特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

 0308 NO NUKES DAY 反原発★統一行動と映画『ストックホルムでワルツを』

日曜日の東京は生憎、雨が降ったり止んだりのお天気。でも、やっぱりなあ、と思って『0308 NO NUKES DAY 反原発★統一行動』に行ってきた。東京に住んでいる、ヒマ人のボクなんかが出かけて意思を示さないとどうしようもない、と思うからだ。大人の嗜み、とでも言いましょうか(笑)。311から4年しか経ってないけれど、もっと長い時間が過ぎたような気がする。

全体では集会とデモと言う予定だが、社民党とか共産党とか、旧生活の党とかいつも同じ顔触れがつまんないことを言ってる集会(としか、思えない)はパスして、デモのために日比谷公園へ。そういう集会でボクが話を聞いてみたいのは、せいぜい小熊英二くらいだろうか。
野音の集会はこんな感じだったらしい。圧巻ではあるけれど、皆が同じプラカードを持ってる気持ち悪さも漂う。それに、ちょっと虚しい(笑)。(反原連のツイートより)。

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311近辺のデモは毎年参加しているけれど今年は天気も悪いからか、人数は少なめ。動員の組合の旗が目立って気持ちが悪い(笑)。ボクは右でも左でもとにかく団体、組織が大嫌い!いい歳こいて動員でデモに出てくるって情けないよな。自分の意志は無いのかって。ちなみに今日の延べ参加者は主催者発表で23000人、だそうだ。昨年の参加者の主催者発表は40000人くらいだったはず。それでもこれだけの人数が集まって、7時のNHKニュースでは影も形もなかった(*注記 どこかのニュースでは少し取り上げたらしい)。同じ日に足立区で行われたオウム反対の200人のデモは7時のニュースのトップで流れてたけどな(笑)。デモは日比谷公園から国会までコースは短いけれど、まだ膝の裏が少し痛いので丁度良いくらいだった。
●デモ風景








●有名スポーツ用品メーカーのパタゴニアは会社ぐるみで参加パタゴニア:環境保護への行動:再生可能エネルギーについてよくあるご質問

●ボクは動員された組合の連中なんかより、こういう光景を見たい。


                                                                                                                                                                              
先週土曜のTBS『報道特集は驚きだった。トモダチ作戦に参加した空母ロナルド・レーガンの兵士100人以上が東電に対して被爆により健康被害を受けたとして、賠償訴訟を起こした「トモダチ作戦で被ばく」米兵による東電訴訟の継続、連邦地裁が認める【東日本大震災】 | HuffPost Japanのは知っていたが、昨秋 米海軍は議会にこんな報告をしたそうだ。

ええっと思わず確認したくなるような数字だ。軍が議会に出したんだから、ある程度信憑性はあるだろう。それでも米海軍は、空母は常に180キロ以上原発から離れていたから被爆による被害とは思わない、と主張しているそうだが、この数字が自然発生とは思えないのは言うまでもない。事実がどうなのか、訴訟はアメリカの裁判所で行われるという。勿論、この話は米軍兵士だけのものではない。より多く被爆したのは他でもない日本国民だ。事実を知ることすらアメリカ頼みと言うのはこの国は全く情けない限りだ。


                                       
ちょっと前の映画だけど、DVDが発売されるということで。

ストックホルムでワルツを [DVD]

ストックホルムでワルツを [DVD]

銀座で映画『ストックホルムでワルツを

舞台は60年代前半、スウェーデンの田舎町。主人公は30歳のシングルマザー。一人娘と実家で暮らす彼女は電話交換手をしながら、ジャズ歌手としての成功を夢見ていた。ある日 彼女の歌と美貌に目を付けたスカウトから、アメリカに渡ってみないか、と誘いをかけられる。猪突猛進の彼女は父親が止めるのを振り切って、アメリカに渡るが- - -

実在のスウェーデンジャズ歌手 モニカ・ゼッターランドの生涯を映画化したもの。スウェーデン語で初めてジャズを歌った彼女はビル・エバンスと名曲『Walts For Debby』を共演したという。
冒頭で演奏されるスタンダード『It Could Be Happened To You』のシーンが素晴らしい。躍動感あふれる攻撃的なアレンジと歌は、この主人公のキャラクターを際立たせているようだ。
演じているのは昨年末に日本公演もした、スウェーデンジャズ歌手エッダ・マグナソン。美しいだけでなく、この人、実在の本人とそっくりなのだ。そういう美人が60年代ファッションを着こなして、画面で活躍しているのを見ているのはそれだけで楽しい。

この映画で一番の特徴はキャラクター造詣の巧みさだ。歌手としてのキャリアも、男も、欲しいものは何でも手に入れようとする主人公だが、嫌味はそれほど感じない。普通だったら嫌な女、と思って大嫌いになるんだが(笑)、主人公が直面する挫折や傷つきまくっているところを丁寧に描写しているからだろう。アメリカに渡った主人公は憧れのエラ・フィッツジェラルドに『あんたの歌には気持ちが入ってない。スウェーデン人のあんたにニューオーリンズの人間の気持ちなんか判るわけないでしょ』と言われてしまうのだ。
●主人公は電話交換手をしながら歌手活動を進める。

                                                                                               
そこで発奮した主人公はスウェーデンに戻り、母国語の詩をジャズに載せて歌って、人気を博するようになる。ついでに自分の好みの男もたらしこむ。それが嫌味がないのはシングルマザーであることも含めて彼女が自分を飾り立てないからだろう。美貌も含めて自分は自分、というのがはっきりしている。世俗とは関わりを持たないように暮らしているボクなんかとは縁遠いけど、こういうことが恥ずかしげもなくできるキャラクターの人は強い(笑)。普段は関わりを持ちたくないようなタイプの人とも知り合うことができる映画って、ボクには一種の社会体験だ(笑)。
                                                                  
スターになる前から長年彼女に思いを寄せている男がいる。彼女のバックバンドのベーシストで、いかにも北欧の人らしい、実直で地味ないい人だ。だが彼女は、『あんなの、タイプじゃない』と相手にしない。アッシー君として彼を使うだけ使って、彼女は自分の得になりそうな男、自分の好みに合う派手な男をゲットすることに専念する。
やがてスターになった彼女は幾度も挫折に見舞われる。時代の趨勢としてジャズ音楽自体、ロックに押されている。高まるプレッシャーで彼女は徐々にアルコールにおぼれていく。ボロボロになった彼女はどうやって立ち直っていくのか。
●主人公はシングルマザーとして娘を育てていく

                                                               
ユニークな主人公像とサクセスストーリー、周囲との葛藤と親との和解、スウェーデン社会の風通しの良さ(60年代にシングルマザーがスターになるのだ!)、美しい60年代ファッション、良い音楽。いろんな要素が詰まった楽しい映画。 傑作とかじゃないけど、60年代ファッションを着こなしたユニークで不屈の女性主人公が画面で躍動しているのを見るのは単純に楽しかった。