特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『地震と肉骨茶』と読書『天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀』と『0907再稼働反対!首相官邸前抗議』

先週から今週は関西の台風、北海道の地震と災害が続きました。
関西の台風だって工場や物流は未だに回復していません。これから影響が出てくるところです。まして、この地震です。ボクの勤務先でもあちらにいる人は連絡がつかず大変でしたし、まさか北海道全域が停電するとは思わなかった。


東北大震災の教訓を受けて危機管理体制を整えていた北海道のローカルコンビニ、セイコーマートセイコーマートが北海道大地震対応で底力発揮 | 北海道リアルエコノミー | 地域経済ニュースサイトは、停電になっても従業員の車から電気を取ってレジを動かし、1100店中 1050店が営業を続けたそうですhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180907-00010003-fnnprimev-soci
また、東京でも大きなオフィスビルだったら自家発電の非常用電源を持ってますが、普通は数時間、データセンターとか超重要なところでも せいぜい3日分程度しか燃料を持っていません。でもセイコーマートの物流センターは20日分の燃料を貯蔵していたそうです。
安全対策のためにそのような経営判断をして 様々な投資をした経営者も、こんな時に出勤した従業員の人たちも、マジで尊敬に値します。
●『地図から消される町』の著者、青木記者は、こういう人です⇒『高プロの可決』と証言記録『暴走する原発に突入せよ』(NHK)と読書『地図から消される街』、それに『0629再稼働反対!首相官邸前抗議』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)


そこまでのレベルは無理にしても、北海道電力の危機管理は何をやってるんでしょうか。東北の地震の際 電気の融通であれだけ苦労した教訓が生かされていない。これだから親方日の丸の独占企業はダメなんです。無能なんです。残念ながら日用品の供給も企業の売上も、これから我々の生活にも北海道の災害の影響が出てくるでしょう。


泊原発だって安全審査に合格できないままで動いてなかったからまだ良かったですが、外部電源を失ったのは事実です。原発というものが如何に災害に弱いかということが露わになりました


日本人が為政者に対しておとなしい、いわば他人任せなのは、日本が自然災害が多いから、という説があります。。例えばデモで倒された韓国の朴大統領より安倍晋三モリカケの方が遥かに悪質だと思いますが、それでも強引に居座れてしまうほど、日本人はおとなしい。マスコミや野党が無能なせいもありますが、基本的には日本人はバカなんでしょう。自分で自分の運命をグリップしようとしない、他人任せ。


確かに自然災害を責めても仕方がありません(笑)。でも自然災害は仕方なくても、今回の北海道電力や融通用送電網の不備、非常用電源が地下1階にあった関西空港のように、災害対策が不十分だったということは大いにあり得ます。自然を呪っても仕方がありませんが、自分たちが出来ることをやらないのは愚かなことです。ニッポンサイコーとか寝ぼけたことを言っている暇があったら、反省すべきは反省すべきだと思うのです。じゃなきゃ、ボクらは進歩がない。

●マジでこれしかない!大仏もいいし、モスクでも!どこかの閑散地に世界1の超巨大モスクでも建てたら、日本の石油供給は心配なし。地方興しにもなるし、最高のエネルギー戦略でしょう!



この前 『肉骨茶』(バクテー)というものを食べてきました。シンガポールやマレーシアの料理だそうです。もちろんお茶ではなく、骨付き豚肉をクローブ八角、胡椒、ニンニクなどの薬膳スープで煮たもの。最近 少し流行ってきたらしく、一度味見がしてみたかった。
この、赤坂のお洒落系の店は食べ物が出てくるまで20分近くかかるなど、オペレーションはまるでダメでしたが、肉骨茶自体は脂分も少なく、美味しかったです。手軽な外食でも、こういうヘルシーな食べ物が増えてくるのは良いことです。コンビニとかファーストフードの食べ物なんか炭水化物だらけのゴミですよ。日本が外国を見習うチャンスは、こんなところにも隠れています。
●『肉骨茶』。上にはコリアンダーパクチー)をトッピングしています。




さて、読書の感想です。加藤陽子東大教授の『天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀

大正末期から終戦直後までの日本の歴史と昭和天皇の果たした役割を追った本です。先日 加藤陽子教授のトークショーを聞いて以来、この人は以前より鋭い指摘をするようになったと思ったので、最も最近の著作を読んでみたくなったのです。ただ、歴史の本とはいえ学術書なので、流石に難しい。正直ボクは内容を追うだけでも精一杯。旅行と通勤の電車の中で読んだのですが、3週間もかかってしまった。でも、面白かった。


戦前の明治憲法下では天皇は政治には直接関与しないものとされていました(天皇無答責)。一方 軍事は大元帥として関与する。明治期は実質的に元老が軍を統制できたわけですが、元老が居なくなると抑えが利かなくなってくる。やがて政党政治の混乱や軍隊内の派閥争いのなかで、昭和天皇は直接 政治にも関与せざるを得なくなってしまった。
昭和天皇も首相の田中義一を事実上 自分がクビにしたり、226事件を自ら討伐すると宣言したり、時には自ら積極的に政治に関与してしまう。最後の元老 西園寺公望などは懸命にそれを押しとどめようとしたし、本人も反省して政治に関わらないようにすると、今度は軍隊が跋扈する。政党では軍を抑えられない。天皇自らも賛成していた『天皇機関説』も軍や政党の政略で弾圧されるような世の中になってしまいます。更に不景気や大震災、国際関係から国民の間にも不満のマグマはため込まれる。
日中戦争後は天皇が臨席する大本営が設置され、太平洋戦争直前には天皇も積極的な役割を果たさざるを得なくなった。もう、無答責ではありません。
天皇無答責を貫こうとする宮中や良識派も居ないわけではなかったけど、軍隊の横暴、権力争いに終始する政党、近衛のような無責任・無定見な政治家、それらがニッチもサッチも行かなくなって戦争の道が避けられなくなってしまった。


読めば読むほど、世の中は単純な勧善懲悪じゃない と思えてきます。当たり前ですけど、そこが面白い。天皇が積極的な役割を果たすのならマリアナ沖海戦で降伏していれば犠牲も半分以下で済んだはずなのにとは思いますが、仮に自分が天皇だったとして、クーデター覚悟で降伏を言い出せる人間がどこまでいるか。
もちろん昭和天皇は戦犯だし、東條英機をはじめとした殆どの軍人トップや政治家はバカで無能で卑怯だったことに変わりはありませんが、太平洋戦争開戦時点ではもう手遅れだったかもしれません。満州事変以来 国のリーダー層は国民を煽るだけ煽ったから、指導者層は対米戦争に勝ち目は薄いとわかっていても、後に退けなくなった。
そこで本当に自分を捨てられるようなリーダーがいたらなんとかなったかもしれませんが、その頃 居たのは東條のようにバカな軍人や近衛のような無責任な政治家。連中が緊急時に一層バカになって希望的観測を頼りに開戦した。あとは自業自得。


敗戦後 天皇が積極的に改憲をしようとしたことや日本国憲法制定時に来日したGHQの憲法最高顧問とOSS(CIAの前身)の日本班班長が二人とも戦前 美濃部達吉の『天皇機関説』を学んでいた、というのも面白かった。それだけ考えても、憲法は押し付けとかそんな簡単な話ではないことが判ります。
あと、敗戦後 天皇が積極的に沖縄をアメリカに占領継続を勧めた、つまり『自ら差し出した』のは有名な話ですけどマッカーサー天皇に『日本は武力を放棄して、国際世論の力で平和を守っていけばよい』とまで発言して日本の非武装化を進めたのは、彼は沖縄に核兵器を積んだ空軍を置いておけば日本の軍備は必要ない、と考えていたからだそうです。この問題は想像以上に根が深い。


読んでみて知らないことが沢山ありました。また他の人の書いた本も何冊も比べなければ理解は深まりませんけど、この1冊だけでも勉強になることは請け合いです。対米戦争を始めるなんて政治家も軍人もバカで無能だったのは間違いないけれど、それにはそれなりの理由があった。今の安倍晋三だってバカで無能でウソツキだけど、政権を維持できているのには理由がある。それは何かということをもっと直視しなければいけないと思うんです。



ということで、今週も原発再稼働に反対する官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
今日は総裁選告示に合わせて、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡など全国各地で『#0907全国一斉安倍落選運動』(笑)が予定されていましたが関西の台風、北海道の地震で中止になりました。東京でも官邸前抗議と連続する形で予定されていましたが、官邸前抗議単独での開催になりました。


午後六時の気温は29度、これで涼しく感じるんだからなあ😄。参加者は700人。地震があったからか、先週より増えました。
●抗議風景








●このプラカードは1センチ四方の紙で折った鶴を張り合わせて作ったそうです。 超人的な技😄


繰り返しになりますが、泊原発は地盤の問題だかなんだかで、安全審査に合格せず止まっていたから、燃料の熱量が低くて、まだ良かった。
例え原発は壊れなくても外部電源が失われたら、もうアウトです。電力会社の電力供給網全体や他社からの融通系統まで考慮していない原子力規制委員会の安全基準は片手落ち、ということが、今回ハッキリしたじゃないですか!特に中小の電力会社、北陸や中国、四国電力なんか、まさに同じリスクがあるんじゃないの。


台風に地震、大雨に地すべり、これだけ災害が頻発する中で、毎回 原発のことがニュースになります。そのこと一つとっても、原発なんて実に割に合わないものだと思います。