特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『電力不足のウソ』と『経済産業省解体』

8/25に放送されたNHKスペシャルどう選ぶ?私たちのエネルギー』の冒頭、いまだに『原発がないと電気が不足する。今年の夏はたまたま大丈夫だったが一昨年の需要と比べたら供給は厳しかった』、みたいなことを言ってるバカがいた。
その時点で呆れ返って、TVを消す(笑)。http://www.nhk.or.jp/shinsei/

基本的に円高と高人件費と言うファクターがあるから、原発があろうがなかろうが企業は海外へ出て行かざるを得ない。おまけに人口は減っていくんだから、日本の電力需要はどう考えても減っていくに決まっている。
そうやって需要が減っていくのに加えて、電化製品の進歩で効率が良くなって、それに節電すれば、一体どうやったら電力不足になるんだよ(笑)。
パチンコ屋やネオンサイン、それにくだらないTV局の一つや二つ、なくなっても、ワタクシの生活は全く困りません(笑)。


実際 今年の夏、東電管内は唯一稼動している柏崎原発の発電分300万KWを差し引いても『原発なしで完全に余裕』だったわけだし、東電でOKなら日本中どこでもOKに決まってるだろ(笑)。
事故直後に世界エネルギー機構(IEA)が『日本の電力供給能力は原発抜きでも充分である』と言っていた通りだよ(笑)。



それにしても前原誠一が総理大臣に、なんて冗談にもほどがある。死者まで出した偽メール事件、父親の経歴詐称(父親ってところがこの男の精神的な幼さを際立たせている)、強硬論をぶって直ぐ放り出したハツ場ダムに尖閣問題、そして外国人からの政治献金、と、この男は総理大臣どころか国会議員すら不適格だ。
ボクはかねがね2世議員松下政経塾出身者がこの世の中を悪くしている、と思っているのだが、前原に投票する日本人自体も救い難い。やれやれ。



ちょうど今週の週刊ダイヤモンド誌で『経産省解体』という特集をやっていた。 保安院分離でうごめく“解体論”経産省の組織、政策、人材を徹底検証 | 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ | ダイヤモンド・オンライン
内容は経済産業省から原発の規制部門をきりはなすのに加えて、外国との貿易交渉に携わる省庁横断的な通商代表部と産業振興に携わる部門とに解体しろ、というものだ。それでも甘い、とは思うのだけれど、ちょっと前には大手マスコミからはこんな発想は出てこなかったのだから、今回の特集は良いことだと思った。


前にも書いたが、ボクは対外的な通商代表機能と(世界的にも優秀な)統計に関する機能以外は、もはや経済産業省なんていらねーだろ、と思っている。
産業政策にしても、中小企業対策にしても、商店街対策にしてもこの20年くらい経済産業省がやってきたことは失敗続き、だからだ。この20年くらいの経済産業省は、太陽電池への補助金を打ち切って世界トップだった日本の太陽電池産業を転落させたり、かって内閣府に失敗率9割以上と指摘された中心市街地対策も止めないし、日本中シャッター通りだらけの商店街に毎年無駄金つぎ込んで、と、やっていることはロクでもないものだらけ、だ。
おまけに、トップの事務次官は、更迭という割に割増退職金を受け取った先代次官も新任次官も子供は東京電力に在職中(笑)。幹部のインサイダー疑惑って言うのもあるな。

そのように能力もモラルもない経済産業省原発事故を防げなかったばかりか、いまだ事故収束の道筋すらつけられないのはある意味 当然なのかも知れない。こんなバカな役所は民間の会社だったら、とっくの昔に倒産しているだろう。
財政危機と騒ぐくらいなら、不要な役所と政治家のコストを削れ、そういう意見が何故、もっと出てこないのだろうか。
一見 荒唐無稽に思われるようなことでも、声を挙げていくことで実現していくこともあるじゃないか。



昨日の朝日新聞朝刊の論壇時評で高橋源一郎氏が、宮崎駿氏が反原発のデモをしている写真を取り上げていた。この写真だ。沖縄・フクシマ・路地 (2) - 特別な1日(Una Giornata Particolare)
頑固だけどユーモラスさが漂うこの写真を評して、いろいろな意味に取れる『柔らかさ』が大事なのではないか、と高橋氏は述べている。
言いたいことを言うだけではダメなんで、『柔らかさ』があれば、そこには他人が入り込んで考えてもらえる空間があるからだ。


鋭い指摘だと思った。
思考や意見にユーモアみたいな『柔らかさ』があれば他人が入り込む余地だけでなく、自分自身を考え直していく余地も出てくるからね。
うん、他山の石にしよう(笑)。
●実際に宮崎駿は6・11にジブリの近所でデモをやったらしい。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110825-00000033-flix-movi