特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

 『フェイクニュース』と『年賀状にも祟る東芝』、それに『0428再稼働反対!首相官邸前抗議』&『安倍政権に反対する国会前抗議』

道を歩いていると新緑の香しい匂いを感じるようになりました。気持ちいいですね。
●近所の桜並木も新緑に変わりました。


でも、世の中の方はそんな感じじゃないみたい。木曜日 安倍晋三がロシア、イギリスへ出かけていったのはびっくりしました。三宅洋平の友達のアホ奥さんを連れていくようですから、緊急会談でもない、予定通りということでしょう。少なくとも近日中のアメリカ側から北朝鮮への攻撃はない、ということなのかもしれませんが、政府が国民に『ミサイルが来た時の備え』の案内をしているような緊急時に、首相が国を離れるというのは驚きです。あり得ない。有事の際は安倍晋三が国内に居ない方がスムーズに対応できるということなのかもしれませんが(笑)。


それにしても今週はアメリカがICBMの実験をやったのですから、双方の脅しはどんどんエスカレートしている。金正恩もトランプも脅しでしか話ができないのでしょう。脅しならいいですが、武力を行使するような事態は誰にとっても得じゃない。北朝鮮がいくらアホでも核実験は簡単には止められないだろうし、核実験をしたらアメリカも、今度は中国も黙ってないかもしれない。緊張は長期的になるのかもしれませんが、武力っていうのは使わないためにあるのであって(対米戦争に反対した井上成美海軍大将の言)実際に使うのは愚の骨頂、核さえやめれば北朝鮮もそのまま残ってくれた方が、誰にとっても丸く収まるんですからね。

                       
さて 復興大臣の今村がクビになりましたが、それ自体は当然です。でも4月4日の『自己責任』という暴言の時 ボクは多少、同情してたんです(笑)。先週のデモでも『今村辞めろコール』がありましたけど、その時は黙ってました(笑)。それは『自己責任』の言葉を引き出した自称ジャーナリストの側があまりにひどかったからです。ネットに幾つも記者会見の書き起こしが載ってました全文表示 | 今村復興相、なぜ「ブチ切れ」たのか 記者とのやりとり一部始終 : J-CASTニュース。公の場でブチ切れてしまったのは今村の負けですけど、記者会見でなぜか自説をまくしたてる西村誠一郎というフリージャーナリストもかなりひどい。ボクが今村の立場でもブチ切れたかもしれません。自主避難者にも国(東電)が支援をするというのは当然ですが、どこかで期限とか範囲とかの枠は決めなくてはならない。それを『自己責任』という言葉でしか表現できない今村も愚かですが、現実的なことを無視して感情論を一方的に押し付けるような奴もどうにもなりません
●勿論 今回の『東北で良かった』は死刑に値するに決まっています。

ボクは原発は反対だし、福島の事故を起こした責任はしっかり追及しなければならないとも思いますけど、理屈を無視した感情論を一方的にまくしたてるような輩は逆効果じゃないでしょうか。西村のような奴こそ自主避難者の足を引っ張っている。西村だけじゃありません。ちょっと思いつくだけでも上杉隆、田中龍作、おしどりマコ堤未果原発やTPPについてデマを飛ばしたり、根拠が不明瞭なのに危険を徒に煽ってるような連中は大勢います。今週水曜のクローズアップ現代+でも仏大統領選でフェイクニュースを拡散しているバカが取り上げられていました。連中の害悪はそれこそ民主主義の存在を揺るがすようになってきています。

●今週のクローズアップ原題+は『スノーデン』、『朝鮮半島情勢』、『フェイクニュース』とテーマも内容もまともだったと思います。内容は浅くても、あまたの民放の番組に遥かに勝っている。


選挙とフェイクニュース ~揺れるヨーロッパ~ - NHK クローズアップ現代+
                                  
先ほど挙げたように日本でもフェイクニュースを流している奴はネトウヨ(笑)以外にも大勢いるし、連中の言い分を自分でチェックもしないで拡散している奴も同罪です。日本で原発がなくならないのは原子力村の利権構造に加えて、原発に反対する側にもアホが多いから、とボクは昔から思っています。そういうデマや煽りはキリがない。だからこそ一人一人が毅然として対応しないと、それこそ民主主義が危機にさらされるのではないでしょうか。

勿論、今村のようにいい歳こいて漫画のネクタイをして公の場で暴言をまき散らすというだけでも、人間としてかなりひどいことは間違いないんですけどね。



さてさて 同じフリージャーナリストでも元朝日の編集委員の山田厚史が『日本郵政4000億損失、元凶はまたも元東芝西室泰三』と指摘していたのは、なるほどと思いました。

日本郵政4000億損失、元凶はまたも元東芝・西室泰三氏 | 山田厚史の「世界かわら版」 | ダイヤモンド・オンライン

今週 日本郵政が、買収したオーストラリアの物流会社で4000億!もの損害を出して、最終赤字になったというニュースが流れたのは皆さん、ご存知だと思います。今 東芝が潰れかかっているのは2000億円程度の価値しかない米WHを約6000億という高値で買ったのが原因ですが、今回 日本郵政も約1000億の価値しかない企業を6000億で買って4000億もの損害を出しました4000億というと全日本人が出す年賀状2年分だそうです(笑)日本郵政のM&A損失額は年賀状2年半分

どちらも東芝の元会長、現日本郵政の会長の西室泰三に大きな責任があるというのです。西室は東芝の社長、会長、東証の会長、日本郵政の社長、経団連の副会長を務めた財界の大物です。確かに東芝でも日本郵政でも買収を決めた際は西室は会長・社長で、しかも買収を主導したそうです。戦犯であることは間違いない。こいつは日本郵政で4000億、東芝で1兆以上の損害を出しているんです(笑)。国富の流出というだけでなく、日本郵政の株の売却資金は東北の復興資金にも充当されることになっています。これで売却に影響があったら西室はどう責任をとるのでしょうか


日本企業の海外企業買収の約9割は失敗しているといわれています。東芝日本郵政だけでなく、2015年にはキリンが1100億の損害を出して上場来初めての赤字に追い込まれましたし、過去にも第一三共(製薬)やNTTなど海外買収で莫大な損害を受けたのは数限りありません。


数年前 ボクも海外企業を買収するオークションに参加したことがあります。日常の仕事とは全く異なる、非常に印象的な体験でした。企業買収のオークションは文字通り=競りです。簡単に言うと、参加する企業は1か月とか2か月のごく限られた時間で買収先企業の英文資料を読んで『いっせーのせっ!』で価格を出す。当然ですが売る側は高く売りつけるため屁理屈で言いくるめようとします。こちらはそれをいなしながら(笑)連中の本音を引き出そうとする。そうやって情報を集め、提示価格を決める。買収先企業の価値(金額)は財務諸表を読めば、ある程度わかりますが、そこでどれだけ価格を上乗せするか、もしくはボロ会社だったら下げるか、が勝負です。買収が成功するかどうかは財務諸表には書いてない『買収先企業の事業がどれくらい価値やリスクがあるか』を判断する知恵が必要なんです。口で言うほど簡単じゃありません。
だけど西室のように買収して数年で損害を計上しなければならないような価格をつけたのは誰がどう考えても大失敗です。相手の事業を全然把握してないし、リスクも考えてない、ということです。外国の企業のことなんか判らないことはありますよ。でもリスクを見越せないというのはどう考えても、ただのバカです。これだけ無能な人物が大企業・財界の要職を歴任していた。そりゃ原発事故だって起きるでしょ(笑)。


会社の売買は数百億とか数千億の金額が単位です。短い時間でのオークションでそんな金額の物件を判断するのですから、精神的にはかなりきつい。そこで間違えたら東芝のように数百億、数千億がパーになります。『騙されたらどうしよう、間違えたらどうしよう、何か見落としたらどうしよう』、オークションの期間中 下っ端のボクですら、かなりのプレッシャーを感じました。ボクが見たのはほんの一部分だけですけど 世の中はこうやって動いていくんだなーと思いましたよ。


ちなみに企業買収の間に入っているのがゴールドマン・サックスみたいな投資銀行や証券会社、それにパナマ文書で出てきたモサック・フォンセカのような法律事務所です。で、こちらも用心棒としてそいつらの同業を雇う(笑)。例えば投資銀行は売買価格の数%を手数料としてふんだくります。数千億の数%ですよ。しかも原価は人件費以外はほぼ、タダ。連中は濡れ手に粟、儲かるわけです(笑)。日本ですら投資銀行の幹部の年収は数千万〜数億円、アメリカでは数億〜数百億円。トランプの閣僚にゴールドマン・サックスの出身者が5人もいる訳がわかりますでしょ。連中は経済に関する知識に加えて、政治家へのロビーイングに使える金はいくらでもあるんです。自分たちに都合がよいように規制を緩めるのだって、お手の物です。かってアメリカでは銀行が投資銀行の業務をすることを禁止していました。その法律を連中が圧力をかけてクリントン政権に廃止させた。それがリーマンショックにつながったんです。今や武器企業だって、モンサントだって、原発企業だって、結局は株式市場が操っているんです。


そこでカモになっているのが日本企業(笑)。西室のような親方日の丸大企業の経営陣は『精神的な強さ』も『他社の事業を読む知恵』も両方なかった(笑)。そもそも原発のように役所の顔色を見ながら事業をやっている企業にそんな経営者が出てくるわけがありません。そういう意味でも原発村のような日本の社会主義的な体質、政・官・企業がもたれあう無責任体質はまさに日本を損なっているんです。最近の郵便局員の人はきつい年賀状のノルマを押し付けられてるそうですが、マヌケ経営者のせいで彼らの2年分の努力が一瞬でパーになってしまいました。東芝は年賀状にまで祟っているわけです。


ちなみにボクが担当したオークションは成立しませんでした。良かったです(笑)。法外な値段をつけて買っても結局は損しますし、なまじ買収しちゃったらボクが現地に赴任しなきゃいけない可能性もありましたから。その時 心配だったのは実は食事です(笑)。個人的にはまず、買収先企業の周辺地域の食事情を調べました。所詮 ファーストフードばかりで、まともな食い物はありませんでした。そんなところに行ったら死んじゃうよ。やばかった〜(笑)



ということで、今週も#金曜官邸前抗議へ。
今日の午後6時の気温は18度。暑くもなく寒くもないデモ日和(笑)。スプリング・コートを着なくて正解でした。参加者は主催者発表で650人。
●抗議風景






原発やめろ』というコールをしている時に、何時も来ているご婦人が『本当に止まればいいんだけど』と吐き出すように言ってました。その気持ちは良くわかります。ボクも内心 そう思ってます。でも、どこかで誰かが声を挙げ続けなければ、原発はいつまでたってもなくなりません。実際 この5年間 原発はほとんど動いてないのは事実です。誰かがNOと言い続けなければいけない


今日も抗議はダブルヘッダーです。『未来のための公共』の#金曜国会前抗議。

                          
やっぱり言論の自由の問題ですから、共謀罪は心配です。長期的に見れば、ただでさえ政治や市民活動など公への活動意識が薄い日本人の参加意識が余計 削がれていくでしょう。それが為政者の狙いなんでしょうけど。世の中のたいていのものはメリット・デメリット両方ありますが、今回の共謀罪はメリットがほとんど思いつきません。そもそも事前の共謀を制限する犯罪がなんで270もあるのか、さっぱりわからない。著作権法やキノコ採りに関連する森林法まで、なんで共謀罪の対象になるんだよ!


その一方 テロを防ぐには事前謀議を罪に問う法律の有無より、テロ情報の有無の方が問題に決まっています。だから今回の法律でテロを防げるはずがないんです。つまり リスク・デメリットはあるけど、メリットは思いつかない、ひどい法律だと思います。もしメリットがあるとしたら政府は説明する義務があると思いますけど、安保法制同様、そんなものは聞いたことがない。法務大臣ですら答弁も出来ないくらい内容を理解してないのに(笑)、国民はどうして受け入れなくてはならないんでしょうか!


●抗議風景2




●毎回、弁護士の人が判り易く共謀罪のことを説明してくれます。大変有益です。『なんで森林法が共謀罪の対象になるのか。キノコ狩りがどうしてテロに関係あるのか(笑)』

共産党の1年生議員 山添拓。スピーチの内容だけでなく、口調やイントネーションまでそのまま同党の先輩議員の小池晃と一緒、というのはやはり気持ち悪い。お前ら北朝鮮かって。


こちらの方は年配の人も若い人もいる。男性も女性も交互にスピーチする。健康的です(笑)。コールだって『共謀罪は絶対要らない』だけじゃなく、『答弁できない大臣要らない』とか全くその通りだと思います。若いOLの人が『安倍が替わっても替わりが居ないと言われるけど、安倍晋三がこのまま総理をやっていたら大変なことになるのも事実じゃないですか』と言っていました。そういう議論が出てくるのは凄く良い。個人的には確かにそうだとは思うけど、かと言って今の民進党共産党に政権を握ってもらっても困ってしまう。野党が結束して自民党ハト派の岸田を首班指名に推すくらいの柔軟性がないとダメなんだと思います。
                            
でも、こちらの集会でマイクを取る人は皆 自分の言葉で話している自称市民活動家の何を言ってるかわからない定型の認知症スピーチや共産党のアクセントまで一緒の北朝鮮スピーチとは違う。これなら一般の人により多く共感してもらえると思います。1000人弱くらいの参加者ですから喜んでちゃいけないんでしょうけど、こういう輪が広がっていけば、世の中は変わっていくと、ボクは思います。