特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

早く定年にならないかなあ:映画『最高の人生をあなたと』

経済界も東京電力の小間使いのような経団連の会長みたいな奴ばかりではない。 
いち早く城南信用金庫脱原発を訴えたり、スズキ自動車が浜岡原発の再稼動に反対しているけれど、脱原発を唱える中小企業のネットワークも立ち上がったそうだ。http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031590070655.html参加を表明している中には蒲鉾屋さんとかはちみつ屋さんとか聞き覚えがある企業も入っている。これから詳しいことが判ってきて(主旨に納得したら)、参加社名を良く覚えておいて是非応援しようと思っている。それぞれが自分のできることをやるのが大事なんだと思う。
                                            

                           
                                            


メリル・ストリープサッチャー映画は見るべきか、ちょっと迷う。(ケン・ローチ監督に『私は戦争屋とは握手したくない』と握手を拒否された)中曽根が試写を見て『サッチャーはもっといい人だった』という主旨の感想を述べたそうだから、バカな映画じゃないんだろう。だけど、やっぱり極悪人が主人公の映画を見たらムカつきそうだしなあ。そういう人が多くて、英米での興行はこけたらしいし。
              
そういうことで(笑)、渋谷で映画『最高の人生をあなたと
http://saikou-jinsei.com/pc/
この邦題はダメ。原題の『Late Bloomers』(遅咲きの花たち)のほうがはるかに想像力をかきたてるのに。

アラフォーならぬアラ・シックスのカップル、建築家の夫(ウィリアム・ハート)、元教師の妻(イザベラ・ロッセリーニ)、社会的にも肉体的にも老いを迎えつつある夫婦を描いたコメディ。
建築家の夫は過去の栄光を忘れられず、自分の事務所の経営を助けるために老人ホームの設計をするより、若いアシスタントたちを集めカネになるかどうかわからない美術館のコンペに夢中になる。物忘れがひどくなった妻は医者の薦めで、スポーツクラブ通いやボランティアを始めるが、回りの若い人たちとしっくりいかず、いらいらしてばかり。いつか二人の間に隙間風が吹き始め、それぞれ情事に走ってしまう。既に独立した子供たちは懸命に二人の関係を修復しようとする。そんなお話。

チリのサルバドール・アジェンデを支援しようとする左翼カップルの夫婦喧嘩に巻き込まれた少女を描いた『ぜんぶ、フィデルのせい』のジュリー・ガヴラス監督(コスタ・ガヴラスの娘)の新作。前作『ぜんぶ、フィデルのせい』は主演の女の子のしかめ面がマジで可愛い、楽しい映画だった(たぶん、監督は自分の家のことを描いたんだろうな)。
●女の子のしかめ面に無条件降伏(笑)

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この映画も監督は年老いた両親の姿を見ながら描いたそうだ。
年齢による衰えというものが丁寧に描かれていて、それでもイザベラ・ロッセリーニロッセリーニ監督の娘さんだったんだ!)とウィリアム・ハート60代の二人がとてもかわいらしいウィリアム・ハートの目じりの皺と優しい目元は印象的だし、イザベラ・ロッセリーニは疲れた表情とチャーミングなところとの落差が魅力的だ。何と言っても、いい年こいたふくれっつらが可愛い。それでいてフェミニズムの話がさらっと出てきたりする。イギリス人と結婚したイタリア人という設定も、この映画に一貫して流れる、『国籍も年齢も関係ないよ』という風通しの良さ、に通じていたと思う。


ボクなんかは仕事もうんざりだし、人付き合いも嫌いだし、とにかく一刻も早くリタイアしたいと思ってるから、この映画で現役にしがみつこうとする二人の気持ちは良くわからないところもある。もちろん肉体の衰えや健康の問題は重要だ。だけど若さっていうのはバカさの裏返しでもあるから、年を取るのはそんなに悪いことではないはずだ。
チャーミングなお年寄りはいいな、と思う。その年齢なりのかわいらしさとか色気って、確かにある。髪の毛が薄くなっても、物忘れがひどくなっても、余分なお肉がついてきても、それなりの良さがある。若い人に遅れまいとアクアビクスに励むロッセリーニさんの水着姿も素敵でした(笑)。ボクは60歳になってもPerfume行くぞ!(笑)。


それにしても、早く定年にならないかなあ。目指せ、毎日が日曜日。早く来い、来い、映画見放題&エレキギター弾き放題のリタイア生活。 そのためにも、とにかく体だけは鍛えておかないと(泣)。
軽くて楽しい映画でした。