特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

法人税とラルフ・ネーダー、そして★0124 再稼働反対!首相官邸前抗議!

安倍晋三が今度はダボス会議で突然、法人税を下げるという演説をした。今 法人税を下げることがどういう意味があるかマスコミは何も述べないので、ボクが書いておく(笑)。法人税などを下げる動きはいわゆる『底辺への競争』と言われている。いわゆる『各国が企業誘致や産業育成のため税制や労働条件、規制を緩和することで、結果的に国民の生活水準の劣化を招くグローバリゼーションの負の側面』(日経、『大機小機』2013年6月21日)だ。
まず日本の法人税率が他国に比べて高いという話があるが、発展途上国と競争してどうするんだそれ以前に人件費が全く違うんだから法人税だけ下げたって意味ないだろ(笑)。他国と比較するなら、日本はこういう国を目指すから法人税を下げる、という戦略的なシナリオがなければ、ただのバカだ。ちなみに日本の法人税率36%はアメリカ(41%)より安い。
●各国の法人税率比較:ほんとは研究開発減税などがあるから日本の実質的な税率はこれより遥かに低い、一説では20%台といわれている。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm

大まかに考えて法人減税で考えられる効果は2つだろう。『国内に企業の投資・立地が増える可能性』、『株価が上がる』。だがどう転んでも今後国内への投資はそれほど増えるわけがない。国内市場は人口(需要)が減っていくのだ。円安だろうが何だろうが、企業は海外へ投資していかざるを得ない。この前 サントリーが1兆6000億も出して海外の会社を買収したのが良い例だ。
残る理由は一つ。株価だ。企業の利益への課税を減らせば、その分だけ投資家へ配当する原資が増える。だから株価は上がる。そりゃ、投資家は大賛成だろう(笑)。
だが麻生ですら『法人税なんか下げたら、財源はどうなるんだ』と言ってる。安倍の言っているとおり法人税を10%下げたら5兆円の税収減になるという。今年の消費増税の税収増の見込みが5.1兆円だそうだから、安倍の言ってる通り法人税を下げたら、今回の消費税増税分が吹っ飛ぶことになる。消費税で庶民から召し上げた金を投資家に進呈するってわけだ。今度ばかりは麻生が利口に見えるよ(笑)
財務相、法人税抜本見直し「具体的な段階ではない」 :日本経済新聞
消費増税初年度、税収5.1兆円増 6割を年金関連で消化へ :日本経済新聞

安倍本人も昨年のG8では『各国の税負担軽減競争を避け、税制の調和を図る必要』を述べていた。それがころっと宗旨変えしたのは、株価を吊り上げることで自分の支持率を維持しようということだろう。株が上がるのは悪いことではないけれど、ただでさえ大赤字の国の税収を減らしてどうする(笑)。
庶民の生活を犠牲にして、自分と投資家の利益を図る。日本で今 法人減税をするということはそういうことだ。
こういう政治家を国賊といわないで、誰を国賊と呼ぶんだ。



さて東京都知事選だが。まだ詳しく見てないけど、細川の政見もそんなに滅茶苦茶ではなかったので少し安心した。むしろ『75歳以上の高齢者の医療費無料』とか言っている宇都宮氏のほうに危うさを感じてしまう。財源の問題もあるし、なんでも無料と言うのは利用者のモラルハザードで今以上に病院の混雑が激しくなるだろう。100円でも200円でもいいから負担がないとダメ。そういうのは政策の基礎だし、人間に対する洞察力の問題だ。


細川と宇都宮氏、反原発の候補が二人も立候補した今回の選挙、ボクはどうしても2000年のアメリカ大統領選、ラルフ・ネーダーの立候補を思い出してしまうラルフ・ネーダーは自動車の品質不良を追求したことで有名な消費者運動家の草分けだ。選挙は民主党のゴアと共和党のブッシュの大激戦だったわけだが、著名とはいえ2大政党の間では泡沫候補扱いのラルフ・ネーダー緑の党から立候補していた。選挙全体の勝敗を決めたのはフロリダ州だ。結果はブッシュがゴアに対して537票の僅差で勝ったが、同州でラルフ・ネーダーは97,488票獲得していた。ラルフ・ネーダーに投票するようなリベラルな人は彼が居なければゴアに投票するに決まっている。つまりラルフ・ネーダーが立候補していなければ、楽勝でゴアが大統領になっていたのだ!
ゴアだってロクなもんじゃないけれど、ブッシュよりはマシだ。少なくともイラク戦争は起こさなかっただろうし、リーマンショックも起きなかったかもしれないイラク戦争でのアメリカの戦死者は約4000人、イラクの民間人の死者は何十万人と言われている。ラルフ・ネーダーが立候補していなければ、そんな犠牲者は生まれなかったのだ!
その選挙以降もラルフ・ネーダーは立候補し続けているが、彼の得票はどんどん減っている。その責任を考えれば彼が失速するのは当然だ。
                                                                             
今 宇都宮氏を支持する人の論拠はこんなところだろう。『宇都宮氏は細川より市民の声を聞く候補者だ。今回の選挙で負けても原発をなくすためには長い時間がかかるのだから、短期的な勝ち負けより、より民主的な候補を応援するべきだ』、『宇都宮氏、細川を合わせた得票が多いことが大事だ』、『小泉は許せない』
気持ちはわかる。だけど、その意見には賛成できない。ボクも宇都宮氏のほうが細川より遥かに市民に近いと思う。だからこそ宇都宮氏がラルフ・ネーダーのようにならないか心配だ
また小泉の前科だって、そんなことを今指摘しても、何の得もない。原発を止めるには自民党も含めて幅広い人の力が必要なのだ。自民党脱原発議員の勉強会(正式名称忘れた)には50人もいるんだぞ。社民+共産+生活より多いじゃないか(笑)。要するに今さら小泉の前科を言い立てるのは安倍の靖国参拝と同じだ。将来に向けたメリットは何にもない(笑)。
                                                    
一方 舛添が当選すれば、政府や原発ムラは勢いづいて原発の再稼動も進むだろう。原発をなくすための戦いは確かに長い時間がかかるけれども、その間にまた事故が起きたらどうするのか?原発を止めるには長い時間がかかるのだから、今負けてもいい』なんてことを言う人たちは無責任だし、現実を軽く考えすぎている と思う。
                                                               
問題なのは細川か宇都宮氏か、ではない。大事なことは舛添を当選させないことだ。
ボクは細川、宇都宮氏、どちらか勝ち目があるほうに投票する。複数の新聞とネットの様子を見ていれば大体の様子はわかる。ボクには自分の一票が死に票にならないよう努力する責任がある。

とにかく選挙に行かなくちゃ投票率が高ければ組織政党(自民、共産、公明)は埋没する。名護市のように投票率が76%もあれば、それだけで世の中が変わるだろう。そのうえでボクは、よりマシな候補=勝ち目が大きい脱原発候補に投票する。ボクはいい加減な人間だけど、そのあとの結果を深く考えもせず、自ら死に票を投じて投票日1日だけ自己満足してるほど無責任じゃないし、ヒマでもない


                            
ということで今週も官邸前へ★0131 再稼働反対!首相官邸前抗議! | 首都圏反原発連合
今日の温度は11度。多少暖かくなった。寒気の訪れが早かった今冬、このまま天気が良くなってくれるといいな。参加者は官邸前600人くらい、国会前800人、その他200人、合計1600人くらいだろうか。先週よりちょっと少ないか、同じくらい(主催者発表2000人、先週よりちょっと多かった)。
ここでも知事選のことは話題になっているけれど、参加者の間では思ったより宇都宮氏に対して熱狂的になっている感じはない。『ぎりぎりまで待って、勝ち目がある人に投票する』とボクが思っている通りのことを言っている人も居た。ちなみに官邸前抗議を主催している反原連は特定の候補者を推すことはない、そうだ。今後も原発に反対する人を幅広く結集していくためには、大変賢明な態度だと思う。

●抗議風景










                                       
国会前へ回ると、ちょうど宇都宮氏がスピーチをしているのに出くわした。『福島の人も喜べる五輪を』とか、『子供たちの給食の放射性物資をきちんと制限しよう』とか、『名護の人がカネに負けなかったのは嬉しかった、次は東京の番だ』など淡々と話した後、『一緒に頑張りましょう』と言って締めた。共産党のように嘘くさい団結を強調するインチキくさいスピーチとも、生活の党の面々のように『××をお約束申し上げます』という慇懃だけど選挙民をバカにした利益誘導スピーチとも、明らかに違う。やっぱり、いいなあと思う。聞いていて胸が熱くなった。
だけど、それで彼に投票できるかどうかは別。残念だけど。国会前ではバカ受けだけど、勝敗のカギである浮動票を彼が呼び込めるかどうかはわからない。やっぱり候補の一本化が必要だ。それを拒んでいるのは共産党のいつもの独善(社会の害悪)だけでなく、本人の意志でもあるようだから仕方ないかもしれないが。
●国会前:宇都宮氏特集





                                
ファミリーエリアへ回るとマイクを持った人が『選挙へ行こう』と呼びかけていた。そのとおり。名護なみの投票率になれば、世の中は変わるのだ。
とにかく、選挙へ行こう!

●ファミリーエリア

●久しぶりにライトアップされた国会。原発なしで電気は足りまくってるじゃん(笑)。