特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『宴会と日本の民主主義』と『1122再稼働反対!首相官邸前抗議は中止(笑)』

 まだ11月というのに、今朝は寒かったです。
 巷では某女優さんがMDMAをやっていたということが騒ぎになってますが、丁度 先週、封切りになったばかりの、イタリアの元首相ベルルスコーニを描いた''LORO''というイタリア映画を見ていたんです。
f:id:SPYBOY:20191120165429p:plain

 その中でベルルスコーニを演じる名優トニ・セルヴィッロが懸命にMDMAとコカインの違いを力説するシーンがありました。ベルルスコーニは首相在任中も売春婦などを自宅に招いて度々パーティーを開いていたことで有名ですが、当然 そういうもののお世話になっていたわけです。
 それがいいとは言わないけど、MDMAだって、他国では総理大臣だってやってる。日本は首相の犯罪や性犯罪には甘いくせに、こういうことだけはバカみたいに騒ぎ立てる。マスコミもそれに踊らされる大衆もホント、くだらないです。
●イギリスの世界的バンド、ニューオーダーのCD’’Fine Time''のジャケット。MDMAをモチーフにしたジャケットデザインは超一流デザイナーのピーター・サヴィルによるもの。レコーディング場所は日本の某女優もそこでMDMAを覚えたというスペインのイビサ島(笑)。


 この時期 年末にかけての忘年会や宴会、会食の予定が入ってくるたびに憂鬱になります。極力断り、無視したり忘れたふりをして、それでもどうしても出なければならないものが今年は4つもあります。

 もちろん多い人はもっと多いし、12月は宴会が二桁なんて人もいるし、一晩で宴会のダブルヘッダーをやっているような人もいます。そういう人はおそらく好きでやってるんでしょうから(笑)、勝手にやればいい。ボクは嫌で嫌でたまらないです。まずい食い物にまずい酒、話題がないからトイレで時間をつぶしたり愛想笑いで過ごす、退屈で無意味な2時間、考えるだけでうんざりします。

 糊口をしのぐために(笑)仕事は我慢していますけど、プライベートの時間を削って、なんで宴会まで出なくちゃいけないのか。それこそ無駄な労働時間の最たるもの、感情労働です。
 政治家も官僚も企業も組合も生産性を上げることが日本の課題、とかいう割には、宴会という無駄な仕事を誰も減らそうとしないじゃないですか。この全体主義的で野蛮な風習がなんで存在しているのか。日本に民主主義が根付かないのもうなづける話です。

●久しぶりに代々木で餃子。有名になったのは良いけど50円値上げしやがった。それでも600円でおなか一杯だから文句ないですけど。


 今回の『桜を見る会』の招待客や前夜祭の件、どう考えても公金の私物化でしょう。
 モリカケにしろ、伊藤詩織氏のレイプもみ消し疑惑にしろ、昨日一部で報じられたGPIFの人事にしろ、『私物化』が安倍政権の特徴だと思います。皆さんの周囲を見回しても、無能な2世、3世って、だいたいそんな感じじゃないですか(笑)。
●GPIFに世耕が送り込んだ子飼いの官僚がセクハラ事件を起こし、それを調べようとした理事長がかえって問責されたそうです。そんなのばっかりですが、これはかなりひどい話だと思う。
toyokeizai.net

 もちろん鷹揚な金持ちもいるけれど、たいていはコネ・人脈を使って、自分の金は極力使わずに立ち回る。自分だけだとまずいという意識はあるから、お仲間には利益を分配する。今の世の中、慶応幼稚舎卒と東大卒で回っていると思いますが(笑)、日本にも階級というものは明らかにあると思う。
f:id:SPYBOY:20191122101307p:plain
写真・図版 | あなたはどの階級? 「格差社会」から「階級社会」に落ちる日本〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)


 それでも安倍の任期も見えてきて、今までと比べればマスコミや政治家からの非難の声も大きくなっていると思います。

 これをきっかけに安倍が退陣してくれれば、それに越したことはありません。が、野党の側だって政策の方向性ははっきりしないし、体制だって人材だって、まだ政権は担えないでしょう。
●これは良い絵です。やっとスタートラインについたばかり。

 なにより安倍の7年間でボロボロになった政・官・マスコミの体質はそう簡単に変わらないでしょう。現実的には菅なり、岸田なり、自民党の誰かが政権を回していくしかないんでしょうね。

首相動静(11月20日):時事ドットコム


 どんな奴が総理になっても、おそらく安倍よりは遥かにマシだろう、と思えるところが、日本の窮状を良く表しています。


 ただ、安倍晋三にもある意味 功績はある。我々の戦後の民主主義が如何にもろいものか、偽善的なものだったかを浮き彫りにして見せたという点です。

 例えば共謀罪特定秘密保護法、安保法など度重なる国会での強行採決。昔は自民党社会党が話し合って足して2で割る、というのが国会の常道だったと思います。時には関係者だけの密室の馴れ合い、利益分配だったけど、一応は議論しているポーズだけ😊はありました。

 しかし、国会での議論や話し合い、場合によっては談合を無視する強行採決小泉時代から目立つようになり、民主党時代でも変わりませんでした。それが安倍政権になって、更にひどくなり、国会で議論すらまともにしなくなった。政治家も役人も偽証をしたり証拠隠しすら、する。
●一族に岸信介の秘書や経団連元会長でニューオータニの現取締役がいる安倍の補佐官、今井も典型的な特権階級の一人でしょう。

●ちなみに安倍晋三は11月11日、19日にニューオータニの今井取締役と会食しています(笑)。
www.nikkan-gendai.com


 なのに国民の間には、国会でまともな答弁がないことや偽証や公文書隠しに対して、殆ど抵抗もない。そんな無責任・無関心が日本人の民主主義だったんです。史上最大の長期政権(泣)という安倍晋三は現代の日本人の鏡、戯画なのかもしれません。
 

 戦後日本の経済成長、いや平和自体も朝鮮戦争ベトナム戦争、冷戦という大きな背景があったことは否めません。戦後日本の平和を守るのに9条は貢献したとは思いますが、根本的な話として米軍の核の傘に守られていたわけです。
 そこいら辺を真剣に考えないから、一方では『アメリカに盲従』し、もう一方では『9条守れで思考停止するような状況』になってしまったのだと思います。どちらも無責任な極論です。極論に救いはありません

 同じ敗戦国のドイツはもちろん、イタリアにしろ(ベルルスコーニのような奴が首相をやるような国ですら)、自国をどうするかは日本より、もっと真剣です。集団的自衛権を認め、PKOに積極的に参加することで安全保障を確保するという戦略があります。国内に米軍基地はあるけれど、事故や問題が起こる度 地位協定だって改定させています。

 少子高齢化による日本の衰退はもう止められませんけど、せめてもう少し(笑)軟着陸する方向を模索するのは大人の義務です。
 しょうもない作品でしたが映画『新聞記者』のセリフにあったとおり、「この国の民主主義は形だけ」です。日本に民主主義を定着させるのはこれからの時代の大きな課題でしょう。そのためにも一人一人がもっと賢くならなければいけない、と自戒を込めて思います。




 ということで、今週も官邸前へ行こうと思ったのですが、 この悪天候で、午後になって抗議は中止になりました。参加者には年配の人も多いし、無理しないほうが良いですね。

 今週 福井県の職員に原発マネーが回っていたことが大きく報じられています。県の顧問弁護士による第3者委員会って、何が第3者かと思いますが、それでも元知事を含めて金品の受領が出てきた。

関電金品問題、県職員109人も受領 小判や商品券も:朝日新聞デジタル

 当然 福井県だけじゃないでしょう。原発を軸に既得権益が回っているんです。安倍晋三ほどではなにしろ、お仲間社会の日本らしい話です。部外者は排除し、地縁・血縁・会社縁・組合縁、それに男同士で利益分配をしていく村社会です。マツケンさんがいつも仰る民商の話も同様で、これは右とか左とかの問題ではないと思う。

 ボクが大嫌いな宴会もその村社会を維持するための舞台装置です。宴会が嫌いっていうのは社会変革につながる、真にラディカルな意思のスタイル、なんです(笑)。