特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

セピア色のこそばゆさ:映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』

今や世界中に日本の恥をさらした都議会でのセクハラ野次を飛ばした下劣なクズは鈴木章浩という大田区選出の都議会議員だったそうだ。こいつは20日の時点でマスコミに向かって、わざわざ『私ではない』と嘘をついている。
http://mainichi.jp/select/news/20140623k0000e040239000c.html
こいつは2012年に尖閣諸島に上陸して、わざわざ日本と中国との対立を煽った奴だ(前掲記事参照)。区議時代は税金で出かけた外国出張の報告書をウィキから97%も丸写しした札付きのペテン師だ海外視察報告また丸写し/東京・大田 無断引用「反省」の自民区議/今度はネット事典から 民主党区議も
所詮、ノータリンの右翼なんて、こんなものだ往々にして勇ましいことを言っている奴は戦争になったら一番最初に逃げ出す。こいつなんかその典型、嘘つきで自分のやったことの責任すらとらない卑怯な奴だ石原慎太郎そっくりだな。
                                 
今回は話があまりにも大きくなって誤魔化しきれなくなっただけで、こういうバカはまた同じことを繰り返す。だってバカなんだもん(笑)。ボクはこんな奴に投票はしてないけど、一刻も早く議員を辞職しろなんで税金でこんなカスを養わなければならないんだ前科持ちのこいつに投票した都民も含め、まさに日本の恥、東京の恥部だわ
                                                                                   
                                                                                                                                
こうやって叩いていると魔女狩り人民裁判みたいに見えるかもしれないが、そうではない。こういう差別的な思想、発言はまだまだ日本の中に大いに跋扈しているはずだからだ。たまたま露骨な野次を飛ばした鈴木章浩が知能指数が足りなかっただけに過ぎない。セクハラ野次を飛ばしたバカはこいつ一人じゃないし、とぼけていた周りの議員も、会派離脱だけで除名しようとしない自民党都議団も、犯人を調査しようとしない都議会議長も同罪だ。頭の中がセクハラで腐っている連中はまだまだ日本ではマジョリティだろう石原慎太郎は女性や外国人にもっと酷いことを言ってたが、あいつは謝罪も何にもしなかったじゃないか。 脳味噌が明治時代のまま蜘蛛の巣が張っている安倍晋三すら、女性活用と言い出す時代だが(このセクハラ野郎ですらホームページでそう主張している)この問題の本質は『男が家事をやれ』ということだ 女性に家事や育児を押し付けてるから、少子高齢化が進んで日本が衰退するんだよ。
偉そうに仕事とか言っても男なんて、どうせ用もないのにダラダラ残業して、そのあとはセコい飲み屋で会社の愚痴を言いながら安っちい酒飲んでるだけだろバーカまあ、最近は女性もそうかもしれないが(笑)。
                                                                        
それはともかく、世の中を変えたいと本当に思うなら皆が早く家に帰ることが大事だとボクは思っている。家に帰って家事をやったり、本を読んだり、やることはいくらでもあるだろう。そういうことをしてないで仕事に追われているから、嘘つき政治家に騙されたり、いい加減なデマに扇動されたりするんだよ物事をきちんと考える余裕がなくなるのだ。そう、『早く帰宅する』は革命的な行為なんだよ(笑)。 残念ながら低開発国のこの国の現状はそんなもんだ。

   
  
                                                                                                                                                            

銀座で映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名も無き男の歌
昨年のカンヌ映画祭で審査員特別賞を取ったというコーエン兄弟の作品。


1960年代初頭、ニューヨークではフォークソングブームが沸き起こり、カフェやライブハウスでギターを抱えて歌う若者が増えていた。その中の売れない歌手の一人、ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)はレコードも売れず、カネがなく知り合いの家のソファーで寝泊りして暮らしていた。ある日彼はフォークシンガーのガールフレンド(キャリー・マリガン)から妊娠したことを告げられる。そんな彼の5日間の物語。

実在の売れないフォーク歌手の手記を元に、ボブ・ディランが登場する直前のフォーク・シーンを描いたほろ苦いコメディ。 いつも書いている通り、ディランもニール・ヤングも好きだけど、日本のインチキ・フォークソングは聴覚的に耐え難いだけでなく歌詞も自己憐憫の塊みたいで60年代のものから今に至るまでボクは大嫌いだ(笑)。

●主人公。ギターと猫を抱えて真冬のNYを彷徨う

一言で言うと、ものすごーく綿密に作られた映画だ。主人公はネコを助けたり、適度に友情に厚かったり、決して悪人じゃないけど、ほんとにどうにもならない中途半端なダメダメ男。売れない歌手の生活ってこういう感じなんだろうか。彼に対峙するガールフレンド役、『ドライブ』、『シェイム』と渋い役をやったら若手女優ピカ1のキャリー・マリガンちゃんはいつもにも増して、可愛い。このポニーテール姿、惚れてしまいました(笑)。そんな彼女が、ダメ男を撃ち殺すかのようにマシンガンのように並べ立てる悪口雑言も見事だった。登場人物たちそれぞれに、お話は色んな伏線を敷きまくって、いちいち回収しながら進んで行く。よく出来ているなあ。

キャリー・マリガンちゃん。可愛いなぁ。ダメ男を撃ち殺すような毒舌も素敵。

                     
この映画で流される音楽は文字通り『生きた音楽』ばかりで、それが大きな魅力になっている。 音楽は登場人物たちの演奏を生撮りしたそうだけど、演奏がうまいだけでなく、見事に劇にマッチしている。生き生きした演奏を聞かせて観客を飽きさせないだけではない。主人公がライブハウスに出演するために支配人の前で演奏して、支配人から『君は下手じゃないが、心を打つものがない』と評されるシーンでは、ちょうどそういう感じの『下手じゃないけど面白くない演奏』を見事にやってのけている。 もう、怖ろしいほどの完成度だ。
●演奏風景。当時はダビング&修正無しの一発取り

                                                                                                 
お話には当時の関係者らしきものが一杯出てくる。ボクは伝説のスカウトマン『ジョン・ハモンドベニー・グッドマン、ビリー・ホリディ、アレサ・フランクリンピート・シーガーボブ・ディランスプリングスティーンを発掘した人)くらいしか判らなかったが、判る人にはたまらないだろう。また主人公が大学教授の家に泊まったりしているのも当時のフォークシーンにインテリが肩入れしている様子が伺えて面白かった。当時のフォーク・カフェの経営者が歌手を食い物にしてたりしてたのも、実際はそうだったんだろうか。 ディランの登場で大きなカネが動くようになる直前の、理想主義と商業主義の入り混じった光景が皮肉っぽく描かれている。昔のことはわからないけれど、20世紀以降の歴史では多かれ少なかれ、理想にはすべて値札がついているのだと思う。
●主人公(左)と恋敵、彼女が席を同じくする微妙な三角関係(笑)。プレッピー然としたセーター姿に注目。

                                       
                                              
この映画は時代が大きく変わる直前の雰囲気みたいなものがすごくよく表現されていた。ロックの登場、公民権運動、若者の反乱、そういうものが始まる不穏な空気が漂っているように見えた。それは一つの時代の終わりでもある。カラー作品なんだけど、画面がどこか懐かしいセピア色に見えて仕方がない。


                                                                                                                  
決して見ていて爽やかになったり、すっきりしたりするような話ではない。セピア色に覆われた景色の中に60年代の平凡な若者のほろ苦い群像が見事に描かれているという感じだ。恐るべき完成度の青春ドラマだ。

                                 
60年代に限らず、若い頃、目の前に見える光景なんて、こんなものなんじゃないだろうか(嘆息)。バカだし、元気だし、無謀だし、その頃感じる世の中はどこを向いても苦々しかったし生き辛かった。それでも時々は世界が素敵に見えた。あれはいったい何だったんだ。
老眼が進んだ最近、今まで以上に自分が疲れたおっさんであることを感じるけれど(笑)、意地でも若い頃になんか絶対戻りたくないよ。