明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
ボクの年末年始は普段通り、家に籠るようにして過ごしました。どこかへ出かけたり、イベントがあるわけでもなく、昼はぼーっと本を読んで、夜はワインを飲みながら昔の植木等のDVDを見てました。この頃の日本って、勢いがあって眩しいなあ。ミュージカルシーンが多いのも含めて、今のインド映画みたい。
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ともかく3ヶ日 穏やかで何事もない時間を過ごせたのは幸せでした(笑)。お正月なのでおめでたく、年末に撮った写真を貼っておきます。フグ、福、ですね。
ボクは本を買うのはアマゾンか新宿の紀伊国屋が多いんですけど、12/31にwikiなどから大量の盗用が指摘されているデマ本の著者 百田尚樹を招いて嬉しそうにしているtweetを見て、今後 紀伊国屋では一切買わないことに決めました。そう思った人は多かったみたいです。紀伊国屋は全国各地にありますよね。こんなバカ本屋はさっさと潰れてしまえ。
もうここで本を買うことはないだろう https://t.co/vph7uDTn7N
— 本田由紀 (@hahaguma) 2019年1月2日
●紀伊國屋書店は83年当時『ブス、チビ、カッペ、家庭環境が複雑な女性は採用しない』などを採用基準にしていたことが国会で取上げられたそうです。昔からそういう差別体質だったとは知りませんでした。
ああ、言われて思い出したわ。紀伊國屋書店て昔から差別主義だった。いや、本当に日本全国がこれだった。しかしここから一歩も意識改革できてないしするつもりもありません、って露骨に示さなくてもいいのにな。
— 蠍座のJirel(しのぶ) (@Shinobu_ezo) 2019年1月3日
https://t.co/8vYprkrI9f
●確かに青山ブックセンターの本店はヘイト本を見かけません。今度からはこっちで買おう。
「いわゆるヘイト本は一切置いていない。多様な文化や考え方、価値観がある事自体を否定するわけではないけれど、ヘイト本は明らかに何かを貶めている。それを積極的に売れるかと言われれば、売れない」。これが真っ当な書店道だ。
— m TAKANO (@mt3678mt) 2019年1月3日
【青山ブックセンター書店員 山下優さん】 https://t.co/VN2kbINUlR
ふと「ローラはCMを降ろされないか心配」の "対案" は、「もう紀伊國屋では本を買いたくない」かなと思った。
— buu (@buu34) January 4, 2019
今日から仕事です(泣)。それにしても昨日は1ドル104円まで行きました。今年は国内は消費税もあるし、海外は米中の貿易戦争もある、新年早々強烈な円高と株安はその前震みたいなものでしょうか。文字通り波乱の1年になりそうです。
もし、世界経済が好調だったこの6年間のうちに、アベノミクス なる成長前提のバンザイ突撃策ではなく、再分配を重視した政策をやり構造的な危機回避策をとっていれば、景気後退してもダメージは軽減できたんじゃないかという後悔の念が広がるかも。 https://t.co/1Eja0oojst
— こたつぬこ (@sangituyama) 2019年1月2日
日本が衰退した理由
— 愛国心の足りないなまけ者 (@tacowasabi0141) 2019年1月3日
総理大臣が安倍晋三
財務大臣が麻生太郎
首都の知事が小池百合子
千葉の知事が森田健作
大阪の知事が松井一郎
横浜市長が林文子
大阪市長が吉村洋文
名古屋市長が河村たかし
平戸市長が黒田成彦
公人並べただけで答え合わせが終了するという。
反日勢力の出番なんて無いですわ。
ということで、4日の金曜は官邸前抗議はお休み。新年1発目にご紹介するのは映画『百年の蔵』@東中野
1918年に起きた近代日本最大の暴動、『米騒動』。内閣を倒すまでの全国的な盛り上がりを見せたが、その発端は富山県の漁村、魚津で起きたものだった。一人の逮捕者も出ず、話し合いで解決したという内容を、地元の高校生たちが米騒動に関わった人々の子孫に話を聞いていく- - -
今年でちょうど100年前、『米騒動』は歴史の教科書では習いましたが、そんなに詳しいことは知りませんでした。実際には全国約300~400か所、約50日間の騒動で、参加者の規模は数百万人を数え、鎮圧のために軍隊も10万人以上が投入、約8000人が逮捕されたそうです。責任を取って当時の寺内内閣が辞任するにまで至りました。
アベノミクスの6年間 実質賃金は低下傾向で、しかも政治家や役人が権力を私物化するような政治が続く中、日本人はなんで怒らないのかと言われます。たった100年前の日本でこれだけ大きな民衆蜂起が起きたのは知っておいて良いことかもしれません。
●当時の魚津市。街並みは今より大きかった。
この映画は米騒動が起きた発祥の地である富山県魚津市で、当時どんなことが起きたのか、ということをテーマにしたドキュメンタリーです。権力への反抗ということで語られる機会が少なかった米騒動の実態を探ろうというのです。魚津市の人々が米騒動の真実を語り伝えようと制作委員会を作り、お金を出し合って、作った作品です。ちなみに制作委員会の代表は地元のLPガス会社の社長で、魚津市や地元の商工会も協力に入っていますから、別に政治的な立場が偏っているわけではありません。
映画は魚津市がどんなところか、というところから語り始めます。実際 ボクは魚津市がどんなところなのか、どこにあるかすら、知りません(笑)ので、これは良かった。
ドローンで撮った映像では北アルプス山脈が海のすぐそばまで迫っている。そんなところに魚津市はある。寒さは厳しそうですが、海と山、そして陽の光のコントラストが非常に美しい。
しかし戦前の写真と今の魚津市をくらべると、昔の方が遥かに活気があったし、栄えていた。今は文字通り寂れています。日本全国そうだと思いますが、新幹線の開通は途中駅の衰退に拍車をかけているのでしょう。それを見ると何とも言えない気持ちになります。
次に映画は、今も残っている米騒動が始まった米蔵(倉庫)に高校生たちが訪れて話を聞き始めるシーンに移ります。
●この蔵から米を運び出そうとするのを漁師のお母ちゃんたちが止めようとして、米騒動が始まりました。
当時は第1次大戦後の好況でインフレが加速していました。それにシベリア出兵が加わり、コメの値段が上がり始めました。
●米の値上がり状況
港にある、その蔵に蓄えられた米が沖合の船に積みだされることで、地元では米がどんどん値上がりする。100年前ですから、実際に米騒動に参加した存命の人は既にいませんが、その子孫(と言っても90近いおばあさんもいます)
●もう90歳近い現役漁師の、このおばあさんの姑が米騒動に参加したそうです。
典型的な漁師町です。日本海の漁業で栄えていただけでなく、漁の技術を培った漁師たちは北海道のにしん漁まで行っていたそうです。
ですので、人々の気性が粗い。特に女性は何か月も留守にする旦那の替りに物事を取り仕切っていて、自分の頭で考え、自分で行動するという人が多いそうです。
当時の主食は米、ですが、漁師たちは1日に一升近くのコメを食べていた。映画では当時のお弁当箱に米を詰めるシーンがありますが、ほんとに8合ものコメを詰めて、おかずは梅干しがいくつかだけ。ちなみに今 ボクの家で炊くご飯は0.5合、それで2日分です。当時はおかずが殆どないとはいえ、信じられません!
●当時を再現したシーン。こんな小さな船で漁師たちは海に乗り出しました。一升近くのお弁当を持って。
まして、米どころの富山です。よその地域へ米を持っていけば米問屋は儲かります。富山の米価は値上がってしまう。漁師の母ちゃんたちは米蔵に押しかけ、人足が沖合の船に積み込もうとしていた米俵をひきずり落とす。人に対する暴力ではない、警察沙汰にならないぎりぎりのラインです。これでは巡査たちも止められなかった。母ちゃんたちは同時に米問屋へ押しかけ、米をよそへもっていかないよう談判したそうです。
www.chunichi.co.jp
魚津では一人の逮捕者も出さず、抗議は平和裏に行われたそうです。抗議を受けて米問屋も積み出しを控え、窮民救済のための条例が制定されました。人々の抗議は目的を達しました。抗議が成功裏に終わったのは、加賀藩時代から困っている人間にはコメを供出する仕組みがあった(という記憶が人々の間に残っていた)、またお母ちゃんたちの知恵や勇気だけでなく、お母ちゃんたちも有力者だった米問屋も共に地元の人間で最低限の人間関係があった、というのも大きかったそうです。
一方 米騒動は全国規模では多くの逮捕者を出し、騒動後 官憲による取り締まり、調査が行われました。日本でファシズム的な取り締まりが始まる端緒になったそうです。実際は政党、組合などの働きかけは殆どなく、リーダーもいない、自然発生的な暴動でしたが、官憲の取り調べを受けて、魚津でも『米騒動は触れてはいけない歴史』という雰囲気が出来上がってしまったそうです。
この映画は『米騒動は郷土の誇るべき歴史』と捉えています。現代の日本人は、お上のいうことに盲従しているばかり、ですが、この映画を見ると、必ずしも日本人がそういう奴隷根性ばかりではない、というのが判ります。
これは現代にも大きな示唆を与える事柄ではないでしょうか。漁師のお母ちゃんたちの方が今の我々より自分の頭で考えて暮らしていた。マスコミやネットに振り回される現代の人間への警鐘であるとともに、地に足が付いた生活をすることの大事さを訴えているのかもしれません。人間が普通に働いてまともに生活できないとしたら、それは国家や企業、制度の方が悪い。TVどころか、おそらく新聞もまともに読んだことがないであろうお母ちゃんたちはちゃんと判っていた。
美しい魚津の自然やお祭りの光景なども描かれて、そこに生きる人々の暮らしが浮き彫りになるような、大変印象的なドキュメンタリーでした。これから全国各地で巡演するようですが、大規模公開というわけではないので見る機会は限られるかもしれません。もし機会がありましたら、是非お見逃しなく。かなり面白かったです。
米騒動100年映画『百年の蔵』予告編
●上演後の神監督(右)と歌手、若旦那(『湘南乃風』)のトークショー。当時の人々は今の我々より言いたいことを言っていたのではないか。