特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『たった一晩で世の中は変わる』+『葱爆羊肉拌麵』

 毎年この時期になると、近所のお寺の前には蓮の鉢がいくつも飾られます。

 毎朝 お寺の人が台車に乗せて鉢を表に持ってきて、夜になるとしまっています。凄い根性です。

 蓮の花はどことなく涼し気です。


 それにしても暑い。いや、熱い。
 何度も書いている話題ですが、この殺人的な暑さ(実際 何人も亡くなっています)は以前見たSF映画ジャンクヘッド』を思い出します。
 近未来 地上は熱波に覆われて、生き残った少数の人類は地下に潜るしかなくなる。そこでは人間は奇形生物からの危険に怯えつつ、生きていかざるを得ない。そんなお話です。

 今の暑さは異常や突然変異ではなく、地球温暖化で起きた構造的なもの、人災です。山形や秋田の大雨も九州北部で雪が降るようになったのも東シナ海日本海の海面温度の上昇が原因です。

 この状態は50年や60年は続くし、これからもっと酷くなる。今だって日中は身体が弱い人はとても外に出られませんが、暑さがもっと酷くなったら普通の人も朝も夜も外に出られなくなる可能性だってないわけではない。


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 それでもトランプは『地球温暖化なんか嘘っぱち』、『石油を掘って掘って、掘りまくれ』と言っている(笑)。石油産業とそこで働く労働者の支援を受けて自分が権力を握ればそれでいい、という訳です。

 石油産業と言う大資本だけじゃなく、労働者もそれを支持しているところがポイントです。
 現代の問題の多くは、右とか左、労働者と資本家とかいう視点では解決できない。労働者の年金一つとっても株価と連動しているし、企業会計は株価が下がれば年金の積立不足が生じて労働者の給料だって減る仕組みになっている。

 人類が外に出られなくなるような頃にはボクは生きていないかもしれないから別にいいけど、本当に将来の人類は大丈夫なのか、心配してみたくもなります。


 カマラ・ハリスに大統領候補が変わって、世の中の雰囲気も一気に変わった気がします。
 狙撃事件以来 日本のマスコミでは『確トラ』とまで言われていましたが(実際は狙撃事件があっても世論調査の結果は殆ど変わっていなかった)、11月の選挙に向けて行方は判らなくなりました。

 もちろん、トランプに辟易していた人が一気に希望を見出した(笑)ということで、一時的な錯覚に過ぎないかもしれません。問題は世論調査より激戦州がどうか、ということですし。
 しかし、映画監督のマイケル・ムーアが『1日でこんなに変わるのか』と言うほど、劇的な効果が生まれたのも事実です。

・ハリス大統領選挙キャンペーンに2億5000万ドルが寄付された。これはアメリカ史上1日あたりの寄付額記録である。
・日曜日と月曜日には、28,000人が選挙運動ボランティアに登録し、戸別訪問や電話、投票登録を行った。土曜日までに全国で登録したボランティアの総数は230人だった。
・Win With Black Womenが主催したカマラ・ハリスを支援する電話会議には、44,000人以上の黒人女性が参加し、回線が過負荷になる前にZoomがすぐに容量制限を拡張しなければならなかったほどの参加者が殺到した。彼らはわずか3時間で150万ドルを調達した。

What a Difference a Day Makes - Michael Moore

 多くの人が一夜にして、自分たちの国に希望を持った。日本とあまりに違う、このことはよく考えてみなければいけないと思いました。

 ポイントは2つです。
 一つは政治家です。小異を捨てて大同に帰した。
 自ら降りることで国に貢献したバイデンだけではありません。クリントンペロシなど民主党の主流派はもちろん、エリザベス・ウォーレンやオカシオコルテスなど民主党の左派も中道寄りのハリスを推すことで団結した。以前はハリスを散々批判していたのに、今はあっさり封印した。トランプを倒すことが最も重要なことだからです。
 旧民主の中の内ゲバは言うに及ばず、国民民主・立憲・共産党・れいわなど野党間の抗争などでいつまで経ってもまとまらない日本のバカ野党とは大違いです。
 日本の政治家の多くは与党だけでなく、野党だって国民のことを考えていない

 もう一つは有権者
 もともと副大統領のハリスの人気は低迷していました。
 仮にハリスが大統領になっても大したことはできない。ラストベルトの産業が立ち直るなんてことはあり得ないし、貧富の格差が解消されるようなことはない。移民問題も解消されないし、アメリカがイスラエルへの軍事援助をやめる、なんてこともできない。

 それでも、トランプよりはマシです。関税で輸入品価格が上がって一般人の生活が苦しくなることもないし、女性の中絶の権利は守られるし、マイノリティへの差別が助長されるなんてこともない。ガザでの人々の犠牲は減るはずです。

 問題は全て解決できないけど、マシな選択肢を選ぶしかない、ということが理解できる有権者が大勢いる。消費税をなくせとか、自衛隊をなくせとか、無いものねだりでゴネるようなバカは少ない。

 政治はマシな方を選ぶしかない、という現実が良く判っている。

 日本の若者は自分の国の将来を悲観している、という調査結果があります↓ 他国と比べても圧倒的です(笑)。
 与野党ともに政治家はバカばかり、国民の半分は選挙にもいかない。日本の将来を悲観するのは当然です。論理的にはその通り(笑)。

 ただ、それでいいのか(笑)。
 政治家、有権者がその気になれば、たった一晩で世の中はずいぶん変わる。今週はその実例を見せられました。


 最近は 外食で滅多に麺類、ご飯類は食べなくなりました。若いときは好きでしたがダイエットのことを考えたら、自然と口にできなくなりました。それでもたまに食べたくなる。

 こちらは三軒茶屋湖南料理で食べた水餃子入り鶏モツ米粉
 湖南の米粉はうどんのように太くて、スープの味が良く染み込みます。

 どんな安い店でも中国料理のスープはちゃんと骨からとったものが主流なので、その点は嬉しいです。水餃子も勿論手作り、パクチー入りで美味しかったです。

 こちらは新宿のハラルの店で食べたウイグル料理、葱爆羊肉拌麵
 拌麵とは汁なし麺のこと、上には羊と葱の炒め物が載っています。手軽な料理ですが、手打ちの麵です。やっぱり不揃いな手打ちは美味しい。
 この手作り感を味わうと、製麺所の麺を使ったものなんかバカバカしくなる。料理としての格がまるで違います。

 元来 この店は蘭州牛肉麺蘭州ラーメン)の店ですが、ウイグルなど経典(シルクロード)料理がメインになりつつあります。お客さんは中国人、漢人ばかりですが、漢人も西域の料理が好きなのかな。良い傾向です(笑)。

 ただ、どちらも食べたあとの体重調整が大変でした。やっぱり炭水化物はやばい。それでもケーキとか饅頭は食べちゃうんですけどね(笑)。