特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『ドイツと日本の違い』と『立春のイタリアン』

 今週は寒くなったり、温かくなったり。夕方に家のベランダから見た空がいかにも春らしい青色をしていました。
 まさに『ブルーアワー』です。

 30分も続かない、僅かな時間です。青い夕空を見ながらユジャ・ワンがピアノを弾いているこのCDを掛けたのですが半分も終わる間もなく、夜の帳が下りてきてしまいました(笑)。

Blue Hour

Blue Hour

Amazon

 余談ですが、こういうところ↓もボクがPerfumeを好きな理由です。今年こそ、久しぶりにカッコ良い新曲をお願いします。



 さて、今週は日本がGDPでドイツに抜かれ、世界4位に転落したことがニュースになっていました。

 直接的には既に1ドル150円に達している円安やドイツのインフレが原因ですが、日本とドイツのGDPは00年代には約2・5倍の開きがあったそうですから、日本経済が低迷が続いていることが本質的な原因であることは間違いありません。

 バブル崩壊から小泉改革アベノミクスに至るまで日本の経済政策は失敗だらけ、ドイツに比べて劣っていたんです。

 ドイツも日本も同じモノづくりの国として知られています。どう違うのでしょうか。
 日本とドイツの違いは輸出です。テレビでは生産性とか言ってますが、それは結果に過ぎない。
 ドイツのGDPに占める輸出は5割近いのに対して、日本は2割弱しかない。


日本は本当に「貿易立国」なのか、ファクトに見える真実:「ファクト」から考える中小製造業の生きる道(6)(4/4 ページ) - MONOist

 ドイツの人口は8400万人と人口は日本の7割しかないのに日本より遥かに輸出額は大きい。それがずっと、伸びている。


https://cs2.toray.co.jp/news/tbr/newsrrs01.nsf/0/7F5FAB81C140598B4925833D003C840C/$FILE/sen_188_01.pdf

 直近までのデータを見ても日本だけが蚊帳の外です。このグラフは世界の輸出上位6か国の2000年からの輸出額推移(単位=百万USドル)をグラフにしたもの。
 日本は特にアベノミクスの期間は輸出が減少した(笑)。異次元の金融緩和で円安にして輸出を増やすんじゃなかったんだっけ(笑)。これから韓国に抜かれるのも時間の問題でしょう。


輸出総額 - GLOBAL NOTE

 そもそも日本はバブル崩壊以降 工場の海外移転を進め、国内の設備投資を抑えてきました。更に今後は少子高齢化が進むのだから、企業が設備投資なんかする訳がない(笑)。それでは国内の景気が良くなる筈がないし、円安にしても輸出が増える筈もない。

 他にもドイツは左翼政権が20年前に解雇を自由化したし、インダストリー4.0と呼ばれる製造業のデジタル化と労働者の再教育を進め、地方政府は振興公社を作って地域の工場をクラスター化したり、輸出を支援し、雇用と税収を守った。
 ドイツは地方が補助金頼みではなく、自ら稼いでいるしかも 原発を止めている原発(と補助金)がなければ地方経済は立ちいかないなんて寝言を言ってるバカは恐らく、ドイツにはいない(笑)。


www.rieti.go.jp

 ドイツにとってEUの存在は大きいけど、それなら日本だって韓国やタイ、マレーシア、シンガポールなどと経済共同体を造ればいい。関税廃止は勿論、通貨も一本化して、移民も受け入れて労働移動も自由にすればいい。バカウヨは発狂するだろうし(笑)、難しいことは判ってるけど、日本ではその議論すらない。

 少し前のTPPだって右翼が反対するなら判らないでもないけど、反対したのは主に左翼、リベラル。どれだけオツムが左巻なんだよ(笑)。


【3分でわかる】全政党の政策比較「TPP」 | 日本最大の選挙・政治情報サイトの選挙ドットコム

 余談ですが 反対派がアメリカの陰謀だの、国民皆保険が潰れるだの言ってたTPPはバカと嘘つきのリトマス試験紙でした。政党の他にTPPに反対してたのは農協や堤未果山本太郎、中野剛志など。堤未果なんてTPP加入で失業者が7万4000人も出るって言ってました(笑)。

 現実にはTPPにアメリカは加入しなかったし、発効しても日本の皆保険制度も農業も変わりないし、失業者も増えなかった(笑)。

 話を戻して、日本の政治がやったことは、与野党ともにカネをばらまくだけ、また地方や業界団体は中央に金をたかるだけ、と言ったら言い過ぎでしょうか。
 特に政府の言ってることはアベノミクスの円安に始まり、オリンピック、インバウンドに、万博、全て他力本願の一時しのぎです。

 労働時間一つとっても、ドイツは日本より2割も短い。やっぱり、日本人は頭の使い方が間違っているんです(笑)。


toyokeizai.net

 そんな失敗の積み重ねだったのに、プロジェクトXなんか復活させてる場合か(笑)。だからダメなんですよ(笑)。

 勿論 ボクはドイツ・マンセーではありません。21世紀にもなってジェノサイドというナチの蛮行を繰り返すイスラエルにドイツは加担している。あいつらも日本とは違う意味で反省が足りない。ドイツの戦争への反省も所詮は偽善、と言われても仕方ないでしょう。
 それでも山本一太小池百合子のような歴史捏造主義者が知事をやってる日本よりマシではあるんですが。


 と、いうことで立春の日に、また近所のイタリアンへ行ってきました。

 最初はスプマンテ。フランチャコルタです。泡物は家で飲むより、店で飲む方がはるかに美味しいのは不思議です。

 発酵野菜のスープとサルシッチャのコロッケ

 まずは『もくじ』。この日の材料が調理法を変えて出てきます。中央から右回りで白子のバターソテー、ヤリイカフリット、シラスのオムレツ、トラフグの煮凝り、網獲りの野生鴨のしゃぶしゃぶ。

白子と王様シイタケのプディング

 ロゼに見えるけど白ワインです。皮や種も一緒に仕込んだオレンジワインです。

 もう、春の便りが届きました。ヤリイカの網焼き。トマトのローストとイタリアの菜の花’’チーマディラーパ’’を添えて。黒いソースはオリーブのピューレ。

 目指せムルソー、でアンティノリが作っているシャルドネの白。まだムルソーに敵うとは思いませんが、コクが出てきていい感じでした。

 和歌山のシラスと芽キャベツのパスタ。こんなに大きなシラスは初めて見ました。

 トラフグと白菜のリゾット。上に載っているのはイタリアのチーズ`’カステルマーニョ’’

 石巻の猟師さんが網で捕った野生鴨。フランスのランド産などの鴨より遥かに肉の色が濃い。殆ど黒色です。
 東北の地震の際、この店は東北で炊き出しのボランティアをやっていました。貴重な野生鴨はその際に知り合った猟師さんが送ってくれるそうです。やっぱり天然の地物は美味しい。
 鴨の下には肉汁のソースと根セロリ、店の庭で捕れた甘夏のジャムが敷いてあります。甘夏はテーブルの上にもあります(笑)。かかっている粉はアマゾンカカオ。チョコマニアの日本人が現地で作ってもらい、フェアトレードで輸入しているものです。

 柿のドルチェ。凍らせてからくり抜いた柿の中にマスカルポーネチーズが入っています。これは美味しい。家の冷凍庫に入っている干し柿で真似してみることにします。

 珍しくエスプレッソをドッピオ(2杯分)で頼んだら、その晩は眼がさえて眠れなくなりました。普段は平気なんですが、この日は寝苦しかった。

 若い時だったらこれくらいは腹8分目ですが、今はもう、ムリ。春の便りでお腹いっぱい(笑)。
 春は新年度の行事など嫌なことも沢山あるけれど、温かくなるのが待ち遠しい、です。