特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『今年初めてのフキノトウ』と『ワクチンを巡る内緒話』(笑)

 やや寒いですが、さわやかなお天気ですね。今年 初めてフキノトウを食べました。

 いつもの、近所のイタリアンです。フキノトウジェノベーゼみたいにペーストにしてホタルイカと合わせたパスタ。ジェノベーゼより遥かに味が濃くて、身が甘いホタルイカと苦みがマッチしてました。苦いフキノトウ、大好きですが、天ぷら等揚げ物は家で作らないので中々食べる機会がないんです。

 苦みと言えば、白アスパラも。

 今回もロワール産のものですが、今年 今まで食べたものより大分太くなってきました。これくらいだと食べた気がします。一旦 炭火で焼いてから鯛の切り身と一緒に包み焼きにしたもの。焼いたアスパラは茹でたものより苦くて美味しい!

 苦いものってデトックス効果があるそうですけど、春になるとこういう食材が食べたくなるのは人間も動物なんだなーと思います。
  


 一方 動物以下の知能しかない大阪府知事の吉村が東京より早く緊急事態宣言を解除させたのは、とんでもない結果になりました。花見や卒業・入学式の時期に緩めたら、感染が増えるのは当たり前。完全に人災です。
 東京もまた、何とか宣言です。もう良くわからない(笑)


 先進国では最も遅いとは言え、日本でもやっと来週から、ワクチンの接種が始まるそうです。
 東京で先行する2か所のうち世田谷は老人ホームに優先接種ですが、八王子は電話先着順、あっという間に枠が埋まってしまったそうです。アホですね。
 昔 コンサートチケットの争奪戦でチケットぴあなどに電話を延々かけまくったものですが、あれほどくだらない作業はない。いまどき年寄りにそんなことをさせてどうするんだって。

 単にワクチンだけの問題じゃなく、1年間 医療体制の整備をまともに進めていなかったから、緊急事態宣言したり、しなかったりするような事態になってしまった。振り回されている飲食店は気の毒です。


 外国ではワクチンの接種は日本より遥かに進んでいます。イギリスは人口の47%が1回目を接種。70歳以上では9割、アメリカは人口接種率32%、EUは14%、中国は6%(でも既に1億回)だそうですから、日本の遅さは何なんだ、としか言いようがありません。
英首相「私もパブでビールを」 感染状況が劇的改善(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュースnews.yahoo.co.jp


 ボクの勤務先でもそうですが、今 企業では海外駐在員の接種が問題になってきています。日本以外の国は外国人にも接種がどんどん進んでいるからです(笑)。特に駐在員が多くてワクチンの安全性に不安がある中国。
 結局 各人の自由意思に任せるしかない、というのが色んな企業の判断のようです。そりゃあ、そうですよね。

 驚いたのは中国では接種の順番は現役世代が先、老人が最後、ということです。経済回復と同時に感染拡大を防ぐために、現役世代から先に打つ方針らしい。確かに活発に動き回るのは現役世代ですから、感染拡大防止という観点では一理あります。

 他の先進国では有り得ないですが(笑)、冷たいけれど合理的な判断ではあります。考え方の違いは面白いですよね。ただ、こんな怜悧な判断を出来る国とは戦争なんか絶対にできないと思います。

 ちなみに上海に駐在している人に聞いたら、今 中国では感染者が出るとその地区の当局者が罰せられるそうです(笑)。だから、当局者はほぼ強制でワクチンを接種させるらしい。もちろん外国人もです。英語が通じるセンターが作られているそうです。今 外国人が申し込むと接種は5月、地区によっては7月といってました。

 もともと一人一人が健康管理アプリで管理されてますから、PCRが陰性でなければ地下鉄にも乗れないし、鉄道や飛行機の切符も買えない。ワクチンも接種してなければ同じことになるでしょうから、要は接種しなければ生きていけない。

 中国のワクチンの安全性はよくわかりませんが(笑)、現地の日本人に聞くと『中国の薬は強いけど、よく効く』という声も聴きます。ブラジルなどで接種されているロシア製よりはマシでしょうから、まず生活できなければ打たないという選択肢はない。
 東京新聞の記者が北京で打ったそうです。
www.tokyo-np.co.jp


 いずれにしても、何も考えてない日本以外はどこの国も一刻も早くワクチンを接種させて経済を回復させようと言う戦略です。今週 IMFが出した最新の経済見通しで、一層 明確に差が現れてきました。

f:id:SPYBOY:20210408084423p:plain

21年、22年ともに日本はアメリカ、EU、中国、低所得国 全てのグループの中でもっとも成長率が低い。中途半端な感染対策の結果 経済回復が最も出遅れる(笑)。ここでもまた、日本は敗戦を繰り返した訳です

 一番問題なのはそれでも日本人が敗戦を敗戦と認識してないことです(笑)。
 今 世界的に半導体不足で揉めていますが、半導体はかっては日本の天下でした。太陽電池もそう。どちらも今や日本は中国、台湾メーカーの足元にも及びません。こうやって負けまくっていることすら多くの日本人は認識してない。これでEVが普及して自動車まで負ければ、日本は一気に低所得国になりかねません。
 いくら呑気でも、多少は危機感を持つべきじゃないか、とボクは思うんですけどね(笑)。
●有名会計事務所、プライス・ウォーターハウス・クーパースの将来のGDP予測。日本は2030年にはインドに抜かれ、2050年にはメキシコにも抜かれています。調査した年によって絶対金額は変わっていますが順位はほぼこの通り。コロナみたいな危機が起きるたびに日本の衰退は更に早まるでしょう。ちなみに先週 新入社員向け挨拶にこの表を使いました。現実を理解してもらわないと(笑)。
f:id:SPYBOY:20210408153853p:plain
21世紀前半の経済はアジアの時代に~レポート「2050年の世界」が予測する大幅な経済変動 - 榊原英資|論座 - 朝日新聞社の言論サイト


 さて、先日 定期的に話を聞いている大臣の元政務秘書からレクチャーを受けました。彼は官邸にも、野党にも呼ばれて話をしている人です。

 コロナについて政府のシナリオを聞きました。
 まず、政府はPCR検査を増やそうとは全く考えていないそうです(笑)。彼らの今の最優先課題は高齢者への接種。そうすれば死者・重症者は減るから医療供給体制に余裕が出来る。そうやって緊急事態宣言になるのを防ぎ、7月末までに高齢者への接種を終わらせ、オリンピックをやり、秋口に選挙、というシナリオだそうです。

 ま、高齢者にさえ接種すれば死者・重症者は減り、病院のベッドは空く、というのは確かに目先のロジックとしては正しい。でも、市中に感染が広まるリスクや新たな変異株の発生のことは全く考えてない政治家連中の関心は目先の選挙だけ

 とにかく内閣支持率はコロナの感染と負の相関にあります。つまり、感染者が増えると内閣支持率は下がる

f:id:SPYBOY:20210408164023p:plain
www.yomiuri.co.jp

 今 政府は役人に『左寄りの政策を探せ』という指示を出しているそうです。ちょっと前にマスコミに出た『こども庁』もその一つ。
 今 新卒の求人倍率は2年連続で低下しています。来年はもっと悪化するのは間違いない。

f:id:SPYBOY:20210408172444p:plain

 新卒の求人倍率が下がると自民党の支持率も下がるそうなんです。政府はそれに危機感を感じているらしい。つまり『こども庁』は世論対策です。

 自分たちの権力維持のためとは言え、国民世論に敏感なことだけは自民党に感心しますこの点は野党は遠く及びません

 コロナ禍での失業者は10万人超と発表されています。

 当初 失業は100万人にも上るのでは、と言われていましたから、リーマンショックの際に造られた雇用調整助成金は今回も効いています。逆に助成金の対象にならない飲食店などの雇用にしわ寄せが行っている。それに延長を繰り返してきた助成金も5月から縮小し6月には切れます。そのあとが心配です。


 アメリカもイギリスも中国も、外国には感染予防と経済の両立を図るという明確な戦略があります。
 特にアメリカは道路や橋やインターネット網の整備、新型コロナウイルスからの復興を目指す経済・雇用対策、気候変動対策、高齢者や障がい者福祉に8年間で220兆円も投資する「米国雇用計画」を立てています。昨日、バイデン大統領はその財源を法人税多国籍企業への(15年で)275兆円の増税で賄う案を発表しました。

www.nikkei.com

 今回は富裕層への増税を見送ったところが大統領の妥協点、落としどころなのでしょう。
●落としどころがあるからこそ、大企業も賛成するわけです。
 


 一方 日本の政治家は自分の権力のために、短期的な人気取り政策ばかりに血道をあげている。これは与党だけでなく、野党も、特に消費税ゼロとか言ってるバカ連中も一緒です。安倍晋三最低賃金アップや今回の『こども庁』もそうですが、野党は目先の人気取りばかり言ってるから政府に左寄りの政策を取り込まれて、差別化ができなくなる

 バイデン大統領の案のように、現実的な中長期のビジョン、つまりコロナ感染防止と経済政策の両立、そして将来のより良い社会を目指す政策を目指す政党・政治家は日本に現れないのでしょうか。