特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『本業が大事』(笑)と『今ボクに出来ること』、それに『0626 再稼働反対!首相官邸前抗議』、それに『戦争法案に反対する国会前抗議行動』

相変わらず、嫌なニュースばかりだけど(笑)、昨日の日経でこんな記事が目につきました。『アメリカでウェルズ・ファーゴという銀行が快進撃している』というお話です。NY特急便 「米銀価値最大」ウェルズ・ファーゴはどこまでいく :日本経済新聞
と言っても馴染みのない人が多いかもしれません。アメリカの金融機関というと、組織ぐるみの泥棒、政府の黒幕、1%の代表で麻薬漬け、人間のクズという悪辣なイメージしかありませんが(笑)、ウェルズ・ファーゴはサブ・プライム・ローンや、新たな金融商品などの投資銀行業務には一切 手を出さず、個人から預金を集めて住宅ローンを貸し出す、銀行本来の業務しかやらない堅実な銀行として昔から有名です。ウォーレン・バフェットが愛して離さない銀行 ウエルズファーゴは米国のリテール・バンキングのトップ・ブランド - Market Hack
今までボロ儲けしていた他の銀行がITバブル崩壊やリーマン・ショックで落ち目になるなかで、銀行本来の業務だけに専念するウェルズ・ファーゴ銀行は順調に業績を伸ばして株価も上昇、今や時価総額は37兆円、普通銀行では1位になっているそうです。
                                                       
その銀行の最新CMが話題になっています。内容は、レズビアンカップルが手話を習って、言語障害の女の子を養女に迎える、というものです。最後に『誰もが様々な事情を抱えている』、『家族が増えたら、ウェルズ・ファーゴ』(笑)。


見る人を包み込むような優しいイメージ様々な人を受け入れる思慮深さが溢れていて、ボクは大好きです。最後に出る同社のキャッチコピー『Together We Will Go Far』とぴったりマッチしている。カップルが言語障害の女の子と初めて対面するときに『You Beautiful!』と手話で呼びかけるところは泣かせました(笑)。ところが、一部のキリスト教保守派はこのCMに怒って、ウェルズ・ファーゴ銀行をボイコットしろ、と騒いでいるらしい。だが 同銀行は『LGBTも大事な顧客』と全く意に介していない、という(笑)。
日本でも原発に一貫して反対している城南信用金庫は『他の銀行が熱心に販売している投資信託や保険などの商品は一切扱わず、元本保証型の商品しか売らない』と言うのがポリシーだ。この6月末で退任する吉原毅理事長によると「地域経済に貢献することが信用金庫の本来の仕事だから」だそうだ。ウェルズ・ファーゴ城南信用金庫も頑なに自分の本業を守っているところが面白い。

ボクは企業なんか大嫌いだが(笑)、企業にも世の中に貢献するためにできることはある、と思っている。儲けは大事だし、儲けを考えないのは只のバカだが、儲けは目的じゃない。企業には『世の中のためになる仕事をすることで儲けを得て、それを分配する』という役割はあるはずだ。だからこそ、株式会社の登場以来500年間 企業という存在が続いているわけだ。何でも大企業のせいにする共産党はそういう基本的なことが判ってない(笑)。
もちろん 悪辣な企業はいっぱいあるし、世の中に貢献しないくだらない仕事をしている企業も沢山あるけれど(ボクは、広告代理店とかコンサルとかは大嫌いだ!)企業社会においても希望というものはある、と改めて思った。拝金主義の権化のような金融機関ですら、ウェルズ・ファーゴ城南信用金庫のような例があるのだから一人一人が賢くなって、道を踏み外さないようにしていけば世の中はもう少しマシになる、と思う。
●化粧品メーカーのLUSHのこのキャンペーン『Gay is OK』も素敵だラッシュ公式サイト Lush Fresh Handmade Cosmetics
*それに引き替え、『渋谷区のような同性愛パートナーシップを認めたら、宝塚市HIV感染の中心になる』と発言したバカ議員(大河内茂太 宝塚市議、自民党)もいる。こんな無知で野蛮で偏見に満ちた低能が渋谷区にいなくて良かったよ。http://www.asahi.com/articles/ASH6S5QGWH6SPIHB026.html  「宝塚がHIV感染の中心に」、LGBT支援方針に大河内茂太市議が差別発言で議会紛糾 | BUZZAP!(バザップ!)



まあ、個人的にはこの、蛭子能収先生みたいな考え方が一番共感できるんですけどね。ちなみに、このブログの第1回(2009年)のテーマは蛭子さん作詞の『だるい人』(ムーンライダーズ)でした。
●蛭子さんの人生相談『仕事が嫌で会社をやめたい』
そもそも、オレは仕事を楽しいと思ったことがありません。高校卒業して父親と兄貴は漁師でしたが、オレは船に乗りたくないし、グラフィックデザイナーになりたかったから地元の看板店に勤め、その後、上京して漫画家に。50年近く働いていますけど、いいことなんかひとつもありませんよ。
でも、自由に生きるためには、自分で稼がないといけないんですよね。仕事でやりがいや生きがいを見つけようとするのが間違い。働くことに意欲を求めるのがおかしいんです。仕事で輝くという人生は変。人は、競艇場で輝くために働くんです。
蛭子能収のゆるゆる人生相談「仕事が嫌で会社を辞めたい」 | 女性自身



先週、封切りになった、アラバマ州セルマでの『血の日曜日事件』と非暴力の公民権運動を率いたキング牧師を描いた映画『グローリー』の感想はいずれ書きますけど、とても感動したと同時に勉強になる映画でした(必見です)。キング牧師は平和とか人種平等を目指した活動家であったと言うこと以上に、彼と彼を取り巻く仲間たちが戦略家であったということが描かれていたからだ。彼らは、『どうすれば、一歩ずつでも目的にどうやって近づけるか』、ということを常に議論し続けていた。反対することが目的になっている日本の一部の活動家や政党とは月とスッポンだ。ボクなんか何もできないけれど、安保法案にしろ原発にしろ何か出来ることはないのかなあ、とはいつも思います。

                         
そこで良いことが書いてある、と思ったのが週刊ダイヤモンドのこの記事。概要はこんな感じ。
(1)与野党に圧倒的な議席差がある以上 安保法案はいずれ通る可能性が高い。それを前提にして反対していかなければならない。法案が通ったからと言って意気消沈してしまうのは大間違い
(2)野党は以下の2つを行い、内閣支持率を下げることに注力すべき。

1.『どうせ法案は通るのだから対案を出さない。対案を出しても与党に議論をしたという正当性を与えるだけだ。』
2.『アベノミクス批判を続ける。安倍政権が続いているのは経済政策が国民の間に何となく良く見えているのが理由である。アベノミクスの実態をきちんと指摘していくべき。』
(3)内閣支持率が下がっていけば自民党内でもいずれ政局が動き出し、内閣崩壊につながるだろう。
野党にとって安保法制の「落としどころ」はどこか(上) | 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス | ダイヤモンド・オンライン 
野党にとって安保法制の「落としどころ」はどこか(下) | 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス | ダイヤモンド・オンライン
小田嶋隆tweet。やる〜


                                                       
確かに言えているかな、と。所詮 共産党が第1党になったり、民主党が急にまともな政党になったりするようなことはありえない以上(笑)、自民のマシな勢力と手を組んでいくことしか現実は改善できないだろう。原発再稼働にしろ、安保法制にしろ、『反対の声を大きくしていくことで、内閣の支持率を下げていく』、というのは現実的な方策だと思った。勿論逆効果になるようなヒステリックな反対(笑)にならないようには気をつけなければいけないんだけど。
●安保法制を廃案にするために出来ること(弁護士さんが作成)

安保法制関連法案を廃案にするためにできること*最終追記9月15日 | 上越中央法律事務所


                                                                                     

ということで、官邸前へ。今日もパーティがあったけど完全無視。いい加減勘弁してよ(泣)。
張り切って出かけたものの東京は生憎の雨模様。Sealdsの諸君はtwitterで晴れ男を募集しているくらいだ。でも、昨年の官邸前は梅雨時も殆ど降られなかったように記憶しているから、あんまり文句も言えない。今日の官邸前の気温は22度。
●抗議風景









                                                      
悪天候で国会前抗議は中止になって、今日の抗議は官邸前だけ。その分だけ人口密度が高まって迫力があったかも。雨の中の抗議って、視界も遮られるし余計なことを考える余裕がないから集中できるんですよ。参加者は1000人くらいでしょうか(主催者発表1000人)。
政府や電力会社は着々と再稼働の準備を進めているけれど、ボクは絶望していない。ボクは30年以上ずっと原発には反対だけど(笑)、この30年、原発にこれだけ反対する機運が高まっていることは今までないからだ。確かに今は2年前のように20万人も集まったりするようなことはないけれど、毎週1000人も集まるようなデモがこの国のどこにあるだろう。世論調査だって再稼働に半数以上が反対だし、再稼働だって現にこれだけ遅れに遅れている。ボクが生きている間は原発は無くならないかもしれないけれど、いつかは無くなると思っている。
●エネルギーミックスのパブコメ:こちらは7月1日が締め切り!
パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

                                                             
その後、国会北庭。学生さんたち(SEALDs)が主催する『戦争法案に反対する国会前抗議行動http://mainichi.jp/select/news/20150626k0000e040198000c.html
傘をさしている人が多いせいもあるけど、人が一杯だ。今日の参加者は主催者発表で2500人。この悪天候でこれ、だからね。若い人が多いと凄い熱気だ。ちなみに今日 北海道のススキノでも19歳の女の子が主催したデモ『戦争したくなくてふるえる』があった。あちらでも700人を集めたそうだ。『政治家ども、いい加減にしろ』って気持ちはどんどん広がっている。
●今日のススキノ、『戦争したくなくてふるえる』の様子。セーラー服の高校生がデモをしている!フランスみたいだ!


(上のURLをクリックすると写真入りツイートが見られます)
●抗議風景@国会北庭










今日は安保法制に反対する学者の会から元東大副学長 廣渡清吾氏のスピーチがあった。曰く、

                     
                                                
他にも大沢真理山口二郎もスピーチしたそうだ。大沢真理なんか集会に絶対来なさそうだったんだけど(笑)。やっぱり、それだけ皆 頭に来てるんだよ。
                             
帰り際 SEALDsのリーフを配っている女の子を見かけたので『寄付をしたいんですけど、寄付係の人はどこかにいますか?』と尋ねてみた。たぶん二十歳そこそこの彼女は驚いたことに、躊躇なく こう言った。『私が預かります。ありがとうございます。』
素晴らしい。 見事な判断力だ。
自分で考え、自分で行動しているこういう子供たちがいる限り、この社会も捨てたもんじゃない。                                             
                                                         
今の議席数を考えれば戦争法案はあっさり通ってしまうかもしれない。だが、それからあとが勝負だろう。それでもこういう子供たちがいる。ボクはこんな時に傍観者ではいたくない。ただ、それだけだ
          
●今日の学生のスピーチから。ナチスに抵抗して殺された大学生『白バラ』のことを話してやんの。ボクが学生の時はそんなこと知らなかったよ(笑)