特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇 』

 昨日今日は暑かったです。寒いのは嫌だとばかり思ってましたが、暑いのも大変だと言うことを思い出しました(笑)。

 日本赤軍重信房子が出所しましたが、相変わらず頭がボケたままなんですね。重信とか赤軍派の連中って実はパレスチナへ行ったこともないそうですが、とことん地に足が着いたことが出来ない連中です。自分たちでは何も物事を作り出せず、社会に寄生しているだけ。

 時代の趨勢とはいえ、こういう理不尽でアホな過激派の存在が日本の民主主義をずいぶん退潮させた、とボクは思うのですが、周囲の支援者も含めてあんまり反省してないみたいですね。反米ボケ、っていうのでしょうか。上のチラシを見ると経産省前にいた反原発テント村の連中も支援者に入ってやんの。目つきがおかしいと思って近寄らなかったのですが、やっぱり(笑)。
 

 国会でれいわの櫛ぶちが、『消費税下げ』というれいわの主張を相手にしない岸田を『鬼』と罵ってましたけど、自分はかって消費税引き上げを主張してたんですね(笑)。

 陰謀論と嘘ばかりの山本太郎も凄いですが、れいわにはこんなのしかいないのか(笑)。

 ちなみに、これは白井聡

 自民党も酷いと思いますが、アンチの側も酷い。過激派やれいわみたいな連中は問題外にしろ、日本にはきちんとした自民党の対抗勢力そのものが出てこない。
 苦労はしたものの、欧州のリベラル勢は政権を担える現実的な政治勢力としてリニューアルしましたが、日本のリベラルの脳味噌は9条信仰で相変わらず、竜宮城状態

 これは政党だけでなく、やっぱり国民がボケているのではないでしょうか。空っぽな脳味噌の帰結はこういうことになります。政党政治の機能停止は戦前と同じですな。

 これから日本の前途に光明が見えるとしたら、少子高齢化が一息つくであろう5~60年後くらいでしょうか。

 これから生まれてくる子供たちの世代は、(韓国のように)一部の優良企業に勤める人を除けば、低賃金のローカル産業に従事するか、中国や台湾企業の下請けか、外国へ出稼ぎに行って、なんとか食いつなぐようになるでしょう。

 で、国内には貧乏で文句ばかり言う癖に役立たずのボケ老人が溢れている、今後5~60年はそんな内向きの日本になる。

 日本が落ち目になるのは仕方がないと思いますが、せめて焼け野原だけにはならないでいて欲しいです。興奮しやすい国民、利害の計算ができない国民ですから、それだって危ないんだよなあ。


 と、いうことで、青山で映画『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇

漁業が国の基幹産業であるタイ。漁業会社は乗組員を確保するため、タイやミャンマーラオスなどの人を人身売買業者から労働者を調達している実態がある。問題を追及するNGOを設立したパティマ・タンプチャヤクル(2017年ノーベル平和賞ノミネート)や自身も11年間奴隷労働した経験のあるトゥン・リンたちは、脅迫など数々の困難に直面しながら、タイの漁業会社の漁船からインドネシアの離島に逃げた男性たちを救出するために命がけの航海へと漕ぎ出していく。
unitedpeople.jp

 タイは世界屈指の漁業大国で、売上高が約1兆円という一大産業になっているそうです。ところが資源の枯渇に伴い沿岸から遠洋への漁業に移りつつあるそうですが、辛く長期の労働を嫌う人が多く慢性的な人手不足になっているそうです。

 万単位の人々がタダ同然か無給で「海の奴隷」として働かされており、眠くなると鉄パイプで殴って働かせるなど人権侵害に加えて、漁で大けがをしたり命を落とすものも大勢いる。2015年にはEUがタイに警告を発するなどの問題になっているそうです。寡聞にして全く知りませんでした。

www.huffingtonpost.jp

 この映画の主人公、タイ人のパティマさんは夫とともに非政府組織(NGO)「労働権利推進ネットワーク(LPN)」を立ち上げ、漁船から脱走したミャンマー人らを支援し、インドネシアの島々などに逃れて居たり監禁されていた少なくとも約5000人を出身地に戻しています。2017年にはノーベル平和賞候補になりました。
●主人公のパティマさん

 映画は『海の奴隷』だった人たちの証言とパティマさんたちの救援活動で構成されています。
 証言は驚くような話ばかりです。拉致されたり、違う仕事があると騙されて連れてこられた『海の奴隷たち』は小さな漁船に載せられ、無休で遠洋漁業で働かされます。

 ここのところは『従軍慰安婦』って、こんな感じだったんだろうなーと思いながら見ていました。強制的な拉致だけでなく、騙されて連れて来られて、結果として逃げられない境遇に追い込まれて強制的な労働をさせられる。これを奴隷と呼ばずに何と呼べばよいのでしょうか。

 漁船は常に島が見えない遠洋にいます。時折、漁業会社の母船がやってきて魚を受け取る代わりに漁船に食料を供給する。奴隷たちはなかなか逃げることもできません。

 安全装備などいい加減なものですから、ロープや網に絡まって指や手首を失う人も大勢います。首に絡まって命を亡くす人もいる。

 

 証言の内容もさることながら、証言者たちの表情がなんとも印象的です。文字通り、この世の地獄を味わってきた人たちです。額の皺が深い。一見冷静に見える視線はどこか遠くを見ているようです。
●証言する元奴隷のトゥン・リンさん。彼は11年間 奴隷労働を強いられました。

 カメラはパティマさんたちの奴隷救出活動の旅にも同行します。パティマさんたちは奴隷を使った違法漁業が近年はタイから6000キロ以上離れたインドネシア、パプア・ニューギニアで行われていることを突き止めます。彼女たちとNGOに加わった元奴隷たちは漁船から逃げ出し、ジャングルに逃れた漁船員たちを探して旅を続けます。


 
 インドネシアの軍や警察も違法漁業を見て見ぬふりをしている。パティマさんたちは何度も漁業会社から脅迫を受けているそうです。それでもめげずに、そして注意深く漁船員たちを探し続けるパティマさんたちの勇気は驚くべきものだと思いました。言葉も通じない、ジャングルの訳の判らない村にたった数人で入り込んでいくわけですから。

 やっと探し当てた奴隷たちは現地で新たな家族を持っていたり、長い年月でタイ語を忘れてしまっている者もいます。戻ることを躊躇する人の方が多い。彼らの人生は奴隷労働で全く破壊されてしまった。ドキュメンタリーとしても凄い。 


 本映画が取り上げている海の奴隷労働は、IUU漁業、Illegal, Unreported and Unregulated(違法・無報告・無規制)漁業で引き起こされていると言われています。
 世界のIUU漁業による漁獲量は1,100~2,600万トン、金額に換算して100~235億USドル(日本円に換算して約1兆1,459億円~2兆6,928憶円)に上ると推定されています。 
https://www.huffingtonpost.jp/entry/ghost-fleet_jp_628ec3d8e4b0933e736edb9f?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=JAPAN20220528&utm_term=jp-daily-brief

 日本も無関係ではありませんWWFによると日本が2015年に輸入した天然水産物215万トンの24~36%、金額にして1,800~2,700億円が、違法または無報告漁業によるものと推定されているそうです。
 マクドナルドのフィレオフィッシュも、アラスカから運び込まれタイ工場で成形されている。日本でも見かけるツナ缶や冷凍シーフード、そしてキャットフードの多くもタイで加工されているそうです。日本のキャットフードの半分はタイ産と聞きました。
 国際的な非難を浴びてタイでは違法漁業を取り締まる法律はできましたが、漁業会社を摘発した例はまだないそうです。

 違法漁業ではないことを証明する「漁獲証明制度」の導入も各国で進んでいるそうです。が、日本でも2022年12月に導入される予定の漁獲証明制度は、対象となる魚種が国内水産物3種、輸入規制対象4種のみと、欧米の対象種と比べて極めて少ない。欧米市場で排除されたIUU漁業由来の水産物が日本市場に流通してしまう懸念はあるそうです。
キャンペーン · 奴隷労働や乱獲された魚を私たちは食べている!?対IUU法を強化して、日本の市場からIUU漁業をなくすために、あなたの力を貸してください! · Change.org

 ただ、幸か不幸か、今の日本は貧乏国、中国などに買い負けて魚の輸入がどんどん困難になっているそうですが。

wedge.ismedia.jp


 全然知らなかった話なので、大変興味深かったです。ドキュメンタリーとしても中々面白い。全てが現実ですから。
 現代の奴隷と言われる外国人技能実習生に支えられている国内農業や漁業や工場もそうですが、我々の便利な生活を支えるために奴隷労働が行われているのはやっぱり問題あります。
 終了後のトークショーで映画の配給元のユナイテッドピープルの関根氏が『まず知る事が大事』と言ってましたが、今のところ、一般消費者にはそれくらいしかできることがないのも事実です、うーん。
●関根氏(左)と大東文化大の斎藤教授


www.youtube.com