特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

全部が悪いことばかりじゃない。★0927 再稼働反対!首相官邸前抗議!

今日 ニュースを見てびっくりした。
国税庁によると、民間企業で働く従業員の昨年の平均年収は前年より2万減って408万円、正社員平均が467万(男性520万、女性349万)、派遣社員平均が168万(男性225万、女性143万)、これは1989年並みの水準だそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130927-00000185-jij-bus_all
仕事の内容がわからないから、一概に派遣と正規の差がどう、とか男女差がどう、とかは言う気はない。が、やはりある程度の水準と言うものがあるはずだ。これでは特に子供を育てたりするのが大変なのはよく判る。こんな状況を放置して少子高齢化が進み、日本が衰退の道を転げ落ちているのは自業自得と言える。

                               
庶民がそんな状態なのに安倍が言い出した、消費増税の替わりに法人減税』はさすがに酷い、という意見がいくつも出てきている。野党だけでなく、今や公明党福島県選出の自民党国会議員ですら反対を表明している。
                                                      
自民党が言っている法人税減税で給与アップ、というのはどういうロジックだろう?企業にしてみれば、法人税が減税されても、給与が上がれば人件費(それも固定費)が増え、企業の本業の儲けである営業利益は減少する
少しくらいの減税で税引後利益が増えるからと言って、自分から営業利益を減らすような経営者なんて存在するだろうか(笑)。言うまでもなく株価の値つけも、銀行がカネを貸すのも、営業利益が重要な基準だからだ。
よほどのアホじゃないかぎり、そんな経営者が世の中に居るはずがない(笑)。
安倍が4月頃 給与アップを呼びかけたときローソンが給与アップを決めて、ちょっとしたニュースになった。事情を某アナリストに聴いたら、ローソンはここ何年間も増収増益を続けていたにもかかわらず賃上げをしてなかったので、これ幸いとばかりにアップさせただけ、だそうだ。
そんなもんだろう(笑)。まして少しくらいの減税で国内立地が増えたり、実態経済が活性化するようなことがあるはずがない(笑)。

法人税が減税されて増える可能性があるのは役員報酬と株主への配当だ一般国民に増税して、フクシマの復興費用を削って、企業経営者と株主が得をする消費増税の替わりに法人減税をする、というのはまさにそういうことだ。 こんなことが許されて良いのだろうか?

                                                                  

東電の柏崎刈羽原発の再稼動申請と言うのはもちろんふざけた話で、事故の収束がマトモにできないような企業に原発を稼動する資格などあるわけがないだろう地域独占の地位に胡坐をかいて、マネジメントが麻痺しているという点では事故続出のJR北海道と東電は本当に良く似ている。

ネットでは、再稼動申請を了解した新潟県知事に検察などの圧力があったのではないか、というようなことを言っている奴もいる。それは本当かもしれないし、そうでないのかもしれない。このことに限らず陰謀論というのは良く聴く話だが、一つだけはっきりしていることがある。
それは証拠のない陰謀論など何の役にもたたない、ということだ。陰謀論は原因がわかりやすい、原因を他の誰かのせいにできる、という点でとても魅力的だ。ボクはこの国に陰謀みたいなものがない、とは言わないけれど、そこで思考停止しないで、さらに事実や論理を突き詰めていく努力が、情報を受け止める側には必要だと思う。でなければ、もっと大事な、物事の本質を見失ってしまうのではないか。実際 原発事故の際 上杉隆みたいに危険デマを飛ばしていた自称ジャーナリストみたいな奴も居たわけだし。ボクは陰謀論みたいなものを見聞きするたびにそういう恐れを感じてしまう。

                                           
いずれにしても大事なのは国民が原発に反対しているぞ、という態度をはっきり表明することではないか新潟県知事にしろ、原子力規制委員会にしろ、県民、国民が反対してなければ、彼らだって個人的思いだけで規制しつづけるわけにはいかない。
政治家や学者、役人に頼ってばかりではダメだ。国民が無関心だったから政・官・東京電力の利権トライアングルが形成されたのだし、国民が無関心だったからフクシマの事故が引き起こされた
誰かに要求するばかりではなく、自分たち一人ひとりが意志を表明しなければ。


                                                                                                
ということで今週も官邸前へ(笑)。
暑くもなく寒くもなく、朗らかと言っても良いような過ごしやすい気候。ずっとこんな調子だったら良いなあ。少し遅れていったら、今日はいつもより一段と抗議の声が大きい。汚染水の問題にしろ柏崎の再稼働申請にしろ、みんな激怒しているのが感じ取れる。そういうときこそ、と個人的にはニコニコ抗議を決め込むことにしたけれど、表情を作るのが難しかった(笑)。
今日の参加者は官邸前1500人強、国会前&ファミリーエリアで1500人、併せて3000人くらい、先週よりちょっと多かったかなあ(主催者発表3100人)。
●抗議風景








                                                
今日は関西から来たという共産党の議員が『安倍さんには原発じゃなくて、自分の頭を再稼働させてほしい』と言っていたのには感心した。関東の人間には関西弁はなんとなくユーモラスに感じられる。そういうのは『さすが関西、人間関係を円滑にする知恵が豊かなのは関西で長年培われた文化的豊かさ』と尊敬したりするけれど、ひいきの引き倒しだろうか?
あと、共産党にしろ、参加者の声にしろ、『東電を解体しろ』という声がだんだん出てくるようになった。前々から、原発を推進する最大勢力を潰すことが脱原発の最大のポイントだと思ってたが、やっと、という感じ。彼らには事故の責任があるのだ。太平洋戦争も、バブル崩壊も、原発事故もこの国では誰も責任を取らなかった。それじゃ、また同じことが起きたって不思議ではない。
●東電解体の看板

  
                                                                 
国会前に行くと芸人(元芸人、もしくは野球審判?)のさいたまんぞう氏が登壇。自作の『原発アウト!』という歌を熱唱(笑)。彼が持参した演歌調のカラオケのイントロを聞いた途端、『やばい』と思って会場を離れた(笑)。

●国会前、2枚目は芸人のさいたまんぞう氏(懐かしい)。


●ファミリーエリア

                                            
今日はちょっと面白い光景を見た。横断歩道を渡ろうとしていた車いすの女性が舗道に乗り上げて立ち往生していたら、警官が駆け寄って車いすを押し始めた。女性はそれに構わず腕を振りながら『原発反対』を大きな声で連呼している(笑)。警察の肩を持つわけじゃないが、これもまた真実。
少なくともこれは、そんなに悪い光景じゃない。
ちょっとした希望やチャンスは路上に落ちているのかも。この世の中、全部が悪いことばかりじゃない。
●今日の写真:路上で女性の車いすを押す警官。その間も女性は『原発反対』を連呼している(笑)。