特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『マルクスかアルゴリズムか』ではなく『熱干麺』(笑)

 今日は大寒。まだまだ寒いですけど、夜明け前に歩いていると極寒の中に温かさが芽生え始めているように感じます。人間の感性って面白いですね。季節はそうやって過ぎていくものなのでしょうか。ボケてきたとは言え、この歳になっても感じることは沢山あります(笑)。

 岸田が異次元の少子化対策、と言い出しています。今のままでは支持率はどうにもならないので、目玉が欲しいんでしょう。金もかからない、尤も効率的な少子化対策はただ、男たちが家事をやればいいんですが(笑)。

 ただ少子化対策に反対する人はいないでしょう。元来 野党が打ち出すような話の筈です。安倍政権の時もそうでしたが、野党は消費税廃止とか平和を守れとか、抽象論ばかりで具体論や現実的な話を打ちだしてないから、いつも論点を与党に奪われる

 自民党をアシストしているのは野党。それに頭がお花畑のロートル左翼。最近はそう思えてなりません。
●欧州の左派は現実的な政策を打ちだすのが当たり前なのに。


 今週 面白いなーと思った記事がありました。文藝春秋がオンラインで行った、イエール大准教授の成田悠輔と東大准教授の斎藤幸平の対談です。


bunshun.jp

bunshun.jp 

 成田悠輔は今週1月17日に「高齢者が老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」とTVで発言して炎上したばかり『モーニングショー』“高齢者は集団自決しろ”で炎上中の成田悠輔が平然と出演で視聴者が猛反発「あの言葉は玉川さんより酷い」「もう怒りしかない」 - Yahoo! JAPAN
、悪く言うと新自由主義的ともいえる人です。それに自他ともに認める(環境保護マルクス主義者の斎藤、ある意味 対極の組み合わせです。

 因みにボク自身、今週話題になった成田の集団自決発言は文脈を見てないので良く知りません。興味ない。騒いでいる連中もあまりマトモではない、為にする議論でやっているみたいですから。
 成田も斎藤も立場が違う相手と対話が出来るだけ、連中よりまともじゃないですか(笑)。

 記事では対極の組み合わせにも関わらず、二人が言ってることが同じなのが面白かったんです。

 『資本主義では地球温暖化に対応できないから、グリーン社会主義へ移行すべきだ』という斎藤に対して、成田はこう言います。

「いま、成長を作り出している経済システムが問題を抱えている」、このこと自体は僕も斎藤さんも、おそらく全員が同意すると思います。

 ふむふむ。

 『ただ、その問題が、徐々に相対的には改善されているように見える事実も明らかになってきている。だから、今の資本主義社会のシステムも少しずつ前進している。

 これもまた事実です。
 ノーベル賞を取ったディートンなどの研究↓を見ればわかるように、長期的に見れば一人当たりGDPだけでなく、世界の貧困人口、病死した人の数などは減少を続けている。先進国など特定の国の中では格差は拡大しているかもしれないが、世界的に見れば格差も減少している。経済成長している中国やインドの人口を考えれば子供でも判る事です(笑)。

 だから、成田はこう言います。

 『脱成長論者の主張は、進んでいる車が渋滞しているから逆走しようと言っているのに近い。少しずつでも前進している今の仕組みをやめて、なにか別のシステムに変えたとき、それが以前のものよりうまくいくという論理がぼくにはよくわからないんですよ。加えて、それが実現可能であるという論理もよくわからない

 その通りです。まだまだ問題点は多々あるにしても、事実として資本主義は少しずつ改善している。
 斎藤の言う通り、今の改善スピードでは地球温暖化には対応できないかもしれない。だからと言って資本主義から社会主義へ転換しても上手く行く保証は皆無、どころか、歴史上 社会主義が成功した例は聞いたことがない。中国は社会主義じゃないし(笑)、キューバだって成功とは言えない。


 ちなみに成田は「ABEMA Prime」で『札束を刷るだけのMMT経済理論は「根拠のない情弱ビジネス」』と、テレ東のネット番組で『MMTを主張する著名人や漫画家を指して全員ただの馬鹿かポジショントーク』と称したそうですが、うまいこと言いますね成田悠輔さんの高齢者に「集団自決」を求める発言がボヤを起こす一部始終(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

 コロナ下の金融緩和や減税で起きたインフレで世界中がヒーヒー言っているのに、未だにMMTとか言ってる奴はただのバカ、としか表現しようがない(笑)。


 
 しかし成田の言ってることも斎藤の言ってることに近い。成田は『IOTやAIを活用して世の中の事象をとことんデータ化し(DX)、AIのアルゴリズムで政治をやればいい。政治家は猫で充分』と主張しています。
 確かに、与野党問わず日本の政治家が政治をやるより、実務はAIに任せてあとは犬やパンダに政治をやってもらった方が良いかもしれません。

 しかしAIだったらうまく行く、というロジックはどこにもない。AIはデータ化した過去の事象から物事を判断するだけで、未来のことは判らないからです。それにAIをどう教育し、どうコントロールするのか。マルクス主義も政府をどう、コントロールするのかという問題があるのと同じです。

 そう考えてみるとグリーン共産主義(斎藤)もアルゴリズム万能論(成田)も、同じです。現状の問題点を解決するために、具体的なロジックなしにお手軽な希望に頼ろうとしている。
 成田の言葉を借りれば、どちらも『情弱ビジネス』(笑)。統一教会と仕組みは一緒です。
 
 反ワクチンや外国人を排撃するYouTube陰謀論もそうですが、今の日本は情弱ビジネスに溢れてますよね。世の中がおかしくなってくると、人は猶更 希望に飢えるようになるのか。

 山本太郎MMTも、バカウヨの憲法改正も、ロートル左翼の平和憲法を守れ(だけ)も、安易な希望は答えじゃない。こんな複雑な世の中、簡単な答えがある訳がない。あれば、とっくに誰かがやっているでしょう(笑)。子供でも分かる、一般常識の世界です(笑)。

 資本主義という大きなことを考えるのも大事です。我々の社会は行き詰っていることも事実。
 それでも、現実には自分の身の回りのことから少しずつ、世の中を良くしていくしかない。だって、今はそれしか手段がないから(笑)。
 そもそも一世代くらいで人間にできることは限りがあるものです。少しずつ物事を改善しているうちにそこからまた、別の答えも見えてくるかもしれません。ボクはそう思います。

 


 もし、世の中に希望があるとすれば、美味しい物(笑)。
 中国料理と言っても地方によって大きく違っています。そのなかでも有名な麺類を並べて、五大麺と呼ばれているそうです。諸説あるそうですが、代表的なものは山西省刀削麺河南省の烩麺、四川省の担担麺、北京市炸醤麺、そして湖北省の熱干麺(れっかん麺)と言われています。説によっては最近日本でも食べられるようになった蘭州拉麺やビャンビャン麺も入るのかもしれない。
 ボクは粉食地帯、北方の刀削麺や烩麺、ビャンビャン麺が小麦粉の味がするので好きですが、日本でも有名な担々麺や炸醤麺も美味しいですよね。

 五大麺のうち、熱干麺だけは食べたことがありません。
 と、言うことで少し前に銀座にできた日本で唯一、という湖北料理の店へ行ってきました。銀座シックスの隣の新しいビルの中です。ガチ中華にありがちな怖い系(笑)ではなく、店は綺麗なお洒落系。


珞珈壹号 | 中華料理 | 銀座ランチ | 銀座ディナー | ガチ中華

 ボクは見てませんが、TV番組の『ゴチになります』でも取り上げられたそうです。

 最初はレンコンとスペアリブのスープ。優しい味は中華特有の蒸しスープならではです。レンコンが豊富にとれる武漢の名物だそうです。味が深くて美味しい~。

 燻製肉と唐辛子の炒め物。中華では唐辛子をガバガバ入れて炒める調理法がありますけど、そんなに辛くないんですよね。唐辛子の種類が日本や朝鮮半島とは違うのでしょうけど、食べると口の中に爽やかさが残る。大好きです。

 豆苗の炒め物。中華や東南アジアの料理で何が美味しいって、こういう料理です。火は通っているけど、素材にはしゃきしゃき感が残っている。塩とゴマ油、ショウガだけの味付けだと思うのですが、どうしてこんなに美味しいのだろう。家で何度もチャレンジしているのですが、青菜類のこの火加減はどうしても真似できません。

 これが熱干麺。ゴマのペーストと唐辛子、大蒜で味がついています。コクと言い、感触と言い、イタリアンのカルボナーラに近い。まったりとしたコクや辛さ、それにパプリカやコリアンダー、ナッツなど食感の違う様々な食材が入っているから、カルボナーラより味は複雑です。勿論 超美味しい。

 お客は隣の銀座シックスの店員さんも含めて、9割以上中国の人。彼らが注文したものを覗くと、やっぱり美味しそうなものをよく知っている。それを見ながら、次はあれを食べよう、これを試してみよう、と妄想が拡がりました。
 ヘルシーだし、美味しかった。また食べたいです。