特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『祝 SRサイタマノラッパー TVドラマ化』と『#年金献上』、読書『キャスターという仕事』、それに『0203再稼働反対!首相官邸前抗議』

今日は恵方巻きの日だそうですけど、関東で騒ぐようになったのは最近です。関西発祥っていいますけど、関西でも全然知らないっていう人もいますよね。船場でおねーちゃんと遊んでた旦那衆の発想だってYahooニュースのトップに出てましたけど本当なんでしょうか。恵方巻は作られた伝統なのか 発祥は花街、「怪しげな風習」が広まった理由とは
恵方巻きなんてコンビニやスーパーの戦略、まさに資本主義のペテンみたいなものです。怪しげなうんちくで、たいしてうまくもない巻きずしを割高価格で買わされるわけです。だけど、欲しいって言われたら買ってこざるを得ない(笑)(泣)。そこは理屈や理性じゃない。人間社会の非合理性がこんなところにも表れています。トランプに投票するような奴がいるのも恵方巻きなんてものも、人間はそもそも非合理的なものかもしれません。


さて、今週は良いニュースがありました。映画『SR サイタマノラッパー』シリーズが4月からTVドラマ化されることになったそうで、嬉しい限りです。

IKKU(駒木根隆介)、TOM(水澤紳吾)、MIGHTY(奥野瑛太)の3人によるヒップホップグループ「SHO-GUNG」が東北各地をさまよいながら、ずっと追い続けてきた“諦めきれない夢”“青春”にケジメをつける姿を描く。SR サイタマノラッパー~マイクの細道~:テレビ東京

                                   
2009年の第1作以来 自主制作にも関わらず大ヒット。今やメジャー作品をも撮るようになった入江悠監督だけでなく、超カッコいい音楽担当の岩崎太整もメジャーになったし、主演の見るからにさえない3人もCMや大河ドラマにも顔を出すようになりました。
埼玉県を舞台にラッパーを目指す冴えない若者たちの奮闘を描いた映画第1作、

SR サイタマノラッパー [DVD]

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群馬を舞台にラッパーを目指す冴えない女子たちの苦闘を描いた第2作、栃木を舞台にラッパーを目指す冴えないカップルの逃亡劇を描いた第3作、

第1作から第3作まで全部面白いです。ラップなんか全然興味なかったんですが、『SRサイタマノラッパー』はもっと普遍的なお話、冴えない市井の人間がどうやって生きていくかという根本的な価値観のところで共感できる作品でした。それがまさかのTVドラマ化。
テレビ東京えらい!テレビ東京さすが!テレビ東京サイコー!(笑)
放送が開始される4月7日が今から楽しみ。毎日 嫌なことばっかりだけど、これも小さな希望の一つにして何とか耐え忍んでいきます(笑)。
●このももクロちゃんの発言は古市憲寿との対談でのものです。


さてさて 木曜日に報じられたこのニュースにはさすがに驚いたので挙げておきます。
安倍晋三が我々の年金をアメリカのインフラ投資に使うって言うんです。公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ :日本経済新聞

具体的には安倍晋三がトランプとの会談の時に、GPIF年金積立金管理運用独立行政法人アメリカ企業の社債を購入することを表明するそうです。日経が報じた後 GPIFはこれを否定するリリースを出しました。でも それを本気にする人っているんでしょうか(笑)。勿論 運用の為に外国企業の株式や債券をGPIFが買うことはある。だけど、それは運用の為であって、アメリカ経済の為ではありません。ましてトランプに媚を売るためではありません。安倍晋三日本の年金を使って国内雇用ではなく、アメリカの雇用を増やすって会談で言うんでしょ(笑)。我々の年金は運用のためではなく、恣意的な投資に使われる可能性もあるわけです。年金まで献上すりゃ、エアフォース・ワンにも乗せるだろうし、ゴルフくらいするでしょうよ。トランプの会社のゴルフ場の宣伝がてら(笑)。

アメリカの歓心を得るためなら何でもやる、という安倍晋三にはある意味 感心します。自分の権力維持のためには手段を選ばない。野党は爪の垢でも煎じて飲むべきです。でも恣意的に投資した企業が潰れたら年金はどうすんの?国民も年金もどうなってもいい、ってことでしょうか?

売国とかそういう言葉は使いたくありませんが、さすがにこれは酷い。まさに#年金献上。国民も怒らない。ニュースで報じられても、『良くわからないけど難しいことを言ってるな〜』ってなもんでしょう(笑)。かといって、野党側にも政権運営をする能力もない。こんな政治家や国民しかいないのなら、やっぱり日本の活路はアメリカの51番目の州になるしかない、と改めて思ってしまいました。



もうひとつ、読書の感想です。1月に出版されて話題の『キャスターという仕事』。昨年3月まで放送されていた『NHKクローズアップ現代』のキャスターだった国谷裕子さんの本。

大学を卒業後 外資系企業を辞めてぶらぶらしていた彼女が偶然 キャスターになるまで、そして約20年間の『クローズアップ現代』を振り返ったものですが、単なる回顧談ではありません。放送当時のエピソードを交えながら報道、TV、インタビューに対する本人の考え方が色濃く伝わってくる本です。

                                         
番組が放送された20年はどういう時代だったのか。国谷さんはこう述べています。

この20年で国民の平均所得は200万円減り、サラリーマンが安定した仕事ではなくなり、かっては大半を占めた片働き世帯を20年ほど前に共働き世帯が追い越し、女性が働くのが当たり前の時代になった。しかしその一方でバブルの頃 女性の正規雇用の比率は70%、クローズアップ現代がスタートした20年前でも60%あったのが、現在ではおよそ40%にまで減ってしまっている。

                                                   
読んでいて、ハッとしました。確かにそうなんですね。我々はそんな時代に生きていた。だから『インタビューの際 暗い顔をしていたことが多かったかもしれない』と言う彼女のエピソードは面白いです。シュレーダー独首相やアラファト議長、それに石原慎太郎田中康夫、菅官房長官高倉健原発事故の被災者など様々な人へのインタビューや視聴者の反応など非常に興味深かった。


本の中では例の出家詐欺報道にしろ、原発報道にしろ、政治家への報道にしろ、国谷さんの反省の弁も目立ちます。
確かにクローズアップ現代』は正直 外れの回もあったし、突っ込み不足と感じた放送も多かったです。しかし、物事を公平な視点で伝えるという点では出色の番組でした。安定した知性と言ったら良いでしょうか。個人的にはクローズアップ現代』とTBS土曜日の『報道特集』だけ見ていれば、他にTVの報道番組なんか要らない、と思ってたし、今もそう思います。特にボクはTV朝日のニュースステーションみたいな扇情的な放送って大嫌いなんです。
本の冒頭 国谷さんは『テレビの持つ危うさ』として以下の3つを挙げています。
1.事実の豊かさを削ぎ落してしまう
2.視聴者に感情の共有化、一体化を促してしまう
3.視聴者の情緒や風向きにテレビが寄り添ってしまう。
                                                                
成程 この人はそういうことに自覚的だったんだ。これはテレビだけでなく、ネットや週刊誌など、他のメディアにも当てはまることですよね。最近 話題のポスト・トゥルース:『偽ニュース』や『デマ』なんかその例でしょう。今や政府やメディアが堂々と偽ニュースを流している時代です。だからこそ国谷さんは、安易な判りやすさに走らず『言葉による問いかけ』を出すことが重要だ、と繰り返し述べています。

視聴者が求める『判りやすさ』に応えることは本当に視聴者の為になるのだろうか。(中略)
わかったと思った瞬間 そこで人は思考を、考えることを止めてしまうように思える。

                                       
番組が放送されているときから、国谷裕子さんという人は非常に優秀だと思ってました。『毎日 あれだけの量・ジャンルの情報を咀嚼して、尚且つ自分の言葉で話せるキャスターなんて中々いない』と思っていたからです。ボクはできないもん(笑)。番組同様 この本は声高な主張はないけれど、よく読めばちゃ〜んと判る深い知性に裏打ちされています。なによりも世の中の複雑さに誠実に向き合っています。それでも彼女は言うべきことは逃げてない。例えば この2,3年のNHKの空気は変質した。特定秘密保護法はクロ現で取り上げることが出来なかったし、安保法案も成立後に1回しか取り上げることが出来なかった、とはっきり指摘しています。

                             
番組が終了して10か月。超ハードな仕事を20年以上続けてきた国谷さんですから、お休みもいいかもしれません。でもこれだけの知性と志がある人って中々いないです。他人に頼るのは良くないですが、この人にはもっと仕事をして欲しいです。彼女自身だって、こう言っているのですから。

経済格差などで社会が分断され、加えて財政難と低成長に直面する中、一つの問題の解決がまた別の問題を生み出すなど、課題が互いに絡み合い、課題解決に向けた合意形成はますます必要になっている。そういう状況だからこそ、考える材料や議論を促す、いわば『情報のプラットフォーム』を提供する報道番組はより一層必要だと思う。

                              
この本は単なる回顧談ではなく、情報過多な現代に対応する為にメディア論、実用的な情報リテラシーになっている。一言で言うと『豊かな本』でした。素晴らしかったです。

●例えトランプを引きずりおろしても、副大統領ペンスだって公民権運動を否定する札付きの人種差別主義者ですからヤバいんですよ。




ということで、今週も官邸前抗議へ。昼間は暖かでしたが、夕方は寒い。気温は9度でした。今日の参加者は先週よりやや少なく、主催者発表で750人。 


●抗議風景




      
今週は日立が原発関連の米合弁会社で700億の損害を計上することが発表されました。
 
日立、ウラン濃縮技術の開発撤退 :日本経済新聞

それでも損を出したのはGEが6割、日立が4割の合弁会社ですから、損害も4割で抑えられました。リスクヘッジ東芝より出来ていたわけですが、原発事業に対する見積もりが甘かったのは日立も東芝と変わりません。また三菱重工は以前から、サンオノフレ原発の事故で7000億〜9000億もの賠償金をアメリカの会社から請求され裁判になっています。これが敗訴ということになれば、三菱重工自己資本の半分が吹っ飛び、経営危機に陥ります。

米電力など、三菱重に9300億円を請求 原発事故で :日本経済新聞

今週 30日に東芝半導体だけでなく、WHの株を売るとか言いだしましたが、買い手がそう簡単に見つかるわけはありません。売るとしてもたたき売りしかできないでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170131-00000022-jij-bus_all

さらに今週1日に東芝株を持っている信託銀行は東芝粉飾決算に対して損害賠償を求めることが報じられましたし、GPIFは昨年 既に東芝を提訴している。生保など他の企業も続く可能性も高い。


信託銀、異例の東芝提訴へ 投資家の利益優先 :日本経済新聞

                                               
今や日本の原発メーカーは揃いも揃って大損害を被っています原発事業ってロシアとか中国とか人間の命を顧みない独裁国家でしか出来ない事業なんですよ(笑)。西側諸国の原発メーカーは仏アレバも含めて全滅じゃないですか!

太平洋戦争も原発も上層部が撤退の決断がなかなか出来ずに、傷口がどんどん広がりました。それで日本は亡国の一歩手前まで行ったし、今や日本有数の巨大企業 東芝も潰れかかっています。組織の無責任さ・論理性の欠如は『空気』(By山本七平)と言っても良い日本の巨大組織の病理なんだと思います。東芝が潰れようと日本が潰れようと、ボクの知ったこっちゃありません。でも日本的組織の 『空気』に引きずられて同じようなことになるリスクは誰にでもあると思うんですよ。それは気をつけなければいけないなあと思います。