特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

(都知事選の意味と)『美味しいスパイラル』と読書『食の歴史 人類はこれまで何を食べてきたのか』

 7月に迫った都知事選も文字通り、ゴミためみたいな感じになってきました(笑)。小池に、宇都宮氏に、N国に、在特会に、山本太郎。さすがにボクも今回は棄権したくなってきましたよ~(笑)。

 支離滅裂な公約を並べた山本太郎の出馬理由は寄付金集めと宣伝、と言われています。
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 山本本人も活動資金が不足していることは認めています。彼には『選挙で注目を集めるのがメインの集金手段』ですからね。
 そもそもアメリカ大使館のすぐ近く、赤坂の超一等地の目抜き通りのビル、しかも家賃が高い1Fに事務所を構えているんですから、そりゃあ、そうなるでしょ(笑)。資金難で月島の築30年のビル5Fに移転した社民党より遥かに贅沢(笑)。
news.yahoo.co.jp

 寄付金集めにしても宣伝にしても、私利私欲という意味では安倍晋三と変わりがありません。都民の事なんか考えてない。まして1人10万配るとか都債20兆?とか、言ってることの意味が良く判らない(笑)。
 まさか本気にしている人がいるのでしょうか(笑)。山本太郎はバカのリトマス試験紙か(笑)。

 しかも山本は『自分が当選したら維新の候補者を副知事にする』と言ってます↓。以前から『いずれ、山本は同じポピュリスト同士で極右とくっつくのではないか』と書いてきましたけど、さっそく馬脚を現しました。

 権力のためなら、維新でも新自由主義でも極右でも何でもいいんですよ(笑)。山本のバックにいる斎藤まさしらしい、いかにも新左翼的な党派優先の発想です。まさに安倍晋三の補完勢力😈。
 というか、官邸と山本が本当につるんでいても不思議ではない。ボクが菅だったら、山本、もしくは斎藤まさしに官房機密費を流します。こういう意味があるからです↓。

 ムリとは思いますが、万が一こうなったら↓安倍晋三よりひどい政権になるでしょう。確実に日本は破綻するもん。

 石原慎太郎や小池を都知事にしてしまうような東京都民には、ハエのような候補者がたかってくるのは当然なんでしょうけど、堪りません。死に票だろうけど、仕方ないから、ボクは宇都宮氏に入れます(笑)。

 コロナ対策、選挙違反、電通の中抜き、役人の腐敗と癒着、イージス・アショア、ほぼ毎週のように無能な政策とスキャンダルのオンパレードです。

 多くの人がそうだと思いますが、余りにも酷いことが多すぎて前に起きたことを忘れてしまう。『この手があったか』という感じです(笑)。


 マシになってきたとは言え、野党の側はまともな共闘すらできない。労組や既成組織のことは気にするけれど、国民の側に立つ姿勢を打ち出すことすらできない。選挙の時の『風任せ』は国民の声を聴くことではありません。

 だから、消費税ゼロのような狂ったことを言い出すポピュリストやN国党みたいな連中が出てくる。この10年を振り返っても、みどりの党に、希望の党、それにれいわ、と湧いてくるゴキブリは枚挙に暇がありません。既成の野党が一般国民の声を吸い上げてないからです。


 山本のようなバカなポピュリストに引っ掛かる、つまり、もっとバカな一部の自称リベラル(というより、信者)の皆さんの責任は大きい、にしても(笑)、結局 野党の体たらくが安倍晋三を延命させている

 今回の都知事選に意味がある、とすれば、ボクはこういうことだと思います↓。ビジネスでも生活でも、食べ物でも、どちらがマシかで選ぶしかありませんからね。無いものねだりはガキンチョのやる事です(笑)。

●今週も官邸前抗議はお休みです。ボク自身、まだ、あまり電車に乗りたくないです。 
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 今回は、食べ物特集です。
 まだ、喜んで街へ出かける気にはとてもなれませんが、営業を再開した近所のイタリアンには行ってきました。やっぱり自分に作れないものは食べたい(笑)。

 この店のことは前にも触れましたが『鰆の糠漬けと自ら檻に入る日本人』と『0214再稼働反対!首相官邸前抗議』 - 特別な1日、以前 NHKのパスタ特集にも出てきたシェフがやってる小さな店で、独創的な料理が特徴です。4月からずっとテイクアウトだけの営業を余儀なくされていました。
 元々が18席しかないところを、6月からソーシャル・ディスタンスで6席に絞っての営業です。
●ヤングコーンの糠漬けと24か月の生ハム。ヤングコーンも漬物にすれば、生のまま食べられるそうです。

●半分レアなカマスの干物。敷いてあるのはペースト状にした新玉ねぎ。

 ちなみに、この新玉ねぎはボクも真似して、家でスープにしてます。新玉ねぎを圧力鍋で軽く煮てミキサーにかけ、カツオ出汁かミルクで延ばせばOK、簡単&ヘルシー、甘くて美味しいです。
●手打ちパスタに店で作ったハムをのっけて、削った西洋ワサビをかけたもの

 近所にある個人経営の美味しい店が潰れちゃ困る、と思って、ボクはこの2か月、ほぼ毎週末テイクアウトしていました。向こうもそれを覚えていて、デザートのあと、厨房も含めて店の人たちが揃って挨拶にきてくれました。『311の時はまだ営業はできたが、今回は籠っていることしかできず、何もできないことが辛かった』そうです。
 まだまだ経営的には大変だと思うけど、営業が始まって店の人たちは嬉しそうでした。
●店の看板。でも、これじゃ、知らない人には判らない(笑)。


 美味しいものを食べたら、楽しい時間を過ごせます。それを口に出して感謝したら、店の人も喜ぶ。で、次にはまた更に美味しいものが出てくる(笑)。人間嫌いのボクは人と話すこと自体、あまり好きじゃありません。でも、こういう美味しいスパイラルは楽しいです。
●店の庭。食べ終わったら雨は上がっていました。


と、いうことで、読書の感想です。ジャック・アタリ先生の最新刊『食の歴史 人類はこれまで何を食べてきたのか

 古代から現在までの食の歴史を述べ、将来 人間の食がどのようになっていくべきなのかを語った本。
 原始時代に火を使うようになり、農業・定住をするようになり、富が蓄積されていくにつれて『食』も変わっていく。
 中世以降 フランスなどは外交術の一環として『食』を使いました。その後 貴族から市民の時代になると庶民の間でも食卓での会話を楽しみ、文化が生まれてくるという展開はなるほど~と思います。

 古代ギリシャの哲学者はソファで寝ころびながら食事と議論をしたし、中世の王様や貴族の外交も、街角のアーティストの芸術談義も、革命家たちの政府転覆の謀議だって、食が媒介だったに違いありません。それが変化してくるのは19世紀後半からです。

 アメリカの工業化の急速な進展は社会の徹底した効率化を促し、食事は無駄な時間とみなされるようになりました。会話の場としての食というより、一人で押し黙って栄養補給する、短時間の調理と食事が始まった
 また資本家は工業的に生産された食品の方が安全で栄養があると宣伝し、オートミールやコーンフレーク、コーラを売りだすようになる。

 驚いたのはカロリーという概念が広められるにつれ、食事は味ではなく熱量の単位で評価されるようになっていったこと。

 また、まずいものをごまかすために人工調味料も広まった。アタリ先生は「ケチャップはどのような料理であっても味を消すために使われるようになり、とくにまずい料理にはうってつけのソースになった」と言っています。

 確かにイタリア人なんか、ケチャップなんかあり得ないって言いますよね。味が濃すぎて材料の味なんか判らない。ちなみにファストフードが大好きなトランプはどんな料理にもケチャップをかけるそうです(笑)

 そして砂糖。学者を買収した大企業は『砂糖は身体に悪い』というデータを握りつぶさせ、コーラやファストフード、加工食品などで砂糖を消費者に大量消費させます。それが虫歯や肥満、しいては糖尿病や心臓疾患などの原因になる。医療費高騰の一因でもあります。
 今のままの食生活を続けると2045年には人類の4分の1近くが肥満になるそうです(2017年現在14%)。

 アタリ先生は食の将来について2点、述べています。
 一つは『今以上にアメリカ式の食が広まり、食卓の会話が失われていくのではないか』ということです。食卓には、和やかな会話の代わりに、空腹を満たすための沈黙と加工食品か、『会食』という名のビジネスライクな『商談』になる

 そうやって言葉が消えた社会のあとに到来するのは「沈黙の監視型社会」。その未来は「監視の下で押し黙って暮らす人類は、沈黙に包まれて死ぬだろう」とアタリ先生は言っています。


 もう一つは『食の持続可能性』。世界中の人間がアメリカのようにエネルギーを大量消費して作られた食物を食べるようになったら、地球は耐えられなくなります。
 特に環境負荷が大きいのは牛肉。牛肉は鶏や豚に比べて大量の資源を消費します。最近 人口肉の研究が進んでいるのはそれが理由です。

 増えていく人口に十分なカロリーを供給するためには人類は環境負荷が少ない昆虫食を始めるしかない、とも言われています。以前『蚕ケーキ』のことを書きましたけど
『蚕のケーキ』と、離婚あるある話:映画『マリッジ・ストーリー』 - 特別な1日
、最近 無印良品でも昆虫食品『コオロギせんべい』が売り出されました(笑)。
www.muji.com


 以下は感想です。
 日本の食を考えると、ボクはかなり悲観的です。
 間違いなく日本のレストランは圧倒的に美味しいと思います。しかも和洋中、殆どのジャンルで美味しいものが食べられる。
 アメリカやイギリス、ドイツは勿論、フランスや中国と比べても圧倒的に美味しいと思います。イタリアだったら日本と対抗できるかもしれないけど、良くも悪くもあっちはワンパターンですからね(笑)。勿論 現地で食べる産地のものの美味しさはどんな国でも素晴らしいですが、調理の質は日本はかなり優れている。

 しかし、日本人の食生活はどうでしょうか。
 ファストフードやコンビニの食べ物が幅を利かせているだけでなく、家庭の食卓に上るのは工業製品のように加工されたものばかりです。

 ボクは冷凍食品や加工食品は殆ど使いませんが、平日だと夕食の調理にかけられる時間は30分くらいですから、副食品は作り置きしたり、週1,2回はお惣菜を使ったりします。
 材料も、普段買う野菜や果物だけでなく、店などで口にする和牛だって、人工飼料や不健康な飼育法、石油や肥料でじゃぶじゃぶの温室で作られたものが大部分です。有機農法だって、日本の基準は怪しいし、国産品だってデータ偽装はいくらでもある。

 山本太郎もその一員でしたが、TPP反対と言ってたアホは『食糧自給のために日本の農業を守れ』がスローガンでした。しかしTPPがあろうとなかろうと、石油や肥料が止まったら、更に技能実習生が来なかったら、日本の農業はアウト(笑)。
 石油が止まれば日本は食料自給なんかできる筈がない、のを太平洋戦争で学ばなかったのか(笑)。資源がない日本の活路は自由貿易しかないんです。
 そもそも技能実習生が居なければ成り立たないような産業は『恥を知れ』と言いたい。

 それだけでなく、家族揃って夕食を囲む家庭も圧倒的に少ないんじゃないですか。食の時間も短時間だし、殆どアメリカ式の食文化になっていると思う。

 レストランだって、多くの店は工場で下処理をしたものや、真空調理用にパックされた材料を使っています。ボクはミシェランなんか全く相手にしてませんが、三ツ星がついてる店でも、真空調理用の業務用材料をパックのまま湯煎してソースをかけるだけ、みたいなことを平気でやっているそうです。どことは言いませんが(笑)。

 正直、由来のわかる、ちゃんとした材料を使って、ちゃんと作られた料理を食べようと思ったら、今の日本ではかなり困難だし、お金もかかる。

 自分も含めて、日本人の食生活や味覚はかなり破壊されていると思う。今は冷蔵技術の発達などで岩ガキとか昔は東京で手に入らなかったものも食べられます。でも、野菜も果物も魚も、子供の時に食べたもののほうが美味しかった、とも思います。今も農家で食べると野菜も米も実に美味しいですけど、都会では中々食べられない。

 前述の店ではありませんが、仲良しの重鎮(笑)シェフ氏は『ちゃんとした食は日本ではあと10年か20年でほぼ失われる』とよく言います。シェフ氏曰く『外人客はまだ料理の価値を理解する人もいるが、日本人のお客さんでちゃんとした料理を受け入れる人はどんどん少なくなってきている』そうです。

 そうやって日本の食生活はどんどん変わりつつあります。今はなんでもあるけれど、失いつつあるものも大きい。
 アタリ先生は、「『食卓を囲んだ会話』が無くなると将来的に沈黙の監視社会がやってくる」と仰っています。でも、日本はとっくの昔にそうなりつつある。もしかしたら食卓にある会話は『商談』だけかも(笑)。
●こんなのバッカり

 ボク自身も食べ物は好きだし、食べ物のことを話す会話は好きだけど、社交的な『食卓を囲んだ会話』は苦手です(笑)。何もわからないような他人と話すのなんかうっとおしい。

 うーん。ボクは何とか逃げ切ることにします(笑)。食事も世につれ、良い方にも悪い方にも(笑)、変化するものではあるでしょう。未来の人は加工食品だらけの食事を『悪い』と思わないかもしれない。

 本自体は300ページ弱、平易な内容ですし、ボクは1日で読んでしまいました。価格が3000円弱というのは高い(笑)。面白いですけど、図書館でいいかも(笑)。