特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『パフューム LIVE 3:5:6:9@武道館』&『安倍政権 NO! ☆ 1002 大行進 民主主義を取り戻せ!戦争させるな!』

今年はパフュームの結成15周年、メジャーデビュー10周年だそうで、ダンス大会や対バンなど10日間にわたってイベントが繰り広げられています。ボクが出かけたのは4日間ある武道館単独公演の1日です。

会場に入ると中央には何の装飾もない黒色のステージが置かれているだけです。いつもは何らかの舞台セットが置かれていることが多いので意外な感じがしました。ステージの様子は以下の様でした。
<セットリスト>
1.Fake it  
2.NIGHT TRAIN
3.COMPUTER CITY
ここいら辺りからエンジンがかかり始めます。メジャーデビュー2曲目の曲ですが、現在の曲に交じっても違和感がない名曲です。メジャーデビューして10年間経ちますがパフュームの本質は変わっていないことが良くわかります。
4.PICK ME UP
最新シングルの中で一番カッコいい曲。のっちがフィーチャーされます。パフュームの曲には珍しく、高く張り上げる声が新鮮です。
<3・5・6・9コーナー>
ここからは10曲のリストの中から、パフュームの3人と観客がサイコロを振って曲を選ぶ3・5・6・9(すごろく)コーナー
5.シークレット・シークレット
比較的初期の曲。演奏前にダンスの『指示書』を観客に見せて、振り付けの意図を解説したのが面白かったです。
6.スイートドーナッツ
当人たちが照れまくりのインディーズ時代のフツーのB級アイドルソング。リリースした当時は14歳。あ〜ちゃんは『14歳の気持ちに戻って歌う。プロ根性!(笑)』と言ってました。観客としてはレアな曲が聞けて単純に嬉しかったです。テクノでもないし今の彼らからしてみれば黒歴史扱いされても不思議ではない曲ですが、スーパーの売り場で歌った思い出を語る3人は楽しそうでした
7.微かなカオリ
8.TWINKLE SNOW POWDERLY SNOW
殆どライブではやってないそうだけど、これはピチカート・ファイブのテイストがあふれた名曲なんです。聞けてうれしい。今度はリリース当時の17歳の気持ちになって歌う、とあーちゃんは言ってました
9.彼氏を募集中
すごろくコーナー最後に当たった曲は、これまたインディーズ時代のアイドルソング。演歌風のイントロはまさにC級アイドル(笑)。だけど、この娘たちがやるとなんか楽しいです。

10.ゲーム
この曲から通常のセットに戻ります。360度の視線を意識した振り付けと重低音が響きます。
11.間奏〜PARTY MAKER
会場内を上下左右移動しながら激しく踊る彼女たちとステージセットにプロジェクション・マッピングを当てて幻想的な光景が武道館全体に広がります。これまたハードコアな重低音が格好いい。
12.DREAM FIGHTER
P.T.A.のコーナー
郷ひろみの『エキゾティック・じゃぱ〜ん』を歌わせたり、要は観客弄りです(笑)。ボクはあんまりおもしろいと思ったことがありません。でも海外公演のDVDを見ると外国でも日本語で同じことやって通用しているんですね。そのほうが面白い(笑)。
13.ワンルーム・ディスコ
彼女たちの足首につけたアンクレットがリズムと照明に同期して色々な色で点滅している。演出の細やかさに驚き。
14.チョコレート・ディスコ
クレーンにのって5メートルくらい持ち上がり、2階席の聴衆まで少しでもコミュニケーションを図ろうとする彼女たち。良く見ると足元のクレーンがぐらぐら揺れています。でも彼女たちは笑顔のまま、激しく歌い踊っている。すごい根性です。
15.PUPPY LOVE
テクノ・ガムランみたいなこの曲、可愛くて好きです。
<アンコール>
16.STAR TRAIN
ミディアムテンポの10月発売の15周年シングル。と言っても、ごく普通の地味目な曲で聞きどころはサビのエスニックなメロディでしょうか。この曲の良さはまだ良くわかりませんでした。

STAR TRAIN(初回限定盤)(DVD付)

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PERFUMEは昨年から今年にかけて海外ツアーをやっていたためか、今回は新しいアルバムも出ていません。個人的にはかなり、淡々とした気持ちで行きました。それでもレアな曲もたくさん聞けたし、何よりも3時間弱の公演で全く退屈しなかったので、やはり面白かったと思います。今回は360度に開けたシンプルなステージで3人娘が歌い踊るだけなんですが、すごく気合を感じました。歌もうまくなっているし、ダンスもいつもとは違う上からの位置で見ることが出来たので新鮮でした。観客が総立ちなので、3時間ずっと立ち続けなのは疲れましたが(笑)。

                                                               
ちょっと考察を入れます(笑)。この日あーちゃんは最後に『私たちはライブが楽しくて、そのために活動しているんです』と言ってました。そこまで思い入れがあるとは意外だったんですが、確かにパフュームはライブが一番面白いんです。
今回強く感じたのは、現代における身体性の問題です。パフュームのステージはコンピュータに打ち込まれた演奏データ(カラオケです)とそれに連動したライティング、それにエフェクトをかけたヴォーカルで構成されています。無機質というのがパブリック・イメージですが、シンプルなステージで激しく歌い踊る彼女たちを目の前で見ると無機質感は皆無です。
今回は特にそうでした。何もないシンプルなステージも、サイコロを振って曲をその場で決める試み(機械化されてない部分を受け持つスタッフは大変だったようです)もそうです。何よりもデータの演奏・ライティングに合わせて、こちらも寸分たがわず狂わない振り付けで踊る彼女たちの姿は、まるで人間が機械に対抗しているかの様でした。機械の激しいビートに、つま先までしゃっきり伸びたダンスと歌で対抗している。データに合わせてパフォーマンスする彼女たちは、逆にデータを自分たちの身体で使いこなしていると言ったら良いでしょうか。機械に使われているようで使いこなしている、この逆説的な感覚がこの日はいつもより一層 強調されていました。
                                                                          
今や我々はテクノロジー社会に生きています。電車に乗るのも、電話をするのも、ネットを使うのも、我々はテクノロジーなしには生きていけないけれど、時にはテクノロジーとそれがもたらす情報量に息苦しささえ感じます。またネットやスマホなどテクノロジーによって、個々に分断されて居るかもしれません。
彼女たちの存在は、そのような中で人間に何が出来るのか を示唆しているかのようです。それは機械と同化しつつも躍動するダンスであったり、エフェクトをかけたヴォーカルから時折こぼれる肉声であったり、ステージで垣間見せる彼女たちの人間性(性格の良さ)だったり、アリーナから2Fまで隅々の観客に対して懸命にコミュニケーションを希求する姿であったりします。現代社会を乗り越える一つのカギは身体性、昔風に言うと『実在』(笑)と言うのかもしれません。直近で言うとSEALDsの子たちのビートに載せたコールに共通するものすら感じます。我々はテクノロジーや思考が無くては生きていけません。でもそれだけでは生きていけない。もう一つ必要なもの、それは身体性なんだ、とおもいます。テクノロジー・情報過多だからこそ、ネットやTVなんか相手にしないで、現場へ行って自分の眼で見なければいけないのでしょう(笑)。


さて、今週も相変わらずロクでもないニュースばかりでした。
安倍晋三アメリカにお土産を持って行ったつもりがオバマに会ってすらもらえなかったり(笑)、移民と難民を間違えて世界中に恥を晒しましたアベノミクス唯一の成果、株はいつの間にか下がりまくって1万7000円を割り込みました。公的年金(GPIF)に株を買い込ませてまで株価維持に必死でしたが、とうとう化けの皮が剥がれた、というのが実態の様です。7〜9月期でGPIFは9.4兆円の損!だそうですよ。もちろん株に上がり下がりはつきもので取り戻すチャンスはあるでしょうけど、今年 株の運用割合を増やさなければ、こんなことにはならなかったこの損は皆の年金で埋めるのですからね。

●日経10月1日の紙面より

結局 アベノミクスなんて国民の生活にはメリットは殆どなかったと言うのが結論でしょう。最初から思った通り(笑)。でも、今はそれを批判するだけでなく野党もマスコミも国民も、自分たちだったらどうする、ということを考えなくてはいけません。
●前参議院議員水野誠一(木内みどりの旦那、西武百貨店前社長)のツイート。いちいち検証してないけど、嘘じゃないでしょう。ま、この人自体は非常に人間が軽いのでボクは大嫌いですが。

                        
あともう一つ、今週は自分では何もしなかったくせに、辺見庸という売文家が国会前に集まった人を非難して意味不明の文句を今更まき散らしているのを見て、すごく腹が立ちました(くだらないのでリンクしません)。警察と闘いもしないで何が安保法案反対だ、と言っているんです。辺見庸ってよく知りませんでしたが、自分では何もしないだけでなく、状況も理解しようともせずにクダラナイ文句をまき散らすウルトラ・バカだったんですね。批判はいいと思いますが、まず事実くらい裏付けをとった、まともな話にしろって。この人は国会前に子供や女性も大勢いることを知らないんでしょうか。安全だからこそ、多くの人が参加できるってことすら、時代遅れの脳味噌では理解できないらしい。何でも他人事の評論家然とした能天気な左巻きバカが偉そうに知識人面してるから日本はダメなんでしょう。それでも、バカには何を言っても通じない、ゼロに何をかけてもゼロだから、まあいいんですが(笑)、関連して少し考えることがあります。
                                              
ボクはなるべく自分と違う意見に触れるようにしているので余計に気になるのかもしれませんが(笑)、今 国会前の反対運動やSEALDsについて否定的に言われていることです。主に2つだと思います。一つは『デモより選挙』、もう一つは『反対運動は戦争法案とか決めつけるばかりで建設的でない
前者については『民主主義=間接民主主義と短絡的に考えているだけ』ですから、単純なミステイクです。デモや住民投票など直接民主主義も民主主義の手段の一つで間接民主主義を補完するものである、というのはよほどの独裁国でない限り、たいていの国で理解されていることです。そういうことを言ってる奴は、私はバカです、と言ってるようなものですが、そういう連中はマジョリティにはなりえないでしょう。
後者については、ヒステリックな反対をしてるだけのおバカちゃんがいるのは確かです。それも結構いる。でもSEALDsの子たちのスピーチを聞いたりパンフを読めば、全くそうでない人も大勢いることは直ぐ判ります。ですが、TVで国会前の光景を断片的に見るだけではそう風に思う人が居ても仕方がないかもしれない。TVって言うのは基本的に人間をバカにする道具なんだと思う所以ですが、現実にTVの前に座っているだけの人は大勢いるわけです。そういう人も一人一票持ってる、残念ながら(笑)。あまりにもバカな話は相手にする必要ないですが、マジョリティな反対意見はやはり耳を傾ける必要があると思うのです。
SEALDsの子たちが個人の立場で、楽しく&格好良く抗議をしよう、というのは成功したと思います。次にやらなければいけないことは、安保法案に反対する人が皆で議論の質を高めていくことです。どこかの『総がかり』のバカのように『頑張りぬきましょう』じゃなく、より戦略的にならなくてはならない。本番はこれからでしょう。


                                                                         
ということで、日比谷で安倍政権 NO! ☆ 1002 大行進 民主主義を取り戻せ!戦争させるな!
パフュームの話とデモの話、意地でも共存させてやる(笑)。沿道の眼を意識して、スーツをばっちり着て出かけました(笑)。

http://abe-no.net/1002/
                                           
反原連やSEALDs、それに各種組合など色んな人たちが実行委員会に入っている催しです。ボクはこの中のすべての団体の主張に賛同しているわけではありません。財政再建を考えれば適切な機会での消費増税は仕方がないと思ってますし(代わりに低所得者対策をすればいい)消費者にツケを回して金融業で儲ける既得権益団体、農協なんか単なる泥棒としか思えません(OECDによると日本の農家の収入の5割以上は補助金!)TPPは良い点もあるしリスクもある=判らない、と思っています。共産党系の組合が多いのも気に入りませんが共産党だろうが組合だろうが幟を立てているような奴ら、要するに個がない連中はボクは全て大嫌い)、まあ、安倍に反対だから、いいか(笑)。

今日は珍しく、日比谷野音で行われたデモ前の集会にも出てみました。45分と短いし(笑)。開始30分以上前に行ったのですが会場はぎっしりでした。
●集会の風景


開始前に高校生が合唱しました。ケセラと言う歌と何か広島がどうたらという歌(忘れた)。歌詞がポエムです(笑)。若いんならラップでもパンクでもやればいいのに。

開始の挨拶はミサオ・レッドウルフ氏、次に話したのは国会前でもおなじみの上智政治学者の中野晃一氏。彼によると今健闘している民主党の大統領候補者サンダース氏を支えているのはオキュパイ・ウォールストリートの人たちだそうです。

最後に各団体が一言ずつアピール。安保関連法案に反対するママの会とかも頑張っているんですね。だけど言うに事欠いて農協守れと言い出した奴が出てきたときは、さすがにトサカにきました。ふざけんな、泥棒!

                                                                
とまあ、色々書きましたけど集会というフォーマットとしては良かったです。何より時間が短いのが良い(笑)。会場の人もこういう集会にしては動員が少なく個人参加が多いからか、雰囲気は明るいし熱気がありました。国会前もそうでしたが、皆本当に怒っているけれどヒステリックになっている人は少ない。そして『忘れないぞ!』と思っている。最後はSEALDsの男の子がスピーチして、しっかり締めました。今日は遠く沖縄から来た人も含めて色んな人がしゃべりましたが、彼の個人的なコトバには誰よりも真剣さを感じました。



                                                
そのあとデモ行進に移ります。でも人数が多すぎて中々出発できません。今日の参加人数は主催者発表で2万人です!
出発するまで1時間近くかかったのですが、途中で反原連など主催者側が、先の方でデモ隊が渋滞してるので出発が遅くなります、と説明して回っていました。出発まで同じくらい時間がかかった9月23日の総がかり主催のデモでは主催者が出発待ちの人たちを完全放置していたのと対照的です。やる気が違う、としか言いようがありません。
日比谷公園にて。

このワンちゃんの写真はご自宅の子だそうです。

創価学会の人も居ました。『野党は共闘!』というコールの時は黙っていたのが面白かったです。

ボクのプラカード。デザインに走りすぎて、字が細かったのは失敗しました。

                                                     
残念ながらSEALDsのサウンドカーの梯団に入れなかったので、どっかの組合の街宣車のたる〜いコールでデモ行進しました(笑)。恐ろしくリズム感がないし(笑)、『ジュゴンを守れ』ってコールは悪い冗談かと思いました。個人的には賛成だけど沿道の人にはバカにされかねないじゃないですか。でも外部の人に呼び掛けようという姿勢はあったので、まだマシではありました。オールド左翼が全くダメなのを補って、何より参加者に熱気がある。お仕着せじゃなく若い人を中心に皆が自分の声を出している。これは今までのデモでも、あまり見たことがなかった光景です。やっぱり、雰囲気は以前とずいぶん変わったんだな〜と実感しました。
                                                  
あとはこの雰囲気をどう生かしていくか、でしょう。もっと多くの人を惹き込むにはどうしていくか。もっと多くの人に賛成してもらえるように主張をどう磨いていくか、と思っています。
●デモ風景。金曜の夜の銀座や新橋ですから大勢の人が見ていました。