特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『魂を取り返す:前川喜平講演会(の話)』と『0804再稼働反対!首相官邸前抗議』

ぐずついたお天気が続いていますね。でも、すこし涼しいから身体は多少 楽です。今朝 電車に乗ったら大荷物抱えた学生が大勢いました。学校の夏休みの旅行だか合宿なんでしょう。ボクには縁がないけど、もうそういう季節なんですね。
●今朝、雨上がりあとに咲くお花(名前知らない)。夏場で花は減りましたけど、頑張ってます。



さて、内閣の改造も居直りというか、線香配って選挙違反で公民権を3年停止された前科者の小野寺が防衛相ですか(失笑)。挙句の果てには何が『人づくり革命』だよ。頭おかしいんじゃないでしょうか。


岸田は泥船からうまく閣外に逃げたけど、林芳正のようなリベラルな人がどうして文科相なんか受けちゃうかなあ。河野太郎に外相が務まるんでしょうか?やっぱり、ポストを目の前にすると人が変わっちゃうものなんでしょうか。日常生活でも、そういう人の方が多いものです。


もちろんポストを受けたかどうかだけでは、人間は判断できないです。問題は結果ですけど、安倍晋三が結果を出す前から、結果を出すための仕事人内閣とか自称してるのも、それをNHKのニュースが嬉々として伝えるのも頭がおかしい。結果を出すとかいって、残業代ゼロ法案なんて成立させられても困りますし。


嘘つきと政治の私物化の総本山の安倍が辞めないのだから、小手先の内閣改造をしても、さっき発表された最新の支持率はこの程度です↓。これからあとは落ちるだけです(笑)。

世論調査:改造内閣支持率35% 不支持率は47% - 毎日新聞


一方 民進の党首選も前原と枝野の争いですが、どうでもいいですね(笑)。細野が辞めると言い出したのもグッド・ニュース👍。


枝野の方が前原よりリベラルというだけでなく、安保法案の時 枝野は国会前の路上に出てきて本気でスピーチしてましたから、ボクは彼に思い入れはあります。尖閣問題で揉めた外相当時 前原は超無能でしたけど、今 井出英策慶大教授を連れてきて政策ビジョンを作らせているのは彼だし、彼が安倍晋三のように前回の失敗を少しは学べる可能性はないわけでもない。はっきりいってどっちでもいいです。民進党にとっては枝野か前原かより、市民か組合かどちらを選ぶのか、の選択の方が問題です。


今の政治状況を見て福田元首相がこんなことをやってると『国家の破滅が近づく』とまで言い出しました。慎重居士の彼までがそう言いだした。憲法や法律は無視され、事実は覆い隠され、まともな議論も行われず、国家が私物化される。それは安倍晋三とその一派だけでなく、連中をのさばらせておく無関心な国民の責任です。

https://this.kiji.is/265433769627074564


さて、8月2日に前文部次官の前川喜平氏が福島で講演会をやったそうです。

http://www.asahi.com/articles/ASK826HL9K82UTIL040.html
http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/02/story_n_17661712.html


テーマは夜間中学。今 福島の自主夜間中学で週1回 教師をしている彼が、夜間中学の意義について語るものでした。他にも「加計孝太郎と今治市長を証人喚問するべきではないか」という話もあったそうです。
新聞記事ではそれだけなんですが、福島県市民連合の人がネットに上げていた講演の内容は感動的でした。
●色んな人が内容をtweetしています。是非ご覧ください。⇒ 前川さん 大いにかたる


前川氏が2015年9/18の国会前のSEALDsの集会に来ていた0918戦争法案に反対する国会前抗議行動 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)というのは驚きました。公務員でもサラリーマンでもそういう人は大勢いると思います。ボクが彼と会ったのは2015年6月、既に国会前の集会は始まっていましたから、そういう話をすれば良かった(笑)。


夜間中学の話も知らなかったことだらけだったんですが(例えば公立夜間中学の生徒の7割が外国人だそうです)、特に感動したのが 組織の中での身の処し方の話です。福島には『ならぬものはなりませぬ』という掟があるんですか?彼はその 『ならぬもの』を自ら見抜く力を養うことが重要であると説きます。その通りですよね。今の世の中 複雑すぎる。そう簡単には物事の是非は判断できません。だからこそ、自分で考える力を養わなくてはならない


さらに彼は『自分が文科省と言う組織にいる時 官邸との関係は、蛇に睨まれたカエルだった』と認めつつ、こういいます。
魂を組織に一時的に貸すのはいいが、必ず取り返すべき。魂を売りっぱなしにしたのが財務省(笑)』。


なんで在任中に告発しなかったのか、と彼を非難する人がいます。ボクはそれは違うと思います。きれいごとはいくらでも言えます。組織の中で正面切って全面戦争できる人はそんなにいません。非難してる奴だって、どうせできないでしょ(笑)。そういう奴ほど実生活では『忖度』しているはず(笑)。今の世の中 誰だって組織や人の関わりの中で生きています。その中ではどうしたって妥協も生じる。その葛藤の中でいかにふるまうかが大事だと思うんです。そもそも在任中に告発してもマスコミに取り上げられず無駄死にってことも十分あり得るじゃないですか。
それでも TPOを読まずに組織に反旗を翻す人はいないわけじゃないけど、往々にして性急な反旗は判断が論理的に間違っていることも多いし(笑)、そういう人の数も多くない。つまり、それだけじゃ世の中は変わらないんです。


前川氏はエリート官僚だし、中曽根の親戚だし、大企業の創業者の孫です。でも『魂を取り返した』。そういう人を巻き込んでいかなければ世の中は変わらない。前回のエントリー『オバマケアを守った男』と映画『歓びのトスカーナ』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)で触れた米共和党タカ派でありながらトランプに反旗を翻してオバマケアを守ったマケイン上院議員もそうですが、右とか左とか関係なく、魂を取り返すことが大事なんだ、と思います。たまには貸したっていいじゃないですか(笑)。あとで利子をつけて取り返せばいい。前川氏は利子をつけて取り返しました。『国家の破滅が近づく』と直言した福田も魂を取り返したのでしょう。むしろ左とかリベラルとか組合とか言われている人たちの中にこそ、組織に魂を売りっぱなしにしている連中は多いんじゃありませんか。


今は名刺を持たない前川氏は『今後 名刺を持つなら『福島夜間中学教師』と書かれたものを持つ』と言っています。講演で前川氏は自分が、かって登校拒否児童だったことを告白しています。だから彼は弱者の側に立つんですね。
大事なのは右とか左とかじゃなく、人間としてまともかどうか。前川氏や福田の発言を聞いて、改めてそう思いました。



と、いうことで、今週も官邸前抗議。#金曜官邸前抗議
今日の午後6時の気温は28度。温度は兎も角、雨の前のような湿気はムわッとします。参加者は700人。

●抗議風景





先週 7/29土曜日のTBS報道特集の『チェルノブイリで今も残る健康被害』は改めて考えさせられました。
国際機関では、事故から4,5年経って発生した子供の甲状腺がんしか被爆の影響は認められていませんが、汚染地域では『事故から31年後の今になって大人の女性の甲状腺がんが増えている(通常の2倍の発生率)』、『循環器などに障害を持つ人が通常の1.5倍〜2倍も発生している』ということが報じられていました。


ボクはアカデミー長編ドキュメンタリー賞を取った『チェルノブイリ・ハート』で心臓などの循環器に障害や奇形を発した子供たちの姿を見たので、そういうことが起きている、とは思ってました。でも30年も経ってから大人の、しかも女性にだけ甲状腺がんが増えているというのは想像もつかなかったです。やはり、判らないことがあまりにも多すぎる。地域の人の気持ちを考えると本当に気の毒なんですが、検査を何十年も続けていくしかありません。

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あと、もう一つは廃炉の問題です。
事故を起こした原子炉にはコンクリートで封じ込めた石棺にして放射能が散らばるのを防いでいますが、コンクリートの劣化が起きています。今 新たに100年は持つ、という巨大な金属製のカバーが取り付けられたばかりです。


それについて現地の責任者は廃炉のめどは今でも全然立っておらず、何年かかるかわからない、というのです。


福島の廃炉まで40年とか50年とか言われていて、ボクもなんとなくそう思っていました。でも良く考えたら『福島も100年経ってもムリ』な可能性もかなりあるんじゃないですか!チェルノブイリとは状況は違うとはいえ、福島では3つの原子炉から大量に核燃料が流出しているんです。100年経っても廃炉処理できなくても不思議じゃありません。

チェルノブイリにしろ、福島にしろ、政府もマスコミも『終わったこと』として扱いがちです。しかし被爆による健康被害廃炉もまだまだ終わらない。我ながら、認識が甘かったと実感したとともに、そのことを改めて実感しました。あと100年か200年か、事故は終わらないのかもしれません。
原発に反対している人たちの声は無駄ではありません。

●抗議のあとの帰り道 最寄り駅の駅前には地獄絵図が広がっていました 😇