特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『戦争の日本古代史』+NHK『英雄たちの選択』と『日本の相対的貧困率』、それに『0630再稼働反対!首相官邸前抗議』

もう今年も半分が終わりです!毎度の事ながら、時の過ぎる速さは信じられません。勤務先に居る時は時間の過ぎるスピードは遅いんだけど😿。
●先週食べた『カタラーナ』。プリンを凍らせて表面だけあぶったもの。おいしかったです。


豊田衆院議員の下品な罵声にびっくりしたばかりですが、今週の稲田の自衛隊を私物化する失言はその100倍は酷かった。こいつ、これで司法試験通ったんですよね?自分の名誉棄損裁判は連戦連敗ですが😜。こんなバカでも受かるなら、ボクでも司法試験受かるかもしれない🤑。ま、今は弁護士で食うのも大変だそうですから遠慮しておきますが(笑)。

●『SRサイタマノラッパー』、『22年目の告白』の入江悠監督のツイート


加計から金をもらってた自民党都連会長の下村がとどめでしょうか。日本の政治家って、とにかく酷い。民進党だって酷かったけど、稲田の頭の悪さには負けるでしょ。こんなのが大臣なら、日本の将来がお先真っ暗なのも当たり前かもしれません。


7月9日 新宿で安倍退陣を訴えるデモがあります。労組などではなくネット上の呼びかけがベースです。大阪、名古屋でも行われます。

安倍政権に退陣を求める緊急デモ - MARCH FOR TRUTH



さて、昨日29日 NHKのBS「英雄たちの選択」で『白村江の戦い』の特集をやっていました。ちょうど今週、番組に出演していた国際日本文化センター教授の倉本氏の著書『戦争の日本古代史』を読んでいたんです。

英雄たちの選択 - NHK


ボクは日本の古代史にそんなに知識も興味があるわけでもないんです。最近の歴史は我々が学校で教わっていたものとはだいぶ変わっているので知識をアップデートしようと思って読み始めた本ですが、本も番組も面白い指摘をしていたのでご紹介します。


言うまでもなく『白村江の戦い』は古代の大和朝廷が当時朝鮮の一部を支配していた百済の要請を受けて、朝鮮半島に出兵、その百済を滅ぼした新羅と救援の唐にボロ負けしたという史実です。その影響は大きく、戦後 日本の政治体制は動揺し、古代最大の内乱である壬申の乱の遠因にもなりました。
必要もないのに朝鮮半島に出兵して結果はボロ負け、というのは明治期以降の日本の歩みとも重なります。ボクは『バカじゃねえの』😇という感想以外は持ってなかったんですが、面白い指摘がありました。


まず一つ日本には古代から朝鮮半島を含めた小帝国という概念があるそうです。大帝国である中国の劣化コピーです。朝鮮半島百済大和朝廷は内宮家と呼んでいたそうですから身内ですね。天皇家朝鮮半島の出身であることが影響しているんでしょう。明治期以降の日本のアジア侵略には古代以来 蓄積されてきた帝国のイメージが源流にある、と著者は指摘します。


もう一つ 古代以来 現代にいたるまで日本史では『朝鮮半島で体制に動揺が起きると、日本の政治体制には大きな変化が起きる』という歴史のパターンがあるというのです。
百済新羅に滅ぼされて白村江の戦いが起きましたが、その結果 日本では地方豪族の力が衰え、律令制度や戸籍制度(徴税ですね)の導入が進みました。大和朝廷による中央集権化、それも中国風の律令国家になっていったのです。
秀吉の朝鮮侵略もそうです。結果として検地などの中央集権化が進むと同時に秀吉の天下から徳川の幕藩体制への移行が進みました。李王朝の動揺をきっかけに朝鮮半島に進出した明治期以降は言うまでもありません。


たしかに、朝鮮半島での動乱を口実として日本では政権側の管理体制の強化が進むというパターンは古代から続いています『唐と戦争するのは一見無謀に見えるが、地方豪族に出兵させれば負けても自分たちの勢力はさほど傷まない、かえって体制の強化につながる、と大和朝廷は考えていたのでは?』という著者の倉本氏の指摘も含めて、政治のリアリズムというものを考えさせられました。兵隊たちの存在に困って他国へ戦争を仕掛けるというのは裁兵といって、中国でも日本でもよくあることだそうです。モンゴルが自分が滅ぼした南宋の兵隊を使った元冦はまさにそうです。勝てば儲けもの、負けても物騒な兵隊なんか必要ない。要らないものは切り捨てる。それが支配者の本音かもしれません。明治初め 武士の後始末に困って朝鮮へ出兵しようという征韓論もまさにそうですよね。


白村江の戦い後、日本は一気に中国風の中央集権国家になりました。太平洋戦争後 日本は一気にアメリ風の国家になりました。
番組では最後に、司会の歴史学者磯田道史氏が『じゃ、今はどうなんだ』、『古代からのパターンが続いているのではないか』と指摘します。今 日本では北朝鮮の核問題は韓国以上に騒いでいます。例えば今も政府が『ミサイルが飛んできたら』とくだらないネット広告やってますよね。この何年かの一連の動きは朝鮮半島や中国の変化を利用した国内の体制変革ではないか、というのです。ナオミ・クラインのベストセラーの言葉を借りれば、ショック・ドクトリンですね。NHKでもこういう指摘をする番組があるんです。


いずれにしても韓国にしろ北朝鮮にしろ、ムキになって敵視する必要はないけど、下手に金を出す必要はないし適度な距離を置いておくのが一番とボクは思うんですけどね。それより資源がない日本は資源がある国、アメリカやロシア、東南アジア諸国ともっと仲良くしていくことを優先して考えた方が良い
知的興奮を味わえると同時に危機感を感じる番組であり、本でした(7月6日朝8時に再放送)。



さて、今週27日に厚生労働省が『国民生活基礎調査』を公表しました。『国民全体の中で生活の苦しい人の割合を示す相対的貧困率」(15年)は前回より0.5ポイント下がり15.6%だった』そうです。


国民生活調査:子どもの貧困13.9%、12年ぶり改善 - 毎日新聞


わずか0.5ポイントですけど相対的貧困率が下がりましたが、喜んでいていいのでしょうか。景気が良くなっているのでしょうか。ちなみに相対的貧困率とは所得の真ん中の数字の半分しかない世帯が全体のどのくらいの割合を占めるかというもので、OECDなどが使用する国際的な基準にもなっています。今回の調査の場合 貧困線は可処分所得(税金、社会保険料を引いた所得)で122万/年です。自分の家や畑があれば何とかなるかもしれませんが、そうでなかったら手取り122万でどうやって暮らすんでしょうか。

その割合がどうして下がったのでしょうか。厚労省の資料を見るとわかります。

一人あたりの可処分所得金額別の相対度数分布


可処分所得120万円以下の世帯の割合が減る一方、年収200〜320万円の世帯の割合が増えたから、です。要するにパート、非正規雇用などが多いであろうその所得帯の人々が労働時間を増やしたと同時に、高齢化で年金で暮らす世帯が増えたんですね。手放しで喜んでいるような話ではありません。地方在住で家持ちだったらともかく、都市部だったら大変な水準であることには変わりがありません。これじゃあ子供なんか増えるわけありません。この調査によるとシングルマザーの貧困率は依然50%以上です。


じゃあ、この日本の相対的貧困率は世界的に見るとどうでしょうか。下に貼ったのが経済協力開発機構OECD)の2012年のデータです。日本の貧困率は約15%前後であることは全く変わっていません。



●は全体の貧困率、×は66歳以上の高齢者の貧困率、△は17歳以下の若者の貧困率です。国名が小さくて恐縮ですが、赤字の日本、高い水準ですよね。グラフの左からドイツ、フランスはもちろん、今 貧困者置き去りでもめているイギリス、それにイタリア、オーストラリア、韓国より日本の貧困率は高いんです。日本はチリとメキシコよりマシっていうだけです。ま、社会保障が不備な韓国の高齢者の50%近い貧困率もびっくりですが。OECD36カ国の平均は13.3%だそうですが、約15%の日本はもちろんそれを上回っています。


今の日本って厳しい国だなと改めて思いました。日本素晴らしいみたいなくだらないTV番組で喜んでたり、自己責任とか言って知らんぷりしている場合じゃないですよ。しかも少子高齢化です。手を打たなければ、これから格差や貧困はもっとひどくなるんですからね。👎


ということで、今週も再稼働に反対する官邸前抗議へ。#金曜官邸前抗議
午前中は雨でしたが止んで良かった、良かった。今日の参加者は主催者発表で700人。来週は大規模抗議をやるみたいですが、最近は参加者数3桁が定着しているのはちょっと寂しい。


●抗議風景 パナマ帽に半ズボンのおっちゃんは俳優の高橋長英氏。かっこいい歳の取り方だなあ。





今日は盗電、いや東電の勝俣や武藤などの3悪人幹部の公判が始まりました。ボクは連中が在宅起訴と言うこと自体抵抗があるんですが、それでも検察審査会がなければ起訴にすら持ち込めなかったんですからね。アメリカが圧力かけて検察審査会と言う仕組みを日本に押し付けてくれたからです。密室の取調べや代用監獄など、日本の刑事司法制度は前近代的、野蛮なことは日本人1人1人がもっと自覚しなくちゃいけないと思うんです。
●今日の国会前の夕焼け


今週28日 25日に3選を果たしたばかりの川勝平太静岡県知事が『浜岡原発再稼働に反対』と明言しました。選挙が終わったばかりでずるい、という説もないわけではないですが🤗、良いことだと思います(再稼働の住民投票は選挙公約)。事故が起きても逃げる場所すらないのは他の原発と同様だし、浜岡で何かあれば東京だって影響を受ける。ボクの家も200キロ圏内ですからね。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170628-00000084-asahi-pol


浜岡の地元の御前崎市は再稼働させようとしていますが、福井などと違って他に産業がある静岡県にとっては原発が不可欠というわけではない。むしろ地元を代表する大企業で県政にも大きな影響力を持つスズキの会長などは再稼働反対を明言しています。自社の工場の存立にとって大きなリスクになるからです。名経営者と言われる鈴木会長ですが、さすがの判断だと思います。川勝知事が再稼働反対を明言できるのも、経済的な裏付けがあってのことでしょう。原発に反対する人の中には『(原発の)金より命が大事』と言う人がいますけど、それでは無理なんです。頭悪すぎ。現実に原発を止めるためには、経済のことを考えるのも不可欠、と改めて思いました。