特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『フェイクなお話し』と読書『戦前日本のポピュリズム』と『1019再稼働反対!首相官邸前抗議

陽が落ちるのも早くなってきました。如何にも秋らしい、少し冷ややかで澄んだ空気を感じるのも、なんとなく懐かしい感じがします。毎年のことながら、この時期はいい季節だなーと思います。

●銀杏の葉も無くなった外務省前の坂


まず今回はフェイクなお話し、です。
今週 歌手の沢田研二がコンサートをドタキャンしたのが『原発がらみ』という噂がtwitterで広まっていました。


確かに彼はいつもコンサート会場でも反原発の署名を集めていて、今回はそれを会場側から断られたので怒ってドタキャンした、という噂が広まったのです。2,3日後 本人の側からそれは否定されました。それでも何かあるのでは?という人も居ますが、根拠は何もありません😄。


沢田研二にもドタキャンにも興味ありませんが、その噂が2,3日の間 どんどん広がっていくのをTwitterで見ているのは、まさにフェイクニュースが広まる過程を目の当たりにするかのようでした。やっぱり根拠が明確じゃない話はダメですよね。


もう一つ、『港区が青山に児童相談所を開設しようとしたら、住民が反対している』というニュースがありました。、青山に似合わないとか、イメージが落ちるとか言ってる反対派がいると言って、揉める住民説明会の様子をフジTVが朝と昼のワイドショーで取り上げたのです。


【独自】東京・港区の高級ブランド街に児童相談所建設計画 住民の賛否激突「1等地にそんなもの...」 - FNN.jpプライムオンライン


このニュースは他人事と思えませんでした。ボクが通った幼稚園は青山にあったんです。つい最近まで木造だった、温かさを感じる幼稚園でした。少子高齢化で亡国とか言われているのに、子供のための施設を建設するのに何で反対があるんでしょうか。青山だろうが、麻布だろうが、そもそも子供がいない町に未来なんかあるわけないじゃありませんか。時々 ボケ老人が近隣の保育所建設に反対しているニュースがありますけど、低能にもほどがあります。連中は脳みそどころか、耳もボケてるくせに(笑)
●ボクが通っていた幼稚園。歩くたびに床がきしむ木造でした。

●今はこうなっちゃいましたが。


ところがTVに出てきた反対派住民『青山の未来を考える会』は該当地周辺で商売をしている不動産屋に事務局を置いていることが判りました。もろ不動産屋のやらせだったわけです。


個人的には怒り心頭ですけど、続報で不動産屋が裏で糸を引いていることを流していないとしたら(流したという話は聞きません)、これはフジTVのチョンボです。フェイク・ニュースですよ。どうりで、このニュースをTVではフジしか取り上げなかったわけです。
●アナウンサーがカバーはしたみたいですけど:ミタパン、南青山・児相建設の反対住民に皮肉 「正論炸裂」と称賛相次ぐ|ニフティニュース
今の世の中、如何にフェイクニュースが多いことか詐欺師はおしどりマコ堤未果だけじゃありません。こんな身近なところにもフェイクが飛び交っている。ネットやTVを鵜呑みにせず、自ら考えてニュースの裏を取る、具体的にはソースを確認したり、複数の報道があるか確認したりすることの大事さを改めて感じられた今週でした。



さて、読書の感想です。『戦前日本のポピュリズム - 日米戦争への道


ボクはポピュリズムにはかなり問題意識を持っています。今の世の中 ポピュリズム=大衆の感情でかなりの部分が動いているからです。小泉改革も、民主党の政権奪取も、イギリスのEU離脱もトランプの大統領就任もポピュリズムが実現させたものです。アベノミクスだって当初はその傾向がありました。いずれも理屈には疑問の点があっても、大衆の感情で実現されたことです。じゃ、ポピュリズム反対!となりそうなもんですけど、それらに反対するデモだってポピュリズムです。どう考えたらいいんだろう。


この本は表題の通り、戦前日本のポピュリズムについて述べたものです。著者の筒井氏は京大教授を経て、現在は帝京大教授・東京財団の研究員を務める歴史学者です。


著者はこう述べています。
戦前日本のポピュリズム日露戦争での日比谷焼打ち事件に端を発した。日露戦争の講和に国民が反対して大暴動をおこした事件です。全権の小村寿太郎は帰国したとき、家族がまだ生きているのを見てびっくりしたほどの激しい暴動でした。その後 そのようなポピュリズム普通選挙の成立で本格化したが、カネなどのスキャンダルの多発による政党政治への幻滅から、『革新』路線への憧憬や中国やアメリカに対する排外主義に変質、それが日米戦争に行きついてしまった。


確かに太平洋戦争が起きた原因は直接的には天皇や軍部にありますが、国民のポピュリズムによる排外意識も非常に強い物がありました。例えばドイツとの同盟に反対した山本五十六や米内光正は常に暗殺の危険を感じていましたし、実際 もし対米戦争をしなかったら国内革命が起きるのではないか、と天皇や多くの政治家、軍人も考えていたというのは複数の資料で明かされています。対米戦争絶対反対の海軍大将(当時は中将)井上成美などは『戦争で国中が焼野原になるくらいなら、革命の方がマシ』と言っていたそうですが、そういう大局的な判断が出来る人は少ない。


日本のポピュリズムファシズムへ変身した原因を、著者は『マスコミも吉野作造など進歩的な知識人も政党政治の批判をするばかりで、政党を育成しようとしなかったこと』と述べています。国民が感情だけで走った結果 当初は無産政党に期待が高まり、その後は大政翼賛会や革新政治への期待につながった。政策を実現するための合従連衡や議会内闘争などを党利党略として国民が過度に嫌ったことも軍部や大政翼賛会が台頭するきっかけになってしまった。
最後に著者は、『出たい人より出したい人』という大政翼賛会の選挙スローガンは、現在の無党派層にも繋がっていないか、と警鐘を鳴らしています。我々は政党を育成する努力を怠っていないか?というのです。


大変鋭い指摘だと思いました。ボクも無党派だし、与野党ともに既存政党は信用していませんだけど素人みたいな人間だけでは政治はムリでしょう? その点は難しいところです。与野党問わず 何とかチルドレンの醜態は見るに耐えませんが、職業政治家、特に2世、3世政治家なんて、もっとロクなもんじゃない。かと言って、能無しの学者上がりもいるし、弁護士や経営者出身の政治家だって、疑問符が付く奴がいる。個別に見るしかないんですけど、なかなか難しい。とりあえず、我々は(特にボクは)(笑)、政治家を否定するばっかり、です。


最初に書いたとおり、維新や小泉改革小池百合子安倍晋三ポピュリズムだし、デモや感情に任せて反原発を主張している人もポピュリズムです。そこにデマを飛ばして大衆の感情に付け込んで商売するのが、マスコミ、それにおしどりマコ杉田水脈のようなペテン師たちです。
結局 大衆の感情的な思考というものはどちらにでも転んでしまうポピュリズムは独裁者を倒すことにもつながるし、ファシズムの温床にもなる。ボクは原発は反対ですけど、すぐ全廃しろとか言ってる感情的な廃止論者は全く信用できない。そういう人たちはいつ逆の方向へ行くか判らない。


ポピュリズム=大衆の感情をどうコントロールするかは現代社会の大きな課題でもあります。理屈が正しいだけではダメだし、かと言って理屈が正しくなければ長続きはしない。そこいら辺のさじ加減が難しい。まず、我々庶民が ポピュリズムには罠があることを自覚するのが大事だと思います。心底からは自分を信用しないこと(笑)、また左右を問わず一方的な観点からの意見を述べる奴を信用しないこと感情と理屈をうまくバランスを取って判断していくことを心掛けなければいけないんでしょう。



ということで、今週も官邸前へ #金曜官邸前抗議
抗議に参加するために、毎週木曜の夜に金曜の分も合わせて夕食を作ります。特に作りだめしてもまずくならないもの。昨年の夏場は穴子やあさりのゼリー寄せがマイブームでした。今年は南蛮漬けと自家製鳥ハムのサラダばっかり(笑)。冬は毎年 鍋に決まっています(笑)。1時間くらいで二日分のおかずを作るのに料理名を書きつけたメモを見ながら、結構あわただしい。官邸前抗議から帰るときは1週間終わった〜と思ってホッとします(笑)。まあ、食事は次の日も作るんですけどね(笑)。
今日の朝の気温は13度ですから、そろそろ衣替えの時期でもあります。午後6時の気温は18度。参加者は500人。この日は同時にすぐ近くの議員会館の前で『総がかり』が抗議をやってたみたいですね。そっちは全く!興味ないので気がつかなかった😄。

●抗議風景。今日は『福島浪江町 希望の牧場』さんも(4枚目)。ただ何を言ってるか、わかんないんだよなぁ😄。





東海第二原発の工事計画認可にしろ、東電の3悪人3バカトリオ、いや、3幹部の裁判にしろ、不愉快なニュースが続いていますが、今朝はこういうニュースが2つ、ありました。
東芝とIHIの原発合弁会社が解散』、『世界の原発建設投資、7割減』です。



東芝とIHI、原発事業縮小 共同出資会社を解散へ :日本経済新聞

新設原発投資、7割減 世界の昨年、安全対策費が重荷 :日本経済新聞


これが世の中の流れです。技術革新が進んだ結果、原発はコスト的に他の発電手段に対してかないっこない原発が安いというのは30年前の脳みそですよ(笑)。
日本の経産省や電力会社がいくらあがこうとも、世界的な流れには逆らえません。原発でも基地でも『国に逆らっても仕方ない』という態度を取る人がいますけど、もっと大きな世の中の大局には逆らえません。政治家や経産省は今は原発にしがみついていますが、この国はいつか必ず手のひら返しをやるにきまっています(笑)。原発立地や関連産業の人たちも先を読まなくちゃいけないと思うんですよね(笑)。あまり好きな言葉じゃありませんが、それこそ、自己責任ですよ(笑)