特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

消費と求人と為替とアベノミクス&『0130 再稼働反対!首相官邸前抗議!』(の中止)

そろそろ、1月も終わりです。
相変わらず日本人がイスラム国に拉致された件でマスコミもネットも大騒ぎだけど、相手にしているほど暇じゃありません。勿論 狂犬のようなイスラム国の連中(犬に対して失礼な表現だが)に拉致されている人が無事に解放されれば良いと思いますが、解放する為に代償を支払えば、また拉致が起きるかもしれなません。TVで頭の悪い奴が騒いでいるほど生易しい問題じゃありませんよ。

ただ、少なくとも日本人が拉致されたことを知りながら中東へ訪問してネタニヤフと会見した安倍晋三の頭の軽さは許すことはできません。そもそも元フセインの役人が一杯いるイスラム国を作ったのはブッシュが嘘ついて始めたイラク戦争が原因だし、日本はそれを支持したし、安倍晋三は9月に『イスラム国を空爆で壊滅しろ首相「空爆でイスラム国壊滅を」 エジプト大統領と会談 :日本経済新聞と発言しています。エジプトの大統領相手に喋ったんだからアラブ圏の人は良く知ってるはずです。ブッシュにしろ安倍晋三にしろ、国の指導者が頭が悪いことはそれだけで犯罪ってものです。
今 はっきりしているのはそれだけ。ボクは判らないこと、自分が確信がおけないことは、敢えて答えを出したくない。わからないことは時間をおいて考えてみる、ということは大事だと思っています。マスコミや政府、それに勝手なことを言ってる有象無象に踊らされて短期的なことに一喜一憂していても仕方がないです。
映画も見なければいけないし(1月は11本も観なければならなかった)、音楽も聞かなければいけないし、本も読まなければいけないし、夕飯も作らなければならないし、とにかくバカに踊らされているヒマはありません(笑)。
●コラムニストの小田嶋隆氏のツイート



                                                    
さて、今日 総務省の家計調査が発表されましたが、家庭の消費は相変わらず悪い。12月の消費水準指数は前年同月比−3.4と前年より、そして前月よりも悪化です。毎回書いているように、過去の消費増税導入時(89年、97年)と比べても2014年の消費水準はダントツに低いんです(笑)。
●消費水準指数の月別推移(消費税導入時の比較


円安による物価の上昇で実質賃金が1年半以上減少しているのだから、当たり前の結果です。安倍晋三が言ってた、『経済に力強さが戻りつつある』なんて、一体、どこの国の話なんだよ(笑)。安倍晋三が住んでるのはお花畑か?(笑)。不景気を言い訳するかのように(笑)、今日 有効求人率が改善したというニュースも大見出しで報じられていました。有効求人倍率、12月1.15倍に改善 22年9カ月ぶり高水準 :日本経済新聞
このニュースは真に受けていいんでしょうか(笑)。そこで有効求人倍率だけでなく、その分母と分子の求人数、求職者数の数を見てみます。
●有効求人倍率と求人数、求職者の推移(年平均)

2年前と比べると確かに求人倍率は改善し、求人数は増えてるけど(+338千人)、それ以上に求職者の数が減っている(-343千人)。実際に求職者数の内訳を見ると65歳以上の求職者だけが増えて(笑)、他の年代は皆減っています。求人倍率の改善は、アベノミクスではなく、少子高齢化による人口減のほうが理由としては大きいんです。雇用が増えているのは非正規ばかり、ということは以前も書きましたが、アベノミクスって単に一般国民を窮乏化して金持ちに富を集中化させるだけの政策のように思えます。


もう一つ。昨日 航空会社のスカイマーク民事再生法を申請しましたが、これはある意味 円安倒産と言っても良いでしょう。円安による燃料代の高騰に加えて、同社のエアバス社への違約金も円安で跳ね上がっているからです(もちろん、それを招いた経営者の判断ミスが倒産の最大の原因ですが)。円安で儲かっている企業はあるけれど、殆どの資源を輸入に頼っている日本は、円安による物価高の影響は非常に大きいです。長期的な為替の動きを見てみました。
●1980年〜2014年までの円/ドル為替レートの推移。

日本の極端な貿易黒字を解消するため円高誘導する85年の『プラザ合意』以来 日本の為替は円安になっていますが、このグラフを見ると2つの事が判ります。
・長期的には日本は円高傾向。
・円安にしろ円高にしろ、長くは続かない。円高は最長5年、円安は最長3年しか続いていない。

アベノミクス円安になって既に2年。そろそろ終わりになってもおかしくない。為替の変動メカニズムなんてボクには判らないし、おそらく誰にもわかりません。それに過去30年に起きてきたことが将来そのまま起きるとは限らない。きっと長く円安が続くと困る国がどこかに居るんのかも(笑)。そもそものプラザ合意自体、先進各国の総意ですし。
だが、今の円安傾向は今年か来年には終わる可能性があります。EUが不安定になったり、ウクライナでもう一発なんかあったり、材料には事欠きません。今 物価値上がりで苦しんでる国民を置き去りにして、政府や一部の輸出企業は円安で浮かれているようですが、そんなことはいつまでも続かないってことです。勿論 円安で苦しんでいる国民や企業が円高になったら救われるという話でもないです。過去の円高の時だって皆 青息吐息だったし、アベノミクス一度広がった格差は、もっと広がっていくでしょう。

                                                   
消費にしろ、雇用にしろ、為替にしろ、根本的な策は成長のための新産業への投資や一部の規制緩和規制緩和を全て敵視するのも、全て規制緩和をしろというのも、どちらもアホだ)、それに所得の再分配で消費を活性化させるしかないと思います。勿論 相続税100%にすれば景気も財政もたぶん解決します(笑)。でなければ、日本はスパイラルのように下り坂を落ちていくんじゃないでしょうか。



今日は悪天候官邸前抗議は中止になりました。今朝は東京も大粒の雪が舞い散っていて積雪を心配しましたが、幸い昼間のうちに雨に変わりました。鞄の中にプラカードを忍ばせて、今日も行く気満々の戦闘態勢(笑)だったのに残念。

                                            
さて、経産省は、2030年時点の発電量に占める火力、原子力再生可能エネルギーなど電源ごとの最適な構成(ベストミックス)の検討を始める、そうです。2030年の電源構成、原子力15~25% 経産省検討 :日本経済新聞

福島の事故から、そろそろ4年が経とうとしているが、日本では未だに原発の是非をきちんと論じられたことは殆どないと思います。原発に反対する側でも、廃炉コストや電気代のことも考えずに原発を即廃止しろ、と何も考えずに物事を言っている人の声が大きく聞こえてきます。一方 原発を推進する側、それが政治家も東大出の学者でも、原発がないと日本はやっていけないと恫喝するような低レベルな話ばかり言っています。*例えば動燃&東芝&東大教授を渡り歩いた諸葛宗男は『原発40基を早く動かさないと55兆円も損する』と、為替も電力需要の見通しも原発の維持費も無視した超いい加減なことを言ってます。アホか!原発の再稼動に55兆円もかけて良いのか — 諸葛 宗男 – アゴラ


まして経産省は検討する前から原発の割合を15〜25%とか言ってますが、ふざけた話です。原発の安全性に加えて、(1)廃炉や燃料廃棄、補助金まで含めた真の原発のコスト(2)避難計画(ほんとに避難できるのか)(3)安全保障(北朝鮮の格好の標的だよ!)も考えずにそんなことを決めるのなんておかしいだろって。
                                                   
どんな物事でも事実に基づいたメリットとデメリットがあって、その上で判断をするのがまともな人間というものです。だが原発に反対する側も原発に賛成する側も、そんな普通の議論すらできていないのが現状です。それをごり押しする政治家や電力会社は確かに酷いし、だからボクはデモへ行くのだけど、反対する側だって問題もあります。特に野党のレベルの低さは酷い
                                                          
まともな議論もせず、ムードだけで物事を判断してしまう、というのは今に始まったことではないし、原発だけでなく、集団的安全保障も経済政策も憲法も、結局は同じ事象であるような気がします。議論ができないということは未だに日本では民主主義が機能していない、ということでもあるんでしょう。
                                                                                                                                         
じゃあ、どうしたらいいのかって答えはないんですが(泣)、せめて自分だけでもきちんと議論ができるよう、民主主義的な人間であるよう心掛けよう(笑)と思っております。
●エネルギーミックスのパブコメも募集中
長期エネルギー需給見通し策定に向けた御意見の募集について|トピックス|資源エネルギー庁
●雪が上がった青山通り。舗道が広いのが良いな。