特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

SEALDs@10/18渋谷街宣と映画『ピッチ・パーフェクト2』

今回は朝刊替わりに朝の更新です。昨日の日曜日、SEALDsの子たちが渋谷で街宣をやると言うので、とりあえず頭数を増やしに行ってきました(笑)。青山のイメージフォーラムで映画を観た後、渋谷へ行ったら駅前には早くもこんな風景が広がっています。

                          
始まる前からハチ公前はDJの音楽が流れていて、いい感じです。ザ・クラッシュの『レボリューショナリー・ロック』がかかっています。街宣は社民の福島みずほ氏のスピーチから始まりました。


●政治家たち。順に福島みずほ氏、民主党の小川氏、共産党の小池氏、維新の小野氏、生活の玉城氏




●抗議風景




                                                                        
政治家とSEALDsの子たちが入り混じってスピーチします。政治家では共産党の小池氏のスピーチが出色でした。 
『SEALDsのみんなが野党の共闘を始めさせてくれたんです。』
共産党が嫌いとか言ってる場合じゃありません(笑)。私だって民主党はあんまりタイプじゃありません(苦笑)。だけど、そんなこと言ってる場合じゃないんです!』、
共産党は生まれ変わったんです!考え直したんです!』、
『各党とも政策は違っているに決まっているんです。そんなことは最初から判ってるんです!でも、これだけ集まっている皆さんの声に応えられなかったら、政党なんか存在する意味がないじゃないですか!』
                                                
ボクは共産党の言うことは信用したことがないのですが、彼の気合も含めて、このスピーチにはちょっと感動しました。言ってることが正しすぎるこれがみんなの気持ちじゃないでしょうか。 ここまで言うのなら、もしかしたら共産党は本気なのかもしれません。そのあと出てきたのが、参議院で文字通り、声涙くだるフィリバスターをやった民主党福山哲郎氏。
『あの演説をしたあと、時々 街中でありがとうと言われるようになりました。恥ずかしいけど政治家になって、こんなことは初めてです』 
『みんながキッカケを作ってくれました。野党で力をあわせていくことを約束します。』
『普段はありがとうって言いたくないんです。一緒に頑張りましょうって言ってるんです。でも今日は最後に、ありがとうって言います。』
福山哲郎氏。政治家のうち、彼だけはSEALDsの本を片手にしていました。 


                                                    
ボクだって、彼にはありがとうって言いたいです。そのあと、野党の皆で握手。これが今日の街宣の目的です(笑)。司会のSEALDsの子が『みんな、写真を撮ってください〜』と呼びかけます。

●誰もコールしないのに、自然発生的に『野党は共闘!』という声が巻き起こりました。感動的な光景でした。

                                
学生たちは沖縄や関西から来た子、芸大の子、高校生の子たちがスピーチしました。ネットで心無い中傷を浴びている子もいて心配していたのですが、元気にスピーチしていました(そういうことをやってる奴は最底辺のクズ!)。少し気負っていたのか、自分の生活と離れた、ちょっと危うげなことを言っている子もいましたが(笑)、沖縄の男の子が『ボクたちはもっと安全保障の勉強をしなくちゃいけない。専門家に任せきりにはしてはいけない』と言っていたのと、自分の祖父の話をした関西の子が印象に残りました。彼女はテレメンタリー2015『デモなんて』に出ていた京都の子かも。司会は初めて見た男の子と女の子です。最初はたどたどしかったけど、コールをやるうちに調子が出てきました。フロント・パースンを奥田君だけに任せておくのは酷ですからね。消耗してしまわないか、ちょっと心配です。



●ボクのプラカード。虹色のものは映画『NO!』で描かれたチリの『ピノチェト、NO!』運動のデザインです。


                              
●予定になかったんだけどゲストの到着が遅れているんで時間つぶしに、という古賀茂明氏

                                           
やっぱり良かったのはSEALDsのコールでした。今日はDJのBGM付きで、ますますいい感じです。やっぱりコールはハウス・ミュージックみたいなクールなBGMをつけた方が絶対盛り上がると思います。ボクらにはビートが必要です。今日もコールが始まると場内の雰囲気が一変しました。
●カラフルなメガホンもおしゃれです。




                            
●一番盛り上がったのは強力な女性陣のコール。この子たちには以前ラッパーのライムスター宇多丸が舌を巻いていました。



                 
今日は事前に特別ゲストが予定されていました。ネットでは『タモリか?』、『ローマ法王か?』、『ライ・クーダーか?』とうわさが飛び交っていました(笑)。『そこまで言われると出にくいんだけど』と言いながら登場したのは、ヒップホップ・ユニットのスチャダラパーです。偉い!会場は一気に盛り上がります。


●おおっ!今夜はブギーバック!これがホントの渋谷系だ!

そして、スチャダラパー『民主主義って何だ!』で締めます。さすが、タイミングはばっちり決まっています。
●『民主主義って、民主主義って、これ良くない?』

              
これで我慢できなくなったのか、最後には奥田くんが出てきました(笑)。司会の子が『結局、また奥田が出てきたよ』と苦笑していました。

                                  
スピーチした殆どの人が異口同音に言っていたのは『少し前なら野党共闘なんて考えられなかった。』ということです。事実として、集まった人たちの想いはすこしずつ政治を動かしている。そう、思います。間違いなく、『民主主義って、これだ』、です。昨日この場に居た人はそれを実感していたのではないでしょうか。
●日曜NHK夜7時のニュース。NHKはとうとう空撮を飛ばしました。報道内容は肝心の『野党は共闘!』を省きましたが。


●最後にはこんなに人が増えました。最初の写真と比べてみてください。

毎日新聞の特集。写真うまいです(笑)
http://mainichi.jp/select/news/20151019k0000m040010000c.html    

●NAVERまとめ   
【現地画像集】SEALDs 渋谷街宣にスチャダラパーが登場 #1018渋谷街宣 - NAVER まとめ                               

                                                          
さて、今週の映画です。
六本木で映画『ピッチ・パーフェクト2
今年の春、全米NO1になった映画。ボクの大好きなアナ・ケンドリックちゃんを主役に大学の女子アカペラグループ『バーデン・ベラーズ』を描いた作品です。

前作から3年、バーデン・ベラーズは全米アカペラ選手権で3連覇を果たしオバマ大統領の誕生パーティーで歌声を披露することになった。ところが舞台で肥満体のエイミーの衣装が破れて全裸になってしまい、誕生パーティーは滅茶苦茶になってしまう。全米の恥と国中から糾弾された彼女たちは、世界大会に出場して汚名を晴らそうとする。
                                                         
前作はお気に入りでした。ガールズ・ムーヴィにも関わらず、下ネタも辞さずというか、下ネタだらけの辛辣なギャグと素晴らしい音楽でとても楽しいお話だったからです。アナ・ケンドリックちゃんの歌も素晴らしかった。日本の興収はどうだったか知りませんが、ケンドリックちゃんがコップをひっくり返したり裏返したりしながら歌う『CUPS』のシーンを日本のTVドラマがもろにパクっていたそうですから、結構 影響力があったのではないでしょうか。
●CUPS。真似したビデオがYouTubeにいっぱいあがっています。


一段とグレードアップした今作はオバマ大統領夫妻がカメオ出演しています。冒頭のパーティーで衣装が破れたデブの全裸に思わず顔をしかめるシーンです。現役の大統領をこんなお下劣なギャグに使うんですから大したもんです。今作のギャグは前作のように噴水のようなゲロとか露骨なものは減ったものの(多少ありますww)、辛辣さはパワーアップしています。前作では韓国人のキムチ好きをギャグに使って韓国公開時に揉めたそうですが、今作ではもっとコケにしているし、アメリカそのものも『アメリカは世界の嫌われ者』とこき下ろしています。万人受けしてヒット映画にしようという商売優先の嫌らしさは微塵もないです。
●事故とは言え、大統領の前で全裸を披露するスキャンダルで彼女たちは活動停止に追い込まれます。

                                                     
メンバーは前作から変わりませんが、今作に新入生役で加わったのは『トゥルー・グリッド』で若手の演技派として注目されているヘイリー・スタインフェルドちゃん。今年のベスト3に絶対入る大傑作『はじまりの歌』でも下手ウマギターを一発かまして状況を一変させる高校生役で、胸キュンさせてくれたばかりです。なんとボクと趣味が合うんでしょうか(笑)。

アナ・ケンドリックちゃん(左)とヘイリー・スタインフェルドちゃん

                                                  
女性監督が作っている作品らしく、物語では女性をとりまく社会的な差別は常に意識させられます。登場人物は男も女も全てどこかあか抜けない。エリートではないしお洒落でもない。はっきり意識して、そういう環境の人たちを描いているのです。でも、それにもめげず女の子たちが自分たちの思う通り自由に振る舞うのは心地良いし、創意工夫に富んだアレンジでアカペラに加工したヒット曲とガールズ・トークは純粋に楽しい。中盤に出てくるアカペラの即興バトルは面白かったし、有名ラッパー、スヌープ・ドギー本人が歌っているところにアナ・ケンドリックちゃんがリズムマシンを叩きながら歌をかぶせるシーンでは改めて彼女の歌が鬼のように上手いのに感心しました。ゾクゾクした。他の出演者もそうですが、これで歌手じゃないんだから、アメリカの俳優さんってレベルが高いです。
●右側の女性が監督兼毒舌司会者役のエリザベス・バンクス

●おでぶちゃん(レベル・ウィルソン)の恋物語も描かれます。彼女が歌うパット・ベネターの『We Belong』で不覚にも涙が出てしまいました。笑うシーンだったのに(笑)。

                                                                                                                
強いて言えば、素晴らしい演奏をフルコーラスで披露するのがクライマックスだけ、というのが残念だったのですが、今作も面白かった。ヒット映画ならではのいやらしさもないし、映画の興収もサントラも全米1位になるだけのことはあります。確かに前作より面白かったと思います。早くも3の制作も決定したそうで楽しみです。