特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

命は大事、おカネも大事:★0920 再稼働反対!首相官邸前抗議!

昨晩 深夜の福島での地震はびっくりした。東京では震度3だったが、ゆれている時間も長く、大きな地震のように感じた。そうやって地震があるたびに福島の4号機プールは大丈夫だろうかと思ってしまう。
その福島へでかけてまで安倍が相変わらず『汚染水は完全にブロックされている』と大嘘ついているのにも呆れるが、フクシマ第5、第6の廃炉を東電に要請したというのは、ちょっと驚いた。まだ廃炉にしてないのかよ!って。
廃炉』と宣言してしまうと東電は会計上 償却処理をしなくてはならない。だが、そんな体力は東電にはないから、今まではほったらかしておいた。今回は正式に『廃炉』宣言をさせることで償却費用の電気料金への転嫁と柏崎の再稼動に結びつけようということだろう。今回の安倍の発言は東電の救済策の一環といってもよいのではないか。


だが 東電は事故の賠償や収束をやる金もなければマネジメント能力もない、廃炉をするカネもない、ツケを国民の電気料金に押し付けることしかできないという、今や存在自体が矛盾の塊になっている。
そういう矛盾が大きくなるにつれて、東電を潰すべきだという社会的圧力も高まってくる。実質債務超過の東電を法的処理することは原発を推進しようとする最大の企業が消滅することであり東電の株主や銀行にも責任を問うことは国民の負担を減らすことでもある。
東電を潰すことは原発をなくすための第一歩だし、福島の処理をまともに進めるための第一歩だ。
ちょっとでいいから、みんな、自分の頭で考えて、怒るべきだ。ボクらは原発に金をむしりとられ、命を危険に脅かされているのだから。



怒りといえば、安倍が言い出した法人税減税にも呆れる。消費税を増税しながら法人税を減税するなんて、自民の麻生や高村でさえ反対している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130913-00000036-mai-pol&pos=2
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130918-00000063-mai-pol&pos=1

今朝の日経の1面で小竹洋之という編集委員が『法人減税 個人にも恩恵』とか書いていたが、これだけ嘘八百を並べた文章も珍しい。この文章が言っている様に少しくらい法人税を下げたからと言って、国内に立地したり設備投資をする企業が増える筈がない。まともな企業だったら、需要がこれから伸びるとか、原材料を入手しやすいから、と言った戦略に基づいて行動する法人税が下がったからと言って国内に立地する企業が増えるはずはないし、仮に税が下がったからといって立地するような企業はもっと税が低い国へすぐ逃げ出すだろう。そんな企業は高人件費の日本には居てもらっても仕方がない。この編集委員が言ってることは、2年前にアホな連中、それこそ日経が、原発を動かさなければ国内から企業が逃げてしまう、と騒いでたのと同じだそんな企業あったんだろうか?(笑)


法人減税が本当に個人に恩恵を及ぼすのだろうか。本気かどうか知らないが安倍は企業に賃上げしろとか言っている。そもそも企業が儲かっても、本気で個人に利益を分配するだろうか。じゃあ、事実で考えてみよう(笑)。
2001年から2011年までの労働分配率(雇用者報酬/国民所得)(ピンクの折れ線)と名目GDP(景気です)(青の折れ線)の推移をグラフにしてみた。数値はネットで公開されている内閣府の国民経済計算確報の最新版だ。

●名目GDP労働分配率の推移

こういうことがわかる。
この10年間、雇用者への報酬の分配比率はずっと低下傾向にある。特に景気が比較的良くなった時期(GDPが増えた04年〜07年)は雇用者への分配割合はさらに下がった。

*ちなみに日本経済はずっと低下傾向にあること、08年から09年のリーマンショックの際 日本の企業は比較的 雇用を守ったというか、それほど首切りを出来なかった、ということもわかる。だからまた、解雇の自由化なんてことを言い出したのだ。


勿論 労働分配率が高くなりすぎて企業の経営がおかしくなって雇用に影響を与えても、あべこべになる。
だが企業の利益が増えても、雇用者は豊かにならない。それがこの10年で起きたことだ。経済が成長しても格差がどんどん拡大しているアメリカの例を見たって、そんなことははっきりしている。
財政危機だといって消費増税をするのに企業からは減税をする。しかも法人税を払っているのは利益が出ている企業、企業全体の大体3割だけだ。つまり、殆どが大企業だ。
国民から増税して、大企業にカネを渡す。アベノミクスの本質がここにも良く現れている。
どうして、日本人は怒らないのだろうか?






ということで今週も官邸前へ
★0927 再稼働反対!首相官邸前抗議! | 首都圏反原発連合
昨日は中秋の名月と言うことで、今日もすっかり、さわやかな秋空。気温は26度。
今日の参加者は官邸前が1500人くらい、国会前、ファミリーエリアが1000人強くらい、合計2500人くらいか(主催者発表2800人)。怒りをぶちまける官邸前の参加者数が一定なのと比べて、心なしか国会前、ファミリーエリアの参加者が増えているような気がする。
●官邸前








                      
一部のスピーチを聞いていて思うのだが、自民の悪口を言っても仕方ないんだよなあ。今大事なことは少しでも多く味方を増やすことだ。自民をいかに取り込んでいくかを考えなければいけないのであって、自民の悪口を言ってるだけの人はたんなる自己満足、反原発の足を引っ張っているだけだと思う。比較的冷静なスピーチが多い国会前、特にファミリーエリアの参加者が多めになってきたのはそういうことも影響しているのかなあ と思ったりする。
●国会前

                        
●おなじみ、吉良ちゃん特集。脇にいるのは共産党の塩川議員。奇しくも彼らも、汚染水をきちんと処理するには能力も当事者意識もない東電を潰すしかない、と言っていた。


                                                    
原発運動でよく言われる『カネよりも、命が大事』というのも同じだ。そのテーゼ(笑)自体は、正しい。生物としての本質だと思う。だが、運動では、それじゃまずいんじゃないか。命は大事だけど、目先のカネがなければ人間は生きていけない。
ボクは原発は経済性の面でもおかしい、と思っている。燃料代は節電と電力会社に経営効率化をすすめさせれば大きな話ではないはずだ。残る問題点を強いていえば、現在 原発の未償却部分をどうするか、また寄生虫のように補助金に頼っている原発立地をどうするか ということくらいだろうか。これらの問題はどうにかできる、と思うんだよなあ。
現実には『命は大事、おカネも大事』でなければ多くの人の賛同を得て、原発をなくすことなんかできないだろう。そういうところを頭を絞っていかないとなあ、と思った秋の夜でした。

●ファミリーエリア

●伊方からやってきた『原発 とめまっしょい若者連合』の面々。この前は単身でやってきた女の子の賢さには実に感心したのだが、この男の子たちはいかにも素朴な感じでかわいかった。インド映画『きっと うまく行く』の愛すべき3バカトリオを思い出した。いい感じ。

●今日の写真:シャボン玉を作る子供