渋谷で’’CHE,PART1''。http://che.gyao.jp/
客が入っているんで驚いた。朝一番の回にも関わらず客席が半分くらい埋まっている。実際 先週の映画動員ランキングではベスト3だそうだ。
正月の新聞にはこの映画の全面広告がでていたし、柔道選手や芸能人を呼んだ、ゲバラとはまったく反対方向の醜悪なプロモーションを派手にやってたからかもしれないが、どうなんだろうか。ゲバラやゲバラがやったこと、やろうとしたことに日本人の関心が本当に高いようなら、世の中、こんなになっているはずがない。
2,3年前 感動的なドキュメンタリー『チェ・ゲバラ、人々のために』を東中野のポレポレ座で見たときは2,3人しか客席にいなかったぞ(笑)。
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門外漢には、ゲリラ戦の日常やキューバの人々の暮らし、革命成功のキーポイントになったというサンタ・クララの攻防などを画面で見ると、こういうことだったのかと理解できた部分も多かった。また人物像もゲバラのストイックさや魅力的なところだけでなく、気弱なところ、気難しいところ、傲慢に取られるところも、よく表現されていた。キューバ革命の他の重要人物、フィディル・カストロやラウル、カミーロの造形もとても魅力的だった。ただ後にゲバラの妻になるアレイダ・マルチの役柄は男に媚びるようなハリウッド的な作為が感じられて、ちょっと違和感があった。可愛らしくはあったが(笑)。
題材が題材なだけにゲバラ役のベニチオ・デル・トロはかなりの覚悟を持って演じたのだろうが、役者より現物のほうが遥かにハンサム(笑)という稀有な例だけにどうなんだろうか。それにゲバラにしては、ちょっと太っているような気がするのだが。
この映画はドキュメンタリーではない。チェ・ゲバラという事実には勝てっこない。加えてキューバで革命が起きるに至った原因であるアメリカがラテンアメリカでやってることをきちんと描いていない、とか賛否両論あるようだが、ハリウッドでこのような映画が作られるということ自体、すごいことだ。ブッシュとその時代へのアンチテーゼであるだろうし、それには共感する。
劇中印象的だったのは、ゲバラが国連総会の演説を終えるにあたって、『今も世界中で不正義が行われているからこそ、われわれは希望の代弁者になっている』と言ったシーンだ。本当にゲバラがこういうことを言ったかどうか記憶にないが、確かにその台詞はゲバラと現代をつなぐ役割を果たしている。
とりあえずPart2も見て、もうちょっと考えてみよう。