特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『京都の旅(祇園編)』と『0816再稼働反対!首相官邸前抗議』

 愉しいお盆休みでしたが、早くも終わりが見えてきました、ああ(泣)。

 西日本の台風は大変なようですね。最近の度重なる極端な大雨にしろ、台風にしろ、日本にも地球温暖化の影響が目に見えて出てきている、と思います。
 温暖化ガスの排出は基本的にはアメリカと中国が悪いんですけど、近年EUでは対策が進んだ結果 省エネ大国と威張っていた日本の排出量は西側の先進国ではアメリカに次いで2位、無視できる量ではありません。こういうことが殆ど議論すらなされないのが、日本人は井の中の蛙たる所以なんでしょう。


 で(笑)、話は変わりますが、れいわの難病議員、舩後って全然ダメじゃん(笑)。この人の資質は選挙期間中も疑問視されてましたが、今回のこの発言はアウト。記事をクリックすると荻上チキ氏のラジオ番組での発言の全文書き起こしが読めます。

 舩後が安倍晋三と親交があるだけならALS舩後さん、首相と十数年前の絆「優しい人だった」:朝日新聞デジタル、それほど気にしませんでしたが、やっぱりこういう人間なんだな、と。

 ましてや、舩後は日本会議の役員、廣池幹堂役員名簿 « 日本会議が代表を務めるモラロジー研究所道徳教育を推進する公益財団法人モラロジー研究所公式ホームページ新興宗教みたいなものです)で講演をやってるんですよね。自分にモラルがない奴ほど、モラルとか道徳とか言い出すのは古今東西の真理です。
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 前々から言っているように山本太郎のようなポピュリストはいつでも立場を変えます。極右に豹変しても全く不思議じゃない。山本は議員当時も、地球温暖化防止のためのパリ協定の批准や反ヘイト法にも賛成しなかった実績(棄権)があります。そんなことより、大衆の注目を集めることが彼の主眼だと思う。
 311当時 おしどりマコとつるんで原発デマで商売をしていた似非ジャーナリスト上杉隆が幹事長に就任(笑)したN国党もそうですが、こういう連中が台頭してくるのもボクには新たな戦前の兆しのように見えます。


 毎年この時期に放送されるNHKスペシャル、『言論の自由が失われていった話(日本新聞)』にしろ、『2・26事件』にしろ、NHKの取材力は凄いなあと思いましたが、それでも今回はガダルカナル226事件の解釈の仕方はかなり疑問があったし、個人的にはあまり目新しいものはありませんでした。民放には作れないような質の高い番組ではありましたけど。
www6.nhk.or.jp
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 でも番組を見て、改めてはっきりしたことがあります。ファシズムへ向かう歴史を振り返ると、
 第1段階ではまず、視野が狭い狂信者、ポピュリストが台頭し運動を始める。当初は田舎のローカル極右新聞だった『日本新聞』や515事件や226事件のテロリスト軍人たちがそうでしょう。
 第2段階ではポピュリズムを利用する政治家や官僚、マスコミが出てくる。彼らは大衆のポピュリズムを冷ややかに見つつも自分たちの組織や権力、売上のことだけを考えています。NHKスペシャルで描かれていた大本営などの軍人官僚や近衛文麿のような政治家がその典型です。226事件の反乱軍を鎮圧した軍部は今度はそれを言論の自由に対する圧力として利用した。自分たちの権益拡大の道具にした。
 第3段階ではナショナリズムファシズムの火は国民の間に燃え広がる。国民の間に感情論が広まると、総理大臣や天皇ですら止められない。その結果は『焼け野原』です。

 今の日本はどうでしょうか。安倍晋三が自分の権力維持のために利用する、マスコミが視聴率稼ぎに煽り立てる『嫌韓』などを見ていると、既に第2段階を通り越しつつあるようにも見えるんです。

 今回は『焼け野原』と言っても前回とは違う形にはなるでしょう。普通に考えると将来の日本を待つのは『緩慢な衰退、もしくは死』

 少子高齢化と日本の貧困化は確実にやってくる。今のまま行くと更に、視野が狭くて貧乏な、役に立たない戯言と不満ばかり言っている脳無しのネトウヨ老人が大勢を占める国になるわけです。
靖国神社もここまで行けば正真正銘の気違い。こんなカルト神社に参拝する政治家が大勢いるわけです。


 『バブル処理の失敗』、『小泉内閣新自由主義的な改革』、安倍晋三の『アベノミクス』を筆頭に、『安保法や特定秘密保護法』、『国家の記録の捏造や偽証』など、50年後に、あの時 人々が気が付いていれば、と思うような瞬間を我々は既に幾つも通り過ぎたように思います。

 しかし、往々にして悲観論は状況への座視、現状肯定に陥ってしまいます。少しでもマシな未来を、そして、少しでもバカの巻き添えにならないようにするにはどうするか、それが今の時代を生き抜くための課題です。
●毎年8月15日に思うことはこれ、ですよ。それ以外にないでしょ。


 さて お盆はまた京都に旅行へ行ってきました。恒例の家庭内ご接待旅行です😁。
 ボク自身は観光とか興味ないし、お盆の時期に出かけるのもあまり気が進みません。でも休めるのはこの時期しかないし、京都だったら古い建物など東京では味わえないシチュエーションで美味しいものが食べられるので、なんとなく出かけています。

 着いた初日は河原町の『松葉』で冷やしにしんそばを食べて、

 下鴨神社鴨長明の庵を見て、

 東山の景色を望みながら、

 祇園に夜ご飯を食べに行きました。


 
 ファースト・フードならいざ知らず、ボクはちゃんとしたお店で料理の写真を撮るのは『行儀が悪い』と思っていて、個室でもなかなか撮る勇気はありません。スマホの普及で料理の写真を撮るのが白眼視されないようになったのはごく最近じゃないですか。

 話を聞くと、近頃はうるさい料理人でも自分がスマホ仕入れとかやらざるを得なくなっているから抵抗がなくなってきているようです(笑)。今まではファックスや電話でしか連絡できなかったヨーロッパの仕入先でも、スマホなら食材の写真を簡単にやりとりできるので頑固な彼らも『こりゃあ、良い』と気が付いたらしい(笑)。

 この日も若い仲居さんに一言断ってから、お皿が来るたびに写真を撮っていました。その時、彼女はうまいことを言った。

『写真を撮るって、思い出のお替りができますもんね』

 これには参った。すごく説得力がある答えだと思いません?レストランで写真を撮ることに対する長年の心理的葛藤(笑)への模範回答をもらったような気がしました(笑)。
●もう夏も終わり、お盆ですので松茸が出ました。今年最初で最後(笑)。

 後半 板前さんが座敷で2種類の鮎を炭で焼いてくれましたが、部屋は釘を使わない『数寄屋造り』なので炭の熱が上に登っていくと天井がキュッキュッ鳴るんです。釘を使わない建築というのはそういうことなのか、というのが初めて分かりました。 

 ●左が岐阜、右が琵琶湖のもの。脂がのったものと若々しいものを食べ比べる趣向。

 鮎を焼いた後 炭を片付けてくれた若い男の子に『どうもありがとう』と言ったら、彼は『そう言っていただけると嬉しいです』と返してきました。そういう率直な、自分の言葉での反応には少し驚いた。形だけの受け答えではないんですね。
●お茶菓子のドライ・トマトの最中。仲居さんに中身を当てた人は初めて、と言われました。エッヘン(笑)。
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 この店は仲居さんも板前も比較的若い人が多いんです。普通 和食屋、特に老舗なんか客も店の人も年配の人ばかりです。ボクなんか若手です(笑)。その店も京都では新参とは言え、もうすぐ創業150年。だけどちょっと変わっていて、若い人を積極的に受け入れ、教育を熱心に行う経営方針だそうです。
例えば板前さんも仲居さんも教育の一環として年に1回 自分の誕生日には客として玄関から入って料理を味わうという体験を積まさせる、また部屋の季節ごとのしつらえも従業員全員でやって、習わしや決まり事を覚える、と言ってました。

 食べ物の話だけではありません。日本の社会の将来に希望があるとしたら、そういう機会を作って自分の頭で考えられる若い人を少しでも増やしていくことしかない。全員ではないかもしれませんが、機会があれば多くの人間は自ら成長することが出来る。

 自分が、これからの人たちにそういう機会を少しでも作っていけるような人間になれるだろうか、満腹のお腹でも、思わず自問自答してしまいました。
 


 そのあとは夜間拝観をやっているお寺まで腹ごなしの散歩。料理屋でお寺に行くといったら、店のサイン入りの名刺をくれました。お寺で名刺を出したら、窓口の行列をスルーして無料拝観させてもらえる、という仕組みです。そういうところは流石、京都、寺も料理屋もつながっているんでしょう。

 祇園の夜景。人混みがあふれていて昼はとても歩けませんが、夜はぜーんぜん人がいない。

 この日は円山公園のなかにある古い洋館に泊りました。



ということで、今週も官邸前へ #金曜官邸前抗議
今日の東京もまだまだ暑い、湿っぽい。でも台風開けの強い風が心地よいです。午後6時の気温は30度。お盆休みの今日の参加者は100人ちょっとくらい?200はいないと思う😁。

●抗議風景



今週、朝日、日経と二誌に、原発安全対策費が膨れ上がっているというニュースが載りました。
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www.asahi.com

 地震津波などの新たな知見が増えたり、テロ対策費用の高まりで、原発の安全対策費は年々膨れ上がり、今や電力11社の合計でなんと5兆円を超えるそうです。13年当時と比べ4兆円も増えた。これだけ考えても原発が最も安い、という政府の強弁は破綻してます。

●毎年のように安全対策費が膨れ上がる原因が発生しています。
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www.nikkei.com

 そりゃあ、電力会社だって本音では原発を続けたくない人間は多いと思います。毎年のように新たな知見が出てくるのですから、安全対策費はどこまで膨れ上がるかわからない。経営上のリスクは大変なものです。

 それでも関電や九電など原発依存度が大きい会社は特に、太平洋戦争の日本軍部のように原発にしがみついているのでしょうけど、どこかで破綻が来ることは間違いない。
 その破綻が経済的なものか、事故なのかは判りませんが、これも将来の日本を待つ『焼け野原』かもしれません。

盛夏のバカ映画:映画『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』と映画『ハッパGoGo 大統領極秘指令 』

 愉しい夏休みが始まりました。暑さは厳しいけれど、精神的には何となく、ほっとします。深いため息が出る感じ。

 自由が丘の駅前では盆踊りをやってました。新盆でもないし、旧盆でもない、なんだかよくわからないですが、イベントをやりたいんでしょうね。まあ、ボクはこういう人だかりはとにかく嫌い。こういうものを素直に楽しめれば得だなあ、と思うんですが、自分の限界です(泣)。
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 土曜日のNHKスペシャル#あちこちのすずさん』、戦争中の市井の人々のエピソードを集めた番組ですが、やはり実際の体験というのは力があると思いました。
 特に戦時中はパーマをかけている人は外を歩くなという布告を出した町会もある一方、パーマやお洒落を楽しんだ女性も大勢いたという話はとても面白かった。今で言えば、名古屋市長の河村や大阪市長の松井のようなファシストもいる反面、抵抗する庶民もいた。
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www6.nhk.or.jp

 番組で取り上げられていたシベリア抑留の話も面白かったです。
 ボクも子供のころ シベリア帰りの近所の床屋の爺さんから散髪をしてもらいながら、散々話を聞きました。勿論 抑留は大変だったそうですが、彼にとっては民主主義に触れた始めての機会でもあったらしく、晩年までロシア語の雑誌を購読していました。そんな彼は職人ばかりだった町内唯一のインテリとして尊敬されていました(笑)。元来はそういう世の中だったんですよ。

 勿論 番組にはもの足りない部分もありました。ヨモギを食べることも知らない出演者のアホなジャニーズの小僧もどうなってるんだと思いましたが、只 殆ど全ての終戦特集と同じように、被害者としての日本人しか描かれないのはやはり嘘くさく感じます。映画『この世界の片隅に』でも加害者としての日本人が言及されているんですけどね。
*香山氏のこのtweetは、漫画エヴァンゲリオンのキャラをデザインした貞本という有名漫画家?のバカtweet(↓)についてのものです。おなじ漫画家でも『すずさん』とは大違い。


 戦争責任者、天皇とまでは言わないけれど、せめて そのお先棒を担いで無謀&無能な命令を出した指揮官とか首長、それに好戦意識を煽ったマスコミの責任は問われるべきだと思います。戦争を経験した人がどんどん減っている今が最後のチャンスのはずです。
 ドイツやイタリア、それにフィンランドの例を見ても、日本人は加害者の面も含めて総括しなければ戦後はいつまで経っても終わらない、と思うんですけどね。

同じく土曜の深夜ETVに放送された映画『ひろしま』の特集、原爆投下後10年も経たないうちに製作され、数万人の被爆者がエキストラとして参加したというのも度肝を抜かれました。
さらに製作したのが日教組という事で、被爆者を政治利用したという側面もあったという視点を入れたところが素晴らしかった。
こちらは来週 ETVで放送される映画本編も見てから触れたいと思います。


と、いうことで 夏休みらしく、バカ映画の感想を2つ。バカといっても良い方のバカ、尊称としてのバカの方です。それも中々見られないフィンランドとウルグァイの映画です。どうだ、参ったか(笑)。

 日比谷で映画『アイアン・スカイ第三帝国の逆襲

ironsky-gyakushu.jp

30年前 人類は月面ナチスの地球侵略を阻止したものの、核戦争が起きて地上は壊滅。生き残った僅かな人類は月面ナチスが遺した月面基地に逃れたが、エネルギーが枯渇して絶滅の危機に瀕していた。エンジニアのオビは荒廃した地球の深部の空洞にエネルギー源があることを知り、それを手に入れようと地球へ旅立った。そこにはヒトラーなどナチスの残党が待ち構えていた。


 2012年の『アイアン・スカイ』の続編です。前作に引き続いてティモ・ヴオレンソラというフィンランドの人が監督・脚本を手掛けています。やっぱりフィンランド恐るべし(笑)。

 第2次大戦で滅んだかに見えたナチスはひそかに月に逃れており、月面総統として君臨していたヒトラーの弟が新たに地球侵略を始める、と言う前作は世界中でヒット。前作同様、世界中のバカSFファンのクラウド・ファウンディングで資金を集めて、今回の続編が作られました。
●前作。このスチールだけで内容は8割がた判ります(笑)。


『アイアン・スカイ』特別コメント入り予告編

 
 今作ももちろん、良い意味でくだらないです(笑)。まず『月面ナチスって、言葉の響きがバカっぽくて良いと思いませんか?映画の中でも''Moon Nazi''って言ってましたけど、英語で言ってもバカにしか聞こえない(笑)。お話しも、そのまんまです。

 ナチスの真の正体は実は恐竜の時代に地球にやってきた宇宙人たちでした。宇宙人たちは地球環境を汚す人類を滅ぼそうと、チンギス・ハン、十字軍、ヒトラー金正日スターリン毛沢東サッチャービン・ラディン、スティーヴ・ジョブス、マーク・ザッカーバーグなどの姿で人類に災厄をもたらしていました。
●地球を滅ぼそうとする13人の宇宙人たち。

 しかし、その中の一人、大統領になっていたサラ・ペイリンがうっかり核戦争を始めてしまい地上は壊滅(笑)。宇宙人たちも地球内部の空洞に逃れていたのです。

●主人公の地球人たちですが、全然印象に残らない。

 今回 ヒトラーはペットのティラノザウルス、ブロンディ(ヒトラーの愛犬の名前です)に乗って、サッチャーは『この共産主義者め』と言って、人間を襲ってくる。それにサラ・ペイリン大統領が核戦争を起こすっていかにもありそうな話じゃないですか。
●実は宇宙人だったヒトラーとスティーヴ・ジョブス

 空飛ぶ円盤、恐竜、ナチ、地球空洞説、バカSFファンが喜びそうな要素がてんこ盛りです。ボクとしては13人の宇宙人の中に東條英機昭和天皇ヒロヒトでも入っていれば、更に面白かった(笑)。

サッチャーは『この共産主義者め』とわめきながら襲ってきます。

ビン・ラディンローマ法王が仲良く?恐竜戦車にのって追いかけてきます。

●前作のSM金髪美女(上の写真)もこの姿で続投。変なところは律儀な続編です。

 ハリウッド版ゴジラにしろ、パシフィック・リムにしろ、バカSFが続編になるとパワーダウンすることは良くあるものですが、今作は続編の方が面白かった。それ以上の感想はないんですけど(笑)、バカで面白かった。

 一応 最後に次作の伏線が敷かれていて、今度は火星の裏側に滅びたはずのソ連共産主義者が潜んでいるというお話しのようです(笑)。他にも中国を舞台にこの映画の第3弾を作るというニュースもあるし、排外主義や山本太郎マンセーの悪い意味でのバカだけでなく、良い意味でのバカもやっぱり伝染するようです(笑)。


映画『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』7月12日(金)公開


もう一本は、新宿で映画『ハッパGoGo 大統領極秘指令
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www.8855movie.com

2013年南米ウルグアイホセ・ムヒカ大統領は世界で初めてマリファナを合法化した。しかし、合法化したものの国内には十分なマリファナがなかった(笑)。国民の不満を抑えるためムヒカ大統領は、薬局を営むアルフレドと化学者の母、タルマにマリファナを調達する秘密指令を下した

 世界で最も貧しい大統領として有名な、ウルグアイホセ・ムヒカ元大統領自らが出演したコメディです。
 映画ではまず、ウルグアイマリファナを世界で初めて国家として合法化したことが描かれます。第一の目的はマフィアの資金源を断つこと。これは史実です。

www.nikkei.com

 ここからはフィクションです。
 マリファナを解禁したもののウルグアイ国内には十分な量のマリファナはありませんでした。ウルグアイの周りでは山ほどマフィアがマリファナを売っていますが、国家としてはマフィアから調達するわけにはいきません。
 ムヒカ大統領は軍にマリファナ栽培の命令を下しましたが(笑)!、育つまでには時間がかかります。国民の不安は高まるばかり。このままでは政権の維持も危うくなります。

 そこでマフィアから調達したマリファナ入りブラウニーを販売して捕まっていた薬局店主アルフレドと化学者の母、タルマに極秘にマリファナを調達するよう大統領の密命が下ります。
●主人公のアルフレド(左)と化学者の母

親子は、マリファナがいち早く解禁されていたアメリカのコロラド州へ向かいます。
●大統領は親子を自分の農園に呼んで、国民に供給できる量のマリファナを大量に調達するよう、密命を下します。

 薬物が南から入っていると非難している米国から、逆に大麻ラテンアメリカに輸入したい、といったらどうなるか?という強烈な皮肉を込めたコメディです。コメディと言っても、ムヒカ大統領はバンバン出てくるし、オバマ大統領もでてきます。ムヒカ大統領の家やボロい車まで出てくる。本物そっくりに作られているためドキュメンタリーにしか見えません。まさにフェイク・ドキュメンタリーです。

 2人が潜入するコロラドマリファナ・フェアも実際のお祭りの光景ですから、まるっきりホントにしか見えない。ゲラゲラ笑いながらも、あまりにもリアルすぎて訳が分からなくなります。
●実際にコロラドで行われているマリファナ祭り。


 ちなみにマリファナを解禁したコロラド州マリファナ解禁で大成功した事例として知られています

globe.asahi.com

●アルフレドはマリファナ先進国の代表としてスピーチを求められます。

 コロラド州大麻由来の税収は5年で1000億以上、1100以上の小売店が生まれ、観光客も増え、雇用や経済面で大きな効果が生まれています。そのお金を使って奨学金にしている例もあるそうですhttps://www.businessinsider.jp/post-1089

 デンバー市だけでも税収は50億円増、雇用へのプラス効果も生まれていると、市長は正式に表明しています
forbesjapan.com

 この成功例を見て 今やカリフォルニア州など全米の半分以上の州がマリファナ解禁に踏み切っています。大手スーパーでもマリファナ関連製品の販売を始め、色々な企業も新たな成長分野として参入を検討してるそうです。blogos.com

 以前 日経ビジネスを見てたらサントリーに買収されたウイスキーメーカー、ビーム社も参入すべきかどうか今 困ってるらしいですよ(笑)。ビーム社としてはやりたいけど、親会社のサントリーにどう言い訳するかが問題らしい(笑)。そんなことを考えながら、アホな映画をゲラゲラ笑いながら見てました。
●母子は大量のマリファナを入手するために、アメリカ中を駆け回ります。

 映画のお話し自体は説明するほどのものではありません(笑)。ただ、面白い。ただの農家に住んでいるムヒカ元大統領の普段の暮らしぶりも非常に興味深い。元大統領がアメリカに出かけるシーンで使われるのは一般の飛行機、他の乗客と一緒です。大統領専用機じゃないんです。ウルグアイだったらそれが当たり前なんでしょうが、権力と国民の距離の近さには思わずはっとしました。

 終盤 ムヒカ大統領が『こうやって権力者を笑いものにするのがいいんだよ』と画面の中で述懐します。文字通りフェイクなドキュメンタリーなこの映画で、ここだけは本音だったに違いありません。

マリファナ解禁しました!! 世界で初めて大麻を合法化したウルグアイ産映画『ハッパGoGo』(サイゾー) - グノシー

『袋小路の日本』と『0809再稼働反対!首相官邸前抗議』

 も~う、灼けるような暑さの日中は歩いているだけでも、日焼けしてしまいます。夏休みと同時に台風も向かってきているみたいですし、熱帯地方に住んでいるみたいです。これだけ天候が変わってしまうのだから、やっぱり地球温暖化はマジでやばい、ということなんでしょう。

 ボクがお昼ご飯を食べるインド料理屋のインド人シェフも、中華料理屋の福建省出身のシェフも日本は暑すぎる、と言ってます(笑)。
 近くのアフリカの某大使館の人も日傘をさして歩いていました。真っ黒な人が日傘をさしているのを見たときは一瞬ぎょっとしましたけど、そりゃあ、アフリカの人だって暑いものは暑い(笑)。
●大使館と言っても民家です。

 一方 あいちトレンナーレ、韓国との外交悪化、米中対立のあおりを食った株価急落、と 滅入るようなニュースばかりが続いています。どれも日本の社会や経済に深刻なダメージを与えるような問題ばかりです。ペルシャ湾の有志連合の話もありますしね。

 ニュースではゴルフだの、結婚だの、ワイドショーネタばかり目立ちますが、そんな場合じゃないでしょう。ほんと、くだらない。

TVも酷いですが、黙ってTVを見ている国民もバカなんですよ。
●愚かな国民たちが自ら自分たちの首を絞めている。公も公としての矜持もない。まさにバカは〇ななきゃ治らない。
www.kobe-np.co.jp


 この前 仕事で、ちょっと感心する講演を聞いたので、シェアします。日本が如何に袋小路にいるかというお話です。

 皆さんご存知の通り、2000年以降日本は低成長が続いています。これほどの低成長は先進国では殆ど日本だけなんですよね。
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 上のグラフ、2000年と2017年、名目GDPを比べると米英、カナダは18年で約2倍、ドイツは1.6倍、イタリアは1.4倍になっています。でも日本は6%しか伸びていません。フランスやイタリアはあれだけ不景気で揉めてるんですよ。それでも日本とは桁が違う(笑)。

 余談ですが、最近は会議や講演も授業もスマホで写真を撮れば済んでしまうんですね。一昔前は電子黒板とか流行りましたけど、まったく要らなくなってしまった。これも破壊的イノベーションという奴です(笑)。

 もちろん 新興国は遥かに伸びている。実質GDPで見ると中国は約5倍、インドは3.5倍、日本は18年でたった16%
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 その結果 2000年当時世界2位だった一人当たりGDPは現在は世界25位にまで凋落しています。
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 ただし実額ベースで比べると2017年も2000年当時と殆ど変っていません。つまり日本だけ、世界の成長に取り残されているんです。
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 ここまでが講演のお話し。これは、多くの人の生活実感と符合しているんじゃないでしょうか。
 ’’極端な窮乏に追い込まれているわけではないけれど、豊かになったとか成長した感覚は全くない(笑)!’’
 ’’外国人観光客は日本に一杯来ていて元気そうだけど、日本がこれから良くなる見込みはなさそうだ。’’

 こういう感覚って多くの人が持っている。だから、『せめて現状維持=自民党に投票』という発想になる と思います。

 しかし日本が世界の成長に取り残されていることから判る通りこのままでは現状維持は不可能、です。新興国アメリカだけでなく、欧州だって日本より遥かに成長している。
 しかも、これから日本は少子高齢化が更に進むのですから、相対的な落ち込みはもっと酷くなります

 今の日本は井の中の蛙『ゆで蛙』という言葉がどんどんふさわしくなってきました。
東京モーターショーですら開催が危ぶまれるのが今の日本です。モーターショーなんかどうでもいいけど(笑)

 内政も外交も世界から懸命に目を背けている。時代遅れの原発への固執然り(金融じゃぶじゃぶにした挙句 マネーが国外へ流れることを考慮しない)アベノミクス然り山本太郎も同類)韓国への過度な敵視然り官僚の忖度然り娯楽ばかりの報道然りバカウヨだけでなく、『9条守れ』も同じ。どっちも国内でしか通用しないことばかりやっている

 で、気に入らないことがあると『反日』というレッテル貼りで耳を塞いでしまう。昔は『反日』なんて言葉、ニュースでは流れませんでしたよね。
 ボクは外交、特に韓国関連のTVニュースは一切信用しないことにしています。マトモに聞くのはCNNやロイター経由のものだけ。それくらいでバランスはちょうどいいはずです。

 経済ダメ、北方領土ダメ、北朝鮮ダメ、アメリカとの通商交渉ダメ(おそらく)安倍晋三に唯一残されたカードが反韓、偏狭なナショナリズムというカードなんでしょう。それに乗せられる国民も甚だ程度が低い。他国からどう思われるかという視点が甚だ薄い。これも『現状維持』を志向する人が多い、もう一つの理由です。
 その結果が、相対的にどんどん貧乏になる日本です。少子高齢化が進む日本の落ち込みはこれから絶対的なレベルでも目に見えるようになってくる。

 そうなった時 日本はどうなるか。フィンランドやスウェ―デンのように自由主義経済を守りつつも、格差で絶望する人を減らすような社会を目指すのかアメリカのように弱肉強食の市場社会を目指すのか安倍晋三路線のように独裁で貧富の差が二極化した社会を目指すのか
●色々な見方があるでしょうけど、各国のポジションをボクはこのように認識しています。
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 これからの日本はどの方向を目指していくか、それが今 日本人に突き付けられている問いだ と思います。ともすれば、マスコミや政治家、ネットの妄言に流される人が多い中で、一人一人が真摯に問い続け、議論をしていくことでしか、日本には未来はない、と思います。
●日本人の付和雷同の体質は昔も今も大して変わってない訳です。


ということで、今週も官邸前へ #金曜官邸前抗議
 とにかく暑い😵。午後6時の気温は34度😈。夕方だから良いけれど、日中なんかまともに歩けないですね。
 今日の参加者は200人くらいでした。もうお盆休みに突入で人数も少ないかなと思ってましたが、久しぶりに見る顔の人もいて、お盆だから来ることができる人もいるんだなと思いました。何事も先入観は良くない😁
●抗議風景

 木曜の日経に『東電は建設が中断している東通原発中部電力、日立、東芝などとの共同で、地元との調整や建設、運営、保守までを一貫して担う新会社設立を目指す』というニュースが流れました。
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www.nikkei.com

 こんなことも書かれていました。
『東電と中部電は将来は柏崎刈羽原発浜岡原発の運営・保守も新会社で手がけたい考え。数千人規模の人員が新会社に移る可能性もある。』
『メーカーにとって原発関連の人材育成や技術の伝承は深刻な課題となっている。BWR原発は11年の事故から再稼働していない。保守管理を中長期で手がけていくために必要な人材の育成が進まない』

 この構想は経産省が音頭取りをしているのでしょうから、良いことなのか悪いことなのかは判りません。4社合同で経営の合理化を進めることを目論んでいるのでしょうが、既存の電力会社の経営から原発を切り離すことで、原発をつぶしやすくなったという見方も出来る。
 少なくとも東電や中電でさえも一社で原発を維持しようというのは困難、ということははっきりしている。10年も動かしていなければ人材が枯渇することだって間違いない。経産省や電力会社が原発固執することがどれだけムリなことなのか、無駄なことなのか、このニュースは示していると思います。