特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『入管法改悪と技能実習生制度』と『白アスパラのスープ』

 夢のようなゴールデンウィークはあっという間に過ぎてしまいました。たった5日間 仕事へ行っただけで、いつもの奴隷労働の感覚が戻りました(泣)。
 今日のような爽やかなお天気が救いです。ベランダから見た夕方も美しかった。

 
 残念なことに、入管法の改悪が衆院を通ってしまいました。難民申請の基準を明確化することもせず、入管の収容者虐待や難民申請認定をチェックする仕組みを作ることもせず、長期収容や就労も出来ない仮放免という今の非人道的な制度も見直さずに、難民を強制的に送りかえすことを推進する改悪です。
  
d4p.world

 現状でもウィシュマさんのように収容中に亡くなったり自殺したり、昨年 映画『マイスモールランド』で描かれたように、難民申請中の親と子供が引き離されたり、極貧生活に追いやられるようなことが起きている。
 

 前回のエントリーで書いたように、先週の『報道1930』で法案の取りまとめの中心だったという自民党沖縄2区の衆院議員、宮崎政久統一教会の会合で挨拶をしていたと同時にIR関連の中国企業から100万円の献金を受けていた疑惑のある人物)が『飛行機で来るような人間は難民じゃない』と言っていました。

 テレビを見ながら激怒したのですが、宮崎が番組の中で『難民申請をしている仮放免者は約4146人、そのうち約1410人は逃亡』と法務省の資料を引用していたことだけは気になっていました。

 いくら宮崎が『壺議員』で中国企業の手先でも、数字の嘘をつくとは思えない。本当なら改悪にも多少の理はあることになる。もちろんそれが改悪の非人道性を認める理由にはなりませんが。

 答えらしきものがありました。『日本の難民申請は技能実習生や留学生が申請しているものが少なからずある』というのです。これはボクも気が付きませんでした。
 
diamond.jp

 難民を支援しているNPO、難民支援協会もそのような例があることを認めています。役所がそれに対する対策をしたいのは判らないでもない。


日本の難民認定はなぜ少ないか?-制度面の課題から | 認定NPO法人 難民支援協会

 しかし、それは今回の入管法改悪の理由にはなりません。
 入管法を改悪する暇があったら、アメリ国務省を始め世界から『現代の人身売買』と言われている『技能実習生制度』を潰せば良いのですアメリカは2022年の人身取引報告書の中で技能実習生を『労働搾取目的の人身取引の被害者』と位置付けています。
2022年人身取引報告書(日本に関する部分) - 在日米国大使館と領事館


 技能実習生制度は大企業の下請けを含む多くの中小企業(例えばNHKの取材で賃金未払いや暴力を受けた実習生が逃げ出したことが明らかになった今治タオルの工場とか
今治タオル組合、NHK「実習生ブラック工場」が下請け企業であることを明らかに「責任を重く受け止め」や農業や漁業(例えば高収入で知られる長野県川上村のレタス農家など平均年収2500万円、「レタス長者」の川上村 実態は中国人実習生に過酷労働強いる「ブラック農家」?: J-CAST ニュース【全文表示】が利用しています。
 ボクは日本製とか威張っている今治タオルも川上村のレタスも絶対に買いません(川上村は改善されたという話もあるようですが)。

 例えば農業分野で受け入れている技能実習生は2018年現在で28000人。農業人口の約2%強です。https://www.dairy.co.jp/dairydata/jdc_news/kulbvq000000pljw-att/kulbvq000000plnw.pdf

 直近の農業従事者の平均年齢は68歳(笑)。農業のこの惨状は高齢化が進む日本の将来像でもあります。


農業労働力に関する統計:農林水産省

 技能実習生制度がなければ成り立たないような企業や産業は中小企業だろうと農業だろうと漁業だろうと存在自体が悪、です。

 世界中から非難を浴びて、流石に政府も技能実習制度を見直すとか言ってますが、どうせ骨抜きにするんじゃないか。

news.yahoo.co.jp


 入管法の問題は便利で安価な社会を追い求め、そして選挙にすら行かなかったり、理不尽を見て見ぬをふりをする我々の生き方が問われているのでしょう(嘆息)。


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 さてゴールデンウィークは徒歩圏から出たくない、ということで、いつもの近所のイタリアンへ行ってきました。

 突き出し。これはお決まりです。発酵野菜のスープと自家製サルシッチャ(ソーセージ)のフライ。

もくじ』。これもお決まりで、この日使う材料を調理法を変えてお披露目するもの。時計回りで生の白アスパラ、筍の炭火焼き、ほたるいか、新玉ねぎのスープ、鳩のしゃぶしゃぶ。

 これが『白アスパラのスープ』。上には低温調理でレアに仕上げた信州マスが載っています。自分の家では恐ろしくて白アスパラをスープになんか出来ません。アスパラならではの苦みがより濃縮されて感じられました。美味しかった。

 『もずくのスープ』。一見もずくをパックから出しただけのように見えますが(笑)、ハマグリのゆで汁がベースです。これも家ではとても真似できない。上には山菜の天ぷらが載っています。

 『ホタルイカのキタッラ』(ギターの弦に似たパスタ)。ホタルイカは恐ろしや、ペーストにしてパスタに絡まっています。これまたとても真似できませんが、肝の味が濃厚でめちゃめちゃ美味しいです。上には低温で数時間ローストしたトマト。

 『天城軍鶏と山羊のチーズのパスタ』。挽肉ではなく包丁で叩いた天城軍鶏は軟骨も入っていて歯ごたえが変わって美味しかった。

 『鳩の炭火焼』。フランスのランド産だそうです。コクがあるソースは内臓を使ったもの。焼きも完ぺきで、牛肉なんかより遥かに美味しいです。

 デザートはブラッドオレンジ。下はシャーベット、頂上はオーブンでカリカリに焼いたもの。間にはリコッタチーズが挟まっています。

 美味しいものを食べるのは楽しいですけど、単なる日常生活の憂さ晴らし、のような気もしないでもありません。なんか悲しいなあ(笑)。