特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ニューノーマル(笑)の点描:『子供と運転手』、『ドブネズミたち』、『給付金と格差』

 今日 日本でも著名な食品ブランド、フランスのフォションが潰れたというニュースが飛び込んできました。

 今回のコロナでは小は大阪のづぼらや、東京の木挽町 辨松やキッチン南海に始まり、大は洋服のレナウンやJクルー、デパートのニーマン・マーカスやJCペニー、レンタカーのハーツなど超有名企業が幾つも無くなっています。栄枯盛衰は世の常とはいえ、厳しい世の中になりました。


 生活の面では少しずつコロナ前の日常が戻ってきた感じです。以前ほどではないにしろ、電車は充分混んでるし、街も人があふれてる。ボク自身はあまり嬉しくない(笑)。


 でも東京都の新規感染者も急に増えてきたし(小池は検査件数を増やしたから、と言ってますが、それ以上のペースです)、大丈夫か?とは思います。
東京都の新規感染者推移(1週間の移動平均、~6/26)

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 小池の言う通り、検査件数は増えてはいます。ただし増加のペースはほぼ一定ですから、それでは最近の感染者急増は説明できません。
東京都の検査件数推移(累計)
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都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト


 行政も、行政の言いなりのマスコミも、パチンコを叩いたあと(パチンコではクラスターは起きなかったのに)、今度は夜の街叩きをやってます。TVの前の頭の悪い国民がまた、それに乗せられる(笑)。
 個人的には夜 飲み屋へ出かけるような奴の気が知れませんけど、行く奴は行くんだし、国や自治体が休業補償もしないんだから営業停止にできるわけでもない。
 夜の街叩きなんて、ただの現実逃避、殆ど八つ当たりのレベルでしかありません。

 かといって、また外出自粛、と言う訳にも行きません。これ以上続ければ多くの事業者、企業が干上がってしまいます。感染で死ぬより、生活苦で自殺する人の方が多くなってしまう。

 いかに安倍晋三がバカで嘘つきでも、

 小池百合子が嘘つきで卑怯でも、

 一旦は経済を動かして、感染の状況をみるしかない、とボクでも思います。その曖昧さこそがニューノーマルなんでしょう(笑)。

 

 311の事故もそうでしたが、現実には人間が考えても判らないこと、人智の及ばないことがどうしてもあります。でも、そこで『消費税廃止』のような安易な結論に逃げるのはタダのバカです。



 人智の及ばないことはあるのだから、間違ってもいいから一番マシそうな選択をしていくこと。知的体力です(笑)。それが自分の頭を使って生きる、ということだとボクは思っています。

●再稼働反対の金曜官邸前抗議は7月から再開だそうです。


 今回は 最近 気が付いたことを幾つか挙げたいと思います。

●点描1:子供と運転手(自粛社会に空いた風穴)
 今となっては何のためにあったのか良くわからない気もする緊急事態宣言(笑)でしたが、その期間、子供連れの人を街中でしょっちゅう見かけました。
 保育園も学校も休み、かといって、ずっと家に居るのを子供が我慢できるはずもなく、仕方なく在宅のお父さん、お母さんが外へ連れ出していたのが多かった、と思います。

 毎日の徒歩通勤の途中で度々見かけたのが、この子。
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 電車が通り過ぎるたびに、路線橋の上から電車に『さようなら~』と本当に一生懸命 手を振っているのです。可愛い。ボクも子供の時は電車好きだったので、とても他人とは思えません(笑)。

 それだけではありません。電車の運転手さんがその子が手を振っているのに気が付いて、発車する際 警笛を鳴らしてくれたんです。その子は大喜び!

 最近はそんなことをすると、自粛警察みたいなキチガイTwitterで不謹慎とか難癖をつけたり、会社の服務管理でケチをつけられそうな酷いご時世です。まさに自粛社会。
 それでも人間らしい心が残っている運転手さんもいる。一生懸命な子供とそれに応える運転手さん、見ている方も嬉しい光景でした。


●点描2:ドブネズミたち(ダメダメな灰色の光景)
 今週、何か月ぶりかに社外との会合に出たんです。と言ってもPC上のオンライン。
 コンサル会社が色んな会社から出席者を集め、最初に講演、そのあと出席者同士が互いにディスカッションをする、と言う立て付けです。普段だったら、ホテルなどで開催されて、そのあと懇親会があったりします。勿論 ボクは懇親会とかは一切出ません(笑)。

 参加したのはボクの勤務先以外(笑)は大会社ばっかり。ゼネコンやら銀行やらが30社も集まってのオンライン会合というのも初めてでしたが、まあ、オンラインでもそれなりにディスカッションも出来るものですね。

 ただ、びっくりしたのは参加者。全員男性、それにボク以外、全員がオフィスからの参加、それもスーツやワイシャツ姿だったこと。ドブネズミみたーい(笑)。
●こ~んな感じ(笑)(今週行われたトヨタ株主総会。経営陣は全員男)

 夕方の開催だったので、ボクは家からの参加でした。服装も真っ赤なポロシャツ。オンラインだからいいや、と思ってたんですが、スーツやワイシャツだらけの画面を見たら自分が世の中の常識から遊離してるのかーと、思ってしまいました(笑)。

 18時に会合が終わった後、ボクはスーパーに夕飯の買い物へでかけましたが、道すがら『あの人たちとは違う世界に生きているみたい』と考えていました。
もちろん、彼らだって通勤帰りにスーパーへ寄っているかもしれないから決めつけるのは良くない。でも、そもそも女性の参加者が多くいたら、懇親会とセットになる夕刻の時間帯に会合なんか開催しないはずです。

 ボク自身は彼らの世界に積極的に関わる気はないし彼らもそうでしょうから、構わないですが(笑)、この国は相変わらず男性ばっかりの構造が当たり前になっているんだなーと思いました。
こりゃ、ダメですよ。講演でもイノベーションがどうの言ってましたが、これじゃ新しいものが出てくるはずがない。


●点描3:給付金と格差
 例の10万円の給付金、ボクもまだですが、配布状況には地方差がかなりあります。

www.sankeibiz.jp


 大阪と名古屋は断トツで低い(笑)。


 どうしてこのように差が出てくるのでしょう。
[:550]

大阪や名古屋の首長の知能指数は置いておくとして(笑)、田中康夫が朝の東京MXTVでこんな指摘をしていました。

 2週間で97%に支援金を給付した韓国と比べても日本は驚くべき遅さ、無能さです。
 その理由を田中は『こんなに遅いのは国は予算措置だけやって、支給日など詳細を地方に丸投げしたから』と指摘しています。今日 全国市長会が国に『給付金配布の全国一元的な仕組みを作れ』と要望を出したことが報じられましたから、田中の指摘は正しいと思う。
 確かにそうなってくると首長の能力、組織の能力が配布スピードの差になって出てくる。

 さらに国全体もデジタル化が遅れています。政府の行政手続きでオンラインで完結できるものは全体の7.5%しかないそうです。

 更にスイスの有名ビジネススクールのIMDによると日本のデジタル競争力は調査対象の全63国中62位(笑)、ベネズエラ、アルゼンチン並みだそうです。 

 日本の省庁の情報システムがボロいのは役人も判っていて、今年秋からアマゾンのクラウドAWS)の上に原則として全てのシステムを移動させることが決まっていますアメリカ企業に日本政府の仕組みをいわば丸投げするのに、TPP反対論者とか右翼は何故 騒がないのでしょうか(笑))。でも刷新するには何年も(下手すれば何十年も)かかる。

 ただ、効率的な行政にするには国民ごとのコード付け(背番号制)は必要になってくる。これは賛否があると思いますが、いまどき、それくらいは仕方ない、とボクは思います。
 国民毎に番号を振る代わりに、国や自治体が情報をどのように利用するかガラス張りにする、また悪用した場合の罰則を超厳しくする(公務員はクビとか)、第3者の監査を行うなど対策を講じればリスクやデメリットより、メリットの方が大きくなるはずです。


 いつも言ってることですが、株や配当など金融取引の税金が所得税に比べて安いことは格差拡大の大きな原因になっています。金持ちほど金融取引で儲ける割合が高いですからね。
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 興味深い記事を読みました。
 かって、自民党内に、この不公平を是正する動きがあったそうです。大平首相は、国民に背番号を振って金融取引も総合課税の対象に含め、累進課税するグリーンカードの導入を実際に決めたそうです。
president.jp

 さすが、大平は老子が愛読書で、常々周囲に『大国を治むるは小鮮を烹るがごとし』と語っていただけのことはあります(笑)。外相当時 哲学者の田辺元の言葉を引用して『暫定的解決を無限に続けていくのが歴史』と講演で語ったリアリストでもあります。それでも頭脳明晰な宮澤喜一には『経済音痴』とバカ扱いされていたそうです(笑)。
 大平も宮澤も、漢字すら、まともに読めない今の政治家とはレベルが違う。


 ところが、いったん法律は通ったものの、金丸など自民党の一部の抵抗と世論の反発で導入は延期、中曽根内閣の時代にグリーンカードは潰れます。
 上述の記事によると、金融機関、郵便局、資金の透明化を恐れた中小企業(と自民党)の大反対があったそうです。具体的には、郵政族をバックにした田中派(金丸)が野党を巻き込んで潰した、とあります。
これでわかる!マイナンバー: 週刊東洋経済eビジネス新書No.147 - Google ブックス


 グリーンカードが潰れていなければ、格差はこれほどまで広がらなかったかもしれないし、行政ももっと効率化されていたかもしれない。もちろん効率的な給付金給付などにも使えました。それを潰した首相の中曽根や金丸(田中派)だけでなく、間違いなく、野党も国民も愚かでした。

 
 今のマイナンバーは国民にはメリットもないし、今回の補助金で申請が殺到してダウンしまくったようにシステムも超ボロい。国のデータ利用方法も情報保護の仕組みも説明されてないですから、導入が進まないのは当然です。今のままだったら、ボクだって全く使う気はありません。

 しかし少子高齢化が進む中、これからは番号付けが必要になってくるのも間違いないです。国民の資産は全てガラス張りの北欧は勿論、台湾や韓国の例を見ても言うまでもありません。そのために野党も含めて、日本人は冷静な議論ができるでしょうか?。

 与党だけでなく、こういうバカな国民が大勢いる日本です(笑)。

 残念ながら、甚だ心もとない、とボクは思います。この民度では台湾や韓国に抜かれるどころか、やっぱり後進国になるしかないのかも。
 野党だってどうだか判りませんが、今の政府が続くなら、日本の後進国転落は必定ですね(笑)。