特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

Suddenly,Last Summer:(500)日のサマーと猫耳KーPOP

モーテルズなんて今時 誰も知らないだろう(笑)。とにかく、銀座で『(500)日のサマー』((500)Days of Summer)http://movies.foxjapan.com/500daysofsummer/を見て思い起こしたのはモーテルズのこの曲だ。
同類相憐れむというか、この映画のように、ちょっと気の弱いマニアックな男の子が出てくるBOY MEETS GIRLものには何となく心が惹かれる。例えばジョン・キューザックの『ハイ・フィディリティ』やヒュー・グラントの『アバウト・ア・ボーイ』なんて大好きな映画だ。
これはNYを舞台にした、ちょっとお洒落なBOY MEETS GIRLもの。
そもそもはThe Smithの曲が恋のきっかけ。The Smithが誕生した当時のイギリス、ゲイに対する差別やフォークランド紛争、高失業率など深刻な現実に裏打ちされた時代ではなく現代のアメリカが舞台なのだから、この映画には切実さというよりスノビッシュというコトバが相応しい。劇場のロビーにはこの作品に引っ掛けて流行の草食系男子VS肉食系女子みたいな本も並んでたが、それはちょっと違うんじゃないか。
要は男の子が女の子に振り回されるお話。
主人公の男の子(ジェセフ・ゴードン=レヴィット)、女の子(ズーイー・デシャネル)のルックスが良い。まあ典型的なユダヤカップルで若干むかつくが。いずれにしても2時間 画面を見る上で登場人物のルックスというのは大事なポイント。確かにズーイー・デシャネルはちょっと可愛い。一見スリムに見えるが実はちょっと肉付きが良かったり美人と不美人の間を微妙に抜けていくボール気味の(笑)ストライクボールだ。それにポニーテールの髪の間から見える、灰色の瞳は深くて吸い込まれてしまいそう。キャラクター描写も凝っている。例えばカラオケで可愛らしく60年代風のポップスを歌った後、ニュージャージー出身の内向的な男の子に対して『本当は「明日無き暴走」を歌いたかった。わたしの飼い犬の名前はBruceなの。』なんて反則だろう。これじゃあ、男は全然抵抗できないやん(笑)。でも、運命の恋を信じるとか信じないとかの映画のプロットはとってつけたようで今いち。それにしてもNYあたりだとアメリカ人も結構カラオケをやるのかね。
このSweet Bitterな映画(Bitter Sweetではない)は突然 魔法が溶けたところで終わる。そのあっけなさが、この映画の今日的な価値だ。そう、今は2010年。ボクラは9・11リーマン・ショックも乗り越えて?生きていくのだ。
女の子を魅力的に描いているところはちょっとJ・L・ゴダールエリック・ロメールの作品を思い出させる。要するに、ヌーヴェル・ヴァーグで言いたかったことの殆どは、男は女の子にはかなわないってことじゃないのか(笑)?いくら屁理屈をこいたって。特に聡明で可愛い女の子には絶対にかなわないのだ、男は幾つになっても(笑)。

それにしても、これはあんまりだ(T-ara『Bo Peep Bo Peep』)。

K-POPの女の子たちの、猫耳ニャンニャン手袋のコスといい、ちょっとセクシーなダンスといい、美味しいとこ取りのサウンドといい、その臆面の無さは感動的ですら、ある。それはヌーヴェル・ヴァーグの頃から2010年まで変わらないことの一つだ。
来月出る少女時代の新作も楽しみ。