一気に秋らしい、涼しい天気になりました。空気も文字通り入れ替わって、あれほど暑かったのが遠い昔のことのようです。
お彼岸だからではありませんが(笑)、近所で和菓子を食べてきました。
今回はお洒落系の店で、悪く言うとチャラい(笑)。味が最優先、というボクのイデオロギーとは宗派が異なるので(笑)、たまにしか足が向きません。だけど夜に行くと、目の前で和菓子を作ってくれるのが好き♥(笑)。
お店の写真は店のホームページから。インテリアデザインの会社が経営していて、建物やインテリア、それにお皿までこだわった雰囲気はインスタ映えはします(笑)。
大きな木を一本丸ごと買って削りだして作った、と言う青森ヒバのカウンターで、職人さんが和菓子を作ってくれます。
https://www.simplicity.co.jp/corporate/ja/projects/yakumo-saryo/
漉した落花生餡を味噌餡の周りにデコレーションして、仕上げです。先端が細い箸の方が細工しやすいって、職人さんは言ってました。
握り立てのお寿司もそうですが、作りたての和菓子って、周りの餡の間にまだ空気が残っていて、ふっかふかです。口の中に入れると花びらがほどけるように溶けていきます。
店のショーケースなどで売っている物と全く違う。味噌餡と落花生餡、味だけでなく触感のコントラストが素敵でした。
それでも、好事魔多し(笑)。太るのは糖分ですから、和菓子も結構やばいらしい(泣)。翌日からまた、ダイエット生活に戻ったのは言うまでもありません(笑)。
さて、タイム誌の『世界に影響力のある100人』に大坂なおみ氏と伊藤詩織氏が選ばれていました。
NHKの夜7時のニュースでは冒頭 大坂氏だけ名前が出て、後半 添え物のように伊藤氏の名前が出たのは『さすが、NHKの夜7時はゴミ・ニュース』と思いました。その一方『おはようにっぽん』では両者を同じように扱っていたのも、今のNHKの体質が明確で面白かったです。
世界に影響力100人に大坂選手 米タイム誌、伊藤詩織さんも | 2020/9/23 - 共同通信 https://t.co/O7IOBr1GR5
— 共同通信公式 (@kyodo_official) 2020年9月23日
大阪氏も伊藤氏もネット上の日本人からは、むしろ非難の声が出ている点で共通しています。そういう連中は単なるバカ、低能であるだけでなく、要するに僻んでいるだけで、まともな人は相手にするようなものではありません。バカにつける薬はないからです。
しかし、問題はそういうクズの拡大再生産、そういう風潮が広がっていないか、ということです。
9月24日の朝日新聞朝刊の『論壇時評』(津田大介)は安倍政権の功罪について論じていました。
アベノミクスの失敗や財政の悪化、公文書改竄、情報隠蔽など民主主義の破壊は多くの人が指摘する通りだし、コロナ無策だけでも辞任に値する。しかし、安倍晋三の全てが悪かったのか、総括をしてみるのはフェアな態度です。
津田は『功』の部分を幾つか挙げています。ボクはどれも元ネタを読んだわけじゃないので、是非は論じません。賛同できない部分もありますが、いずれも丸っきりの嘘ではありません。
1.正規雇用者も増加し、若年世代は賃金が上昇した(駒沢大准教授の飯田泰之)
2.外国人居住者人口が3割増、留学生は4割増(フォーリン・アフェアーズ9月号)
3.保育所の大幅拡充、高等教育の無償化、障碍者差別解消法制定(毎日新聞の元社会保障担当論説委員の野沢和弘)
4.中国に対していち早く対抗姿勢を示し、欧米側からはリベラルな国際秩序保護者とみられる面もある(東洋大教授の櫻田淳)
莫大な財政赤字を作り出した割に、10000歩譲ってもこの程度の『功』しかありません。問題は、そんな安倍政権が何故 こんなに長く続いたか、です。津田はいくつかの意見を挙げています。
『ナショナリズムと政府主導のリベラルな経済運営の独特なミックス』(東大教授の宇野重規)(*国家社会主義=ファシズムですな)
『安倍政権の中に私たち自身の意識や言動を見出すことが出来たから、私たちはふわっとした支持を与えた』(北大教授の吉田徹)
『社会的ネットワークの崩壊や格差がもたらした低投票率・低政治参加時代に、強固な組織政党、公明党と結びついた安倍政権は適合した』(関西大教授の坂本治也、小説家の田中慎弥)
『国民はアベノミクスの経済的貧困で追い詰められていても、かってのように出身や階層で連帯できず、苦しさを周囲と共有できない』(宮台真司)
学者や小説家、評論家などが様々な原因を挙げる中で、共通するのは
『安倍政権で噴出した問題とは安倍前首相個人にその責があるのではなく、わたしたちそのものの問題である』、
『対峙すべきなのは「アベ」ではなく「私たちの在り方」』
と 津田は述べています。
安倍政権がこんなに長く続いた理由は直接的には野党の無能さ、です。しかし、安倍政権を支えたものはやはり国民の中にあるものだと思います。我々の中に安倍的なものがどこかにあるのではないでしょうか。
単に頭の悪いネトウヨが増殖してるとかの問題ではありません。
『金銭や余暇などの資源や社会的ネットワークの不足から生じる低投票率や政治への低参加』(坂本治也)、『学生が本を読み、人生や政治を考えていたなんて、今やおとぎ話に見える』(田中慎弥)は社会の多くの人に共通するでしょう。
例えばデモや集会で見かけた『アベ政治を許さない』ってプラカード、ボクは大嫌いでした。デモなどで渡されても受け取りを拒否したもんな(笑)。
●悪いけどキモイです。
直接的には、どこかの書道家が書いた字が汚らしい、センスがない、と思ったからですが、潜在的には偽善性、うさん臭さを感じていたからかもしれません。ついでに画一的な印刷がキモい。
同調圧力だかなんだかわかりませんが、これこそ、ファッショじゃないの? 甲子園の丸刈りと一緒(笑)。
ロジックのことを言えば、例えば安保法制であったら、『じゃ、代わりに安全保障はどうする、アメリカとの関係をどうしていく』と言った議論、強いては安保条約や米軍基地に対しての態度をはっきりさせない癖に、安倍晋三を『許さない』って道徳的に断罪までしちゃうのはヒステリックだし、矛盾しているように見える。
それに『アベ』政治っていうのもどうなんだろう。橋下を「はしした」や「はしげ」と呼ぶのと同じように、必要以上に貶めているような気がする。
当時は嫌悪感だけで深くは考えませんでしたけど、『アベ政治を許さない』ってプラカードこそ、安倍晋三の偽善性と共通しているのかも。
事実に忠実な『安倍やめろ』や『安保法制反対』だったら偽善じゃありません。辞任要求や法律への反対は市民の正当な権利だもの。ボクは『嘘つき、辞めろ』とか『勝手に決めるな』ってプラカードを作って掲げてましたけど、これも100%本当のことだからいいんです(笑)。
●こういうのがいいんですよね。
言っても詮の無いことかもしれませんが、我々は常に自分を問い直していなければいけないんではないでしょうか。
自分の頭で考え、自分が正しいと思ったことを選択する。時には判断を間違えることはあるかもしれない。間違ったら、原因を考え、次からは間違いをただす。
人生はその繰り返しですが、民主主義もそうかもしれない。その前提にあるのは『自分は間違えることもある』という考え方です。
問題を他人のせいにしたり、ごまかしたり、時には現実(統計や記録文書)まで都合よく変えてしまう。それが安倍政権の本質でした。その前提は『自分は正しい(間違えない)』(無謬性)という考え方です。かっての共産主義と同じです。だから安倍は北朝鮮や中国共産党とそっくりなんです。
そういう考え方は左右を問わず、多くの人の間にお手軽なポピュリズムの形をとって広がりつつある。そこが問題なのかもしれません。
と、いうことで、今週は金曜官邸前抗議はオンライン、一般の現地での抗議は中止です。100人に満たなかった先週の人の集まり具合を考えれば、リアルでの抗議はまだ時期尚早だと思いました。感染の具合を見ながら、ムリする必要はないと思います。先は長いのですから(笑)。