特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』

 楽しい楽しい3連休(笑)。文字通り、命の洗濯です(笑)。いつもこんなにゆったりした精神状態でいられたらなあ。
 梅雨の中のじめじめした3日間でしたが、夜になると涼しげな光景が見られるようになりました。

 いつものことですが、楽しい日々が過ぎるのは本当に早い。


 9月にボブ・ディランの74年のライブの完全版が出る、と聞いて狂気乱舞したんですが、なんとCD27枚組431曲だそうです(笑)。それだけ聞いたら気が狂うんじゃないか。少なくとも演奏の違いは絶対わからない(笑)。
 でも買っちゃうだろうなあ。我ながら残り少ない人生だもん。

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 以前に出た75年のライブ、ローリングサンダー・レビュー14枚組は勿論素晴らしかったのですが、演奏日による違いなんか殆ど判りませんでした(笑)。

 都知事選の残像。鳥取もそうですが、山陰地方の知事はどうしてまともな人ばかりなんだ。

 自民党推薦の知事なのに!

 高校生の時 議員会館に行って、当時 参院議員の中山千夏氏に学校新聞のインタビュー(笑)をお願いした際 自民党政治を批判する急先鋒でもあった彼女が『人間としては社会党共産党より、自民党の議員のほうがまともな人が遥かに多い』と仰っていたのを思い出します。今は例外も多そうですが(笑)。

 レイシストや奴隷臣民は別ですが、人間の価値はイデオロギーとは関係ありません。品性下劣な朝日なんかさっさと潰れてしまえ

 今に始まったことではないけれど、都知事選では限界左翼の害悪が一層明確になりました。頭が腐っているだけじゃなく、死臭が漂い始めた。

 もちろん 共産党も。旧日本軍とそっくりで、連中の辞書には『反省』や『総括』という文字はない。あ、『総括』は除名するときにはやってるけど(笑)。クズ集団(笑)。


 と、いうことで、日比谷で映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断

 1940年10月。イタリア海軍の少佐サルヴァトーレ・トーダロ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)が艦長を務める潜水艦コマンダンテカッペリーニは、通商破壊作戦のため地中海からジブラルタル海峡を経由して大西洋に向かった。そこで船籍不明の貨物船から砲撃を受け、逆に撃沈する。中立国ベルギーの貨物船が国際法を違反してイギリス軍への武器を輸送していた。しかし、館長は貨物船の乗組員を救助し最寄りの港に送ることを決断した。しかし狭い潜水艦では救助した人を数十人も乗せた状態では潜航することも難しい。果たして潜水艦の運命は。

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 昨年のベネチア映画祭のオープニング作品。第2次世界大戦時のイタリア海軍の潜水艦コマンダンテカッペリーニにまつわる実話を映画化したもの。

 主演はイタリアの名優、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。最近のイタリア映画は殆どこの人が主演じゃないかと思えるくらい、良く出てくる人です。とにかく、顔が濃い(笑)。
 

 1940年10月、コマンダンテカッペリーニ号は大西洋で連合国の輸送を妨害する通商破壊作戦に出撃します。艦長はサルヴァトーレ・トーダロ。搭乗していた軍用機の事故で重傷を負い、コルセットで痛みを抑えています。
 元来だったら名誉の負傷者として出撃する必要がない身ですが、美しい妻を家に残し、艦長は新たな作戦に加わります。

 地中海の入り口、ジブラルタルには今も昔もイギリス海軍の巨大海軍基地があり、船の出入りを見張っています。哨戒機と機雷が設置され、潜水艦にとっては難所でした。やっとの思いで海峡を突破、大西洋に出るとカッペリーニ号は国籍不明の貨物船を発見します。果たして貨物船は発砲してきます。
 カッペリーニ号が反撃すると貨物船は大火災を起こして沈没します。武器を積んでいたのです。

 

 朝になると、カッペリーニ号は貨物船の乗組員たちが乗った救命ボートを発見します。沈めた船は中立国ベルギーの船だったことが判ります。中立国の船が武器を運ぶのは国際法違反です。

 にも拘わらず、艦長は乗組員たちを救助することを決意します。しかし食料も不足しているし、狭い潜水艦に乗組員たちを乗せる場所はありません。安全な港までボートを曳航していくことにしますが、途中でボートが沈没、仕方なく乗組員たちを艦内と甲板に乗せることにします。もはや潜水艦は潜ることができません。カッペリーニ号はどうやって港までたどり着くのか。

 戦争映画ですが、派手なアクションや戦闘シーンなどは殆どありません。まして戦争の美化などとは程遠い、ひたすら人間を描くドラマです。

 沈めた船の乗組員を軍艦に載せることは軍規違反です。自分たちの生命を危険にさらして、なおかつ軍法会議にかけられるリスクまで覚悟して、艦長はなぜ貨物船の乗組員たちを助けたのか。映画は問い続けます。
 艦長役は名優ピエルフランチェスコ・ファヴィーノですから、見ごたえは充分です。かっこいいし(笑)。

 イタリア人気質が濃厚に描かれているのも面白い。北部出身と南部出身の乗組員がキリストの拝み方で本気で喧嘩するシーンがあったり、食べ物にやたらと執念を燃やしたり(笑)。

 潜水艦には蓄音機が常備され、子犬まで乗っています。日本軍とは大違いです。彼らは人生を楽しむことを忘れない。潜水艦内で面倒なニョッキを作るなんて他の国では考えられないでしょう。戦闘中なのに、セモリナ粉と小麦粉の区別までうるさく指示している。


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 過酷な戦争をやっているけれど、彼らは滅私奉公なんてする気は全くない。あくまでも個人の考え、生き方を彼らは忘れません。

 誰か歴史家が言ってたんですが、第二次世界大戦ではイタリア軍はやる気がなくて近代兵器を持っていないエチオピア軍に負けるくらい弱かったが、特殊潜航艇などを使った個人単位のゲリラ戦や国土を取り戻すためのドイツ軍との戦いではめちゃめちゃ強かったそうです。

 個人が信じるもののためなら本気になる。戦うなら自分、もしくは家族のため。イタリア統一前は1000年以上も地方分権国家だったイタリアです。中央集権の国が言ってること、ましてムッソリーニの言ってることなんか適当にあしらっている(笑)という感じでしょうか。

 輸送船の乗組員たちに艦長が『ファシスト!』と罵られるシーンがあります。この時だけは激怒した艦長は『俺はファシストじゃない。海の男だ!』と言い返します。薄っぺらなレッテル貼りなんか許さない。彼らは軍人である以前に、あくまでも個人なのです。

 ひたすら人間を問い続ける映画です。かなり面白かったです。
 エンドロールでは料理担当の兵士がイタリア各地の料理名を延々と唱え続ける声が聞こえてきます。潜水艦の中で、そうやって彼らは食料不足を耐えていたのです。こんな戦争映画ないでしょう(笑)。最初から最後までイタリア気質が濃厚な映画でした(笑)。


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