先週 東北地方の工場へ行ってきた人の話を聞いたら、やはり東京から来た人は現地の人から距離を置かれると言うか、冷たい視線を注がれるので(笑)、夕食で外出なんかとんでもない、昼食も別室で出前を取ったそうです。
他にも関西へ出張して駅で乗ったタクシーで運転手さんに『どこから来られたんですか』と聞かれて、正直に『東京から来た』と言ったら運転手さんが無言になってマスクをした、という人もいました。
まあ、現地の人の気持ちは判ります。でも地方の経済だって東京のお金がなければ干上がってしまいます(笑)。
東京のウィルスの拡大は既に4月中旬のピークを越えました。あまりニュースでは流れませんが、学校や病院、会社で何人も感染している話はしょっちゅう耳にするようになりました。
そんな時に巨費をかけて旅行促進のGO TOキャンペーン、というのは全く理解できません。一部では修学旅行すら中止してるのに。
一方でGo To Campaignとして、旅行に行くことを推奨しながら、
— 原田謙介@岡山 (@haraken0814) 2020年7月13日
その一方で一生に一回の修学旅行が中止となる中学3年生がいるんだよ。
この矛盾が全く納得できない。
修学旅行中止自体は苦肉の策だと思います。だからこの決定自体を単純に批判するつもりはない。https://t.co/4r5xVyqvHB
続く
まあ、個人的には修学旅行なんかどうでもいいですけどね。集団行動が大嫌いなボクには24時間逃げ場がない修学旅行なんて超ユーウツどころか、最悪の体験、拉致監禁みたいなもんでした。
役人は記録は隠すは、偽証はするは、政治家は無能なだけでなく責任すら取らない。パンデミックが起きてもまともな対策をとれないだけでなく、国民はそれを見て見ぬふりで半分が棄権する。挙句の果てには医療のような社会の仕組みが根本から壊れ始めている、それが2020年7月の日本の光景。
今この局面での医療従事者、「なんか稼ぎすぎちゃって悪いなぁ〜」ってなるくらい手厚い報酬をゲットして儲かりまくってレディプレイヤー1のラストみたいな絵面になっても誰も文句言わない(言えない)数少ない存在だと思うが、なんでこんな真逆のことになっちゃってるんだ…https://t.co/4JLjVAzlgn
— ぬまがさワタリ@『ふしぎな昆虫大研究』 (@numagasa) 2020年7月13日
●それだけだと哀しいからスイーツも。この前食べて美味しかったスイカのリキュール漬け。これは家でもやってみる予定。上にはヨーグルトのムース。
と、いうことで、恵比寿で映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』
ニューヨーク郊外の名門大学に通うアシュレー(エル・ファニング)。大学新聞の取材で有名映画監督のポラード(リーブ・シュライバー)のインタビューをすることになり、恋人のギャツビー(ティモシー・シャラメ)と一緒にマンハッタンへやってきた。NY生まれのギャツビーはアリゾナ生まれのアシュレーを街の名所に案内するつもりだったが、ポラードが失踪したり、様々なトラブルに見舞われ、アシュレーと離れ離れになってしまう。やけくそになったギャツビーは街角で元カノの妹(セレーナ・ゴメス)に出会うのだが。
longride.jp
御年85歳のウディ・アレンの新作です。と言っても、今作は#MeToo運動のあおりでアレンの過去のセクハラ疑惑が再び明るみになって、アメリカでは公開されていないそうです。
ウディ・アレンは監督作だけでも50本以上、ほぼ年2本というはハイペースで量産されています。基本的にはボクはすべて見るようにしています。
パターンはほぼ同じです(笑)。悲劇にしろ、コメディにしろ、お洒落で質の高い上品な笑いと人生に対するシニカルな視点。
どれもが良いというわけではありませんけど、70代、80代になっても『ブルージャスミン』や『ミッドナイト・イン・パリ』や『マッチポイント』のような大傑作、特に最近でも『カフェ・ソサエティ』や『女と男の観覧車』みたいな素晴らしい作品があります。
5本のうち1本くらいは傑作だし、残りもほぼ外れはないですから、大したものです。
しかもアレン作品には売れっ子俳優が、(アレン本人曰く)組合の最低ギャラで(笑)出演を自ら志願してくる。見る方にとっても、楽しい。
今作も注目の男前、ティモシー・シャラメ、演技派として引っ張りだこのエル・ファニングが出演、しかも久方ぶりのNYを舞台にした作品です。
お話は上流階級の美男美女を主人公に、カーライルやピエールなどのNYの超高級ホテルや上流層が集まるパーティーなどが舞台です。
前作の『女と男の観覧車』は労働者階級の物語でしたが、今作は日本人には想像すらできない超金持ちの世界。地味だけど、ホテルもパーティーもレストランも、部屋の調度品も地味だけど考えられないくらい金がかかっている(笑)。
いつも思うのですが、ウディ・アレンが描く金持ちの世界は半端じゃない。労働者階級の物語から超金持ちまで、この振れ幅はすごい。現実に見たらムカつく可能性大ですが、映画の中なら単なる目の保養。『ああ、すごいなー』で済みます(笑)。
そういう金持ちの世界の話ではありますが、男女の悩みは一緒。運命に翻弄されたり、他の男や女に惹かれたり、またよりを戻したいとおもったり、未練がましく言い訳したり(笑)。
エル・ファニングという女優さん、すごく美人というわけではないけど(首が長すぎ)、演技も表現も素敵でボクは大好きです。この人が出ているというだけで、ボクは映画を見に行きたくなる。
今作もフロリダの人の良い田舎娘(でも育ちの良い金持ち)をバランスよく演じています。頭も良く自立心もあるけれど、華やかな世界にも憧れるし、ちょっと浮気もしてもいいかなとは思ってる。でも育ちも良いし、性格もおっとりしてるから下品ではない。なかなか難しい役柄ではないでしょうか。
ただ、いくらエル・ファニングの演技が素晴らしいと言っても、お話として二十歳そこそこの娘に50代、60代の有名映画監督だの、映画スターだの、脚本家だのが寄ってくるわけねーだろ、とは思いました、そこはウディ・アレンがロリコンだからでしょうか(笑)。
●当人にその気はなくても、こんな娘がNYにいると色んな男が寄ってきます。この何気なさがエル・ファニング嬢の演技力です。2枚目のおっさんはジュード・ロウ
そしてシャラメ君の元カノの妹役のセレーナ・ゴメス、最初から最後まで熱烈なキスばかりしていた感じがしますが、この子もかわいかったなあ。
そして今作でのティモシー・シャラメくん。先月見た『わたしの若草物語』でもそうでしたが、美形であるだけでなく、賢そうだし、繊細だし、好感持てるんですが、今作では本当にかわいかった(笑)。殆どヒロインです(笑)。
もちろんこれだけ美形だから成り立つ話ではあるんですが、ある意味 男らしさなどの旧態依然としたセックス・ロールをぶち壊していて素晴らしいと思う。
いつもちょっと猫背。仕立ての良いジャケットを無造作に羽織って、白いスニーカー姿で超高級ホテルや上流階級のパーティーからNYのいかがわしい賭博場を闊歩する。
ピアノの弾き語りのシーンは本当に素晴らしい。実際にピアノはかなり上手いらしいですが、今作は弾いてないかも。歌は素人っぽいけれど、儚げで実に味がある。これは惚れてしまう女性ファンが大勢いるのも納得できます。ピアノシーンだけでもDVDも買っちゃおうかという誘惑にかられます。
登場人物たちは夕陽のような美しい光線で照らされています。美しいNYの街で、美男美女が、センス良く美しい映像で捉えられている。
題名は『Rainy Day』で、実際 雨のシーンも多いんですが、そっちはあんまり印象に残らなかった(笑)。
いつものアレン節、あっと驚くようなキレはありませんが、美しく、楽しく、だけどどこか物悲しい挽歌のような作品なのが象徴的でした。
楽しかったです。
ティモシー・シャラメにエル・ファニング!ウディ・アレン監督『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』予告編