特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

食べ物談義と家計消費、それに電気代はなぜ上がる:★0725 再稼働反対!首相官邸前抗議!

誰だよ今年は冷夏とか言った奴(笑)。梅雨明け後の東京はうだるようなお天気だ。暑い、いや熱い。セミはわんわん鳴いているしなあ。天気予報が外れるのは仕方がないと思うけど、外しても給料は変わらないんだろうから良いよな(笑)。


                                 
中国の鶏肉期限切れの話は確かにショッキングな画面だったが、相変わらず産経や読売はそれにかこつけて、デマを流して中国たたきをやってる始末だ(笑)。上海の期限切れ肉 米国系企業と伝えず報道 | GoHoo
現地の人に聞くと、あの会社はアメリカ資本ということもあって評判も良かったし管理レベルも高かったそうだ。確かにアメリカ人のマニュアルは凄いからなあ。だから、あれは氷山の一角だろう。もちろん中国だけの話じゃない。昨年の偽装騒ぎが良い例で程度の差こそあれ、日本にだってあるはずだ。結局 納入業者に過度なコスト要求をするファーストフードやコンビニが自らこういう事態を作り出しているという面はあると思う。あいつらのタカリって酷いんだぜ。

ボクはコンビニ、ファミレス、ファーストフードは殆ど利用しない。たまにコンサートのチケット発券でコンビニを使うくらいだ。それは『(相対的に)高くて不味い!』と感じるからでもあるが、それ以前に、いつでもどこでも、手軽に安価に、食べ物が出てくるのは直感的におかしいと思うからだ。ファミレスでフォワグラが出てきたり、鰻丼がファーストフード店で出てくるのなんて違和感があるじゃないか。

ファーストフードだけじゃない。以前も書いたが、例えば霜降り牛はサシを入れるためにビタミンを不足させて育てた不健康な牛だそうだ。
信濃毎日新聞の記事『霜降り牛 盲目になることも』(環境省の中央環境審議会での討議資料)
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-17/ext01.pdf#search='%E9%9C%9C%E9%99%8D%E3%82%8A+%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3'

●『霜降り牛の飼育実態が国民の間にあまり知られていない』環境省中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会(第17回)議事録
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-17a.html

ボクは霜降り牛なんか脂っこくて食べないからどうでもいいけど(赤身のほうがはるかに美味しいよ)、栄養不足で盲目になってしまった牛の肉をありがたがりながら、緑色に変色した鶏肉をヒステリックに忌避するのも奇妙な話だ。
                                

結局 いつでもどこでも手軽に安価に、どんな食べ物でも出てくる、みたいなことを要求している消費者がこういう状況を作り出していると思う。うなぎもマグロも美味しいけれど、そんなものはたまに食べればよいのであって、手軽に安価にどこでも手に入る必要なんか全くない。挙句の果てに乱獲で資源がなくなるとか言ってるのは狂気の沙汰としか思えない。まして、ミシェランがどうのなんて実にくだらないよ。ああいうのは下品な田舎者のやることだ*念のため言っておくと、ここで言う田舎者とは居住地ではなく、振る舞いのことです(笑)。例えば長州の田舎侍が明治期にでっち上げたインチキ神社を、日本の伝統と言って押し付けるような阿呆を指しています。
                                          
消費者がこんな不自然なことを続けていたら、食品に関する酷い話はまだまだ続くと思う。極端な自然食論者みたいな人たちの言ってることにもついていけないけど、ボクは食べ物は断固 保守主義だ(笑)。小奇麗な店の創作料理は高くて不味い(笑)。インスタント食品もたいてい不味い。金銭的にも時間的にも限度はあるけれど、なるべくなら原材料を買って自分で作るか、作っている人の顔が見える店で食事をとりたい。少なくとも、そのほうが間違いなく美味しいもの



さて、消費税の影響は想像以上だったようだ。6月末の総務省の家計調査によると5月までの家計消費支出(物価を考慮した実質値の前年同月比)を見てみると3月は駆け込み需要で前年比+7.2%、4月はその反動で-4.6%だが、5月はさらに落ち込みが広がって-8%となっている。皆 自衛しているのだ。
●2013年1月からの2014年5月までの家計消費支出の前年同月比推移(実質)

                                                  
物価を考慮した実質賃金はこの1年ずっと減り続けているのだから当然と言えば当然だ。今日のニュースでは相変わらず、『6月の全国消費者物価は3.3%上昇』とか『デフレ脱却』とかわけのわからないことを言っているが、国民の生活はどんどん悪くなっている。
何がアベノミクスだよ、ばーか(笑)。株が多少上がって、非正規雇用の職が多少増えた以外はマイナスばかりじゃないか。こうやって国民の生活を貧しくして、人口減少社会で兵隊にする人材を確保しようとしているのだったら、大したもんだが(笑)



もう一つ、電気代についてちょっと書いてみたい。今日見た日経ビジネス最新号は『電力暴騰』という特集だった。それは、ちょうどボクもこのところ、ずっと考えている問題だった。
311前より4兆円も燃料輸入代が増えたことによる電気代の値上げは実質賃金の低下を始め、国民生活全般に多くの影響を与えている。ボクの家だって毎月1000円〜2000円くらいは上がっているが、毎月の事だからバカにならない。
それは原発が動かないからだ、と読売や産経は言うけれど、必ずしも正確ではない。原発が止まっても石油の輸入量は増えていないし(素晴らしい日本の省エネ努力&技術!)、LNGの輸入は増えているけれどアベノミクスの円安の影響がかなりの部分を占めている安倍晋三が悪いのだ!それに元JFEの東電の数土会長が自ら指摘しているように電力会社のLNG購買が死ぬほど無能、という問題も大きい。確か、もともと国際市場価格の2倍か3倍で買ってるんだよな(笑)。鴨がネギをしょってるとはまさにこのこと。結局 原発停止による本当の影響はその半分、2兆くらいじゃないか


                                                                             
ただし、それでも燃料代が上がっているのが現実なのは確かだ。原発に反対する側だって、そのことは考えなければ反対の意見だって嘘っぱちになってしまう。ボクは『電力会社の合理化努力が足りない』(電力会社は潰れそうな癖に10兆以上もある販管費の2割くらい削らなくてどうする!)と思っているが、今回の日経ビジネスは結構いいことを言っていた。
                                              
たとえば現在 北海道電力の人件費は一人当たり年間1,000万円、電力値上げに伴い多少は圧縮したが圧縮幅は7.8%に過ぎないという。福利厚生費用なんかを差し引いて給与額にしたら一人700万くらいか。ちなみに北海道の県民所得は一人当たり約250万くらい(*東京は440万)。北海道電力の社員の給与はその約3倍だ(怒)。全然 合理化なんか進んでないぞ。
                                                        
日経ビジネスはその原因を『電力会社には、経営努力より原発の再稼働にしがみつき、従来のビジネスモデルを続ければやっていけるという独占意識』があるからだと指摘する。だが『どうせ原発は従来のように動かせない。それに40年廃炉ルールを適用すれば2049年には原発はゼロになる。』のだから、それに備えて『電力会社のビジネスモデルを刷新することが必要』だという。具体的には小売り自由化だけでなく、火力のコストを下げること。例えば東電が再建計画の目玉としている『火力燃料の調達コストを下げるための企業再編(燃料と火力部門を切り出して別会社を作り、他社と共同で調達する)』、また政府の一部が狙っている、『東電と他地域の電力会社や大手エネルギー会社が提携する電力会社再編』などを進めればいい、としている。日経関連のメディアがこういうことを言いだすのはちょっと驚きだった。

                                           
だが政府の中でも東電の中でも、改革を進めたい側と守旧派との争いがあるそうだ。たとえば数か月前から数土氏のゴルフの様子が度々週刊誌に面白おかしく掲載されるようになったのは、間違いなく東電の誰かがリークしたはずだ。つまり東電の中でも改革を進めたい側と守旧派との争いがあることを示している。ボクは数土氏のことなんか知らないけど、大会社の会長がゴルフをするのは仕方ない、仕事だよ。そんなことより新自由主義でも何でもいいから利用して、東電を改革しなければならないことは確かだと思う。

                                                   
原発に反対する側こそ現実に無関心であってはいけないと思う。でなければ『原発が動かなければ電気代が上がる』という奴らの術中にはまるばかりだからだ。良く原発反対派が言っている、原発のコストが高いという話は新設電源の場合だから、今現在の既存のものをどうしよう、今の電気代をどうしようという話とは関係がないボクももう少し考えなければいけない所があるんだけど、とにかく電気代を上げるな、電力会社は経営合理化を進めろ、という声も挙げていかなければ原発なんか止められないだろう原発に反対する一人一人がそういうことまで考えるようになり周りの人と議論するようになって、初めて原発は止まるだろうボクは原発には反対だ。でも それだけじゃだめだ。



と言いつつも、反対の声も挙げなければ(笑)。ということで官邸前へ。
陽が落ちても、今日の東京の気温は30度以上。電車を降りて街へ出ても、ぬるま湯の中を歩いているみたいだ(笑)。それでも先々週、先週みたいなゲリラ豪雨よりは遥かにマシなので元気100倍。
官邸前抗議は今日で111回目だそうだ。ホント、100回以上も同じことを言わせるなって。集まった人は官邸前に1500人弱くらい、国会前他に1000人弱くらいだろうか(主催者発表2500人)。
●抗議風景







                                         
今日は一部では有名な播磨屋デコトラも参加してた。播磨屋というのは『日本一高い煎餅』というキャッチフレーズで有名な兵庫の煎餅屋【播磨屋助次郎の論文集】(理念コース)日本一おかき処 播磨屋本店。訳のわからない右翼的なメッセージを大書した巨大トラックを走らせていることでも有名だ。煎餅自体の味はまずくはない(それほど美味しくもない)が、一応原発には反対しているはずだ。初めて彼らのデコトラを見て、ボクはゲタゲタ大笑いしてたんだけど、抗議の人は殆どUFOでも見るかのように呆気にとられてたな。
●今日は播磨屋の巨大デコトラ3台!も参加。運転させられているのは社員かもしれないが、ちょっと恥ずかしいぞ(笑)。それに国民全員が飢え死にするくらいになったら、それ以前に煎餅屋はどうするんだろうか(笑)。

●去っていく播磨屋のトラック(右上)にコールも忘れて呆気にとられる人々(笑)。

                           
●国会前

                            
国会前に回るとまた、少し雰囲気が変わる。ボクが着いた時は大声でみんなで国会に向けて『原発を止められないなら、議員を辞めろ』とコールしてるところだった。そのあと演壇に上がった吉良ちゃんはコールで息を切らせてしまい、マイクを持ってもなかなかしゃべれなかった(笑)。彼女はそれくらい一生懸命だったということで、反原発の足を引っ張ってばかりの共産党でも、それは評価します(笑)。
共産党国会議員の吉良ちゃんと笠井晃。

                    
2年前の今頃、十万人以上が集まったのには遠く及ばないけれど、先週も今週も集まってくる人の顔ぶれには新しい人も増えている。抗議の列の後ろの方から抗議の列におずおずと入ってくる人を見ると、こっちも勇気づけられる。警官なんか無視して、途中の空いているところへ入ればいいんです(笑)。
抗議の声を挙げ続けることが大事なのを改めて感じた真夏の夜だった。
●今日の写真:真夏の夜の自転車。