特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

現代のゲリラ戦教本😄 読書『これからの日本、これからの教育』と『1208再稼働反対!首相官邸前抗議』

街は華やかになってきましたが、今週は内外ともにロクでもないニュースばかりでした(嘆息)。
●ボクの使う駅にもイルミネーションが飾られています。ぽつんと(笑)。


まず朝鮮半島。現在 アメリカの空母がアジア・太平洋に2隻、中東に1隻居るわけですが、更にもう1隻加わるようです。湾岸戦争は空母5隻を終結させてから始めたそうですけど、マジできな臭い。
●ロイターによると、今週 中国吉林省は核攻撃への対策を新聞で公表しました。大して役に立たないでしょうけど(笑)。記事原文→訂正:中国国営メディア、核攻撃受けた場合の緊急対応策を掲載 | ロイター


おまけに トランプのエルサレムの首都承認です。この時期に流石にバカ過ぎてびっくりしました。長年 多くの人が携わってきた『今までの和平努力を台無し』(PLOアッバス議長)にするもので、さすがに英・独・仏・中・ロシアその他も反対しています。

ティラーソン国務長官マティス国防長官も反対だったそうです。


それでなくてもイスラエルはイランに戦争を仕掛けたいのですから、下手したら中東でも戦争になりかねません。少なくともIS、その他のテロリスト有象無象はアメリカを攻撃する口実が出来て大喜びしているでしょう。トランプは自らISを応援しているようなものです。自分のロシア疑惑をごまかすことしか考えていないのでしょう。


一方 国内も増税の嵐じゃないですか。多くの人々に迷惑をかけているタバコ増税は構わないですけど(まだまだ手ぬるい)、年収800万以上の給与所得者300万人に増税するのはいかがなものか。


ボクは所得税の累進強化を熱烈に支持していますが、増税対象が年収800万だの、900万だのって中産階級もいいところじゃないですか。間違いなく消費に悪影響が出るでしょう。
その一方 自営業は減税です。自民党の支持母体の一つは自営業者だし、議員の多くは自営業者でしょう。これは全く納得いきません。ただでさえ自営業者は、所得のごまかしがきかない会社員と比べて所得の捕捉率が低いと言われています税改革も「クロヨン」棚上げ 高所得会社員にしわ寄せ :日本経済新聞。ボクの親や親戚一同がそうだったから言うのですが(笑)、はっきり言って連中はまともに税金払ってないでしょ。個人請負がどうのと言ってますけど、立場の弱い個人請負なんて働き方は増やしちゃいけないんですよ。アメリカではウーバーの運転手などで既に問題になっていますが、個人請負なんて労働条件が保証されない新たな奴隷労働になりかねない代物です。


これから消費増税もあるし、オリンピック景気も終わりますから、2020年前後から、かなり景気は悪くなるでしょう。そうすると排外主義や弱者たたきが一段とはびこる。おまけに国家財政は大赤字が溜まり放題溜まっている。


安倍晋三改憲だけすればいい、あとは野となれ山となれ、を地で行っています。これから天皇の退位イベントとオリンピックで安っぽいナショナリズムを刺激して人々の不満をそらすのかもしれません。そういう無責任な総理大臣とそれに盲従するバカな政治家を選んだ国民がバカなんですが、これからの日本はマジでやばそうです。



さて、読書の感想です。前川喜平寺脇研両氏の『これからの日本、これからの教育


前川喜平氏は言わずと知れた前文部事務次官、寺脇氏は門下大臣官房審議官としてゆとり教育のスポークスマンを務め「ミスター文部省」と言われていたそうです。この本では加計学園の問題を検証しながら、彼らが手掛けてきた生涯学習ゆとり教育、夜間中学などの改革について語り合っています。


以前も書きましたが、ボクは前川氏に実際に会ったことがあって、彼がまともな人だったのでびっくりしたことがあります『文科省事務次官の話』と『2016年度の実質賃金』、それに『0526再稼働反対!首相官邸前抗議 』+『#共謀罪法案に反対する金曜国会前抗議』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)教科書検定をやってるようなクソ役所の文科省、しかも事務次官級(当時)で、どんな極悪人かと思ったのですが(笑)、言ってることは実にまともであるでなく、腰が低い、立派な人でした。だから官房長官の菅が彼のスキャンダルを流した時も、『そんなのデマに決まってるだろ』と直ぐ思いましたもん。寺脇氏もマスコミでの発言を読んでいる限りでは、まともな人です。彼は文科省在職中から映画評論をやっているような人です。そういう人たちはどういう想いで文科省に勤めていたのでしょうか。


彼らは、年齢や性別、地域にかかわらず学びたい人が学ぶ機会を保証する生涯学習』の理念を強調します。中曽根内閣時代の臨教審で取り上げられた概念で、それ以降 文科省の政策も基本的にはその理念に沿って進んでいるそうです。当初 中曽根時代の臨教審の意図は国家主義的な色彩が強い物でしたが、政治家や官僚らの働き掛けで換骨堕胎(笑)、『生涯学習』の方針が定められたそうです。


それ以降 民営化などの新自由主義的な風潮政治家が持ち出してくる国家主義的な復古基調の二つに抗しながら、彼らは仕事をしてきた そうです。もちろん官僚ですから大臣の命令や法律の定めた通りに業務をするわけですが、その中でも政治家の不当な干渉をはねのけたり、理念を生かすための法律や省令を起草して、少しでもマシな方向に進むよう戦ってきたそうです。前川氏や寺脇氏だけでなく、文科省には昔からそういう気骨ある官僚がいたそうです。


ボク自身は『ゆとり教育』に対する批判は的外れのものが多いとは思います。よく『ゆとり世代』と揶揄されますが、ボクの知る限り、その世代には自分の頭で考えられる優秀な人が多いです。自分の頭で考えられない人が多いのはもっと上の違う年代じゃないですか(笑)。これだけ環境変化が激しい中で従来の受験教育、詰込み型の教育を続けても、日本の将来には害は合ってもメリットはありません。
またこの本の中では文科省(一部の役人)が、教科書検定への政治家の圧力の排除や給食を民営化から守ったことや各種規制など日本の利益になったことが挙げられています。それは知りませんでした。我が身の不明を恥じます。かといって文科省のやってきたことが諸手を挙げて褒められるようなものかというのも疑問です。教科書検定然り、もんじゅ然り、ゆとり教育だって見直すべき点はあります。そこいら辺はボクは教育の実態に詳しい訳でもないし、それほど興味もないので判断できません。



この本で最も印象に残ったのは、前川、寺脇、両氏の組織内での身の処し方戦い方です。組織に属している以上 自分の意にそぐわないものでも組織の命令に属さなければなりませんが、ただ命令を聞いているだけならバカも同然。前川氏や寺脇氏、それに彼らの先輩らが如何に面従腹背してきたか。如何に抵抗してきたか。彼らの体験談は今も組織に属しているボクも非常に共感できるし、とても勇気づけられます。
あと二人とも 故小渕総理を高く評価しているのは意外でした。在任当時の評判は必ずしも芳しい物ではありませんでした。しかし、それは彼が各方面に目配りをしていたからこそ、だったのかもしれない。ボクも含めて国民に見えてなかったものは大いにあったのかもしれません。


現代のように複雑な世の中になると、一気呵成の革命なんてあり得ないと思います。仮に政権交代したって、よりマシな世の中にしようと思えば ゆっくりと歩まざるを得ない。例えば金融市場税率ひとつとっても、今の世の中は明らかに金持ちや金融業者に有利なようにルールが出来ています。ボク自身はもっと連中に課税したり、規制をかけろと思いますけど、あまり過激なことをやったら株式市場が大暴落する。金持ちのカネだけでなく、我々の年金だって少なからず株式市場に投入されていますから、我々だって影響を受けます。むしろ庶民の方が悪影響は大きい。
文部行政だって、明日から急に方向転換するわけにはいきません。10年くらいかけて方向を少しずつ変えていかないと、犠牲になる人が大勢でます


しかし前川・寺川両氏が戦ってきた、規制緩和万歳の新自由主義者や時代錯誤の国家主義者は(バカだから)、急激に物事を変えようとする。安倍政権はそれに加えて、権力の歓心を得ようとする側用人が跋扈する側用人政治である、と指摘します。それが加計学園の問題の本質だと。政治主導は構わないが、それにたかるハエがいる(笑)。この本の中で前川氏は『ネトウヨは自己肯定感が著しく低い人たち。ああいうものを作り出してしまったのは明らかに教育の失敗』と述べていますが、まともな人間が官僚の職務を忠実に努めようとするなら、そういう風潮に少しでも抵抗しなくてはならない。


結局 世の中を変えていくには一人一人が自分の持ち場で戦っていくしかない。そうやって世の中を少しずつ変えていくのが現実的だし、最も良い方法だと思うんです。一つのイデオロギーで割り切るには今の世の中はあまりにも複雑すぎるからです。


かっては文部省の中で、退官後は夜間中学やNPO、大学という持ち場で小さな戦いを実践している前川・寺脇両氏がこの本で語っていることは、現代のゲリラ戦教本みたいなもの、と言ったら言い過ぎでしょうか😄。彼ら自身が言っているように、前川氏や寺川氏が批判を受けるべき点はあると思います。が、それでも一人一人が少しずつ戦っていかなければ世の中は良くなりません。そうである以上 この本の価値は彼らへの批判で減じられるようなものではないと思います。




ということで、今週も官邸前抗議へ。#金曜官邸前抗議
冬本番。ほんとに寒ーい。おまけに抗議の始まる少し前から雨が降り出しやがった☔😇 でも来週は野暮用で官邸前抗議にいけないので、そんなことも言っていられません。悪天候の今日、参加者は400人。

●抗議風景




●雨と風で時折 銀杏の葉が舞い落ちます。


先日 中国へ行って、日本のダメさをつくづく痛感しました。国営放送のトップニュースが『国際情勢の中国』と『デブが酒飲んで暴れた話を1週間以上やってる日本』とでは経済だけでなく知能の面でも差がどんどん開いていくに決まっています。
ボクは見なかったんですが、今週4日のNHKクローズアップ現代+で、中国が再生可能エネルギーの普及に懸命に取り組んでいるという特集をやったそうです。

中国“再エネ”が日本を飲み込む!? - NHK クローズアップ現代+


国際エネルギー機関の推計によると、中国は『2040年には再生可能エネルギーの発電量が現在の3倍になる』ことが予測されています。


実際 2050年には再生可能エネを全電力の8割にするという目標が掲げられ、今秋 習近平はこんな号令をかけたそうです。

ボクも意外だったのですが、福島の事故以来 中国でも原発反対の声が高まり、近年 原発の新設は許可されていないとのこと。


原発の替りを再生可能エネルギーで、というわけです。電子マネーをわずか数年で300兆円以上もの規模まで普及させた中国です。再生エネルギーだって、やり始めたらものすごい勢いで進めるに決まっています。
●こんな感じで進んでいくでしょう(地方都市の大連ですら、この建設ラッシュです)。


そうすることで得た再生可能エネルギーによる電気や発電技術は中国にとっては大きなビジネスチャンスになります。電気自動車やリニアモーターカー、さまざまな分野への技術波及も大きいでしょう。
2000年代 日本が技術的な優位を持っていた太陽光パネルや液晶、家電、メモリーは中国や韓国に見事にひっくりかえされました。そして今 日本に残っているわずかな商機・勝機も、判断力・決断力の欠如で失われていくわけです(笑)。
●既にこんなに差が出ています。これじゃ日本が国際競争なんかできるわけありません。


政治家も役人も大企業も過去の成功にこだわり、そこから抜け出すことができない日本国民は現実を直視するのを避け、目先のことしか考えない日本。20年後か30年後のこの国は、沈滞感が今以上に漂う、年寄りばかりの貧乏国になっているんじゃないでしょうか。だったら、今のうちにアメリカの51番目の州になった方が良いですよ(笑)。