特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『ジャパン・イズ・バック』と0418 再稼働反対!首相官邸前抗議!

今週は風邪を引いて、会社に行っている以外はほぼ(笑)倒れていた。年に1〜2回、寒気がするような風邪を引いてぶっ倒れる。大変ではあるんだけどそういう時、夜8時ころから思い切り寝てしまうのは非常に快感だ。普段の眠りは浅かったり、途中で覚めたりすることもあるが、このときばかりは文字通り一心不乱に寝て、大汗をかく。そのあとは体の凝りも取れて、すっきり。整体の先生によると「風邪は身体が凝りを取るために起す生理現象」だそうだが、たしかにうなずける話だ。
                                                 
ちょっと前 日本の南氷洋捕鯨国際司法裁判所で敗訴というニュースがあった。ボクはクジラ料理は大好きだが、保護が必要とかそうではないとか、そういうことは寡聞にして知らない。だが、調査捕鯨と言う名目でやってたことが商業目的に認定されたのはさも、ありなん、だと思った。これもまた日本得意の言葉のゴマカシだ。南氷洋のクジラは日本の需要の1〜2割を賄っているに過ぎないらしいが、そうやって数字が出てくること自体 商業目的と言うことが明確だ。おまけに調査捕鯨と言いながら毎年の調査報告書も作ってなかったらしい(笑)。それで調査捕鯨と強弁するのは誰がどう考えたってむりだろ(笑)。役所のほうもそんなことはわかっていて、補助金を出してきた業界団体への対応が面倒だから、外圧でやめようというしているという指摘もある。http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140415/393092/?bpnet
                                                                      
先週も書いたが、いずれにしても日本人は現実を見ようとしない。言葉でごまかして、自分に都合の良いことだけを見ようとする。アメリカでスノーデン氏のネタを報じたガーディアン紙とワシントン・ポスト紙がピューリツァー賞、しかも『公益』部門賞に選出されたのとえらい違いだ。NSA報道のGuardianとWashington Postにピューリッツァー賞 - ITmedia NEWS]
政治家や役人のそういうゴマカシは国内だけならアホな国民とマスゴミが許してきたが、グローバル化が進めば段々そうは行かなくなる。それ自体は自分の頭で物事を考えようとしている人たちにとっては悪いことではない。元々風通しが悪い閉鎖社会の日本にとってはグローバル化がすべて悪いというわけではない、と思うのだ。何でもそうだけど、結局はメリットとデメリット、取捨選択する能力が問われるのだと思う。



軽い読み物をと思って今週読んでたのが「東大話法」の安富歩教授の『ジャパン・イズ・バック

                                         
安倍晋三の言動、それにアベノミクス原発再稼動、改憲などの動きを『立場主義』(『人間が自分の良心や知性ではなく、自分が置かれた立場に合わせた振る舞いをしてしまうということ』)で読み解いたもの。安倍晋三ナショナリズムはかってあった経済大国とか地域共同体とかの立場(アイデンティティ)を失った日本人に日本人という立場を提供している、というのだ。

               
以前の安冨教授の東大話法の話はまあ、面白かったけど、今回は具体的な論証も浅いし、全てを『立場主義』で読み解いてしまうのは流石にムリがあると思った。が、面白かった点が2つ。
一つは『都市銀行は融資で借り手を審査する能力なんかないのだから融資機能なんかさっさと取り上げて、融資は地銀や信用金庫にやらせるようにしろ。都銀は決済だけさせていればいいのだ』、という主張。安冨氏は元住友銀行だけあってなかなか鋭い(笑)。銀行と付き合うと誰でもわかるとおもうが、ほとんどの銀行マンは悪いけど、バカばっかりだ(公平に言うと、ほんのごくごく僅かだけ超優秀な奴はいる)。何が半沢直樹だよ(笑)。それは別に彼らの個人的能力が劣るというわけでもなく、仕組みがまるでダメなのだ。得意先を現場まで見ているわけではないから、企業の実ビジネスのことはわからない、だから融資の見極めなんかできない。結局 土地を担保に取るしか能がないってことになる。彼らにできることは強い客にはおべっか、立場が弱い客には強気に出るくらいなもんだ。だから日本の銀行は『雨が降っているときには傘を取り上げ、晴れているときに傘を差し出す』と言われるのだ。ちなみに都銀にいるボクの友達は『金融庁の横並びの規制があるから、社内外ともにできることはおべっかしかない』と言ってた(笑)。
ちょっと前 銀行の『貸し剥がし』が話題になった。小泉不況やリーマンショックで、それに懲りた企業経営者が、もう銀行にはカネは借りない!と言うことで借金返済を最優先にしたのだ。上場企業の半分が無借金になったのはそういう理由だ。企業の内部留保が積みあがっているのは共産党が言うように経営者の強欲だけが問題ではない。だいたい 世の中そんな単純なわけないじゃないか(笑)。共産党の連中は勧善懲悪の水戸黄門の見すぎなのか、情報操作で人を騙そうとしているのだろう(笑)。また、日本はアメリカなどに比べて開業率が低いことが長年 問題視されているが、その原因は経営者に資金を融資する銀行側がリスクをとろうとしないからだ。日本では経営に失敗したらよほどうまく立ち回らない限り(例えば形式上 財産を奥さんに移して離婚したあとに、自分は破産する)個人保証で銀行に家も土地も身ぐるみ剥される。起業に慎重になるのは当たり前だ。ちなみにそういう個人保証はアメリカでは殆ど無いそうだ。はっきりいって日本経済のデフレ化に銀行は多大なる責任があるだろう。今の政権はまるでデフレが親の仇みたいに言ってるが、銀行システムをどうするなんて議論にも登らないもんなあ。東電救済だって、ほとんどの理由は三井住友をかばったからなのは、さまざまなノンフィクションを読めばいくらでもわかる。
                                                  
あと もう一つ、『安倍のように過去のやり方をリバイバルする政権が出てきたのは、いよいよ従来の日本の断末魔の姿だろう』というのは言えていると思った。『製造業でバリバリモノをつくって世界中に売りさばいて大儲けすること』、『財政出動で国土中をコンクリートで固めまくること』、『アメリカにおべっかを使って核の傘とやらで守って貰うこと』、これら、安倍晋三が今回の政権でやっていることは過去のリバイバルだし、うまく行かないことは目に見えているというのだ。実際 輸出で景気をどうにかする、というのは既にコケているし、財政出動はいずれツケが廻ってくることは目に見えているし(膨れ上がる国債残高だけじゃなく、作った後のインフラ維持費はどうするんだよ)そもそもアメリカが日本のために核戦争のリスクなんか犯すはずがないのは自分がアメリカの議員だったらどうするかということを考えれば、アホでない限り誰にでもわかる。金融緩和も財政出動原発の再稼動もナショナリズム復権も、戦後の自民党政治の断末魔なのかもしれない。『日本を取り戻す』というのは簡単に言うと、昔と同じ事をすればなんとかなる、という単なる希望的観測だ。これも言葉のゴマカシ。そうやって旧体制が滅んでいく中で国民も道連れになるのか、国民だけはなんとか生き残れるのか、それがボクらに突きつけられている課題なのだと思う。


                                           
今日は宴会があったけど乾杯だけして15分でさっさと撤収して(笑)、官邸前へ★1116再稼働反対!首相官邸前抗議 | 首都圏反原発連合。だいたい 何が悲しくて金曜夜に仕事なんかしなくちゃいけないんだよ(笑)。
今週はめっきり暖かくて油断していたが、今日6時の温度は9度、おまけに時折小雨がぱらつく生憎のデモ日和(笑)、寒すぎだよ。今日の参加者は官邸前800人くらい、国会前他で500人くらい、合計1300人くらいじゃないだろうか。主催者発表は延べで2200人。今日はさすがにちょっと少なかった。
●抗議風景。ボクが居た時間帯は傘を差さなくて済んだのはラッキーだった







                                               
こういう条件が悪い時に来る人はもう、だいたい顔を見たことがあるなあ(笑)。年配の人も居るし、サラリーマンもいるし、わけのわからない人も居るし、妙齢の美しい女性もいる(笑)。スピーチでも納得できることもあるけれど、何を言ってるかわからないアホみたいな意見もかなり多い。それでも天気が悪かろうと良かろうと、来られるときは来たいなあ、と思うのだ。結局 自分のためだからなあ。それに、もしかしたらいつか、抗議に行きたくても来られなくなる時代が来たらどうするんだ。

●国会前他。マイクを持っているのはチェルノブイリの事故で酷い目に会った、ベラルーシから来てくれた人。