特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『オリンピックと階級社会』と『桃の二重奏』

 昨日の時事通信世論調査でも内閣の不支持率が支持率を上回りました。所謂『青木率』も内閣維持の限界と言われる50%台まで落ちています。


内閣支持32%、発足後最低 国葬反対51%―時事世論調査:時事ドットコム

 統一教会の問題だけでなく、国葬強行に原発再稼働と、確かに岸田は想像以上に酷い、とは思います。でも自民党に岸田よりマシな総裁候補というのは思い浮かばないし、野党の政権なんて夢のまた夢ですから、ボクは当面は岸田で仕方がない、と思ってました。

 ここまで落ちてくると岸田降ろしが始まるのでしょうか。次は(統一教会と関係がない)茂木の名が取り沙汰されてますが、頭はいいけど、あんな性格の悪い奴が日本のムラ社会で受け入れられる筈がない。


 今週 ジャン=リュック・ゴダール監督が亡くなりました
 カンヌなど世界3大映画祭全てで最高賞を受賞した監督であるばかりでなく、作品の難解さでも有名です。それでも新作が公開されたら必ず見に行く監督でしたし、ボクも20代の時から非常に影響を受けました。

 商業映画を撮っていた60年代の『気狂いピエロ』や『アルファヴィル』などはお洒落で、かっこ良くて、美しくて、もちろんこの時期が一番好きです。

 映像やセリフだけでなく、音楽もカッコよくて、彼の60年代のサントラを集めたCDはちょうど先週末も家で聞いていたくらいです。

 それ以降も60年代末期に彼が極端な毛沢東思想に嵌った『中国女』や『東風』もイデオロギーが如何に人間をダメにするかという反面教師として勉強になったし(笑)、

 80年代の『パッション』や『カルメンと言う名の女』などは瑞々しい画面が素直に素晴らしかった。90年代から最近までの『映画史』や『ソシアリズム』や遺作となった『イメージの本』はますます訳が分からなくなっていたけど、一瞬の映像のすばらしさとか見るべきものはありました。特に『ソシアリズム』で展開されるレーザー光線のように鮮やかな地中海の蒼色は良かった。

 
 彼の死は自殺幇助によるものだったようです。彼が住んでいたスイスでは自殺幇助が法律で認められているそうで、医師にでも処方してもらったのでしょうか。

news.yahoo.co.jp

 記事には、かねがね『必ずしも長生きしたいとは思わない』と言っていたゴダールは、近年『疲れ果てていた』とあります。スイスでは自殺幇助で亡くなる人が増加傾向にあり、2003年の187人から15年には965人に増えているそうです。
 こういう亡くなり方も如何にもゴダールらしい。最後まで理性の人、意志の人でした。
 
 どうやって死を迎えていくか、は これからの自分のテーマの一つになっていく、と思います。

 自分のお墓も準備しなくてはいけません。クソ坊主がカネばっかり集ってくる実家の墓なんか真っ平です。昔飼っていた犬と一緒に入れるのは絶対条件で、どこかの樹木葬かな。
 いつか森の中に埋もれて、跡形もなくなってしまうのがいい
 ボクは生涯ほぼ何もなし得ない、無為な人生で終わりそうですが、それでも前もって準備したとおりに死を迎えることが出来るのならば、それはそれで幸せではあるのでしょう。


 さてKADOKAWAの会長が捕まるなどオリンピック疑惑は一層深まってきました。やっと東京オリンピックに興味がでてきた(笑)。

 今回の件は言うまでもなく、『電通の元専務、高橋にAOKIが5000万の賄賂を払ってスポンサー料15億だか10億を5億に負けさせた』疑惑がきっかけですが、
news.yahoo.co.jp

 ボクは東京オリンピックが決まった時、電通にオリンピックのスポンサー料を問い合わせたことがあるんです。その際は『20億くらいですかねー』(値引き前)って言われました。
 元々そんな話は潰すつもりでしたから、一旦は問い合わせてみたのは『面従腹背』(By 前川喜平氏)です(笑)。しかしボクが暗躍しなくても(笑)法外なスポンサー料で、話はそのまま無くなってしまいました。そうか、賄賂を払えばよかったのか(笑)。

 ただスポンサーになるのに1業種1社という原則以外には制限はつけられなかったですから、KADOKAWAがスポンサーになるために金を払ったのは他に何か、裏があるはずです。

 電通の元専務、高橋と以前に賄賂疑惑で辞任したJOCの元会長の竹田(旧皇族家)は慶應幼稚舎の先輩・後輩でかねてから親しかったそうです。高橋を大会組織委員会の理事に押し込んだのは竹田だったそう。

news.yahoo.co.jp

 かねがね今の世の中を実際に動かしているのは東大出の官僚と2世の連中世襲の政治家と慶応幼稚舎の連中、と思ってましたが、こんなところでもあいつらが世の中を動かしているんだなーと思いました。
 かって一億総中流と言われた日本ですが、今の日本は間違いなく階級社会です。

 OECDによると、日本では『所得階層の最下層の家庭に生まれた子どもが平均所得を得られるようになるまでには、少なくとも4世代分の時間を要する』そうです。

 この時間の長さはOECDの平均レベルだそうですが、それでも日本が総中流、なんてことはない。他国と同様に不平等な国です。
 自分の実感でも非常にうなずける話です。自分の子供が生まれた階級から滑り落ちるのは簡単だけど、上昇するのはかなり難しい。単に所得だけでなく、教養や文化、生活習慣、人脈などの社会的資本を考えたら、確かに上に抜け出すには3~4世代くらいかかる、と思う。
 自分の世代だけで、できることは限られている

 さらに日本の特徴は『最下層と最上層の階級流動性が低く中間層の流動性が高い』ことだそうです。
 教育面では高卒以下の親の子供で自身も高卒以下なのは22%(OECD平均42%)、大卒以上の親の子供で大卒以上なのは72%(OECD平均63%)。
 所得面でも『最下層、最上層の人は現在の階級にとどまる可能性が高く、中間層は転落しつつある』そうです。

https://www.oecd.org/japan/social-mobility-2018-JPN-JP.PDF

 資産を持っているお金持ち(外国人株主含む)を優遇し、一般国民の暮らしを貧しくさせるアベノミクスは格差を拡大し階級を固定化する典型的な政策でした。


diamond.jp

 現在の物価高は借金で8年間 金をばらまき続けたアベノミクス当然の帰結ですが、余裕がない人の生活をより強く圧迫しています。


https://twitter.com/shimatetsuo11/status/1569547128036524032

 そんな政策を進める政治家を国民が支持した、まして国葬までしようというのですから、今の日本は殆ど悪い冗談みたいな国だと思います。
 


 さてさて、いつもの北参道のソフトクリーム屋で桃のソフトクリームを食べてきました。
 店主の実家の牛乳を使ったソフトの周りと下に桃のコンポートが敷き詰められて、上にラズベリーのジャムが掛けられている。季節ごとにいろいろ変わるのですが、これは今回が初めて。サイコーでした。


 夜はまた、近所のイタリアンへ行ってきました。歩いていけるところで、普段着で美味しいものを食べよう、という段取りです。

●店の入り口。知らない人は絶対にわかりません(笑)

 スプマンテを飲みながら『行く夏を惜しんで(現実逃避)』と、言ったところでしょうか。

 まず最初に『もくじ』と称して、この日使う材料を少しずつ、調理法を変えて出てきます。上からマナガツオ、アナゴ、太刀魚、白いか、アイルランド産子羊。

 マナガツオに発酵させた野菜のエキスを掛け、上から削ったサマートリュフを乗せたもの。サマートリュフはボクは好みませんが、グレーターで削れば流石に香りは出ます。マナガツオも地味においしい。

 三浦半島のアナゴを焼いて、ツルムラサキ+モロヘイヤを添えたもの

 太刀魚のジェノヴェーゼ

 中身はこんな感じ。太刀魚の皮は炙ってあっても、中身がレアなのがポイント

 イカ墨を練りこんだ手打ちパスタと白いか。これまた地味にうまい(笑)


 
 アイルランド産仔羊のローストアイルランドの仔羊はグラスフェッド(牧草だけで飼育)、そして国がトレーサビリティを保証していて、日本の食肉より遥かに安全です。元々アイルランド産の仔羊の質の高さは有名でしたが日本への輸入が始まったのは昨年から。ほんと、日本の農協の政治圧力って国民の消費生活を妨害しています
 食べ物の国産信仰がはびこってますが、今や牛肉だって羊だって、外国のものの方が安心でおいしい
 これは焼くのには30分以上かかったそうです。肉は柔らかいし臭みもなくて、牛肉なんかよりはるかにおいしい。

 デザートはまたまた、桃のコンポート。中にはヨーグルトのクリーム、周りにはかき氷。

 中身はこんな感じ

 図らずもダイエットを無視した、桃のコンポート2重奏の日でした(笑)。