特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『潜水艦の輸出』と『日本のお仕事』、それに『0429 再稼働反対!首相官邸前抗議』と『安倍政権の退陣を求める国会前抗議行動』

桜の花が終わったと思ったら、ツツジの花が咲いています。同時に新緑の匂いが香ってきます。気持ちいいですね。一年中ゴールデン・ウィークだったら良いのに(笑)。

                                  
今週 日本がオーストラリアに潜水艦を輸出しようとして失敗したのが報じられました。大変良かったです(笑)。武器で金儲けなんかしなくてよろしい。というか、儲かるかどうかだって疑問なんです
27日に川崎重工の社長が記者会見して『(武器輸出は)国策なので同盟国との友好関係のために必要とあれば政府に協力していく」としつつ、「ビジネスにつながるかどうか、考えないといけない」と慎重な姿勢を示した。』そうです。

http://www.asahi.com/articles/ASJ4W52YSJ4WUTFK00C.html


よく『軍産複合体の陰謀ガ―』と言っている左寄りの人が居ますけど、アメリカやフランスならともかく、日本では誇大妄想 (笑)、とボクは思っています。日本の防衛産業の規模なんて年間2兆円もありません。工業生産額全体の0.6%もないんですhttp://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/13011101.html 。その程度の規模の産業が、陰謀を巡らして国を動かしているなんて信じてる人がいたら頭が悪すぎ でしょう。
しかも下請けまで含めた防衛関連企業の数は『例えば護衛艦の生産に関わる企業というのは2500社、戦車で言えば1300社、戦闘機では1200社』だそうですhttp://www.mod.go.jp/rdb/tohoku/fmradio/12gatuhousou.html。それだけ1企業当たりの儲けは少ないということになります。実際 防衛産業に携わる企業の半分は売上依存度は10%以下、50%以上あるのは殆どが中小企業だそうです。アメリカでもイギリスでもフランスでも防衛産業がバンバン合併して規模を確保しているのとは雲泥の差です。つまり日本の防衛産業は輸出とかそれ以前に産業構造自体に欠陥がある川崎重工の社長ですら『儲からねーんだよ。』と言いたくなるわけです(笑)。大企業だって多くは嫌々防衛産業に携わっている と役人ですら、言っています。http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/13011101.html。だから オーストラリアへの潜水艦売込は企業でなく、駐豪大使がメインだったそうです。それで商売なんかできるわけないじゃないですか(嘲笑)。
                 

もちろん輸出市場を広げたいと思っている企業は居るでしょうけど、実戦でテストをしたことがない、しかも生産数が少なくてコスト競争力がない製品を積極的に買う国がそんなにあるわけがない。まして雇用の問題もあるのだから、日本を選ばないオーストラリアの判断は当然です。
既に三菱重工やNECですら青息吐息の今(笑)、日本の防衛産業に将来があるとは思えません。技術力だって疑問視されるだけでなく、コスト競争力、市場規模、産業構造、全て問題だらけ。原発同様 日本の防衛産業も市場競争に任せておけば、自然に滅びるでしょ(笑)。そこへ無理やり安倍政権が輸出市場を広げようとしたんでしょうけど、案の上 失敗の巻でした(笑)。


                   
もうひとつ、昨日 日本の産業について興味深いニュースが流れていました。経産省が『AIやロボ、対応できないと雇用735万人減』という試算を発表したんです。『何も対応しなければ2030年度には国内雇用が735万人減る(2015年の労働力人口の1割強)との試算を発表した。海外企業にAIなどでビジネスの根幹を握られれば、日本企業の下請け化が進んで賃金の高い仕事が国内から流出する』というのです。AIやロボ、対応できないと雇用735万人減 30年度経産省試算 :日本経済新聞

経産省2030年、日本の就業構造はこうなる、としています。各分野とも大幅に就業者数は減少しています。単位は万人です。
●就業構造の試算

経産省の発表資料 http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/008_04_00.pdf

経産省の言っている『変革』というのは『AIやITを取り入れ規制緩和を進めて経済構造を変えましょう』という話です。どちらにしても数字自体はいい加減なものですが、大筋はこうなるだろう、とは思います。AIやIT(IOT)によって人の仕事はどんどん機械に代替されます。人口減の日本は尚更でしょう。問題なのは人間に残るのは賃金が安い仕事が多い、ということです。人数が増える、もしくは減少数が少ないと予測されている仕事はどちらかというと賃金が高そうではありません。高賃金の『上流工程』は誰にでも直ぐ出来る仕事ではありません。長い期間 教育を受けて初めて対応できる仕事です。
                                                  
なぜかマスコミには報じられなかった、この表↓を見ると一層ショッキングです。大多数の産業ではこれから就業者数が大幅に減っていくのですから。これは大変なことだとボクは思います。
●産業構造の変化の試算。


技術の進歩は人々の格差を広げる方向に進んでいます。技術進歩を資本と考えたら、ピケティが言っている『資本主義では「持てる者」はより豊かに、「持たざる者」はより貧しくなる』ということと重なります。かといって技術進歩を抑えるわけにもいかない。難病治療など有益な技術だってありますし、他国との競争だってあります。格差を抑えるための累進課税や資産課税や相続税の強化、国をまたいだ金融への課税、教育の強化など、技術のデメリットを飼いならす術夢想し、考え、学び、実現していかなければ、我々には明日は無いでしょう。何もしないで手をこまねいていたら、将来はアベノミクスどころではない、地獄の格差社会(笑)になるんじゃないでしょうか。
今後 我々は豊かになるのではなくて、賢くならなくてはならない。それがこれからのキーワードだとボクは思います。



ということで、今週も官邸前
昼間は暑いくらいでしたけど、夜になると気温も下がり風も出てきました。今年買ったスプリングコートの活躍場面が出来ました(笑)。今日の参加者は主催者発表で800人。
●抗議風景







                                     
やっと、今週 東芝が2600億円ものWHの減損を認めました。『減損』って企業の会計上の言葉です。以前東芝米原発メーカーのウェスチングハウスを買収したのですが、相場の2倍以上の高値と言われるバカな価格でした。案の上 買収価格に見合っただけの利益を出すことができず、子会社のウェスチングハウスは不良資産であると認めて損失を計上した、ということです。
東芝が減損を認めた4月26日はチェルノブイリの事故の30年後の日、皮肉なものです。

                                
東芝は稼ぎ頭だった東芝メディカルと家電事業を中国企業に切り売りして『減損ができるようになった』から、減損処理を行ったわけです。その件について日経ビジネスに出ていた『東芝の国有化が始まる』という記事は鋭いと思いました。東芝、米原発事業の巨額減損で始まる「国有化」:日経ビジネスオンライン

虎の子の事業を切り売りして減損をしても東芝自己資本比率はわずか5.5%(日立が以前潰れかけた時は10%でした)、依然 風前の灯です。東芝に残されたのは半導体原発などの社会インフラ事業。半導体はサムソンなどとの投資合戦ですが、自己資本比率がそんなに下がった企業に銀行がまともにカネを貸すはずがありません。原発は2030年までに45基を受注する計画だそうですが311以降の5年間、東芝の原子炉受注はゼロ!なんですから、ムリに決まっています。そんなことは子供にだって分かる(笑)。

それでも まだ東芝の経営陣が原子炉にしがみついているのは不思議ですが、やはり組織のことなかれ主義なんでしょう。きっと終戦末期の大本営ってこんな感じだったんでしょうね。組織の『空気』の中では、人間はこんなにも判断力を失ってしまうのです。いや、これは他人事ではありません。

それはさておき(笑)、東芝が早晩行き詰るのは目に見えています。原発関連会社は東電に続いて、原子炉メーカーも自力ではやっていけなくなった。他の原発関連企業の行く末も目に見えるようです(笑)。


                                
今週からは高校生たちが『安倍政権の退陣を求める国会前抗議行動』をやるとのこと、反原連と時間と場所の調整をしたそうです(笑)。しょうがない、元高校生も応援しに行かなくてはいけない(笑)。

官邸前から国会前へ回ると思いのほか大勢の人が居ました。昨年のSEALDsだって最初は7〜800人くらいでした。今日はもっと少ないんじゃないかと予想してたんですが、1000人以上は軽く居ました。2000人弱くらい居たかもしれない。ボクのように官邸前抗議と掛け持ちする人もいたし、20代くらいの若い人もそれなりに多かったです。*翌日の赤旗には参加者700人と出ていました。そうかなあ?
●抗議風景





選挙、特に地方選挙で安保法案反対を前面に出すのなんてアホじゃないかとボクは思っています。どの世論調査を見たって有権者の関心はそんなところにはないからです。経済や社会福祉がメインに決まっています。
でも選挙以外では、安保法案を見直そうという声を挙げるのは当然じゃないでしょうか。そこで盛り上がっていけば有権者の関心も上がり選挙の大きな論点にもなるかもしれない。要はTPOが大事ってことです(笑)。
今日も高校生たちのコールは相変わらず異常にテンポが早かったですけど(笑)、若い人も含めて参加者は非常に熱気があります。ちょっと意外なくらいでした。マスコミも大勢来てました。
これから暖かくなっていきます。選挙に向かって、どんどん盛り上がっていけばよいと思います。
ストーンズのSTREET FIGHTING MANの歌詞。毎年引用しているかもしれませんが(笑)
Cause summers here and the time is right for fighting in the street, boy
夏が来て、市街戦にはもってこいの季節になった。