特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『裁量労働制の拡大と世代別意識の違い』と『0223再稼働反対!首相官邸前抗議』

昨日の東京はみぞれ雪交じりのお天気、とても寒かったです。文字通り震えあがりました。それでも春へのステップを一歩ずつ登っているんでしょうね。

俳優の大杉漣氏が亡くなりました。別にボクは熱心なファンじゃありませんが、この人、昨年の傑作ドキュメンタリー『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロ映画『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)や『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎ヒロシマからフクシマへ:映画『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)でもナレーションをやっています。そういう人なんでしょう。寿命なんて人間がどうこうできるものじゃありませんが、享年66歳は今の世の中では若すぎます。残念です。


●珍しいものを食べました。カレーパンじゃありません。『かつカレーパン』(笑)。カレーパンの中に本当にカツが入っていました。揚げ物✖2 😇



さて、先週 安倍晋三が国会で答弁して撤回した裁量労働制に関する厚労省のデータですが、今週 立憲民主党の長妻氏の調査で新たに117件も異常データが見つかりました。

裁量労働制:残業データ、異常117件 調査票も存在 厚労省 - 毎日新聞
例えば、ある人の残業時間は1週間が「25時間30分」だったが、1カ月の残業は「10時間」だったり、他の人は1日の残業が「12時間45分」だったが、1週間では「4時間30分」だったりしたそうです。厚労省は誤記と言ってるらしいですが、それを基に報告書を作って裁量労働制を拡大しようというのですから、信じられません。
おまけに加藤勝信厚労相が14日の衆院予算委で「なくなっている」と答弁したこの調査の原本(調査票)が、20日になって地下倉庫から出てきたそうです!


今回の裁量労働制は法人営業など営業職に拡大、それも裁量権があるとは思えない契約社員最低賃金で働く労働者にまで拡大すると言っています。さしたる理由もなく法人営業に適用するのですから、裁量労働はいずれ営業全般に拡大するでしょう。実質的に営業職の残業代は払わない、文字どおり『働かせ放題』になります。
政府はガス抜きで『施行を1年延期する』なんて報道をリークして、世論の反発を抑えようとしてますが、1年延期したって同じです。完全に頭がおかしい。

裁量労働制の拡大、施行1年延期 厚労省が検討 :日本経済新聞


そもそも日本の生産性が低いのは売上高利益率(粗利率)が低いからです。生産性は利益を人件費で割ったものですが、経産省の審議会の調査(伊藤レポート↓)では日本企業の利益率の平均が3.8%、アメリカは10%、欧州は8.9%と指摘されています。粗利率が低いのは過当競争とビジネスモデルが悪いからです。『働き方改革で生産性改善』とか政府が寝ぼけたことを言ってますが、日本の生産性が低いのは経営者がバカだからです(笑)。
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http://www.meti.go.jp/press/2014/08/20140806002/20140806002.html


今回の裁量労働制を拡大する狙いは残業代を削減し、人件費を下げるためです。つまり生産性の名を借りて、経営者の無能を労働者に付け回ししているんです。そんなことすれば、また景気にも影響してくる。職業教育や失業手当など労働者の保護を強化した上で、M&Aによる企業統合やまともに給与を払えないようなゾンビ企業をつぶす=無能な経営者を退場させることこそが日本の生産性向上策だと思います。


日本の政府がやることは一般大衆の懐を削って企業や金持ちに回す政策ばかりです。残業なんかしない方がいいし、ボク自身は残業代なんかつかないからいいですけど、これは過労死など人の生き死ににかかわる問題です。それをこんないい加減な議論で決めてしまうなんて、ちょっとおかしすぎるんじゃないでしょうか。
●こういうバカが本当にいるのなら、一回 死んだ方がいいと思います。



さてさて、昨今の国政選挙や先日の沖縄市長選などで若い人が保守化しているという分析が出ています(そうでないという分析もあります)。先週のブログ2018-02-16 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)で触れた『新・日本の階級社会』という本には、年代別の意識調査がありました。考えさせられる結果だったので同書から引用します。


まず排外意識について。
『中国・韓国が日本のことを悪く言いすぎる』、『自分の住む地域に外国人が住むのは嫌だ』という二つの質問の年代別結果がありました。


年代が高い人は結構 排外意識が高いんですね。逆に若い人はオープンな傾向が強く希望が持てる。歳を取ってくると、ボクも含めて大抵の人は保守的になる傾向が強いですから、判らない結果でもありません。年初の週刊ダイヤモンド週刊東洋経済に『ネトウヨは中高年の低所得男性が多い』という分析が出てましたが、まあ、そんなもんでしょう。



次に安全保障について
憲法を改正して自衛隊を軍隊にするべきだ』、『沖縄に基地が集中するのは仕方がない』という二つの質問です。


憲法を改正して軍隊を保持する』に賛成なのも案外 高年齢層が高い。もっとも賛成が少ないのは20代じゃないですか。一方『沖縄への基地の集中』は高齢者より20代、40代の賛成が多い。もちろん戦争になると真っ先に戦場へ行くのは若い人です。自分に関連がある話題であれば若い人も我が身と思うのでしょう。


ここにキーがあると思います。経済にしろ、就職にしろ、身の回りの話題を訴えれば、若い世代も聞く耳を持つ。これらのデータを見る限りでは必ずしも若い人が保守的、という訳ではありません。リベラルの側の訴え方が悪いんです。むしろ高年齢層がさっさと死ねばこれからの日本は排外主義が衰えて良くなるのかもしれない(笑)?。いずれにしても世代間の会話が必要なんでしょう。空理空論やイデオロギーじゃなく、現実的な自分たちの問題を訴えていく。我々の生活は、食べ物も住居も、衣服や健康や教育も、音楽や映画も全て、政治に繋がっているんです。
悪い見本があるじゃないですか。都合の悪い質問はスルーして、自分の持論だけを延々述べて、嘘をつくこともいとわず、引用するデータは間違っている、安倍晋三みたいになっちゃオシマイですよ。



ということで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
寒い―と書くのも飽きましたが、やっぱり寒い―。今日の午後6時の気温は6度です。参加者は700人。先週より少しだけ(笑)多かった。
●抗議風景





立憲民主党が「原発ゼロ基本法」をまとめ、今国会に提出するそうです。民進党時代、このような法案は電力労組のクズ議員のせいで、党内で取りまとめることすら出来なかったそうですから、大きな進歩です。


骨子案は以下の通りです。ニュースでは省略されていますから、立憲民主党のオリジナルのソースにあたりましょう。




*原文のPDFファイル:https://cdp-japan.jp/news/wp-content/uploads/2018/01/cdpj-zero_001.pdf


各地で行われた市民とのタウンミーティングで「中長期的に電力不足の際は運転する例外規定」は削除されたそうですが(ボクには理解できません。例外は方便で残しておけばいいじゃないですか(笑)。)、それでも比較的現実的な案、と思います。脱原発の年限を区切ってないところや、国有化も含めた電力会社への補償や原発立地への支援など、脱原発に伴うコストも考慮しているのが良いです。


原発を止めるためにはコストがかかります省エネや自然エネルギーへの投資も必要です。立憲民主党の案では2030年で発電量全体に占める再生エネの割合を40%にすることを目標にしています。2011年時点であればボクも高すぎると思いましたが、昨今の状況では充分現実的です。ちなみに再生エネの発電量全体に占める割合は2016年実績で日本は15.3%、政府の目標は2030年で22〜24%だそうです。ちなみに現在の世界平均が24%です。東京新聞:再生エネ割合 自民内から「目標低すぎ」:政治(TOKYO Web)
政府の目標は、再生エネの利用率は2016年の世界平均実績に2030年に追いつくという超消極的なものです。そんなバカな話がありますか。2030年には最低限40%くらい達成してないと日本は世界各国との技術開発競争に立ち遅れてしまいます。ビル・ゲイツの財団がやっているような新型炉ならまだしも、今の日本の軽水炉なんて、もう終わった技術です(笑)。日本の老朽原発を止めることは事故リスクを避けるだけでなく、省エネにしろ、再生エネにしろ、将来の日本の技術基盤を確保することにもなると思います。

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