしてあります。いつもながら、素晴らしい。小田原漁港主体のお魚自体も美味しい。真ん中のからすみがかかった白身クエ。これも温暖化の影響でしょう。

 お刺身には日本酒が欲しいです。入手困難で有名な『醸し人九平治』は香りが立って、確かに美味しい。
 ただ、ボクには日本酒は度数が強いんですよねえ。

 お椀。美しい塗り物です。

 蕪ら蒸しは本当に大好きです。この日は赤蕪。お腹が文字通り温まります。

 『氷見の寒ブリ』。氷見市のブランド戦略で、寒さなどを勘案しながら市だか漁協だかが宣言した後のものを正式に?’’寒ブリ’’と呼んでいるそうです。串を打って炭で焼いた寒ブリは臭みもなく脂も適度に落ちて、美味しかったです。
 まさか、この数日後にあんなことになろうとは。

 次の日本酒。軽いものを、と言ってお願いしましたが、一口飲んだら、もう飲めなかった(笑)。

 常陸牛の赤身味噌漬け、’’シンシン’’と呼ばれる内ももです。
 低温調理したものを炭で炙ったもの。悪いとは言わないけど、最近は低温調理の店が多い。素人でも失敗が少ない低温調理は家でやるものと思うけどなあ(と、イタリア料理の某巨匠が言ってました(笑))。
 失敗があっても少しくらいだったら、それはそれで料理人の個性です(笑)。ボクは個性があるものを食べたいです。

 一見 土鍋で炊いたイクラとくわいのご飯ですが、『卵かけごはんです』と言われて出てきました??

 そのあと出てきたのはイクラをつぶしたご飯。なるほど、確かに卵かけごはんの味がする。でも、卵かけご飯より美味しかった(笑)。これはアイデアです。
 残った分は折り詰めにして、翌日の朝ご飯です。

 いつものお決まり、出来立てのわらび餅。ふわふわです。

 帰り道にある小学校は何故かライトアップされていました。LEDとは言え、冬休みにまでもったいない。

 帰宅後 マンションの上層階から夜景を見てみました。冬の夜遅く、空気が澄んでいるから、渋谷の高層ビルや東京タワー、その奥に高さ日本一となって最近話題の麻布台ヒルズが見えます。
 この日も寒い夜でした。