特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

法人税のことを考えながら、わけのわからない話を考える(笑)&★0620 再稼働反対!首相官邸前抗議!

惜しい〜。今日でもう、サッカーのバカ騒ぎも終わりだと思ったのに引き分けだったとは。いい加減サッカーなんかニュースで流している場合かって〜の。ギリシャ、もっと根性出せよ。今度はコロンビア頑張れ!ニッポン負けろ!
                                                                                                                                                                     
昨日の都議会で女性都議会議員に対するセクハラ野次があったことが話題になっている。http://mainichi.jp/select/news/20140619k0000m040122000c.htmlタレント上がりのこの女性議員はボクの選挙区だが、大嫌いなので落選してほしいと思っていた。だが、これはさすがに許せん。しかも下劣な野次を飛ばした男性議員が騒ぎになったら隠れてしまったというところが、そういう奴こそ卑怯で下劣ということをよく示している。さすがに頭にきて抗議のオンライン署名してしまった。http://mainichi.jp/select/news/20140620k0000e040286000c.html
●今朝 署名した時は署名者は2万人くらいだったが、たった1日で3万人増えた。*リンク先は署名ページ
キャンペーン · 私たちは、都議会本会議内で女性差別発言をした自民党都議会議員を特定し厳正に処分するよう、自民党東京都連に対して強く求めます。 · Change.org



 
さて政治家やマスコミが法人税を下げると騒いでいるがどうにも納得がいかない。ボクには『消費税を上げて法人税を下げる』なんて、国民から金を取り上げて株屋と投資家に回しているとしか思えないからだ。しかも、この件に関しては新聞も政治家も殆ど反対意見を出さない。
例えば6月19日の日経朝刊『経済教室』で一橋大特任教授という田近栄治が 『法人税を下げて設備投資減税などの措置を止めれば)多くの雇用を担う国内向け業種の税負担は軽くなり労働者への恩恵は大きくなる』と書いていた。だが『労働者への恩恵は大きくなる』の根拠も論理はどこにも書かれていない(笑)。そういう非論理的な論考を書く人間でも一橋大の教授が務まるのだから、人間の思考能力は学歴や社会的地位と必ずしも相関しないことがよくわかる(笑)。この前読んだ『強欲の帝国』でハーヴァードやコロンビアの有名教授が金融業界とグルになってバブルを煽ったことが指摘されていたが、同じことは日本でも起きているというわけだ

強欲の帝国: ウォール街に乗っ取られたアメリカ

強欲の帝国: ウォール街に乗っ取られたアメリカ

                                                                                     
この前 某経済アナリストの人と議論をさせてもらった。時折TVや新聞に出演している彼はボクとは意見は異なるが、商売っ気がなく真面目な人なので、(アホと思われようが)自分が考えていることを率直に質問して検証することにしている。マンツーマンで議論させてもらうと、ちょうど少し前 彼がTVで言っていたことと発言が微妙に異なっていて『TVでは言えないことがある』のが判るのも面白かった。今回は法人税について議論させてもらったので内容を書いてみる(TVで言えなさそうなことは太字にしました)。

ボク:法人税の減税が言われているが、目的はなんなのか。その分だけ配当が増えるから、株屋は確かに儲かる。だが社会にとってメリットがあるのだろうか?かってEUで法人税を減税する代わりに課税ベースを拡大して税収が増えたことは承知している(*『法人税のパラドクス』と言われている現象)が、それが低成長経済の日本に当てはまるとは思えない。法人税の減税は日本にとって具体的なメリットがあるのか。

アナリスト氏:国内経済だけのことを考えたら法人税減税にメリットは何もない。ただ税収が減るだけだ。しかし法人税率を下げることで外国企業の投資を呼び込むことは期待できるのではないか。これからの日本は外国からの投資がなければやっていけなくなる。

ボク:外国からの投資が必要なのはまったく同感。だが法人税率を下げるだけで外国からの投資が増えるだろうか?企業は税金だけでなく、立地や人件費や人材の質、市場の有無によって投資を決める。他のことはホッパラカシのまま税率を下げるだけで投資してください、と言うのはあまりにも無策ではないか。客先でいきなり値下げするようなバカな営業マンは普通の企業だったらクビだ(笑)。

アナリスト氏:確かにその通りだが、法人税『くらい』下げることができなくては、外国から日本に投資を呼び込むことはできないと考える。そういう意味で法人税減税に賛成である。


どんなものにもメリット、デメリットがある。以上の会話で、法人税減税の利害得失は結構クリアになったと思うのだが、皆さんはどう思われるだろうか。もちろん、ボクは法人税の減税なんか全く納得できない。
安倍晋三は成長戦略とか寝ぼけたことを言っているが、法人税の減税は経済の成長とは関係ない。日本は今までだって金余りだったのに企業は国内に投資しなかったのだ。減税したからって投資が活発になるなんて話があるわけがない。喜ぶのは株屋や機関投資家、それにヘッジファンドだけだ。財政赤字の国が株屋や機関投資家に税金を進呈する、こんなわけのわからない話があっていいものだろうか
法人税に関して、マスコミのまともな話はボクはこれくらいしか見かけたことがない。
法人税減税に正義はない 公平な税制を歪めた成長戦略 | 山田厚史の「世界かわら版」 | ダイヤモンド・オンライン


逆の意味でもう一つ、わけのわからない話がある。経済特区のことだ。都知事選のとき、赤旗や宇都宮けんじの支持者は『宇都宮氏以外の候補者が当選したら、東京都に解雇フリー特区ができて大変なことになる』、とネットで大騒ぎしていた。うろ覚えだけど三宅洋平あたりも、そのようなことを言ってたような記憶がある。へ〜と思って経済特区の原案や各候補の公約を確認したけど、解雇特区なんてどこにも書いてないし、全く信じられなかった。事実 桝添が当選してもそんなことになりそうもない(笑)。

また多くの政党、緑の党も含めて、多くの人たちがTPP反対と言っていた。だけどTPPの中身をきちんと理解している人はどれだけいるんだろうか?だって内容がオープンになってないんだもん(笑)。交渉が始まった今だってはっきりわからないじゃないか。だからTPPに関して、『内容をオープンにしろ』とか、『遺伝子組み換え作物ダメ』とか『国民皆保険を守れ』と論点を絞った意見なら理解できる。だが内容もはっきりわからないことを一方的に反対と決めつけるのは、低線量被ばくは安全だ、と決めつけるのと一緒だ。

要するに原発の立場の人の話だって、わけのわからない話はゴマンとある山本太郎上杉隆おしどりマコや田中龍作などのように嘘やデマ、煽りを公然と流している連中だっている。普段は敢えて書かないようにしているけれど、官邸前へ行くと意味の分からないビラを配っている人も結構いる。悪いけどそういう人はたいてい目つきがおかしい(笑)。頭の悪いビラは受け取らなければ済むけれど、ネットでの流言飛語はそれなりに信じてしまう人が出てくる。これは右とか左とか、原発に賛成・不賛成とかに関係なく、どこにでもある話だ。

今は原発に反対していても、検証もしないで、わけのわからない話に乗っちゃう人は、ちょっとしたきっかけがあれば、すぐ原発推進に変わるんじゃないだろうか。戦争は嫌だと言っていてもそれだけで思考停止している人は何かマスコミがでっちあげたら直ぐ、日本の平和を守るために×国をやっつけろ、となるだろう。自分の頭で考えない人は風向きが変われば、コロコロ立場を変え、間違いを繰り返すだろう。国民の大多数が日米開戦に賛成した戦前の歴史を見たって、かっては原発に賛成してた日本共産党のことを考えたって、そういう話は世の中に枚挙に暇がない。

●風向きが変わればの典型例:(勝間和代とやらは元から大嫌いだったけど)原発より先に、業界の広告塔の再稼働ですな(笑)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140617-00000074-san-l40

前回のエントリーとも被るが結局 物事の本質の本質(笑)は、自分の頭で考える、ということだと思う。わけのわからない話に引っかからずに、自分の頭で検証して判断できるか、どうかだ。
ボクは原発反対も含めて、世の中に絶対的に正しいものがあるとは思わない。自分の意見だって100%信じようと思わない。ましてや、誰かやどこかの組織が言っていることはまず、疑うことにしている。そうしていても、ボクはこれからも間違いを何度も犯すだろう(笑)。
それでも自分の頭で考え続けよう、と思う。繰り返していくうちに少しはマシになるだろう。自分の頭で考えていれば、少しずつ何かは学べるはずだ。それは安倍晋三をはじめとした、理不尽な為政者へのもっとも有効な抵抗でもある、と思っている。


ということで(笑)、2週間ぶりに官邸前へ

実は今日も仕事関連のパーティが2つあったんだけど完全無視。仕事関連の宴会なんて、美味しいものが食べられるわけでもなし、面白い話が聞けるわけでもなし、個人的には(笑)何も得るところがないんだもん。
今日の午後6時の東京の温度は24度、くもり。時折小雨がぱらついた。いかにも梅雨の間の小憩という天気だった。参加者は官邸前1500人くらい、国会前他で1000人くらい、合計2500人くらいか(主催者発表2800人)。今まであまりみかけなかった人やプラカードもあったので少し新鮮だった。

●抗議風景









                               
官邸前へ通うようになって、少し考え方が変わってきた点がある。考え方がより現実的になってきたのだ。昔から感情の問題として安倍晋三は大嫌いだし、自民党も大嫌いだ。だが官邸前で安倍晋三を糾弾するようなスピーチを聞いているうちに考えが変わってきた。ブログならともかく(笑)、パブリックな場所でのそんなスピーチは意味がないし、有害無益と思うようになった。そういう言葉は爽快感はあるけれど、世の中への広がりは持たないからだ。
概してそういうスピーチは自分が正義であることを声高に強調し、悲壮っぽい口調で語られる口調が何故か不自然に声高、悲壮ではなく悲壮っぽい、というのがポイントだ(笑)。こういう嘘っぽい話は聞いていて面白くもないし、何も得るところがない。会社の宴会と一緒だわ(笑)。

                                  
確かに安倍晋三はバカかもしれないが、自民党の議員が全員バカじゃないし、東京電力だって経産省の役人だってバカじゃない。一応はそれっぽい話にして再稼働をしようとする。だったら、こちらだって彼らなみに理論武装して、自分の頭で考え、色んな人に通じるきちんとした話にしなければだめだ。前にも書いたが、民主党ですら自分の力で予算もまともに組めなかった(だから官僚頼みになった)。まして共産、社民、生活、緑の党市民運動、その他有象無象はどうだろうか。想像するだけでも悲惨なことになるだろう(笑)。これは個人の能力だけじゃなく、経験値とか組織のマネジメント能力の問題だ。マンデラ氏がANC内の強硬論を抑えたのも、そういうことが判っていたからだと思う。
これも『強欲の帝国』に書かれていたことだが、『世の中を変えるには既存政党の中の反乱、第3党の台頭、超党派の社会運動、これら3つが補強しあうことが必要』なのだと思う。自民党公明党の中にだって意見を同じくする人を作っていかなければ原発はやめられない。やるべきことをやらないで声高に正義を語って深刻ぶっているのはお断りだ。ボクはそんなにヒマじゃない(笑)。
                                  
勿論 官邸前抗議に来ている人の大勢はわけのわからないヒステリーではない。それだったら、こんなに長く続くもんか。大多数はただ自分の意見を表明したい、黙ってられないぞ、という人たちだ。ボクは変な連帯感とかは嫌いだけど、そういう人たちと一緒にいるのは悪い気分ではない。
●国会前。2枚目は元社民党阿部知子議員


●牛のオブジェ


                                         
今日は被災地から牛のオブジェを担いで来ていた人がいた。牛を飼っていたが今回の事故で牛たちを見捨てざるを得なかった農家のおっちゃんだ。彼によるとそれだけでなく、汚染されたであろう被災地の牛は食肉として混ぜられて売られてしまったし、現在 牛に白い斑点が出ているものがあるそうだ。今日彼らは抗議を込めて牛のオブジェを担いで東京を回ったそうだが、県庁からは『牛が売れなくなるから、牛のオブジェを持っていくのはやめてくれ』と言われたそうだ。おっちゃんは『牛じゃなくて、人間が危ないんだよ!』と憤っていた。
●牛のオブジェを目の前にしてのスピーチ:『明日から俺は叩かれるだろう』と仰っていた。

                                            
自分で抗議の声を出し、当事者の人の話を聞く時間は悪くない。現場だけだと視野が狭くなるけど、現場へ出ていくことは絶対悪くない。2週間ぶりに出かけて、改めてそう思った。