特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『今ここにある危機とぼくの好感度について』(第3話)とドキュメンタリー『潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇』(The Mole)

 緊急事態宣言が延長されましたが、何が何だかよくわかんないです(笑)。正確には、興味を失くした(笑)。
 ボク自身は夜の街(笑)どころか、人混みだって極力行きません。あとは国が何を言おうと、自分の身を守るためにマスクと手洗い消毒という出来ることをやるしかないですもん。

 東京の場合 飲食店はお酒はダメだけど客間の距離や換気は基準なし、劇場やイベントはOKだけど映画館はダメ、対策は相変わらず矛盾だらけです。
 電車は結構 混んでいるみたいだし、TVのニュースでは毎日 冒頭で『感染者数がどうこう』とやったあと『次は五輪のテスト大会?です』とかやってるんだから、支離滅裂もいいところ。だーめだ、こりゃ。

 ボク自身は人間への嫌悪感が益々高まりました。他人との距離感を以前にも増して意識するようになった。とにかくマスクをしていない奴、ぺちゃくちゃ喋っている連中はボクの半径3メートル以内に入って来るな(笑)。

 人との距離を取るようになったのはボクだけではありません。実際 各地の恋人関連の観光地(笑)は閑古鳥だそうです。
●『日本における2大出会いの場である学校と職場がコロナ禍でオンライン化されたことで、恋愛が生まれる場所が一気に減った』(山田昌弘中央大教授)
business.nikkei.com

 ただでさえ少子高齢化が進む日本、コロナで衰退は一層加速するのかもしれません。
 ボク自身は感染の恐怖や経済的な問題はあるにしろ、今の宴会がない生活、極力 他人と接触しない生活は嫌いじゃありません。これってもしかしたら鴨長明兼好法師みたいに竹林に籠って世を捨てる生活、憧れの閑居生活に近いのかもしれない(笑)。

 リスクがあるとは思えない店まで規制されて美味しいものが食べられないのはアホらしくて勘弁してほしいですが、宴会無し生活はこのまま永久に続いて欲しい。集団免疫を獲得するまでは、ワクチンを接種してもマスクをしろって事みたいですから、 日本はあと2年くらいは宴会無しで行けるんじゃないでしょうか(笑)。
●せめてテイクアウトと材料購入で、こだわりの店と生産者を応援することにしています。生で食べられる北海道ジェットファームのアスパラとロワール産の白アスパラ。どちらも立派です。スーパーで大量に売っているものとはモノが違う。

 バブルの狂騒や他国に侵略戦争を仕掛けるようなことに比べれば、日本がまるで木が立ち枯れるように静かに衰退することができるのなら(笑)、世の中の方向としてそんなに悪くないのかもしれません。


さて、土曜日のNHKドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』第3話も面白かったです。

 昨今 しょっちゅう起きている言論への自主規制・弾圧を取り上げたお話でしたが、自主規制される講演会のテーマが『見下される国、ニッポン』だったり、『ネット炎上で講演会中止』という設定がピリリと効いています。
 義憤にかられた76歳のネトウヨ老人がファックスで(笑)爆破予告をしてくる、というのもやけにリアルなんですよね。愛知トリエンナーレに脅迫ファックスを送って逮捕されたバカは59歳でしたが、要するに中高年の男というのはロクなもんじゃない。

 外国人記者クラブをうまく使った演出も良かった。『一番残念なのは先生の沈黙です』という台詞は感動的ですが、それ以前に外圧がないと動けない日本人の姿が2重構造で描写されている。

 結局 既得権益にしがみついている男やそれに同調しておこぼれを漁る名誉男性丸川珠代橋本聖子みたいな女)なんかには期待できない。今の日本を変えていくとしたら女性や外国人しかないというテーゼ(笑)が明快なお話だったと思います。

 相変わらず痛烈なセリフが挿入されています。
『大学なんて直ぐ政府や企業の専用研究所にされてしまう』、『それじゃいけないんですか?』と言う会話だけでなく、『日本人向けの好感度戦略は1.清潔感、2.笑顔、3.意味のあることを言わない』など多くの人が身に覚えのあるようなことまで、攻めまくっています。

 あと何を決めない総長が今までそうしてきたのは、『国や企業が求める大学改革をやりやすくする』総長の独裁体制になるのを拒否してきたからだ、というのも深いなあーと思いました。自民党文科省をストレートに揶揄することをお笑いでやってるんだから凄い。

 こんなドラマを放送するんだから、NHKにも根性ある人がいます。19日に今まで放送したものをまとめた総集編、特番をやるそうです。
www.nhk.or.jp


 ということでNHK-BS1のドキュメンタリー『潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇』(原題:The Mole)(モグラ=スパイの意)
www.nhk.jp
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www.nhk.or.jp

 旧南アの白人至上主義の秘密結社がハマーショルド国連事務総長を殺したばかりか、黒人の人口を減らすためにワクチン接種のふりをしてエイズウィルスをばらまいていたという衝撃の傑作ドキュメンタリー『誰がハマーショルドを殺したか』を撮ったデンマークの監督兼ジャーナリスト、マッズ・ブルッガーの新作です。
spyboy.hatenablog.com

 海外では昨年上映されて話題になっていた作品ですが、日本では劇場公開前にNHKが放送した、という訳です。2月に放送されたのですが、それは見逃してしまい、GWに再放送されたのを見た次第。

 マッズ・ブルッガー監督は以前 北朝鮮を舞台にしたコメディ/ドキュメンタリー、『レッド・チャペル』と言う作品を撮って、北朝鮮からお出入り禁止になっているそうです。
www.cinematoday.jp

約10年前、彼の元にスパイ志願者、ウルリクがやってきました。元コックの彼は失業中ですが北朝鮮に興味を持ち、自ら北朝鮮に潜入調査をしたい、というスパイ志望者でした。自身は北朝鮮に入ることができない監督は彼に今までのノウハウを伝授して取材を依頼します。
●彼がウルリク
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 北朝鮮には、各国に北朝鮮との友好団体があるそうです。ウルリクはデンマークの団体に入り込み、さらにもっと大規模な国際的な友好団体KFA(北朝鮮友好協会)に参加します。
 こんな団体にはどういう人間が参加するのか?と思ったんですが、共産主義者の人たちみたいですね。共産主義の理想と世襲の独裁者が支配する北朝鮮とは真逆にしか思えないですが、この人たちには違うようです(笑)。集会でキム主席バンザイとやっているヨーロッパ系の人たちがいるというのは驚きでした。
北朝鮮友好協会の集会で演説するウルリク。北朝鮮風の制服を着ています。
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 KFAのリーダーはスペイン人のアレハンドロという男です。驚くべきことに貴族の末裔と言うことらしい。熱心に活動するウルリクは7年がかりで組織内で出世していきます。
●ウルリクと握手するアレハンドロ(左)
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 やがてウルリクは、アレハンドロに北朝鮮に投資する資産家を見つけるよう依頼されます。アメリカの制裁で金がない北朝鮮はビジネスをする相手を探しているというのです。ウルリクと監督は元傭兵で麻薬の売人をジェームズという架空の資本家に仕立て上げ、取引をさせることにします。
●ジェームズ。
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 アレハンドロはジェームズと遭うと、北朝鮮との取引について饒舌に語ります。自分は上層部とつながっている。北朝鮮は武器、麻薬、なんでも作ることができるというのです。セールストークはこんな感じです。
DPRK北朝鮮)はいかなるルールも守る必要がない唯一の国
何をしようと国外に漏れず口座や資産には誰も手を出せない
インターポールにも非加盟なので他国では不可能なことができる

 実際に2016年にアレハンドロは武器取引で逮捕もされています。
news.yahoo.co.jp

 ウルリクとジェームズはアレハンドロの手引きで北朝鮮を訪問、武器製造の取引を進めます。ピョンヤン郊外のスラム街の地下に豪華な接待所があり、武器のカタログと価格表の説明を受けます。
●接待所にて。ジェームス(右)と武器製造工場の代表者
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 スカッドミサイルから潜水艦、ドローン撃退用のハイテク機器まで北朝鮮は何でも作れる、と言うのです。ちなみにスカッドミサイルの価格は3発で15万ドル。ボクは、安い、と思いました(笑)
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 さらに武器製造工場をウガンダに作ることを北朝鮮は提案してきます。ウガンダビクトリア湖の島を買って、飛行場付きのリゾートを作る。その地下に工場を作るというのです。過去に経験があり、自分たちはそのノウハウを持っていると。実際にウルリクたちがウガンダ政府の役人に遭うと、そういうことは可能なようでした。
●ジェームス(右)と北朝鮮の武器工場関係者(情報機関員?)。一緒にウガンダ無人島を視察しました。
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 その後 話は制裁で輸出を禁止されている石油を積んだ船を北朝鮮に向かわせる、という話にまで発展します。ロシア船のふりをすれば大丈夫だというのです。段々話が大掛かりになってくる。
 そろそろ頃合いです。監督はウルリクとジェームスを北朝鮮からの報復から逃れるために身を隠させ、音信不通にします。そしてアレハンドロにZOOMで面談、ネタ晴らしをします。激怒したアレハンドロがZOOMをぶち切ったところでお話は終了します。
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 映像はウルリクがKFAのPR用と称して撮ったもの、また体につけた隠しカメラで撮ったものが多様されています。だから迫力は満点です。と、言うよりちょっと怖い(笑)。この映像が本当なのかという説もありますが、BBCは信ぴょう度は高い、としています。
 
 北朝鮮が何でウルリクとジェームスの話に引っ掛かったのか。元傭兵のジェームスは危険が大好きで修羅場を苦にしないのかもしれませんが、ウルリクは監督が元CIAの専門家に訓練を受けさせたと言えども素人です。監督は素人だからこそよかったのではないか、また、制裁で外貨獲得によほど焦っているのではないか、と推測しています。10年間にもわたる潜入で、ウルリクがだんだんスパイ業に快感を覚えていくところも映画では捉えられています。

 一つ分かったのは北朝鮮は質はともかく、ミサイルでもハイテク兵器でもかなりのモノを作ることができる。そして、現実に武器や覚せい剤の密売で外貨を稼いでいる。実際にISやシリアには北朝鮮の兵器がずいぶんと渡っているそうです。

 昨年秋 この映画が公開されてデンマークスウェーデンの両外相は国連の安保理EUに警告を発しました。もちろん北朝鮮は内容を否定しています(笑)。
www.sankei.com

 
 監督の前作同様、びっくりするような話ですが、映像も契約書もここまではっきりしていると事実と認めざるを得ません。北朝鮮はまともに食い物もない癖に、どうしてミサイルや潜水艦みたいな武器まで開発しているんだ、と思っていましたが、要は金儲けの為なんですね。武器と覚せい剤、それにハッキングが輸出産業の国っていうのも全く凄いものです。ある意味大したもんだ(笑)。

www.youtube.com

 他人事ではありません。安倍晋三や菅は北朝鮮中国共産党みたいな政治を目指しているじゃないですか。その成れの果てはこういうことですよね(笑)。