特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

日本の人件費と醜い流言:『0731 再稼働反対!首相官邸前抗議』+『安保法案に反対する国会前抗議行動』

ボクは人間嫌いなんですが(笑)、今日は人間に関することを2つ書こうと思います。
今週 他企業の人と話していて海外の人件費のことが話題になりました。先進国、新興国問わず、海外子会社では人件費が高騰しており、現地に赴任する日本人責任者より、現地の部下のほうが給料が遥かに高い、というのが常態化しているそうです。某有名企業(金融)の欧米支社で3人いる部長級の年棒が1億(笑)、彼らを統括する日本人責任者の年棒が各種手当込みでその3分の1以下という例も聞きました。金融だから極端な話ですが、ちょっとびっくりです。
                                                        
日本人の経営者の給与は欧米に比べれば低いわけですが、今や管理職の給与も中国やタイより低い、と言われています。
以前に出た日経の記事によると『日本企業の管理職の年収が海外に比べて「割安」になってきた。新興国の賃金が上昇、為替の円安傾向もあって相対的な水準が下がっている。民間調査では部長級の年収は中国より低い』そうです。日本の管理職、年収「割安」 中国・タイを下回る :日本経済新聞

●日経の記事より:部長以上になると日本人の給与は中国、タイより低い。


でも、それが一概に悪いことだとは思いません。共産主義の中国(笑)やタイと比べても日本は格差は少ない ということなのでしょう。格差が開きすぎるのは社会の安定性や流動性を損ないます。赤旗は社会の悪いことは全て大企業のせいと思っているようですが(笑)、日本の大企業は欧米に比べれば、それなりに良心的(笑)?な部分もあります。だからピケティが言うように『日本の格差はアメリカのように上位1%が伸びているのではなく、下位90%の収入が下がることによって生じている』ことが起きるわけです。円安が昨年より進んだ今年はこの傾向は一層進んでいるでしょう。最近海外へ行くと物価高で大変だ〜という話しを良く聞きます。香港やロンドンでは出張でビジネスホテルに泊まるには最低でも3万円くらいかかるそうです。

今 何が起こっているんでしょうか。
長年のデフレとアベノミクスの円安で、日本人は国際的にはどんどん貧乏になっているんです!それは大企業だろうと中小企業だろうと変わりません。きっとどこかにいる?甘い汁を吸っている奴を除いて、日本人ほぼ全員が貧乏になっているということでしょう。日本は『少子高齢化の貧乏国』になりつつあるって、ちょっとぞっとします。

●アジア各国の1人当たり名目GDP(2014年):今更ですが、日本は既にアジアNO1ではありません。

●G20では日本の1人当たりGDPは7位。ほぼイタリア並みです。ちなみにOECDで見ると日本は20位、21位はイタリア、22位はスペイン。共に経済危機の国です(笑)。既に日本はそんなもの、です。

アジアの一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳

                                   
これからどんなことが起きるでしょうか。
今のままの状態は続かない、いや続けられない、でしょう。優秀な人材を獲得するために一部の人の人件費は欧米並みに上がっていくのかもしれません。全員が上がるなんてことはありえませんから、格差はどんどん広がります。
どうしたらいいのでしょうか
ボクはオプションは3つあると思います。アメリカのように『当てたら大きいが落ちこぼれると悲惨な、弱肉強食の世界』になるか、フィンランドスウェーデンみたいな『重税だけど、幅広い人の間でチャンスと生活を分かち合う国』になるか、それとも『中国なみか、もうちょっとソフトな独裁国家になって、アホな政治家、実質は官僚の指導の下、無理やり社会秩序を維持する、年寄ばかりの貧乏国』になるか。
皆さんはどれが良いと思いますか?(笑)


もう一つ。 くだらないから引用しませんが、今週木曜の朝日新聞に『デモへ行く学生は就職できないというデマがネットで広がっている』という記事が載っていました。内容は『そういう流言がネットで広まっているが、現実はそんなことはない』というものでしたが、そうやってメジャーな新聞で取り上げると余計にデマの火が広がるだろうって。案の定 昨日のヤフーニュース経済欄トップにはずっと、そのニュースが載っていました。朝日新聞はバカな流言を流している奴の味方しているのと同じです。ほんと、朝日ってどこまでアホなんでしょうか。
                                            
冷静に考えれば、デモへ行く学生が就職できない、なんてことはあるはずがありません
どこの企業でも70年安保を体験した人はいるはずです。ちょっと前なら60年安保を体験した年代も大勢いたみんな、就職しとるやんけ(笑)。どちらの世代にも属さないボクだって、我慢できないことがあると高校生の時から一人でデモへ行ってたけど(笑)、就職には何の影響もなかった。ロックファンだったらデモくらい当然です。スプリングスティーンパティ・スミスピーター・ゲイブリエルポール・ウェラー、ランDMCレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、み〜んな政治活動してるもん。ボクは2011年以降の反原発デモだって、たぶん100回以上行ってるから、正直 TVや新聞にバンバン顔とか映ってるだろうけど何の問題もありません。

                                                  
デモへ行ったか行かないかくらいで企業が学生を選別する能力なんかないし、そんなヒマも予算もあるはずないじゃないですか。こっちは市場競争で血眼なんだよっ(笑)。
企業が欲しいのは『自分なりに考えて、実行できる人材』です。自分の考えでデモに参加したり、自分にできることを実行する学生なんてまさにぴったり。不確実で変化が速い世の中で活路を切り開いていくには、自分で判断して動ける人材が必要なんですよ。もちろん、ネットの流言やどこかの組織の言ってることを真に受けるような奴は全然ダメ(笑)。
SEALDsの子たちのように自分の言葉で考えを表現して行動できる人材は、まともな企業なら引く手あまたの筈です。勿論 ブラック企業や頭のおかしい企業(笑)だってありますし、仮にデモ云々が就職に影響するような企業があったとして、そんな企業はお先真っ暗です。就職したって潰れる可能性が高いに決まっています(笑)。
小田嶋隆のツイート。彼も同じことを言っている。

●毎度お馴染み日本人ジョーク
                                              
関東大震災の時、中国人や朝鮮人が井戸に毒を捲いているという流言が広まったそうです。そのせいで虐殺が起きて日本人も含めて犠牲者が大勢出ました。ネトウヨ連中は、慰安婦同様、虐殺はなかったとか騒いでますが、ボクは自分の生まれた街でもそういうことが起きたのを実際に祖父から聞いています。
●当時の新聞と証言から構成された、読みやすく冷静な視点の本でした。
九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響

                                     
その時と同じような流言を流すバカが、今の時代にもいる。それも自民党の議員までそういうことをやっている(くだらないのでリンクしません)。風評被害どころじゃねーよ。
それが頭にくる!自分で考え、自分で行動する、そういう人材が増えることでしか日本の将来なんかありません若い子が自分たちの考えを表現し行動しているんだから、年長者はそれをサポートしなくてどうする。彼らが間違ってたらきちんと理屈で説明すればいい。それをデマや罵詈雑言を流してどうすんだよ(笑)。アップルにマイクロソフト、グーグル、ノキア、善悪は別にして、経済を引っ張る新興企業が日本で育ちにくいのも、こうやって人の足を引っ張るバカが多いからでしょう。そういうバカは右にも左にもいます。右、左関係なく彼らは前述の『ソフトな独裁政権下の年寄りばかりの貧乏国』を目指しているんでしょう。
ボクは『重税でも、皆でチャンスと生活を分かち合う国』がいいと思うので、そういう方々とは全く話が合いません(笑)。


閑話休題:夏の朝の光を浴びる花。



ということで、今週も官邸前&国会へ。暑いなあ。夕方6時になっても30度超えてるもんなあ。
まず官邸前で再稼働反対の抗議。8月にも川内が再稼働されると言われている。こっちだって大切だよ。抗議が始まるのを待っていると砂防会館からのデモ行進『安保法案に反対する学者と学生の共同行動』がやってくる。学者と学生の集会&デモに約4000人が参加したそうです。彼ら・彼女らと再稼働反対の抗議の面々が道路を挟んで、お互い手を振る。美しい風景でした。
●『安保法案に反対する学者と学生の共同行動』。永年大学にいる学者たちが、民青か普通の学生か区別がつかないと思いますか(笑)?


●抗議風景@官邸前






                          
今日は東電の勝俣恒久・元会長や武藤栄、武黒一郎ら3人が強制起訴され、刑事被告人になりましたhttp://www.yomiuri.co.jp/national/20150731-OYT1T50092.html?from=ytop_top
小沢一郎の起訴の際は酷いとおもったけど、検察審査会があってよかった(笑)。これもアメリカが90年代『年次改革要望書』で日本に押し付けた制度だけど、押し付け憲法とか騒ぐ自称愛国者の政治家や評論家は検察審査会裁判員制度のことは何も言いませんね(笑)。今日の抗議の参加者は主催者発表で3800人。


その後 国会前へ。こちらは一段と人が多い。
●抗議風景@国会前







コールの後、最初にマイクを握った早稲田大学法学学術院教授の水島朝穂氏の話は感動的でした。今日は彼もデモ行進をしてきたそうです。45年前はデモの後ろからついていったが(笑)今日は先頭を歩いた、という話から始まりました。憲法学者500人以上の集まり、全国憲法研究会代表の彼はデモの中でSEALDsの面々の『民主主義って何だ』、『これだ』というコールを聞いて、憲法とはこういうものだと初めて実感した(笑)と述懐してました。


水島教授はベルリンの壁が崩れたとき現地に居たそうです。それは最初はライプツィヒでの1000人のデモから始まったそうです。参加者は『就職が出来なくなる』とか『秘密警察に捕まるかも』とか散々脅かされたそうです。それがベルリンでの100万人のデモに繋がった。毎週月曜日、どれだけ集まるかもわからないのに始めたあのデモがなかったら、ベルリンの壁は壊れなかった。教授はそれを目の当たりにしていたそうです。『ベルリンではデモの参加者の陰には行きたくても行けない大勢の人が居て、それが壁の崩壊につながりました。今日の参加者の陰にも全国に同じ思いの人が大勢います。だから頑張っていきましょう!』と彼は締めくくりました。ボクはもう完全にウルウル来ました(笑)。
●水島教授のスピーチ

*欧州在住(笑)のshohojiさんに存在をご教示いただきました。
●今週の警察:先週の弁護士さんの抗議もあってか、今日は人混みの中に無理やり設置されたフェンスは撤去され、代わりに主催者側の医療班が居るようになった(写真1枚目)。だが抗議に参加しようとする人を妨害しようとすることは相変わらずやっている(2枚目)。何でもそうですけど声を挙げて、少しずつ改善させていくしかないでしょう。


●抗議風景2:これが共産党の集まりに見えますか?(笑)













今日の参加者は主催者発表で25000人。万単位の人が集まるのは普通になってきました。様子を見てると若い子は遅くなってからケータイやムーヴィーを片手に、見物がてら出てくる人も多い様です。ネットには参加者は主催者発表の10分の1だろうとか言ってるウスラバカがいるけど、ボクの写真を見ただけだって、もの凄い人出が出ていることは判るでしょう。会場にたどり着けない人も居るし、毎週 主催者発表くらいの人が来ているのはボクが証言します。しかも国会前だけじゃない、水島教授が言うように全国で抗議の声は挙がっているんですからね!
●今日の写真