特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ファシストとどうやって戦うか:映画『アフリカン・カンフー・ナチス』

 ボクは先週の金曜日に1回目のワクチン接種を受けましたが、24時間が経った翌日の夕方 腕が少し痛くなってきました。
 巷で言われている通りです。モデルナ/武田の場合 全体の7割くらいで副反応が出るそうですモデルナ社製ワクチンの副反応

 腕以外の副反応はなく、腕の痛みも日常生活に差し支えるようなレベルでもなく、今は全く平気ですが、今まで体験したことがない感覚ではありました。
 個人によって反応の軽重はあるようです。周りに聞くと、腕だけでなく首まで痛いと言ってる人もいたし、全然平気で翌日にゴルフをした人もいました。これから受ける方のご参考まで。


副反応の報告にも違いが…コロナワクチン「ファイザー」と「モデルナ」同じタイプでも異なる様々なデータ


 さて、職域接種が始まってたった3日で受付が中止になった混乱は、需要の読み間違いに加えて、7月からファイザーの輸入量が減るのも相まってモデルナのものを自治体にも回そうとしているから起きている、とボクは理解しています。
www.nikkan-gendai.com


だけど、そんなことは最初から判っています。驚くべき段取りの悪さ、無能さです。

 なんでこういう無能が幅を利かせるんでしょうか。それは政治や行政に対する人々のプレッシャーがなく、官僚が政治家への忖度で動いているからじゃないでしょうか。大日本帝国だろうが共産党だろうが、東京電力だろうが東芝だろうが財務省だろうが、競争がない組織は腐敗します。歴史的な真理と言っても良い。

 
 週末の『TBS報道特集は開示された赤木ファイルと香港の民主派新聞アップルデイリーの廃刊が取り上げられていました。心を打つ印象的な特集でしたが、どちらも同じ問題だ、とも思いました。

 公的文書の改竄も、香港の自由も、今まで当たり前のように思っていたことが権力の暴走であっという間に崩壊した。そのスピードの速さと社会のもろさには驚くばかり。特に香港で起きていることは今の日本とたいして違いはない。民主派の新聞はアップルデイリーだけ、のようですが、日本だってまともなTV報道はボクの知る限り、この『報道特集』とBS-TBSの『報道1930』、それにNHKの一部くらいです。新聞だって大差ない。

 国民、市民が政治に無関心だから、このような状態になる。コロナ禍でもオリンピックをやれば国民は忘れてしまうだろう、と政治家が高をくくるような社会になってしまったわけです。



 ということで、青山で映画『アフリカン・カンフー・ナチス

 第二次大戦はドイツ第三帝国大日本帝国の敗北に終わった。しかしヒトラー東條英機は生きていた。二人は潜水艦でアフリカのガーナへのがれ、東条英機の空手とヒトラーの魔術的パワーを持つ日独同盟旗「血塗れの党旗」を用いて人々を新たな人種「ガーナ・アーリア人」へと洗脳、世界を侵略しようとする。ヒトラー達に地元のカンフー道場を潰され、愛する恋人まで奪われてしまった心優しき青年アデーは新第三帝国/新大日本帝国に復讐を誓う。
transformer.co.jp

 企画・脚本・監督は日本在住のドイツ人セバスチャン・スタイン。無謀とも言えるアイデアを抱えてアフリカに乗り込んだ彼はガーナ人監督ニンジャマンの協力を得て現地で撮影を敢行。スタイン自ら残虐非道なヒトラーを演じ、彼の友人であり普段は相模原で便利屋を営む一般人・秋元義人が東条英機を演じているそうです。
ヒトラー東条英機はアフリカのガーナで復讐の機会を狙っていました。


 数年前、『アイアン・スカイ』という作品が世界的にヒットしました。

spyboy.hatenablog.com

 フィンランドの特撮マニアが自主制作で作ったもので、第二次大戦で敗れたヒトラーは月に逃げていて、やがて地球に復讐しにやってくる、というバカ映画です。

 ガーナにナチが逃れていたという設定の今作は、それを超えるバカ映画と言われています。アマゾンで先行配信したところ、「歴史に残るB級」、「やりたいことを全力でやった映画」と大ヒット?、劇場公開が決まった作品です。

●ラブラブの主人公、アデーと恋人。恋人はヒトラーに洗脳されてしまいます。

東条英機は空手の達人だった、という設定です(笑)

  お話のことはいいでしょう(笑)。今度はポンコツのイタリアを排除し、スターリングラードはムリでもガーナなら支配できる(笑)、とヒトラー東条英機は企んでいます。

 なんと言っても、ガーナの人たちが良いです。とにかく緩い
 極悪非道な役を演じていても皆、優しそうなんだもん(笑)。目の奥が笑っている。役者もエキストラの子供たちも素のままなのが良い。

 だけどアクションになると、やたらと素晴らしい運動神経を発揮するのも見どころです。ジャンプの高さとか、キックの際のすらりと伸びた足など、桁が違うレベルです。

 監督は、『ナチス大日本帝国も笑い飛ばすしかない』と言っています。
 ドイツでも日本でもファシストを美化する歴史修正主義者が後を絶ちません。それに対抗するには、真面目に論駁するだけでなく、ナチや大日本帝国を笑い飛ばすのが最も人々の共感を得られるのではないか、ヒトラーを憧れの対象にしてはならない。、というのです。確かにそれは一理あります。

 だからドイツでの公開を意識して、敬礼の形も’’ハイル・ヒトラー’’にならないよう微妙に変えていたり、

 劇中の日独同盟旗「血塗れの党旗」も中央のマークはハーケン・クロイツではなく卍を使っている。ドイツでは法律で禁止されているからです。B級映画とは思えない、実に細やかな(笑)な気遣いです。


 細かいことを論じるような映画ではありません。今はそんなことはできませんが、監督も『酔っ払いながら見る映画』と言っています(笑)。ついでに字幕は大阪弁。監督の強いこだわりだそうです(笑)

 バカ映画ですが、この映画もまた、ファシストと戦っていることは良く判ります。適当だけどぶっ飛んだアイデアを映像化することでナチス大日本帝国を笑い飛ばす。そうすることで人々に歴史への関心を掘り起こし、連中の復活の芽を摘む。ネット上のバカウヨだけでなく、お坊ちゃまファシストが総理大臣になってしまう日本だって、参考になるんじゃないですか。
 すごく面白いという訳ではありませんが、ユニークで面白いことは間違いありません(笑)。見る価値は十分にあります。

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