特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『ヒグマのパスタ』と『民族という虚妄』、それに『0911再稼働反対!首相官邸前抗議』

 狂ったような(笑)暑さも、ようやく終わりが見えてきたようです。
 そろそろボジョレ・ヌーボーやら、おせちの案内やらが送られてきます。季節感が何がなんだか判りません(笑)。毎度のことですが、時間の移り変わりの速さはどうなってるんだ、と思います。
●日中の気温はまだ30度を超えますが、空は秋の色。



 さて、『今日の一皿』(笑)。これはこの前 家の近所で食べたヒグマのパスタ(笑)。

 黒い塊がヒグマの肉。流石に初めてです(笑)。店の人は『腕の肉が手に入ったので粗いミンチにして、捕れた場所の近くの農場のアスパラと一緒にレモンソースにした』と言ってました。

 右手だか左手だか忘れましたが、中華料理だとクマは蜜を掬う方の掌が珍重されると聞きますけど、店の人は『個人的にはジビエの赤身ではクマが一番好き』と言ってました。

 確かに肉は適度な野趣と野生らしい弾力がありました。いかにも肉に力があるという感じです。かといって、臭くはないからレモンソースともばっちり、手打ちで腰が強いファルファッレ(パスタの名前)とマッチして美味しかったです。

 それにしてもクマは人間を襲うこともありますけど、人間の方が怖い。美味しいとなんでも食べちゃうんだから。


 いきなり、総選挙という話が出ています。
 国会議員のパーティーへ行った人から聞いたのですが、自民党は若手を中心に本気で10月の選挙の準備をしているそうです。理由は『野党が準備ができていない状態で選挙で勝っておけば、長期政権のベースができるから』。

 確かにそうかもしれませんが、国民のことは考えていませんよね。まず、コロナ対策はどうなっているんでしょうか。
 それに、これから10月から11月にかけて、冬のボーナスが減るのがはっきりした途端、景気はドカッと悪くなります。今回のコロナ禍による影響が少なくとも来年の6月までは続くことが可視化されるわけですから、消費はガタ減りになるに決まっています。

 そうなる前に景気対策、倒産を防ぐためにも今のうちに手を打っておかなければいけない筈です。
 選挙用に信者たちの転居準備が整わない(笑)公明党は10月の選挙には絶対反対です。

 それに逆らって菅が選挙をするかどうかは判りません。が、今度の政権も安倍晋三と同じように、自分たちの私利私欲を優先して追求する政権であることは変わりないようです。
●大事なのはこういうこと。右とか左とか意味ないです。


 野党がまとまって新党ができたのは良かったと思います。
 かっての民主党は長島や前原、細野などの『保守というよりタカ派』、菅や仙谷など『リベラル派』、岡田などの『保守中道』、小沢など『政局のためなら何でもいい派』、蓮舫など『何にもわかんない派』が寄り集まっていました。集まっただけで方針がはっきりしないまま政権を取ったのが、前回の政権の失敗の大きな原因の一つです。もちろん人的能力の問題もありましたが(笑)。

 少なくとも今回は社会民主主義的な方向ははっきりした。それに、前原や細野みたいなゴミはいなくなった。大きな進歩です。

細部は異論があっても小選挙区制では、塊を作って現実的な政策を訴えていくしか、世の中をマシにする方法はありません


 10日の木曜朝日で慶應小熊英二教授が『民族』について面白いことを言ってました。
『民族という言葉は明治期中盤に日本で発明された人間の区分の仕方』というのです

 その特徴は
1.独立して一国をなすべき集団、2.内部に分裂がない、3.千年単位の歴史を共有している
 作られた理由は
英語のNATIONなどのように国家を社会契約によって人工的に作るという概念に対抗して、日本が国家一丸の体制を作り外部に対抗していくために作られた(*契約に際して必要になる個という概念が天皇制には都合悪いのでしょう)
人種という概念は明治初期に入ってきたが、人種という指標を使うと、日本人は有色人種ということで劣位に置かれる可能性があり、台湾や朝鮮の人との区別がつかなくなった

 だから
(少数派など)一丸となるべき体制を乱したりするものが差別対象になった
www.asahi.com

 小熊は日本における差別の原因を、このような『民族』に置いています。一見 日本には人種差別は少ないように見えるが、実はそれ以前の段階、差別は形を変えて厳然として存在しているというのです。


 これは従来からの、そしてコロナ渦で一層はっきりした、日本の同調圧力の強さの理由の一つになるかもしれません。

 従来からボクは『民族』という概念は一切信用しないことにしています。定義が判らないからです。

 日本人でも外国人でも様々な人種の人がいるけれど、それ以外は外観では明確には区別がつきません。言葉や考え方、習慣は違うものもあるけど、それは今までの歴史や気候条件などの問題でしょう。関東と関西だってずいぶん違う。後天的なものです。

だから『民族』という、いかにも先天的な体裁の概念は理解できないし、日本民族とかを強調する奴は右左を問わず一切信用できません(笑)。そんな抽象的な言葉より、目の前にいる個人がどうか、ってことの方が重要です。


 君が代とか日の丸は明治期に官僚がでっち上げたものですから、日本の伝統でもなんでもない。ボクはくだらないと思ってます。バカは相手にしない(笑)。小熊が言うように『民族も官僚がでっち上げた虚妄』なら、日本の同調圧力、空気もそうかもしれません。そう思えば、多少気が楽になりますよね。

 バカは相手にしないで、個人個人が自分と政治に責任を持つ。日本は民主主義国家というより、今は民主主義を学んでいる過程だと思います。



 さて原発再稼働に反対する金曜官邸前抗議はコロナ禍で現地では約半年行われていません。が、感染も小康状態になったし、11日は311の月命日なので、今週だけ現地でやる、とTwitterで流れてきました。

 徒歩通勤にすっかり慣れてしまったので、平日夕方 都心の電車に乗るのは正直嫌です。月命日というのも意味が判らない。迷いましたが、とりあえず偵察がてら、行ってみました。

 ちなみに最近は新しく読者になっていただいた方もいらっしゃるので、こういうことに対するボクのスタンスを説明します。

 何よりもボクはロック・ファンなんです(笑)。
 『政治と音楽は関係ない』とか言ってる日本の認知症連中はいざ知らず、欧米では何かあったらミュージシャンや俳優もスポーツ選手も政治に抗議するのは当たり前。

 有名どころだけだって、マドンナ、ビヨンセスプリングスティーンポール・ウェラージョージ・クルーニーアン・ハサウェイ、枚挙に暇がありません。音楽も映画も政治に関係あるに決まってるじゃん
●女性の人権侵害への抗議に参加するアン・ハサウェイ。高そうなスカーフです(笑)。

 だから、ロック・ファンならデモとか行くでしょう、まともなら(笑)。
 団体行動が大嫌いなボクは、組織的な政治活動は参加しようと思わないけど、個人としてはデモでも集会(これは嫌いだけど)でも抗議でも行く。現場を見ないとTVや本だけの情報では物事は判りません。ボクは高校生の時から、犬を連れてデモに行ってます(笑)。


 金曜官邸前抗議は政党や市民団体などの組織ではなく、普通の市民の人たちが緩くやっているので、ボクは比較的 肌が合います。12年から始まり、今は数百人の規模ですが、一時期は毎週数万人が参加していました。普通の市民たちが抗議していることで安保法反対の際のSEALsや大学入試改革を中止に追い込んだ文科省前の抗議も生まれました。
 だから普段から市民が抗議する場所を温めておくのは大事って思っています。

 原発を今直ぐ全て廃止するのは現実的にムリだと思いますが、事故のリスクを避けるためにも再稼働しないまま、原発安楽死させたほうが良い、と考えています。今や自然エネルギーの方が安価だし、中央集中型の産業構造自体、日本ではもう限界に来ている。規模、つまりコストで中国に敵うわけないでしょ(笑)。


 半年前と同じ様に、帰宅後 直ぐ夕飯を出せるよう木曜に下ごしらえをして出かけました。平日夕方の都心の電車は普段の2割減くらい。混雑はあまり変わりません。くわばらくわばら。
 午後6時の気温は30度。今日集まったのは100人くらいでしょうか。こんな時に参加するのはさすがに見知った顔ばかり。ボクはデモや抗議で他の参加者と話すような事はありませんが、皆さん お変わりなく😊。
 皆 マスクして距離を保ちながら、そこを反原連の人が列を回って非接触の体温計で検温してたから大したもんです。

 前の方ではマイクでシュプレヒコールしてましたけど、ボクはプラカードを掲げて無言の抗議になりました。こう言うと御幣が有りますが久しぶりで楽しかった。本当はこれからの季節はデモ日和なんだけどなぁ😸

●抗議風景